★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > Ψ空耳の丘Ψ33 > 120.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
NHKスペシャル「崩れたイラク復興計画〜アメリカの誤算〜」伝わらぬ占領下イラクの民意[マスコミ批評]
http://www.asyura2.com/0401/bd33/msg/120.html
投稿者 なるほど 日時 2004 年 1 月 07 日 03:41:18:dfhdU2/i2Qkk2
 

放送
(2004.1.6)

伝わらぬ占領下イラクの民意
 超大国が自分の意のままにならない国を武力攻撃し、政権を転覆した上で占領統治し復興をはかるというシナリオが、国際的に許されるのか、また、そのような復興が果たして実現可能なのかーそうした前提なしに検証番組をつくる意味がどこにあるのか?
 11月15日放送のNHKスペシャル「崩れたイラク復興計画〜アメリカの誤算〜」は、そうした基本的な疑問を抱かせる番組であった。番組ではイラク攻撃の1年も前からフセイン政権の転覆・崩壊を前提に、米国務省と国防総省がそれぞれ独自に進めた復興計画作成の過程で、亡命イラク人と米政権が手を組んで計画をでっちあげた経緯や、戦後のイラク復興が挫折して行く様子を米ABCやロイターなどの豊富な映像も交えて紹介し、これまであまり知られなかった復興計画の裏側をあからさまにした。イラク暫定政権づくりを巡る亡命イラク人同士の内部対立や、国務省と、国防総省の主導権争いの実態がよく分かり、特に国防総省とネオコングループが、「イラク国民会議」のチャラビらを自分たちに都合のいい勢力として重用した事実は、イラク戦争後の暫定政権づくりへ向けての布石として興味深かった。
 ブッシュがいかに「イラクの解放」「自由と民主主義」を標ぼうしようとも、イラク復興の責任者として最初に現地に乗り込んだガーナーが、一番の関心事が住民の安全や生活支援などではなく油田への放火であると本音を吐いたのは皮肉である。「米軍はイラク国民から花束とキャンディーで歓迎される」というネオコンの有力者パールやイラク国民会議の期待とは逆に、待っていたのは米軍への襲撃、略奪、破壊、暴行の連鎖であった。
 ところが番組は占領統治の実態が当初の思惑に反して現状のような悲惨な状況にあると説明しながらも、あえて国防総省が開戦前にまとめた復興計画の報告書に挙げられた具体策が実施されていれば、こうした事態は避けられたのではないかといい、さらに、イラク住民に対する米占領軍の初期の対応のまずさや、米軍の行動が住民の尊敬を得られなかったのも復興計画がうまく行っていない原因だと米政権関係者に言い訳をさせた。
 いまイラクの占領統治を巡って日本のメディアの中でも、さまざまな見方があるが、イラク国民にとっていかなる形であれ占領は占領であり、連日繰り返される米軍への襲撃は武装勢力による抵抗闘争の様相を呈してきている。さらにイラク住民の支援活動を続けてきたNGOですら攻撃の対象とされる非常事態になっているのが現実で、ある意味ではまだ戦争が続いているともいえなくはない状態なのである。こうした状況の中で占領軍による戦後復興というものが果たして成立し得るものなのか、はなはだ疑問である。この番組は「崩れた復興計画」をテーマに掲げ、アメリカの誤算と位置づけた。しかし番組で言いたかったのは、復興計画がずさんだったからうまく行かなかったのか、復興計画はよかったが実行段階に問題があったのか、復興計画そのものがプッシュ政権の思い違いだったのか、復興計画の真のねらいはアメリカの利益のためではなかったのか、いま一つはっきりしない。政治や外交の裏で人知れず進行している事態の裏を明らかにする作業は、メディアにとって重要な責務であるが、ともすれば自分たちの取材力を誇示する傾向になりがちだ。玄人うけをねらった番組づくりではなく、番組のねらいをはっきりさせることこそ必要ではないだろうか。(水上一郎)

http://www.jcj.gr.jp/masscom.html

 次へ  前へ

Ψ空耳の丘Ψ33掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。