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タリバンが復活している 不穏アフガン 『逆戻り』の様相 東京新聞
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投稿者 小耳 日時 2003 年 11 月 16 日 21:33:13:1UddCTsVwSrOw

タリバンが復活している 不穏アフガン 『逆戻り』の様相
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20031116/mng_____tokuho__000.shtml

石破茂防衛庁長官は来日中のラムズフェルド米国防長官に自衛隊のイラク早期派遣を表明した。その米国が9・11後の対テロ戦争で制覇したはずのアフガニスタンでは、タリバンが復活しつつある。アフガン周辺での反米勢力の再生と躍進という現実は「米国イコール国際社会」という小泉政権の国際情勢の見方に警鐘を鳴らしている。      
(田原拓治)

■背後にパキスタン

「タリバンの復興は間違いない。この辺のマドラサ(神学校)からも新たな卒業生が合流するためにアフガンに向かった。反米感情は好き嫌いの枠を超え、だれもが米国をイスラムの敵と公言する。タリバンはスポンサーに事欠かない」。パキスタンのペシャワルで地方議員を務める男は、電話取材にこう答えた。

この話を裏付けるような事件が十月上旬、アフガン南部カンダハルで起きた。同地の刑務所から、前国防相の弟ら有力幹部五、六人を含む四十一人のタリバンメンバーがトンネルを掘って脱走したというのだ。

米国が後ろ盾のアフガン政府は、当局に協力者がいたのでは、と調査を始めたが、結果を待つ間もなく、当のタリバンが「一人当たり二千ドルのわいろを渡した」と発表。州知事も「百パーセント正しい」と認めた。

ことし八月以来、タリバンはアフガン東部や南部で政府軍や政府、外国援助機関への攻撃を激化させ、すでに四百人が死亡。南部ザブール州では、政府がタリバン側と交渉を始めたが決裂、郡の役所が占拠された。同じ南部のパクティカ州でも五つの郡がタリバンの制圧下にあるという。

反攻のきっかけは昨年十月のパキスタン総選挙だった。タリバンらアフガンでも多数派のパシュトゥン人が住むパキスタン北西辺境州などで、イスラム急進主義六派がつくる統一行動評議会(MMA)が圧勝した。

■大統領が糸?急進派が躍進

実はこの大勝の陰には、パキスタンのムシャラフ大統領その人がいたといわれる。二〇〇一年十月に始まった米国のアフガン侵攻は翌年一月の「勝利宣言」でいったんは幕を閉じた。侵攻中から一貫して親米を装うムシャラフ大統領だが、百戦錬磨の手練手管は米国をも手玉に取っている。

アフガン復興の過程で勢力を伸ばした北部同盟はパキスタンの宿敵インドと結ぶ。そのインドはイスラエルとも蜜月で、双方の情報機関がアフガンに事務所を設けたと報じられた。これを懸念する同大統領は被選挙人資格が大卒にもかかわらず、神学校を大学扱いにし、MMA圧勝を導いた。

タリバンと一心同体のMMAの躍進はタリバンに再生の機会と兵たん地を与えた。パキスタン・バルチスタン州では、MMA系の情報相が「タリバンのみが真のアフガン政府を樹立できる」と発言。州内に六カ所の軍事訓練キャンプがあることも明らかにされた。

アフガン国内でも反米感情は高まるばかりだ。米軍が結婚式の祝砲を攻撃と勘違いし、空爆するなどの事件は日常茶 飯事。パキスタン側の神学校を空爆すべきだという米軍内の極論が、同盟軍のパキスタン警備兵との銃撃戦に発展した。アフガン政府軍も月五十ドルの安月給に士気は上がらない。

インドの情報機関RAMの元長官B・ラマン氏はタリバンや潜伏中のウサマ・ビンラディン氏率いるアルカイダの勢力をこうみる。

「侵攻前二万人のタリバン兵力のうち、いま活発なのは五千人。ほか一万人ほどが村々に散って息を潜めている。アルカイダは五百人のうち約四百人が生き残り(アフガン国境沿いで警察力の及ばない自治区の)部族エリアやパキスタン各地に潜伏する。ほかにウズベキスタンやチェチェンからの戦闘員が三百人いて、約三万人のパキスタン人義勇兵が後ろに控えている」

タリバン二千五百人が拠点を構えるパキスタン南西部クエッタ周辺では、最近千二百台のバイクや湾岸からの衛星電話が大量に売れた。厳寒期前の総攻撃への準備と伝えられている。

■相次ぐ住宅地誤爆

アフガンで医療活動などを続けるNGO(非政府組織)「ペシャワール会」の現地代表で、今月初旬に一時帰国した中村哲医師も「タリバンの復活は米軍の協力者に目を付けられかねないので公然とは口にしないが、みんなが当然と思っている」と話す。

タリバン時代に一掃された麻薬用のケシ畑も元に戻ったが、中村医師は「米国は戦闘終結宣言直後、麻薬制裁を解除し、それが逆に麻薬禍を招いている。米軍は最近、アルカイダと最も縁遠いはずの北部ヌーリスタン州で誤情報からか、住宅地に誤爆を繰り返し、住民の反米感情をかき立てた。やることなすことがちぐはぐ」とあきれる。

■追従日本にも厳しい目

さらに対日感情もインド洋への自衛隊派遣やイラク派兵のニュースでかつてなく悪化しているという。

「帰国の数日前に現地事務所の日の丸を下ろした。車両に記してあった『JAPAN』の文字も消した。ペシャワルでは要請もしないのに日本人スタッフの移動には警備のパトカーがついてくる。米国、パキスタン両政府とも日本人が攻撃対象になるとみているからだろう。これでイラクに派兵されたら、私たちも本格的に危ない状況だ」

■独自通貨・外交群雄割拠続く

アフガンでは来月に憲法制定議会が、来年六月には同国史上初の総選挙が復興日程にあがっている。だが政府内部でも西部のイスマイル・カーン派はイランと独自の外交関係を持ち、北部ではラシド・ドスタム派が独自通貨を発行するなど、十以上の軍閥による群雄割拠が続いている。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は今年九月、昨年三月以来の帰還難民の推計は二百二十万人に上るとしているが、財団法人・国際開発センターの田中浩一郎主任研究員は「昨秋までに戻ってきてアフガンでは食えず、再難民になる人々も多いが、この分は統計にあがらない。実態としては数字をかなり下回るのでは」と指摘する。

タリバン再結成の見方には「戦闘をしている武闘派は、まだ中央政府に対抗できるほどの勢力でない。現政権への単なる不満分子も参加しており二年前に戻ったとはいえない」と慎重だ。

そのうえで「カルザイ政権は昨年一月の東京会議では四十五億ドルを集めたが、世界銀行が算出する必要資金からは ほど遠い。資金が不足してくれば、現政権もぐらつく」と懸念する。

「米国は敵を倒すことばかり考えた荒っぽい作戦で逆に敵を量産している」とパシュトゥン人有力者ハヤト・ウラー 氏は地元紙に語っている。前出のペシャワルの地元議員はアフガンの未来をこう予測した。

「混乱は少なくともあと数年は続くだろう。ただ、タリバン抜きに復興はあり得ないという点ははっきりした。待望論の高まりとともにペシャワルでも最近、イスラムの教義に反するビデオ店が閉鎖された」

<メモ>

タリバン アフガンで最大人口を占めるパシュトゥン人の神学生が中心となり設立したイスラム急進主義グループ。パキスタン軍部に支持され1998年にはアフガンほぼ全土を支配下に置いた。しかし、ビンラディン氏をかくまっていたことから9・11テロ後、米軍などの攻撃を受け、2001年末、政権としては消滅した。

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