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抵抗ゲリラは周到な準備をしていた:スコット・リッター
http://www.asyura2.com/0311/war42/msg/548.html
投稿者 TUP速報 日時 2003 年 11 月 13 日 18:10:32:DlnF7rlwhj5Xo

[TUP-Bulletin] TUP速報211号 抵抗ゲリラは周到な準備をしていた
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 イラク戦争の前、国連査察団の一員である元海兵隊員スコット・リッター
は、「イラクには大量破壊兵器はない。戦争をしかけるのは間違っている」
と訴え、「イラク戦争」(合同出版・星川淳訳)という本を出版しました。

 実際、イラク戦争と戦後の混乱は、同著に書かれているとおりの様相を呈し
ています。
「紛争を解決するには、ゲリラの正体に目を向けなければならない」と警鐘を
鳴らすリッター氏のメッセージを紹介します。

                       (パンタ笛吹/TUP)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
抵抗ゲリラは、周到な準備をしていた
・・・・・・・・・・・・・・・・・

               スコット・リッター  11月10日
               クリスチャン・サイエンス・モニター紙

 1996年、わたしは国連査察団の一員として、バグダッド郊外にある(M
ー21)と呼ばれるイラク諜報機関の複合施設を調査した。そこで、大量破壊
兵器の証拠は見つからなかったが、もっと別なものを発見した。

 わたしたちがその諜報施設に入るなり、3人のイラク人が書類を抱えたまま
逃走しようとした。しかしわれわれは彼らを捕獲し、その書類を押収した。
 それは、いま毎日のように米兵を殺しているIED(自家製爆破装置)につ
いての文書だった。
 
 どのようにして道路脇に爆弾をしかけるか、既存の爆発物からどういうふう
にIEDを組み立てるか、爆弾をどのように偽装して敵軍団を罠にはめるか、
どんなタイミングで爆破したら最大の被害を敵に与えられるか・・・など、そ
れは高度に洗練された計画案だった。

 わたしが見たこの情報は、イラク戦争後の反乱を予期してのゲリラ計画書と
も呼べるものだった。 この経験から、二つの重要な事実が引き出されるだろ
う。

(1)今日、イラクで米兵を殺している武器や作戦は、前政権によるものであ
り、海外から流れ込んだものではない。

(2)今日の反米レジスタンス運動は、イラク人自身によるものであり、占領
軍が認識しているよりも、より広範囲に、より深くイラク民衆に根付いた動き
である。

 イラクをパトロールする米兵にとって、IED(自家製爆破装置)は、恐る
べき凶器になっている。ハイウェーを走行する米兵たちは、IEDの恐怖に神
経をすり減らし、「ひょっとしたらこれが、人生最後のドライブになるかもし
れない」とおののいている。それはまるで、ロシアン・ルーレットのようなも
のだ。

 上記のMー21だけが、爆破作戦を立案していたわけではない。1997年
イラク諜報員養成学校の査察をおこなったとき、生徒たちはIEDの製造法か
ら実戦までを学んでいた。
 彼らは人形やぬいぐるみに爆弾を仕込む方法や、自動車爆弾の作り方の訓練
を受けていたし、爆弾を爆発させる実行犯の勧誘方法まで学んでいたのだ。

 同じころ、わたしはバグダッドにある別の諜報機関の施設を調査した。
体育館ほどもある大きな建物の床には、サダムの宮殿周辺を詳しく示した、巨
大な地図が描かれていた。
 地図上のそれぞれの道沿いに、一軒一軒の家が一枚の四角い金属皿で示して
あった。もしそのビルが3階建てなら、皿が3枚置いてあり、その皿の一枚一
枚にその階に住む市民の名前が記されていた。

 フセイン忠誠派の兵士や諜報員は、バグダッドの隅から隅まで、誰がどこに
住み、誰が反政権派で、誰と誰がつながりがあるかまでを把握していたのだ。
またそれは、バグダッドだけではなく、イラク全土でも同じことがいえる。

 これらの情報を握っているフセイン忠誠派は、彼らに同情的な住民の間に隠
れて、痕跡を残さないままレジスタンス活動ができる。実際、対ゲリラ活動の
専門家の見積もりでは、100人のゲリラ戦士に対して、だいたい1000人
から1万人の割合で地元のサポーターがいるということだ。

 ブッシュ政権は、「ゲリラ攻撃は、アルカイダのような海外からのテロ集団
によるもの」と喧伝しているが、それは無理なこじつけだ。
 もし外国人がバグダッドで捕まるとしても、彼らはフセイン忠誠派レジスタ
ンスにより、注意深くコントロールされている。外国人は、手投げ弾やロケッ
ト弾のように、消耗してもよい兵器として、ゲリラに利用されているだけなの
だ。

 ブッシュ政権がフセイン忠誠派レジスタンスの組織的抵抗を正直に認めない
のは、もしそれを認めると、政治的な墓穴を掘ることになりかねないからだ。
 それは、戦争前のイラク状況の査定をしくじり、戦後の反乱を予想しきれな
かったと、認めることを意味する。

 現実から目をそむける暫定占領当局は、いまだに有効な解決策を見いだせな
いでいる。解決策の欠如は、レジスタンス攻撃に油を注ぐことになり、手に負
えない状況にまで進む恐れがある。
 それは泥沼に陥ることであり、敗退の可能性をますます大きくすることなの
だ。
 
                  (翻訳・パンタ笛吹/TUPチーム)

http://www.csmonitor.com/2003/1110/p09s02-coop.html

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●月刊『世界』(岩波書店)12月号に、スコット・リッターがイラクの現状を
分析して小泉政権の自衛隊派遣に警鐘を鳴らす「日本よ、軍事的失策の道連れに
なるのか」(星川@TUP訳)掲載。

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