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「カイロ宣言」「ポツダム宣言」は国際法の効力はない --- サンフランシスコ講和条約が正式な国際条約である(『株式日記と経済展望』より)
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投稿者 まさちゃん 日時 2004 年 1 月 20 日 17:00:32:Sn9PPGX/.xYlo
 

「カイロ宣言」「ポツダム宣言」は国際法の効力はない --- サンフランシスコ講和条約が正式な国際条約である

2004年1月20日 火曜日

◆台湾は中国の一部ではない

 呂秀蓮副総統は九月八日、サンフランシスコ講和条約締結五十周年に際し、『自由時報』のインタビューに答えた。このなかで呂副総統は「日清戦争後『下関条約』によって台湾は永久に日本に割譲されることになった。しかし、第二次大戦後四十八カ国が署名したサンフランシスコ講和条約では、日本が台湾の主権を放棄することは明言されたが、台湾がどこに帰属するかは示されていない」と語り、「台湾は中国(共)の領土の一部ではない」と指摘した。以下はその抜粋である。

 第二次大戦が終結した一九四五年八月、米国のマッカーサー将軍が中国南京政府軍に台湾を接収するよう命令したのは、軍事同盟の代表としてであり、中国の主権者としてではなく、この時点では台湾の主権はまだ確定していなかった。

 戦後処理を話し合うためサンフランシスコでおこなわれた会議には五十一カ国が参加し、そのうちの四十八カ国が日本の台湾の主権放棄を認める講和条約に署名した。具体的には同条約第二条第二項で「日本は台湾および澎湖諸島の一切の権利を放棄する」と明言され、また同じ第二条第七項では「日本は南沙(スプラトリー)諸島、および西沙(パラセル)諸島の一切の権利を放棄する」ことも明言されている。つまり、同条約では日本が台湾の主権を放棄することは明言されたが、台湾がどこに帰属するかについては述べられていないのだ。このことはすなわち、台湾の主権が中国(共)に属さず、台湾人民に属していることを明確に示したものと言える。

 サンフランシスコ講和条約は台湾にとって非常に重大な意味を持っている。だが残念なことに、北京や以前の国民党政府は政治的意図で同条約の存在を故意に無視するかわりに、「カイロ宣言」や「ポツダム宣言」を強調してきた。

 「カイロ宣言」は戦争真っ最中の一九四三年、中国、米国、英国、ソ連の四カ国首脳が集まって宣言したもので、署名は行われなかった。宣言では「日本が敗戦すれば台湾と澎湖諸島を中国に返還しなければならない」と明言されたが、そもそも同宣言は同盟国の戦術的呼びかけにすぎず、国際法としての効力を持っていない。四五年の「ポツダム宣言」は「カイロ宣言」の精神を復唱したもので、これも同盟国の対戦国に対する戦術的呼びかけであり、国際法としての効力はない。

 つまり、この二つの宣言はサンフランシスコ講和条約が締結されたことによって、それ以降何の意味も持たなくなったのだ。しかし、北京も国民党政府もこれらの宣言内容を特別扱いし、国際法として真の効力をもつサンフランシスコ講和条約が片隅に追いやられてしまったのだ。

 中華人民共和国は一九四九年に建国されたが、サンフランシスコ講和条約が締結された五一年当時国際社会の多くが台湾の中華民国を支持し、中国(共)を支持する国はごくわずかだった。つまり、同条約で台湾の帰属が明言されていない以上、台湾が将来中国(共)に返還されるとは解釈できないのである。

 さらに言えば、同条約締結の前年に朝鮮戦争が発生し、中国(共)は「援朝抗米」の名のもとに北朝鮮の侵略戦争を支援した。そもそも同条約の目的は第二次大戦の侵略国家の一つに懲罰を与えることであり、その精神を「将来台湾は中国(共)に帰属する」と解釈するのは困難だ。なぜなら、侵略国家の日本が放棄した土地をもう一方の侵略国家である中国(共)に与えるということになり、これは当時の国際的観点からもとうてい受け入れられるものではないからだ。

 中華民国はサンフランシスコ講和会議に出席しなかったため、条約締結翌年の五二年に日本と単独で日華平和条約を締結した。同条約はサンフランシスコ講和条約が下敷きとなっており、日本が台湾と澎湖諸島、および南沙、西沙両諸島の主権を放棄することが明言されたが、台湾がどこに帰属するかについてはここでも触れていないのである。

《台北『自由時報』9月9日》


地球史探訪:サンフランシスコ講和条約 国際派日本人養成講座

(私のコメント)
1月15日の日記にてカイロ宣言とポツダム宣言は国際法としての効力はないと指摘しましたが、では戦後の日本の枠組みを決めた条約は何かと言うとサンフランシスコ講和条約だ。しかしながらこのサンフランシスコ講和条約も曖昧な点を持っており、それが未だに解決されず外交問題となっている。外交の専門家ならなら知ってはいても多くの国民は教科書に書かれたこと以上のことは知らない。

その一つが千島樺太の帰属問題であり、もう一つが台湾の帰属問題だ。サンフランシスコ講和条約に内容は以下の通りですが、朝鮮については独立承認と書かれているのに、千島樺太、台湾については権原放棄とだけ書かれている。


日本と連合国との戦争状態の終了
日本の主権の回復
日本の朝鮮に対しての権原放棄、独立承認
日本の台湾・澎湖諸島の権原放棄
千島列島・南樺太の権原放棄
南洋諸島の権原放棄
南西諸島や小笠原諸島が合衆国の信託統治におくことを承認
日本は個別的・集団的自衛権を持ち集団安全保障条約に参加できる。
賠償は役務賠償のみとし、賠償額は個別交渉する。
サンフランシスコ講和条約が結ばれた当時は、すでに冷戦体制がはっきりしてきて、ソ連や中国にとっては日本に対する分け前が少ないと不満が出て、ロシアとは未だに平和条約が結ばれていない。中国に対しても台湾の帰属問題が未解決のまま棚上げされている。だから日本は領土は放棄しても、誰に対して引き渡すのかは指定していないのだから、ロシアは千島樺太を不法に占拠しているのであり、中国は台湾を一方的に主権を主張しているだけだ。

1972年の日中共同声明でも「ポツダム宣言8項に基づく立場を堅持する」としているが、そのポツダム宣言の効力が曖昧なまま残されてしまった。むしろ国際条約としてはサンフランシスコ講和条約が国際法として唯一有効なので、台湾についても日本政府はその帰属についてはっきりさせる当事者でもあり、日本政府が認めない限り正式な領有は出来ないはずだ。

もし、千島樺太の住民が独立運動を起こしたら日本はどう対応するのか。最近のシベリア情勢を見ても、数十年後には極東シベリアは独立するかもしれない。そうなった場合日本はどう対応するのか。中国にしても近く内乱状態となりいくつかに分裂するかもしれない。再び満州国が復活する事だってあるかもしれない。現在からはとんでもないと思われますが、過去のいきさつから見れば可能性はなくはない。その辺の外交戦略の発想が日本人には全くない。

中国やロシアの国内情勢を見ると、中央部だけの繁栄に辺境地域は取り残され、シベリアもロシア人は引き揚げており放置されている。中国も東北部は上海などの繁栄に経済基盤は奪われ不満は高まっている。それならば独立して日本からの投資を呼び込んだ方が良いのではという発想もありうる。

朝鮮の独立の承認も韓国のことを指すのか北朝鮮のことを指すのか曖昧なままだ。1965年の日韓基本条約は韓国を唯一の政府としたが、北朝鮮は何なのか。北朝鮮と平和条約を結ぶ場合に韓国との関係はどうなるのか。朝鮮半島に二つの国家を認めるのか。日本の周りはこのように複雑で微妙な問題が山積している。ところが日本の政治家達はこれらの問題をアメリカに丸投げして当事者としての責任を回避している。

日本国民も、日本の現代史を学校で教わった以上のことは、ほとんどの人が知らない。台湾や韓国の人たちには切実な問題でも、日本国民はほとんど無関心でいることが出来る。テレビなども日本の近代史をあまり取り上げようとしない。ホームドラマの背景としてとり上げられる事はありますが、歴史そのものを題材にしたドラマはほとんどない。来年NHKで大河ドラマとして「坂の上の雲」をやるようですが、歴史ドラマとしてはあまり期待できそうにない。

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