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永田長太著 「永田町のからくり」(集英社) 委員会の審議も国会議員は秘書達に丸投げしている [株式日記と経済展望]
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投稿者 あっしら 日時 2003 年 12 月 08 日 18:08:26:Mo7ApAlflbQ6s


2003年12月8日 月曜日

◆近藤浩議員が口裏合わせ指示?元秘書が供述

衆院議員の近藤浩容疑者(42)(自民・比例東海ブロックで復活当選)の選挙違反事件で、近藤容疑者から、票の取りまとめなどの目的で現金100万円を手渡されたとされる元秘書谷典芳被告(38)(公選法違反の罪で起訴)が、愛知県警捜査2課の調べに対し「現金は立候補準備金だったと言うように、議員側から求められた」と供述していることが7日、わかった。(読売新聞)
[12月8日3時6分更新]

◆夜遊びと代理出席は比例する「議員怠慢化の法則」

10時00分、昨日、代議士に指示されたとおり通商産業部会に代理出席し、途中から憲法調査会にまわって、そのあと環境部会にも顔を出し、それぞれの資料をもらってこなければならない。これらの会場が第二衆議院会館、国会議事堂内の衆議院本館、さらに党本部とまたがっているので、歩いていたのでは間に合わない。移動はすべて駆け足だ。かつての人気テレビドラマ『太陽にほえろ!』の刑事のごとく全力疾走だ。

みなさんに言っておくが、国会で肥満の秘書を目にしたら、その多くは議員会館に長年住み続けている古狸で、私のように走ることをまったくしていない狸種だ。よく働く秘書は、まず体型でわかる。人気ハードボイルド・コミックス『ゴルゴー3』にもあるように、永田町の地下には、国会議事堂と各議員会館、はては首相官邸にも通じている地下通路がある。その地下通路で、互いによく走りながらすれ違う秘書仲間が大勢いる。

「やあ、今日も代理出席?」「そう!うちは2つだけどそっちは?」「うちも今日は3つ」それにしても国会議員の怠け癖は、この代理出席を禁じ手にしないとまず直らないだろう。うちの代議士も一年生議員のときは、まじめに会合に出席をし勉強をしていたのだが、今はその片鱗すらない。当選の回数を重ねるうちに、要領というものが身について怠慢になってきたのだ。さらに夜の宴会の数が増えるにしたがって、午前中の会合の代理出席も右肩上がりに増加する。こうした現象をわれわれ秘書仲間は「議員怠慢化の法則」と呼んでいる。

その反動のツケは秘書に回ってくるのも、この法則の特徴である。国会議員になると、議会内に設置された委員会や部会、党の部会や各種会合、超党派の議員連盟、各種勉強会など週にいくつもの会合が入ってくる。これらの会合は、出欠だけはとられるのだが、多くは代理出席がきく。だから本人が顔を出すのは、せいぜい2つか3つで、あとは秘書に代理出席をさせて点数を稼いでいるのだ。

いつも欠席をしていると党の上層部からクレームがくることもあり、われわれ秘書は彼らにとって都合のいい防波堤なのだ。だが、常任委員会や特別委員会など、いくつかの委員会や会合は代理出席がきかない。そのなかのひとつに党幹部が霞が関のキャリアに講義を依頼した会合がある。こちらの会合は、出席が極端に悪かったり、秘書ばかりで国会議員がひとりも出席していないと党幹部の面子は丸潰れになる。そこで彼らはこんな妙案を考えた。会合の最前列だけは、何人かの国会議員が持ち回りで座るというルールをつくったのだ。普段はあまり頭をつかわないが、その場を取り繕うことには恐ろしいほど知恵が回るのだ。

2002年11月、代理出席慣れした議員センセイの醜態は実にひどいものだった。北朝鮮に拉致された被害者の支援に関する法案を審議する衆院厚生労働委員会で、22人の自民党委員のうち、なんと出席したのは7人ほどだった。

さて、その日は、 たまたまうちの代議士が部会に自ら出席をした日だった。会合から帰ってきた代議士の開口一番には、ほとほと呆れてしまった。「おい、おい、まわりを見まわしたら、なんか衆議院の女性秘書よりも参議院のほうが、美人の数は断然多いな。そう思わないか」「そりゃ、向こうは任期が6年もあって解散がありませんから、優雅な女の子が集まるんじゃないですかねえ。

それに参議院は昔は貴族院っていってましたから。衆議院の野武士どもとは違いますよ」「お前も結構言ってくれるじゃないか」うちの代議士は本業よりも、社民党の福島瑞穂幹事長のところにかわいい女の子がいるとか、あそこの女性秘書は元クラブの女だったとか、こちらの分野には精通しているのだった。

「それで会議の内容は、テーマはなんだったんですか?」「そんなこと聞くなよ!俺も隣も後ろも寝ていたんだから……。資料もらってきたから、お前が読んであとでレク(レクチャー)してくれよ」と、いった具合なのである。彼らは本も大事な資料もロクに読まないのだ。その分、秘書の抱え込む仕事は多くなる。しかし、どんな代議士であってもひとたび仕えた以上は、少しでも有能な政治家であることを国民にアピールするのが、秘書の大事な使命なのである。

真実はゴックリ、生ツバといっしょに腹の中に飲み込まなければいけない。そんな国会議員が永田町でヌクヌクと生活ができるのは、この村には不思議な風習があるからだ。できない人間が束になって、できる人間を追い落としにかかるのだ。辞職に追い込まれた辻元清美元衆院議員や議員バツジはないが竹中平蔵大臣などは、われわれ秘書からみて、よく勉強し仕事もデキるタイプだ。だが、それだけに多くの議員にとっては脅威であり嫉妬・羨望の対象だった。

竹中大臣はアメリカに事務所を置き、海外の工ージェントとも契約をして独自の情報収集ルートをもっている。そういえば田中真紀子元外務大臣も、さまざまな部会に自ら顔を出し勉強をしていた。「出る杭は打たれる」ではないが、永田町という小さな村では、村に新たな風穴を開けようとする人間を、どうもみんなで寄ってたかって足を引っ張る憤習が根強く残っているようだ。

◆官僚になめられっぱなしの国会議員がうようよ?

12時30分、代議士に命じられたすべての代理出席をこなし、議員会館の地下食堂で昼食を流し込み事務所に戻る。デスクには留守中の電話メモが10枚以上も貼りつけられていた。大事と思われる用件に電話を入れる。なんのことはない、どれも口利きのお願いだ。

「ありとあらゆるお願いに、私たち秘書が絶対に言ってはならない言葉がある。それはできません!のひと言だ」これは駆け出し秘書時代に、先輩に叩きこまれた掟だった。どんな無理難題でも一応お受けする。そしてしばらくしてから「努力はいたしましたが、由こ期待に添うことができずに大変に申し訳、こざいません!」と言うのが、秘書稼業のイロハの「イ」なのである。

口利きの内容もいろいろだ。なかでも多いのは、後援会企業や有力後援者への仕事の斡旋だ。国、都道府県、市区町村にいたるまで、あらゆる公共事業の受注を目当てに、国会議員にはある種の人たちが集まってくる。あの鈴木宗男衆院議員だけが、業者に手ごころを加えているのではない。個人的な仕事では、就職、転職、入学の口添え、トラブルの調停役などもあった。今は滅多にない が交通違反のモミ消しなどもよくやった。

最近の特徴としては、金融機関への焦げつき(不良債権)問題、もっとわかりやすくいうと借金の踏み倒しのお手伝いなんて仕事もある。政府が実施した中小企業対策の融資の口添えなども、大きな仕事となっている。まさに便利屋だ。このようなことに国会議員が血眼になっていることに、この国の政治家のレベルが端的に表れている。ひと昔前までは「経済は一流、生活は二流、政治は三流」といわれたわが国だが、今や経済も三流となり政治は推して知るべしだ。

この国に心ある政治家は果たしてどれだけいるのだろう。雨漏りのするあばら家に居住、総理大臣に推されながらもそれを断り、政治・行政改革を成し遂げた伊東正義衆院議員。田中角栄の巨悪に目をつぶらず、逮捕の決断を下した三木武夫総理と稲葉修法相。道理をわきまえ教育熱心で無類の読書家だった灘尾弘吉衆議院議長。日中国交に尽力、三度の自民党総裁選挙に敗れはしたが、私財を投じて政治に情熱を捧げた藤山愛一郎衆院議員。

20年も前の永田町には、まだまだ高き理想に向かって適進した政治家がいたのだが……。現職国会議員の多くはけいるい鈴木宗男の係累では・…・・。昨今の国会議員は、永田町に住み慣れてくると、常任委員会の委員長や政務次官、副大臣を狙いたがる。そしてひとたびポストを得ると、今度はそれを後ろ楯に金儲けに奔走する。誰がいったい、鈴木宗男を糾弾できようか。

13時00分、代議士より事務所へ電話が入る。取り次いだ事務員によると、「党本部へ寄って打ち合わせをしたあと、議員会館へ向かう」という。これは遅刻するときの決まり文句だ。正確に言えば、これから家を出るから到着は1時問半後ということになる。今日は本会議がないからまだいいけれど、毎晩のように接待、接待でご馳走になり、体重は増えるばかりで脳みそはカラッポになるだけだ。

「さっちゃん、代議士から今みたいな電話があったら『またお寝坊ですか?早く来てくださいね!』ぐらい言ってくんないと困るよ。男どもが言うと角が立つからさ」「私も前にそう言ったんですよ。そうしたら代議士が逆に『キミまでそんなこと言うのか!さては頼まれたな』ってお目玉だったんですよ、向こうはお見通しなんですよ」「これじゃ、午後の会合も代理出席をしなくちゃいけないな。今日の代理出席は5つだよ」たわいもない代議士への陰口で、昼食後の束の間のひとときは盛り上がる。

食後の一杯のコーヒーを飲み終えると、午後の財務・金融委員会と議員連盟の会合の代理出席、そのあとは霞が関の総務省へ立ち寄らねばならない。さすがに一日に5つも代理出席をした日には、この国の将来を真剣に憂えてしまう。そもそも国会議員は、三権分立の立法府の主たる構成員で、その仕事は天下の、こ政道を明るくするための法律を作ることにある。しかしながら、昨今の国会議員は本当に勉強をしない。

それでは官僚が作った法案を精査する能力など養われるはずがない。結局、党の方針にただ従い採決に応じるだけなのだ。だからますます霞が関の役人に馬鹿にされる。国会議員がテレビ中継の入る予算委員会で質問に立つときは、それこそ一世一代の檜舞台だ。そう思って私たち秘書は、関連資料をくまなく吟味しいくつもの質問内容を事前に準備し、代議士に手渡すのだが、どうもうちの代議士センセイには「猫に小判」だったようである。

「質問は10用意しています。そのなかのいくつかは必ず官僚もお茶を濁す回答をするはずです。そのときのための質問も別に用意していますから、ここがチャンスとみたら、追撃の質問をビシツとやってくださいね。テレビで代議士の名を売る、またとないチャンスですから!」事前のレクチャーであれほど説明をしたのだが、代議士には官僚がお茶を濁したかどうかさえ、わからなかったのだ。

「ただ今の○○局長のお答えには、私が質問した肝心な点に対してのお答えがスツポリと抜け落ちています」のひと言も出てこないのだから、とほほ……。結局、通り一遍の質問で終わってしまい、同席していた"子どもの役人〃にまでナメられていた。それこそ1週間残業をして、各省庁から関連資料を集め、国会図書館の方々にアドバイスを受け、党の政策担当とも何度も協議を重ねてつくった質問はなんだったのかと呆れてしまう。

そればかりではない。議員会館の事務所に法案に明るい課長もしくは課長補佐クラスの官僚が、レクチャーにたびたび来るのだが、うちの代議士センセイは毎回、同じ資料をもらっては喜んでいる。暮れの大掃除のときに資料を点検したら、一番多いものでは同じ資料が6冊もあった。官僚が前回と同じ資料を持ってきたら、「その資料はすでにいただいているから結構です。むしろ別の角度から詳細に解説した資料はないのですか」なんていうセリフを一発かましてほしいのだが、うちの代議士には逆立ちしても出てきそうにない。

なにしろ同じ資料を6冊ももらって、まったく本人は気づいていないのだから。「代議士、ちょっとなめられています」と前に一度指摘したら、反対に怒りだす始末だ。「なぜもっと早く知らせないんだ。そういうことを事前に教えることがキミたち秘書の仕事だろ。この月給ドロボーめが!」昨今、日本の学生の学力低下が深刻な問題になっているが、正直言って学生以上に心配なのは、国会議員の学力低下、社会見識のなさだ。

早稲田大学の学生サークルが起こした集団レイプ事件についても、「集団レイプする人は、まだ元気があるからいい」なんて発言を平気でする議員もいるのだから、たまったものじゃない。ましてや総理大臣経験者の口からこんな趣旨の発言が飛び出したときは、耳を疑った。「子どもをひとりもつくらない女性の面倒を、税金でみなさいというのはおかしい」こうした人たちが「男女平等共同参画杜会」なんて本当に考えられるのだろうか。(P60−P67)


永田長太著 「国会のからくり」 元議員秘書の歯ぎしり:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087812804/249-2956247-6535566


(私のコメント)
私は近藤浩衆議院議員の逮捕に驚いている。この程度の選挙違反なら議員秘書が罪をかぶって議員本人は逃れられるはずだ。ましてや今の自民党は過半数ぎりぎりであり、1名欠けても政局運営が危うくなる。本来ならば幹事長あたりが検察に手を回してもみ消しも効くのだろうが、三年生議員の安倍晋三新幹事長ではそのような手腕は期待できない。

小泉総裁の飯島議員秘書あたりが動くべきところが、イラク問題などで手がまわらなかったのだろう。自民党が政権与党を手放さないのも、地検や警察をコントロールできるからだ。今回の衆院選で選挙違反で捕まっているのは皆野党議員や落選議員ばかりだった。だからこそ近藤議員の逮捕は何を意味するのだろうか。新聞記事では次のように書いている。

谷被告は先月11日に逮捕された後、近藤容疑者から直接現金を渡されたうえ、供与する相手も指示されたことを認め、「選挙後に議員側から『警察から事情聴取を受けたら、立候補準備金だったと説明してくれ』と言われた」と供述した。さらに、別の関係者からは「後援会の活動費だったんじゃないか」と言われたとも、話したという。

「永田町のからくり」と言う本を見れば、議員秘書のまず第一位の仕事は議員の身代わりになってムショに入ることなのだ。近藤浩議員の場合、議員秘書との間にトラブルがあったと見るべきだろう。「永田町のからくり」の中でも先輩秘書から検察に捕まった時の心構えなどを教え込まれている事を書いている。近藤議員の場合まだ若く秘書を使いこなすことが出来なかったのだろう。

「永田町のからくり」と言う本は政治部の記者が議員秘書を取材して書いたものだ。しかしながら検察にパクられて拘置所に入れられての体験記は真にこもっている。いままで国会議員の名刺片手に仕事していたのが、いきなり犯罪者になるのでは天国と地獄だ。鈴木宗男議員は400日以上に渡って拘置所に拘留されましたが、さぞかし大変なことだったろう。

国会と言うところは金と権力に取り付かれた俗物たちの集まりであり、国政のために志を持って仕事をしている議員はごくわずかだ。ほとんどの議員は当選回数を重ねるにつけ議員バッジを着けたブローカーに変身していく。国会審議などは秘書の代理出席で間に合わせ、議員本人はもっぱら夜の赤坂、六本木あたりでの仕事に明け暮れる。

これでは政策審議など出来る訳がなく、役人からもらった資料で秘書達に質問事項をまとめさせる。先生はそれを必死に覚えて国会で質問などをするわけですが、これではまったくアドリブが利かないのは当然だ。テレビで予算委員会の審議を見ていても議員の間抜けぶりは隠しようがない。小泉首相のはぐらかし答弁や官僚たちの手抜き答弁にも全く追求が出来ないのは、頭の中が空っぽだからだ。

「永田町のからくり」と言う本の中で書いてあるのですが、統一教会から美人秘書をあてがわれ、関係を持ってしまった議員先生が大勢いるようだ。証拠もありながら検察も警察もこの件ではまったく動かず、マスコミの記者たちも取り上げなかった。山崎元幹事長の女の件は、これも統一教会の女でしたが、これも権力争いのアヤで表面化したに過ぎない。全部ばらされれば自民党はそれこそ解体の危機にさらされただろう。

この本の終わりに様々な改革案が提言されている。一つ一つもっともな事ばかりだ。内容についてはこの本を買って読んでみてください。国民の多くが怒りの声を上げれば国家議員の先生方も改革に動いてくれるだろう。それが出来ずにいるのは、我々がそのような先生方を選挙で選んで国会に送り出しているからだ。

http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu60.htm

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