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Re: 石井紘基衆院議員と犯人・右翼暴力団
http://www.asyura2.com/0311/nihon10/msg/1293.html
投稿者 池田一貴 日時 2004 年 1 月 11 日 14:43:34:mhrx/dvuoC3BE
 

(回答先: 石井紘基衆院議員と犯人・右翼暴力団 投稿者 なるほど 日時 2004 年 1 月 10 日 10:28:49)


なるほどさん、こんにちは。

 私は、フリージャーナリストの池田一貴と申します。
 あなたが「石井紘基衆院議員と犯人・右翼暴力団」(http://www.asyura2.com/0311/nihon10/msg/1288.html)において一部写真引用された「フライデー」の記事を執筆した者です。

 事件発生後、犯人の伊藤白水と十数回も接見(面会)し、犯人の告白をじかに聞き、犯人から多数の手紙をもらったのは、国選弁護人を除けば、私だけです。(弁護士は一切のマスコミ取材をシャットアウトしています。)

 私は伊藤白水の直接の話と手紙に基づいて、「フライデー」に2度、記事を書きました。もちろん公判も、欠かさず傍聴しています。

 事件から1年以上もたったこの時期に、なるほどさんが石井紘基代議士刺殺事件に関連した話題を、「阿修羅」に立て続けに投稿しておられるのは、日本のイラク派兵や軍事への傾斜と石井事件との関連(呼応)を暗示したいからではないかと推察しますが、その点はさておき、刺殺事件そのものに関する私個人の見解を披瀝して、ご参考に供したいと思います。

 その前に、私が「フライデー」に書いた記事を、ここに再録しておきます。1年前の記事ですし、読んでいない方も多いことでしょうから、全文をご紹介しておきます。(著作権者である私自身が引用するのですから問題はありません。)

 被告人・伊藤白水は、現在では自分のことを記事に書かれることを嫌がっていますが、私としては機会があれば、取材結果をまた記事にするつもりでいます。伊藤は今も、私との面会にだけは応じますし、手紙も書いてきます。

------------【以下「フライデー」2003年1月10・17日合併号】------------

■記事(1)■

(副題)「オレは落ち着いてトドメを刺した!」衝撃肉声を入手
(題)「石井紘基(代議士)刺殺犯(伊藤白水被告)」が接見で明かした“殺しの真相”
(取材・文)池田一貴

「オレはこう(両手で垂直に刃物を突き刺す仕草をしながら)、トドメを刺して、包丁を石井の胸に刺しっぱなしにしておいたんです。だけど、(死にきれなかったのか)あとで本人が抜いたみたいですね。確実に殺したはずだったんですが」

 警視庁3階にある接見室で、伊藤白水被告(48)はそう語った。10月25日、東京・世田谷区の住宅街で、自宅から出てきた石井紘基代議士(61・当時)を刺殺したとして、翌26日に警視庁に出頭し、逮捕された右翼団体代表である。

 12月中旬、私は2回にわたって伊藤被告と接見することができた。ガラス越しに面会した伊藤被告は、血色もよく実に健康そうで、口ぶりも冷静だった。

「(石井代議士を襲撃した後は)1日だけ逃げるつもりでした。高尾山でクビを吊ろうかとも思いました。でも、面倒くさくなっちゃって」

 この事件で捜査本部がもっとも関心を示したのは、殺害の動機である。これまで報道では、伊藤被告がアパートを退去させられることになり、石井代議士に泣きついたところ、「選挙カーの中で寝たら」といわれ激昂した、などと報じられた。ただ同時に、それだけで旧知の代議士を惨殺できるものなのか、疑問の声が上がっていたことも事実である。いったい、本当の動機はどこにあったのか──。

「確かに、いまカネがないから20万〜30万円貸してくれ、と石井に頼んだことはあります。でも、それを断られたことが動機じゃない」

 伊藤被告がいうには、あくまで殺害の動機は「思想的対立」だという。しかし、では具体的にどんな対立があったのかを尋ねると、その点は曖昧でまったく要領を得ない。ただひたすら、開き直ったかのような言動と、石井代議士の人格批判を繰り返すのである。

「(自分について)ヒットマン説、身代わり出頭説、その他諸々の説があるんでしょ。しかし、私は確信犯です。冤罪じゃない。殺意を持って計画を練り、石井を殺害した。法廷で争う部分はない。だから本当は弁護士も不要なんです」

「世間じゃ、殺された人間は善意の良い人、殺した人間は悪党になるわけですから、何をいわれようとしかたがない。ただ新聞が石井を『正義の人』なんて書くと、ふざけるなと思う。裏じゃ汚い部分も多々あったんだから」

 そんな被告の発言のなかで、私がひっかかったのは次のような言葉だ。

「検事との話で、殺人の動機にカネの問題は絡めず、思想信条の食い違いで殺ったことにしよう、と(決めた)」

 微妙な言い回しである。これではまるで、本人が強調するのとは裏腹に、思想以外に金銭的な動機があったことをほのめかすようなものだ。被告はあえて、「思想犯」を装っているのではないのか。

 疑問を感じ、重ねて動機を追及するうち、被告はこんなことを漏らした。

「石井の細かいウソが重なったのが原因ですよ。最後には『家が抵当に入っていて、カネがない』なんて見え見えのウソをつくようになった。それで、今年(02年)1月ころから、あの野郎、殺らなきゃダメだと考え始めたんです」

 やはり、「カネ」が動機だったと認めたということなのだろうか。では、彼が石井代議士を「殺ろう」というほどに激昂した問題とは何だったのか。そのヒントとなるのは被告の次のような言葉だ。

「オレの仲介で、(大物右翼の)Aさんから3000万円のカネが石井に渡っていたんです。半分の1500万円はオレの取り分だったが、別にカネに困っていなかったし、石井は当時2億円以上の借金で苦しんでいたから、とりあえず大半を使わせてやりました」

 伊藤被告が口にしたA氏とは、知る人ぞ知る超大物右翼である。歴代政権の運営にも多大な影響を与えてきたといわれる人物だ。被告は以前から、このA氏を「師」のように仰いできた。

 実は犯行の数日前、伊藤被告が知人のもとを訪れ、「ある男に数千万円の貸しがある。しかし相手は、家が抵当に入っているといって返してくれない。謄本を調べたら、抵当の話はウソだった」などと話していたことが私の取材で明らかになっている。あるいは、このA氏の存在が、惨劇の背景にあったのではないか。

 ただし、これを伊藤被告にぶつけてみたところ、彼は「関係ない!」と否定した──。

 今回、接見室で伊藤被告が語ったさまざまなことを、石井代議士の未亡人・ナターシャさんに伝えると、夫人は時折こみ上げる涙をこらえながら、抑制された口調でこう語ってくれた。

「犯人の人間性のことは事件後いろいろと聞きましたが、まともに生活をしてきた人ではなく、ただおカネがすべてという人だと思っています。そんな人が何をいおうと、信用はできません。事件についても、本当のことをいっているとはとても思えません。これから裁判が始まっても、どうやったら同情が得られるか、計算して、演出していくつもりなのでしょう。そうして、どこの誰からかは知りませんが、おカネを引き出して、あとで優雅に暮らしていくつもりなのではないでしょうか。でも、私や娘は犯人を絶対に許しはしません」

 伊藤被告の初公判は、年明け早々に予定されている。その場でいったいどんな新事実が明らかになるのか、注目したい。

------------【「フライデー」2003年1月10・17日合併号おわり】------------

-----------------【以下「フライデー」2003年2月7日号】------------------

■記事(2)■

(副題)「血がワイシャツに染み込んで……」凶行現場を再現
(題)初公判 石井紘基(代議士)刺殺犯(伊藤白水被告)「獄中からの手紙」を衝撃公開
(取材・文)池田一貴

《10月25日 10時25分頃
「決行」(犯行時間は4〜5分くらい)
 石井氏と自宅の庭にて相対す。石井氏は小生の顔を見ると「オウ」と声を出す。何が「オウ」だ!
 私は肩から下げていたバッグから包丁を出し、右手に持って、刺し殺すつもりで前に1〜2歩進んだ》

《石井氏が驚いて、「なんだ、なんだよ!」と声を出しながら2〜3歩後ろに下がり、向きを変えて逃げ出した。だが、(庭に駐車していた)妻の車の前に回り込もうとしたところ、庭の段差に足を取られて前のめりに倒れこむ。この時、石井氏は「おーい、おーい」と7〜8回大きな声で叫んだ》

《私が背後から石井氏の左肩に手をかけると、石井氏は仰向けになった。私は馬乗りになり、右手に持っていた包丁を大きく振り上げ、心臓めがけて一気に振り下ろした。石井氏は両手で私の右手を掴んでかなり抵抗し、2〜3度押し引きした。私は左手に包丁を持ち替え、もう一度心臓を狙って一刺し。石井氏の胸の部分がやけに大きく見えた。石井氏の両手の力はかなり強かったが、包丁を奪うほどではなく、顔は恐怖で引きつっていたが、諦めたようにも見えた》

 これは、昨年10月25日に東京・世田谷で起きた、石井紘基代議士(享年61)刺殺事件の犯人、右翼団体代表・伊藤白水被告(48)が獄中で綴った、惨劇の再現シーンである(一部要約)。伊藤被告は事件の翌日、警視庁に出頭して逮捕されたが、それ以後、私は被告と10回近い接見を重ね、被告が凶行に至った動機と経緯を探り続けてきた。紹介するのは、被告が私宛てに綴った、4通の手紙の内容だ。

《石井氏の胸に包丁を刺し、柄まで深く刺し入れたとき、血がワイシャツに染み込んで少し赤くなった。包丁を抜くと大量に血が出てくると考え、そのまま刺し入れたままにして立ち上がった。この時は返り血が付いていないと思ったが、後で服を脱ぐとヤッケの右袖に少量の血が付いていた。現場から立ち去るとき、運転手が小生に2〜3歩近づいたが、睨みつけると、道を開けるように後ずさりしたので、運転手の横を早足で通りぬけ、停めておいたバイクで駅に向かった》

 手紙の中で、被告は凶器の包丁を世田谷区内のショッピングセンターで買ったこと、犯行時にしていた黒い革手袋は兄の遺品であること、凶器は包丁の他にインド製のグルカナイフ(「く」の字形に曲がった大型ナイフ)、手裏剣18本を用意していたことなどを明らかにしている。手裏剣は過去3年間、自宅や近所の公園で毎日練習したおかげで、3間(5m強)の距離から狙ったところに刺せるようになった、というから驚く。

 他にも被告は、犯行前に「長いお別れになる」と覚悟して幾人かの知人に会いに行ったり、右翼らしく、武蔵野の昭和天皇陵に「世間をお騒がせするかもしれない旨のご報告」に行ったことなどを、手紙で明らかにした。

 犯行の前日は新宿の簡易宿泊所で一夜を過ごし、「確実に殺害を成功させるためにはどうすればよいか、何度も頭の中で相手の動きを計算し、相手が油断するよう工夫した」という。その夜、テレビでお気に入りの映画『クロコダイル・ダンディー』が放送されていたのを見て、「幸先がいい」などと考えたと記している。

 ただ、『FRIDAY』1月10・17日号でも触れたように、この事件の最大の謎、代議士殺害の「動機」については、手紙にも納得できる説明がない。この点は、接見で私は何度も被告に尋ねたが、彼は曖昧な返答を繰り返すのみである。

 手紙の中で、伊藤被告が動機らしきものに触れているのは、事件の10日前、石井氏が衆議院の災害特別委員長に就任することを新聞で知って、次のように「憤った」というくだりだけだ。

《委員長になれば、国会から公用車が与えられ、委員長室もあてがわれる。ふざけた話だ。あんな嘘つき野郎が、国民の税金から歳費を3300万円も支払ってもらい、秘書を3人も国費で雇い、政党助成金まで受け取る。私に言わせれば、そんな価値があるのか》

 被告は石井氏をひたすら「嘘つき」と罵り、非難する。では、いったい何がどう「嘘」だったのか、肝心な点に迫ると、とたんに要領を得なくなる。

 しかも、被告は石井氏の遺族であるナターシャ夫人や、娘のタチアナさんに対し、謝罪の気持ちはまったくないという。代議士殺人というテロ行為について「反省」の様子も見られない。むしろ「確信犯」であることに酔っているかのようでもある。例えば、現在の心境をこう記す。

《今回の行動は、自分自身に対する「区切り、けじめ」のような気がします。私も日本男児ですので、自分の行動がどんな結果になろうと覚悟しています》

 なぜ石井代議士を殺すことが「けじめ」になるのか、その点を明らかにしなければ、この言い分をそのまま受け入れることはできない。

 折しも1月21日、東京地裁で伊藤被告の初公判が開かれた。法廷に黄色のジャンパー姿で現れた被告は、終始傲然とした態度を崩さず、遺族の大きな怒りを買った。法廷で今後、事件の核心部分が明らかになることを期待したい。

(※この記事には、事件現場の図解をした伊藤の手紙も掲載した)

----------------【「フライデー」2003年2月7日号おわり】----------------


 以上の2つの記事から、ほぼ1年がたったわけですが、動機が完全に解明されたわけではありません。

 公判では、当初「事実については争わない」と言っていた伊藤白水が、検察側の冒頭陳述を聞いて激怒し、「取り調べの検事と交わした約束が違(たが)えられた」と、動機部分について起訴状は間違っていると争い始めたのです。

 その後、ほぼ毎月1回の公判では、被告人側が捜査担当の検事の証人喚問を要求したりして、まだ結審には至りません。ただ、検察側も公安警察も、事件は伊藤白水の単独犯行で、依頼人などはない、という判断をしていることは間違いありません。

 私もまた、95%以上の確率で「伊藤単独犯行説」を支持します。

(※長くなりましたので、その理由については別便で説明します。)

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