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◆国民保護法制=何故肯定するのか?
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投稿者 なるほど 日時 2003 年 11 月 27 日 14:10:09:dfhdU2/i2Qkk2

(回答先: 国民保護法制:民主対決せず 通常国会成立も (毎日新聞) −ダメダ、コリャ 投稿者 シジミ 日時 2003 年 11 月 22 日 06:31:58)

「新聞批判」第4号=2003年11月27日(木)
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 筆者・発行者=田中 良太
 メールアドレス=gebata@nifty.com
 URL=http://www.gebata.com/
 [敬称・呼称略]
**************************************
 ◆国民保護法制=何故肯定するのか?
**************************************
 防衛庁内局の名物官僚に、西廣整輝という男がいた。一九五六年防衛庁に入
った。防衛庁の内局は、警察庁、大蔵省などからの「出向組」がほとんどだか
ら、生え抜きだけで珍しい存在だった。初めて生え抜きの事務次官となり、「ミ
スター防衛庁」と呼ばれたりした。
 西廣は広報課長を務めたこともあって、新聞記者と酒を飲むことを好んだ。
一対一で酒場に連れ込まれた記者は必ず、
「もし仮に某国軍隊が日本を侵略し、東京に上陸したら貴方はどうします
か?」
 と訊かれたという。
 たいがいの記者は「どう答えたらいいのか」と考え込んでしまう。
 「会社から指示があるだろうから、そのとおりにする」
 などというばかばかしい答えしかできない記者もいる。
 「侵略してきた外国軍ですよ。新聞社の本社なんかすぐに占領しますよ。会
社の指示なんか、侵略軍の指示となる」
 と追求は厳しい。
「白旗をあげて降参しかないようですね」
 とか
「ゲリラに参加して戦います」
 とか言う以外になくなってしまう。
 そのあたりで西廣が、
「私なら何はともあれ、まず逃げますね。すべては逃げ延びた後ですよ」
 と言う。
 それが西廣流の議論の入り口であり、記者たちもホンネの防衛論議に引きず
り込まれてしまう。
 さて政府は21日、国民保護法制の要旨を公表した。今年6月、武力攻撃事
態対処法など有事関連3法が成立した際、「1年以内を目標に整備する」とし
ていたものだ。
 各紙社説を見てみよう。朝日の<保護法制―全体像が見えてきた>は、
 <有事法制は自衛隊をどう動かしたらよいかという話だけではない。万一の
時に国民の安全や財産をどう守るか、そのための保護法制が大切だ。本来なら
先送りせずにセットで論じられるべきものだった>
 と言う。
 毎日の<国民保護法制 「統制」の疑念残さぬように>も、
 <そもそも有事3法と国民保護法制はセットで論じられるべきものだった。
遅まきながらその輪郭が明らかになったが……>
 と言う。朝日、毎日は有事3法と国民保護法制は「セット」という言葉まで
一致している。
 読売は<[国民保護法制]「『有事』への備えが整ってきた」>で、
 <国民保護法制は、有事関連法の中核の武力攻撃事態法とは、車の両輪の関
係にある>
 と書いている。
 「車の両輪」は、「セット」とあまり違わない。
 どうしてこんなに見事に一致するのだろうか。朝毎読3紙は「国民は保護さ
れるべき存在だ」と思いこんでいて、何の疑問も抱いていない。保護は管理で
あるということに思い至らないらしいのである。
 有事立法はそもそも不要なものでしかない。1977年9月28日に起きた
日本赤軍によるボンベイ・日航機ハイジャック事件で、当時の福田赳夫内閣は
赤軍派ら9人の釈放と身代金600万ドルの支払いという犯人グループの要求
を受け入れた。とくに拘留中の被告や服役している者を釈放するのは、明白な
法律違反だが、「超法規的措置」として政治的・社会的に容認された。
 戦後憲法下の日本が直面した、たった一度の「有事」がこのときだったので
ある。超法規的措置は認められたのだから、あらかじめ立法する必要などない。
 そもそも「有事」とは、法律の条文で想定していないような事態が起こるこ
となのであり、「有事立法」の枠内で処理できるような事態なら、ホンモノの
有事とはほど遠いともいえる。
 それでは有事立法の目的は何か。日常性の中に「有事」を忍び込ませ、日本
を「有事想定国家」に作り替えることである。地方自治体が「有事に備える」
ための事業に取り組む。政府は多額の補助金を支出して、その事業を支援する、
といったことが近く起こるはずだ。ひとつの自治体がこれに成功すると、他の
自治体も同じ手法をとり、多数の自治体が「有事の備え」で競争するといった
展開になりかねない。
 そうしてできあがる有事想定国家の下で、国民は保護という名目で管理を受
けることになる。「国民保護法制を求める」心性は、老いたから入院したいと
いう気持ちによく似ている。
 入院すれば、とりあえずは家族の冷たい視線を避けることができるかもしれ
ない。しかし人体の諸機能は、使わないと失われていく(使わない能力をつぎ
つぎ失っていくことをリハビリ医学で「廃用症候群」と名づけている)。まず
他人とつきあうなど社会的能力が失われる。次第に身体的な諸能力も失われ、
立って歩くこともできなくなる。こういう段階になると病院の方も、患者をベ
ッドに縛り付ける「拘束医療」を始めるようになる。「転んだら、骨折という
ことになる。縛ることが患者のため」という理由が立つ。
「保護」に慣れた国民は、主権者としての能力を失っていく。動物園の檻の中
で暮らすばかりだったゾウやライオンを檻の外に出してやろうとする。野生動
物だから大歓迎だろうと思われる方もいるかもしれないが、じっさいには尻込
みして出ようとしないのである。野生動物が家畜化したからこうなる。
 同じことで、現代人も自己家畜化している。動物にとっての檻は、人間にと
って制度である。制度という檻の中で暮らすことに慣れた人間は、自分の判断
で行動することに恐怖を抱くようになる。
 西廣が問う「日本への侵略があったら……?」などと考えたくないという気
持ちになっているし、考える能力も失っている。ただただ保護という名の管理
を求め、「お国の言うとおりにすると間違いない」という安全策に閉じこもろ
うとする。檻の中から出ようとしない動物によく似ている。
 新聞をはじめとするメディアは、どうやら政府と歩調を合わせて、制度の檻
の中に国民を閉じこめようとしているらしい。
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