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「未来」をください -- 世界の難民の子らに [川中島合戦場]
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投稿者 なるほど 日時 2004 年 6 月 12 日 11:39:52:dfhdU2/i2Qkk2
 

(回答先: 平和と平等をあきらめない 高橋哲哉・斎藤貴男 共著 投稿者 なるほど 日時 2004 年 6 月 12 日 00:35:31)

みなさん、こんにちは。

イラクで襲撃を受け亡くなった橋口信介さんの周辺の人々が、気骨のジャーナリストの遺志を受け継ぎ、左目を負傷したモハマド少年が来日。先般、沼津の聖隷病院で手術を受け、半年後には視力を回復するとのことです [1]。ここ数ヶ月イラクから送られてくる米軍による数え切れないほどの残虐事件の映像は、新自由主義の身も蓋もない弱肉強食の市場原理が、人間の精神を際限もなく頽落させるかという見本でした。人間のあらゆる営為を単一の尺度で測れる質的差異に還元してしまうネオ・リベラリズムの世界では、あらゆる人間が社会のパーツと見なされ、恋愛でさえ、早晩互いの合理的計算に依拠したゲームや契約行為になってしまうでしょう。

昨日の『週刊金曜日』(6/11号)には、「現役自衛官に“総理番記者”をやらせていた『産経新聞』」[3] という、力のこもったレポートが掲載されていますが、その『産経新聞』(6月12日付)は、多国籍軍を「有志連合」などと、あたかも学生のサークル活動のような印象を与えるソフトな用語で、単なる看板の掛け替えに過ぎないイラクの米軍支配を糊塗しようとしています。イラク関係情報においては、「民間警備会社の社員が襲撃される …」といった類の報道を頻繁に目にしますが、この言い回しも曲者です。米軍が雇い入れた「民間警備会社」とは、実は《傭兵》集団であり、ブラックウォーター社などの雇い人とは、米特殊部隊の元メンバーであり、即席で錬成された新兵など比較にならない戦闘能力を有した非正規の戦闘要員なのです。「イラクで民間警備会社の社員が襲撃される …」などという報道を聞けば、「民間人を襲撃するテロリスト」というイメージだけが一人歩きしますが、それは眉唾物なのです。

さて、日本の政界を頽廃させている「ワンワード・ポリティクス」に見え隠れするように、政治家の陰でマーケッティング・コンサルタントや広告会社が政治実践を担う兆候は、すでに世界各国で見られる現象です。市場原理に人間の「知」が支配され、公共空間が企業心に彩られた「欲望の体系」に退化しようとしています。国民に背番号が振られ、街中では監視カメラで見張られ、子供たちの内面が『心のノート』によって統制され、ビラ配りで逮捕される日本で、国民が目に見えぬ檻に閉じこめられようとしています。

学校では進学を餌に生徒間の競合を煽り、企業側のみに都合が良い流動的な雇用形態の案出によって疑心暗鬼の労働者が互いに足を引っ張り合って権力に依存するように仕向けられています。こうして、国民を「国策に従うのが義務」「従っていた方が利益になる」と洗脳し、自発的な服従に導いて、進んで「支配されたがる」愚民を量産すること、これが日本の教育現場を荒廃させた《ゆとり教育》の正体でした。先般の長崎における女児殺人事件において、加害女児が閲覧していた「バトル・ロワイヤル」という映画が取り沙汰されています。しかし、映画の影響を受けた殺人という推測は、事件の実態を取り逃してしまうでしょう。そうした発想では、「検閲」の強化と監視カメラの設置という管理社会を強化してしまうだけでしょう。

「バトル・ロワイヤル」の世界、つまり、猜疑すべき他者からの自衛と安全の強化のために、国民が政権に自由を全面的に譲渡するという世界は、いままさに日本の社会で実現しようとしている現実の世界なのです。人間を互い疑心暗鬼に置き、競合状態の国民を自発的隷属に導くことこそ、ネオ・リベラリズムの策略なのです。ブッシュ大統領と小泉首相が唱道する「構造改革」とは、市場のアナロジーに一元化したロジックで世界を捉えることで、社会のあらゆる不都合は、ネオ・リベラリズムの十分な進展が遂げられなかったこと帰されます。つまり、市場とミニマル国家以外の要因に責任が帰されてしまうわけです。新自由主義という新たな野蛮の「ジャングルの掟」が猛威を振るうなか、先般のイラク邦人人質事件に関して、官邸主導の世論操作で胡散臭い「自己責任」論が流布されましたが、この「自己責任」なる語が、ネオ・リベラリズムの精神を集約する経済用語であるということは、どんなに強調してもし過ぎるということはないでしょう。

資源とエネルギーの収奪と復興ビジネスで、戦争を二重の儲け口と考えるネオ・リベラリズムの世界で、真っ先に犠牲に供されるのは、社会的にもっとも脆弱な部分である子供たちです。「ファルージャの虐殺」から、拡大EUの狭間で苦悩する小国で問題化している少女売春 [4] まで、みずからを守るすべのない非力な子供たちが蹂躙されています。あるいは難民として、あるいはストリート・チルドレンとして、過酷な運命にさらされているのは、イラクの子供たちだけではありません。グローバル化される世界にあって、新自由主義の掟は、とりわけ途上国の子供たちの上にもっとも残忍な形でのしかかっています。

●「未来」をください -- 世界の難民の子らに、希望の光を
■著者名:本間 浩(監修)

■ISBNコード:4092902042
■判型/頁:4−6 /176頁
■定価:1,260円(税込)
■発売日:2004/04/12
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★ 内容紹介
> 日本の子どもたちに伝えたい難民の子らの今。世界10地域26人の子供達が、難民として凄惨な状況に至った経偉を、UNHCR、NGOの協力で紹介。明るさを失わずに生き、未来に希望を見出そうとする彼らの懸命な姿も伝わってきます。緒方貞子氏が特別寄稿。

みなさん、上掲の新刊書をぜひご一読下さい。

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[1] cf. http://www.asahi.com/national/update/0611/008.html
[2] cf. http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/aoyama-col55.html
[3] 20-21頁。
[4] アグネス・チャン「EU拡大の陰で泣いている子供たち -- 最貧国・モルドバの人身売買」、『週刊金曜日』6/4 号、27-29頁。

http://bbs8.otd.co.jp/kawanakajima/

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