★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > Ψ空耳の丘Ψ33 > 127.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
拝啓 小泉首相殿24 テレビドラマ『竜馬がゆく』と「船中八策」[阿部政雄]
http://www.asyura2.com/0401/bd33/msg/127.html
投稿者 なるほど 日時 2004 年 1 月 07 日 23:58:08:dfhdU2/i2Qkk2
 

拝啓 小泉首相殿24 テレビドラマ『竜馬がゆく』と「船中八策」
From: "阿部政雄 "
Date: Wed, 07 Jan 2004 18:38:08 +0900
Seq: 37331

日本アラブ通信 編集長
日本ペンクラブ国際委員
                       元東海大学国際学科講師(中東)

                                  阿部政雄
                           

拝啓 小泉首相殿24 テレビドラマ『竜馬がゆく』と「船中八策」

 小泉さん 明けましておめでとうございます。いや今年こそ、おぞましい戦争への
道からUターンして「世界から愛される日本」に戻りましょうよ。

 小泉さんは、きっと何かの悪霊に取り付かれているに過ぎないと思っています。

 しかし、元旦早々、靖国神社に「初詣」にのこのこ出かけましたね。傍若無人、
「我が道を行く」と言うのは貴方のやり方です。早速、中国から「中国とアジア人民
の反対を顧みず参拝したことに強い憤りを表明し、戦争被害国人民の感情を傷つける
行為を強く非難する」と、韓国から「今後、首相の(靖国)参拝がないよう政府とし
て強力に促したい」との抗議が表明されました。

 小泉さんは、今回のイラクへの自衛隊派遣でアラブやイスラム諸国の親日感情をも
のの見事に、反日感情に変換させつつあります。正に、あなたは短期間に日本や日本
人の世界的声望を地に落とす政策を連発する日本の歴史上稀に見るチャンピオンとし
て名を残すでしょう。しかし、われわれ庶民にとっては、第2次大戦中に日本国民の
辿ってきた道をもう一度繰り返させられるかと思うと新春の喜びなどどこかに飛んで
いってしまったという心境になりました。

 戦中派のわれわれにとっては、とりわけ靖国神社は「空をつくような大鳥居、こん
な立派な御社(みやしろ)に/神と祀られ尊い(もったい)なさや、倅(せがれ)来
たぞえ/会いに来た」という『九段の母』(歌詞は若干ウロ覚え)だの、「貴様と俺
とは同期の桜/離れ離れに散ろうとも/花の都の靖国神社/春の梢で咲いて会おう」
と言った悲壮な軍歌『同期の桜』がすぐ蘇ってくる日本帝国主義のシンボルでした。

 もっとも貴方は「俺にはブッシュ大統領がプッシュしてくれているから大丈夫」と
自信満々のご様子で(?)、記者会見で「日本の平和と繁栄は戦争の時代に生きて、
心ならずも命を落とさなければならなかった方々の尊い犠牲の上に成り立っている」
とおっしゃいましたが、「心ならずも命を落とさなければならなくなる」可能性のあ
る自衛隊員をイラクの戦場に送りだそうとしているのは、貴方自身なのですよ。

 『世界』2003年12月号の中の「現地で迷惑にならないように、イラクを助ける方法」
という論文で C・ダグラス・ラミス教授がいっているように、小泉首相は、わざわざ
自衛隊員を殺してでも日本国憲法第九条を変更するための地ならしにしようと焦って
いるのではないかと戦慄すら覚えます。

 とにかく、自衛隊が派遣される前に(もうすでに先遣隊は出発してしまったけれど)
日本の国民に納得のいく説明をして欲しい。「そんな説明責任も果せないで、日本の
首相でござーいというでっかい顔(つら)をするな!」と叫びたい。貴方は、平和に
暮らしている自衛隊員の家族の大黒柱を引き抜いてイラクへ派遣し、自衛隊員やイラ
ク人から犠牲者が出たらその時に「考える」なんて言い方ないですよ。そんな無責任
なやり方は、まともな社会では通用しないのですよ。

 イラク戦争は、アメリカの出方では、今後「パレスチナ紛争」にも匹敵する長い戦
いになりかねないのです。日本は確実にアラブ、イスラム諸国から見はなされ、膨大
な戦費と人的消耗のために疲弊していくことでしょう。(もっとも和製ネオコンの軍
需産業は景気はよくなるかもしれないけれど、われわれも旧制中学生時代学徒動員時
代に3年間ただ働きさせられた。多くの民間の会社は国家総動員法で潰され、こうし
た兵器産業に徴用されていたのを目撃しています。国防族に案外若い国会議員が入っ
ているのもこのせいなのでしょう。)

 こんな鬱然たる思いの中で、正月2日の午後から、12チャンネルで見た新春ワイ
ド番組、司馬遼太郎作『竜馬がゆく』は中々見ごたえがありました。染五郎、内山里
奈、高嶋政宏、松たか子らの青春俳優に、柄本明、幸四郎、藤田まことなどのベテラ
ン組を配した爽やかな、また9時間たっぷりの豊かな内容を大いに満喫しました。

 小生が大いに我が意をえたのは、竜馬の政治的な開眼を促した長州の久坂玄瑞の
「尊藩も蔽藩も滅亡しても大義なれば苦しゅうからず。」という竜馬を大きく飛躍を
せしめた有名な言葉や、また長崎の海援隊の看板を竜馬自らが書き、「これからの日
本を助けるには海から援けらればならない」と言う場面がキチッと入っていたことで
した。この二つの言葉、噛めば噛むほど今の日本の進軍ラッパをとめる方策を示唆し
ていると思っています。

 さて、薩長連合を遂に実現した竜馬は、日本国内の内乱を防ぐために、大政奉還の
離れ業をやってのけますが、維新の大業を前にして中岡慎太郎とともに狂刃に倒され
てしまったのは一大痛恨事でした。

 小生が竜馬に関心を頂いたのは、もう30年ほど前のこと。絶えず大国から虎視眈々
と狙われ、新しい国家の樹立を目指して苦闘するアラブ諸国の姿が、開国か攘夷に別
れて争った幕末の日本の激動期とよく似ていることに気付いたためでした。そのため
竜馬の本は、随分読みました。恐らく新渡戸稲造研究に費やしたと同じ時間とエネル
ギーをかけたと思っています。

 今、イラクの復興が叫ばれていますが、竜馬の思考、経験から学ぶことは多々あり
ます。例えば、この意味から、勝海舟と竜馬が献身的に育てあげようとした神戸海軍
操練所などもその一つです。もちろん海軍ではなくて、海運技術操練所のようなもの
を造れないかということです。こういう国づくりの人材を育成する技術研修所だった
ら、イラクはもちろん、どの発展途上国も喉から手が出るほどに欲しがるでしょう。
人殺しを前提とした重装備など「愚かと言うもあわれなり」です。これだけ豊富な資
金を無駄な使い方でなく、イラクにこうした国家有為の人材養成所をつくれば、日本
も中々やるじゃないかと世界全体が日本を見直すでしょう。新興諸国の「下等人民秀
才の人々」に門戸を広く開放し、”技術移転”のメッカとし、共に学びあうほど質の
高い操練所してほしいもです。
 そして、竜馬が手掛けた「和英通韻以呂波便覧」といった語学のテキスト、さらに
「万国公法」や「藩論」といった政治書(今の日本の場合は日本憲法の)アラビア語
による啓蒙的出版事業も手掛け、新しい知識の広範な伝播を図ったらどうでしょう。

 小生は竜馬から学ぶ最大の遺産と言えると思うのは、何と言ってもテレビドラマに
も出ていた「船中八策」です。彼が慶応3年(1867)に長崎から大阪に向かう土
佐帆船「夕顔丸」の中で書いたといわれています。これは後に、明治政府の国是となっ
た「五ケ条の御誓文」の原形となりました。この八策の第2条には、「1、上下議政
局を設け、議員を置き、万機を参賛せしめ、万機宜しく公論に決すべき事」とありま
す。つまり、現在の日本の国会を誰よりも早く考え提唱していたのが坂本竜馬という
ことです。

 小泉さんから、「おいおい、阿部さんよ、そんなこと政治の素人の君に言われなく
てもとうの昔に知っているぞ」とおっしゃるかもしれません。その節は謝ります。し
かし、この「万機公論に決すべき事」ということをあの時代に考えていたのは流石に
竜馬ではないですか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 そこで、今から15年ほど前、「東京竜馬の会」に入っていた頃、それまでのアラ
ブとの長いかかわりの中でえた知識、経験をもとに、小生なりの「新船中八策」を書
いてみました。

    「新船中八策」
1.大政奉還  (国会は国民の代弁者たるべし)
2.敬天愛人  (倫理とヒューマニズムの再生、日本には「武士に二言ない」など
         高い武士道(新渡戸博士は「平民道』でもよいとわれた)の倫理
         があります)
3.憲法実践  (憲法は飾りものに非ず、絶えず実践し応用すべし)
4.第三世界への開眼 (日本の眠れる潜在力の発見のために)
5.世界平和  (戦後、平和・文化国家としての再出発を決意した筈)
6.国際文化交流(世界は広いぜよ、学びあい、新文化創造を
         戦争は人の心から −ユネスコ憲章序文−)
7.諸民族の主権尊重 内政不干渉(普遍の原理)来年はバンドン会議の50週記念
         年にあたります)
8.日本をよくすることが世界の最大の貢献 (国際主義というのは、インター・ナ
        ショナリズム、つまり、それぞれのネーションが良くならなければ
        何の国際連帯ぞや。まず、「日本を洗濯せねば』(竜馬)、世界に
        貢献することは、夢のまた夢です)

 この「新船中八策」については、各論を詳細に書かねば舌足らずに終わりそうなの
で、またの機会に譲らせて頂きます。外遊歴も豊富で、世界の首脳と会談されてきた
小泉首相からも「世界が求める日本のビジョン』をお示し下さいますように。(また
小生の案の欠陥については各方面からの御批判、御示唆がいただければ幸いです。)

 とは言うものの、国民の八割近くが反対しているイラク派兵を眉毛一つ動かさず
(これ、パーフォ―マンス?)、決然と決行されようとする武断宰相の姿を見ている
と日本の前途に暗雲が垂れ込みはじめているような暗い気持ちになります。

 しかし、こんな猪突猛進の首相にずるずる引きずられていくほど日本国民は馬鹿で
も弱くもないし、国会議員諸公の中でも、これでいいと思っている人は大多数ではな
いと信じています。

 この「拝啓 小泉首相殿」シリ―ズも今回で24回となりましたが、ご承知のよう
にこの手紙は全国会議員にお送りしています。政党本部からも、また個々の国会議員
の先生からも大変参考になったと感謝のメールなど頂いています。三波春夫流に言え
ば「小生のメールをお読み下さる方は全て、小生にとっての神様」です。今後とも何
とぞご愛読下さいますように。また政治についてはまだまだ素人の域を脱していない
と思います。宜しく御叱正下さるようお願いいたします。

 最後に、蛇足のような書き方で、恐縮ですが、最近、『河野太郎の国会攻略本』を
買って読みました。題名も勇ましけれども、中身も河野議員の覇気、爽やかさ、行動
力が躍動していて、日本にも日本を良くしようというこうした政治家がいるのだと嬉
しくなりました。国会議員の働きぶりが良く判り大変得がたい知識をうることが出来
ました。売れ行きも順調だそうで、増刷が本屋に配本中とのこと、これこそ、日本の
政治の中にも、身体を張って日本を良くしようと政治家が潮騒のように胎動しはじめ
ていると感じました。
●関連ホームページ: http://www.taro.org/

 とにかく、竜馬のように平和と貿易の伸張を国是として、世界的視野から日本の前
途を考える国会議員や在野の活動家がもっともっと輩出して欲しいものと思いました。

 この本を読んで、「自衛隊イラク派兵」だの「靖国参拝」だの暗いニュースばかり
で、「慷慨(こうがい)悲憤の涙 そは 何をか嘆ぜん」といった幕末の志士、月形
半平太のような暗然たる思いに包まれていた小生をこの本は「こいつは春から縁起が
いいわい」という正月気分にやっと引き戻してくれました。

 若いわれら(若いと言う意味は精神的若さを言っているので、暦の年令とは関係な
いと思っています。小生は75才も半ば過ぎましたが、まだ気持だけは20代のつも
りです)が、年齢差をこえてまた、尊党だの弊党をこえて愛する日本のために「一大
薩長連合」する時節が到来したと思っています。

では、また


--
===========================
日本アラブ通信
http://www.japan-arab.org/
日本とアラブの事が総合的にわかるサイト

阿部政雄
masao-abe@hi-ho.ne.jp
==========================
http://www1.jca.apc.org/aml/200401/37331.html

 次へ  前へ

Ψ空耳の丘Ψ33掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。