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なお続くイラク米兵の死 東京新聞
http://www.asyura2.com/0311/war42/msg/1027.html
投稿者 小耳 日時 2003 年 11 月 19 日 15:47:29:1UddCTsVwSrOw

なお続くイラク米兵の死
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20031119/mng_____tokuho__000.shtml

 日本政府は“命の値段”を「一億円」とはじいた。イラクの「非戦闘地域」で自衛隊員が死亡した場合の弔慰金だ。
米国が戦死者に送る見舞金はずっと少ない。米兵の遺族が望むのは、国のために危険な任務を遂行した若者たちへの「敬意」だという。米兵の遺族らは問う。イラクでの戦いは、息子たちの死で購(あがな)うだけの“価値”があるのか、と。

 イラクでは、五月一日の「戦闘終結宣言」後だけでも、米軍兵士百六十二人が戦死(十八日現在、ロイター通信調べ)、日を追うごとにその犠牲者は増え続けている。十五日には北部モスルで米軍ヘリ「ブラックホーク」が墜落し、十七人が死亡した。遺族に残される“命の代償”は、名誉とわずかな死亡給付金だ。

■「イラクにした“投資”見直せ」

 だが、その“名誉”も揺らいでいる。米国在住のフリージャーナリスト石川うの氏が遺族に取材した。

 「もう一度、イラクで私たちが投資してきたことについて見直すべきではないかと思う」

 イラク北部で戦死したミシガン州のアーティマス・ブラスフィールドさん(22)の父ケリーさんは、声を詰まらせた。「息子が死んで、こんなふうに考えてしまうのは私のわがままかもしれませんが…」

 米陸軍に所属するアーティマスさんは先月二十四日、バグダッドの北約百キロのサマラで、迫撃弾の攻撃を受けて死 亡した。

 ケリーさんも六年間の軍隊経験があり、アーティマスさんが幼いころには基地で生活していたという。父の影響で、アーティマスさんは二年前に入隊した。

 「息子には軍隊での生活を励ます言葉を始終送っていた。息子の死を知らされた日の朝も、『君をどんなに誇りに思っているか』と書き連ねたメールを送ったばかりだった」

 イラクからしばしば電話をかけていたが、時差の関係で家族や友人が電話に出ないことも多かったらしく、アーティマスさんは「いつもみんないない」と愚痴をこぼしていたという。

 「家の留守番電話には『また、いないんだから』と残念がる息子の声がまだ残っている」とおえつした。

 先月十八日に、やはりイラク北部で死亡したマサチューセッツ州のジョン・D・ハートさん(20)の母アルマさんは「息子を亡くすことは、絶対に乗り越えられない悲しみです」と声を震わせた。

■中枢同時テロは最高7億5000万円

 AP通信によると、米議会は先月末、中枢同時テロ後に戦死した米兵の遺族に支払う給付金を倍加する法案を可決した。だが、もともとの金額はわずか六千ドル(約六十六万円)で、二倍でも一万二千ドル(約百三十万円)にすぎない。

 ちなみに中枢同時テロの遺族に、米政府が支払った補償金は平均して百五十万ドル(約一億六千五百万円)。最高額は六百八十万ドル(約七億五千万円)に達した。

 前出のケリーさんは「給付金の話は、いずれ何らかの形であると思う。息子に与えられたのは、星条旗を従えた敬意ある葬儀と、ヒーローの証しであるブロンズスター(メダル)です」と話しながら「愛する者を失うということは、お金で換算できるものではない」と話した。

 前出のアルマさんも「国は葬儀費用をすべて出してくれた。息子は敬意をもってアーリントン墓地に埋葬されました」と繰り返す。

■兵のメリット生還者にのみ

 米国で取材した石川氏は「米軍のイラク駐留に肯定的な発言をする遺族も少なくないが、それは息子たちが命をかけたことが意味あるものだと思いたいからだ。途中で終わってしまうとしたら、何のための犠牲だったのかと問わずにはいられない。一方で、米国では米兵の戦死者に関する報道は日に日に小さくなり、他のニュースに埋没している。イラク戦争当初には“ヒーロー”として大きく報じられたことと比べて、切ない気持ちを味わっている遺族もいる」と指摘した。

 軍事評論家の神浦元彰氏は「米国では、軍隊のメリットは生還者に与えられる。移民は市民権を獲得できるし、大学の授業料が無償になる。軍の医療保険も使えるようになる」と説明する。

 こうした中、日本政府は今回、自衛隊員に対する賞恤(じゅつ)金の最高額を六千万円から九千万円に引き上げる方針を決定した。賞恤金は高度の危険などが予想される職務に従事する隊員が、職務を遂行し殉職した場合に支払われる見舞金だ。これに首相の特別褒賞金一千万円が上乗せされる。

 賞恤金制度は一九六三年にスタートしたが、九九年十一月の埼玉県狭山市でジェット練習機が墜落した事故では、住宅地への墜落を避けたため、脱出が遅れたパイロットなど、過去十年間二十五件の事故で一人当たり四百九十万円から六千万円が支払われている、という。

■札束を積んで「文句言うな」

 今回の引き上げについて、防衛庁の広報担当者は「差額の三千万円の根拠と言われても説明に困るが、戦闘が終結しているとはいえ、散発的にテロ行為や米軍への攻撃が続き、治安が悪化しているイラクに派遣された隊員に万一のことがあった場合、その貢献に対し、防衛庁としてできる限りのことをするということ」と説明する。

 これに対し、前出の神浦氏は「戦死者に大金を支払うという発想は世界で類を見ないものだ。日本独特の“札束信 仰”の表れで、道路などを造るための立ち退き料に象徴されるが、札束を積んで『文句言わずに行け』という発想がある」と指摘する。

 小泉首相は衆院選で与党が安定多数を確保したことを受け、「自衛隊のイラク派遣は国民の支持を得た」と断言した。しかし、米国では、えん戦気分も広がっているともいう。

 米CBSの世論調査によると、イラク情勢に対するブッシュ大統領の対応に対し、「支持する」とする意見は、五月三日には72%を占めたものの、今月十日から十二日にかけて行われた最新の調査では「支持しない」と同数の48%まで減少した。

 イラクに派遣された米兵の家族らでつくる「声を上げる軍人家族の会」の創始者の一人でマサチューセッツ州のナンシー・レシンさん(54)は「残された家族は誰ひとりとして、愛する息子たちの死が無意味だとは思いたくない」と 強調する。だが、ベトナム戦争を例に挙げて、イラク駐留米兵の撤退を訴えた。

■「何人死ねば結論出るか」

 「ベトナム戦争の記念碑には、五万八千人の戦死者の名前が刻まれている。まだ、死者が四分の一くらいのころから、反戦の世論は高まっていたが『兵士の死を無駄にすることはできない』と泥沼の戦争を続けた。イラクでは、何人の兵士が死ねば、この戦争は間違っていたという結論に達するのか。アメリカだけではなく、日本などの同盟国の兵士も含めて、これ以上の犠牲は必要ないのです」

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