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『国際金融同盟』の紹介記事
http://www.asyura2.com/0311/war42/msg/1074.html
投稿者 誰がために金は成る 日時 2003 年 11 月 20 日 02:55:57:y4wu3UhuAaXnY

(回答先: ネオコン源流にナチ育成ブッシュ曾祖父らアメリカ・ユダヤ資金投入『国際金融同盟』 投稿者 木村愛二 日時 2003 年 11 月 20 日 01:13:08)

アサート 303号(2003年2月15日)
http://assert.jp/data/2003/30303.htm


【本の紹介】 『国際金融同盟 ナチスとアメリカ企業の陰謀』

チャールズ・ハイアム著、青木洋一訳、02/12/25発行、408p、マルジュ社

<<ヒトラーの金脈>>
 日本では1985年に出版された『ヒトラーの金脈』(ジェイムズ&スザンヌ・プール著、早川
書房、初版アメリカ1978年)が実に刺激的で示唆に富むものであったことを覚えている。アメ
リカの自動車王ヘンリー・フォードが大のユダヤ人嫌いでナチスに多額の献金をしていたこ
と、ヒトラーはむしろフォードに反ユダヤ主義を教えられ、「われわれはフォードを、アメリ
カにおいて力を伸ばしつつあるファシストの指導者として当てにする」などと絶賛していたこと
なども具体的に明らかにされていた。しかしそれ以上に当初はヒトラーを支援していなかっ
た、むしろ胡散臭い存在としてしか見ていなかった大資本・金融資本の代表者達が、デュッセ
ルドルフ工業クラブでのヒトラーの演説以後、急速に接近し、資金を調達し、権力を掌握させ
ていく過程が、詳細な当時のドイツ社会の変遷を背景に生き生きとみごとに明らかにされてい
た。そして当時のこれまた急速に力をつけつつあった共産主義者たちが、新しく作られたばか
りの共和制民主主義、傷つきやすく壊れやすいワイマール民主主義をめぐって、彼らより穏健
な”マルキシスト”である社会民主党を主敵として攻撃していたことがどれほどナチスを助け
ていたかを具体的な姿をもって知らされたことも身につまされる思いであった。民主主義の強
化と発展が、党派的利害の価値の下位に位置付けられたり、あるいは人類的利害と民主主義を
軽視した場合の、その後の今日に至るも連続している悲劇的で悲痛な教訓でもあった。

<<ナチスとアメリカ企業の陰謀>>
 今回、ここに紹介する『国際金融同盟 ナチスとアメリカ企業の陰謀』(初版、アメリカ
1983年)は、その後のアメリカにおける情報公開法の成果が存分に生かされ、いわばその続編
とも言えるかもしれないが、著者は別人であり、内容的には全く異なり、そのメインテーマ
は、副題にある通り、ナチスとアメリカ企業の陰謀である。訳者あとがきにもあるように、著
者は、チェース・ナショナル銀行、ITT、RCA、フォード、GM、そしてスタンダード石
油など、日本でも馴染みのあるアメリカの大企業を次々と登場させ、それにアメリカ大統領、
財務省、司法省、商務省、国務省、軍部、そしてFBIまで絡めて、ナチスと複数のアメリカ
の大企業との間に密約があったことを解明してくれる。それらの事実の掘り起こしは詳細を極
め、事実の説得力は並大抵のものではない。具体的な人名には驚かされる人物が次々に登場す
る。真珠湾攻撃以外に日本に関する記述はほとんどないのが残念であるのだが、舞台は、第二
次世界大戦下の全世界を駆け巡っている。目次は以下の通りである。
1.伏魔殿のような国際決済銀行
2.チェース・ナショナル銀行ナチス名義口座
3.スタンダード石油の秘密
4.メキシコ・コネクション
5.アラムコの策略
6.電信電話会社の陰謀
7.小さな鉄の球を巡る攻防
8.イー・ゲー・ファルベンの陰謀
9.フォードそしてGMとナチスの関係
10.ベドー方式考案者とナチスの関係
11.王女、外交官、少佐、そして准男爵の複雑な関係
12.逃げ切った「国際金融同盟」

<<BISの果たした役割>>
 目次に上がっているようなアメリカの大企業がナチスとどのような関係を持っていたかとい
うことは、本書をぜひ読まれることをお勧めするが、今日現在も存続し重要な役割を果たして
いる国際決済銀行とナチスとの関係については、紹介する筆者自身も不明なことであった。
 国際決済銀行(BIS)は、1930年にニューヨーク連邦準備銀行をはじめとする世界中の中
央銀行が集まって設立された。この銀行の誕生には、ナチス・ドイツの経済相でドイツ帝国銀
行(ライヒスバンク)総裁だったシャヒトの考え方が強く影響していた。シャヒトは、国際紛争が
起きた場合でも、世界の金融界の首脳たちが連絡し、談合することができる金融機関の設立に
奔走していたのである。BISに資本参加した各国政府が同意した国際決済銀行憲章には、参
加国の間で戦争が起ころうが起こるまいが、BISは没収、閉鎖または問責から免除されるも
のとすると謳っている。
 BISの表向きの目標は、ドイツが連合国側に第一次世界大戦の賠償金を支払うことだっ
た。だが、BISはすぐに正反対の機能を持つ銀行になった。BISはアメリカとイギリスの
資金がヒトラーの金庫に流入する窓口の役目を果たすようになり、この資金のおかげもあって
ヒトラーは軍事機構を強化することができたのである。第二次世界大戦が勃発すると、BIS
はヒトラーの完全な支配下におかれた。
 BISの初代総裁にはロックフェラー財閥系のチェース・ナショナル銀行の元頭取で、連邦
準備銀行総裁のマッギャラーが就任した。その後1938年に総裁に就任したアメリカのモルガン
財閥の一員であったマッキトリックは、1940年初めドイツ帝国銀行を訪れ、BISの役員兼ゲ
シュタポ高級将校のシュレーダーと会談、たとえ米独交戦の自体の場合でも制約なしにBIS
を存続させ、機能させることに合意したのであった。イギリスはドイツと交戦状態に入った後
でさえ、BISの存続を承認し、イギリス側役員のニーマイアー卿とイングランド銀行総裁ノ
ーマンは戦争が終わるまでその地位にとどまっている。
 一つのエピソードとして、ナチスの敗戦濃厚となってきた19944年5月のある晴れた日の
朝、スイスのバーゼルにあるBIS総裁室にマッキトリックの主宰のもとに日・独・伊の枢軸
国側役員とイギリス、アメリカ側役員が参集し、3億7800万ドル分の金塊を初めとした重要案
件について話し合ったという。日本人役員は横浜正金銀行の北村孝次郎と日本銀行の山本米冶
であった。真珠湾攻撃後に、ナチスがBISに運び入れたこの金塊は、オーストリ、オラン
ダ、ベルギー、チェコスロバキアの国立銀行から略奪したものや、「びっくりするほど大量だ
った」と証言されている殺害したユダヤ人の金歯、眼鏡フレーム、タバコケースとライターそ
れから結婚指輪などをドイツ帝国銀行がかき集めたあと、溶解したものだった。もちろんこれ
らは、ナチス首脳が自分たちで利用するためにBISに保管し、BIS側もそれを容認してい
たのである。

<<彼らの「イデオロギー」>>
 しかも戦争が終わると同時に、これら戦勝国側の「国際金融同盟」のメンバー達はドイツに押
しかけ、自分たちの資産を保護し、さらにナチ党員だった仲間を元の高い地位に復帰させ、冷
戦が始まる手助けをし、ブレトンウッズ会議でBISの解散が決議されていたにもかかわら
ず、解散するどころか、この「国際金融同盟」の存在を未来永劫確実なものにしたのであった、
と著者は指摘する。「財界の大物たちは一つのイデオロギーで結ばれていた。すなわち、彼らは
戦時中でも平常どおり商売をするという主義の持ち主だったのである」。
 対イラク、対北朝鮮をめぐっても、同じ論理がまかり通っているであろうことは想像に難く
ない。とりわけ兵器産業や軍需独占体、石油・エネルギー、化学、情報関連企業は最大限利潤
追求を目指して暗躍しているであろう。ブッシュ政権は、その典型的な利益代表とも言えよ
う。昨年12月17日にドイツの新聞がイラクに兵器供給した企業をリストアップし、「米国企業
が24社含まれ、それらは生物化学兵器開発には特に多くの支援をしてきたが、ミサイルと核兵
器にも関わっている」とし、その中にはヒューレット・パッカード、デュポン、ハネウェル、
ロックウェル、テクトロニクス、ベクテル、インターナショナル・コンピュータ・システム
ズ、ユニシス、スパリー、TIコーティング等が上げられており、さらに 米国政府のエネルギ
ー省、国防総省、商務省、農業省もひそかにイラクの武装を助けており、ローレンス・リヴァ
モア、ロスアラモス、サンディアの米国政府の核兵器研究所もイラクの核研究者を教育し、核
兵器製造のための非分裂性の素材を提供していたことを明らかにしている。これらの企業のい
くつかは、ここに紹介した本書にも登場してきた企業である。時代も条件もキャストも違え
ど、犯罪的な悲劇が繰り返されようとしていることに、本書は強い警告を発しているとも言え
るのではないだろうか。
(生駒 敬)

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