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発明の対価:研究員に過去最高1億6300万円 東京高裁判決 [毎日新聞]
http://www.asyura2.com/0401/bd33/msg/443.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 1 月 29 日 18:37:38:Mo7ApAlflbQ6s
 


 CDやDVDなど光ディスクの読み取り技術を発明した日立製作所の元主管研究員、米澤成二氏(65)が、自身の発明による特許権を譲渡した対価として、日立側に2億5000万円を請求した訴訟の控訴審判決が29日、東京高裁であった。山下和明裁判長は国内特許分に限って請求を認めた東京地裁判決(02年11月)を取り消し、海外分を含め1億6300万円余の支払いを命じた。1審が認めた過去最高額の3489万円余をさらに増額した判決は、同種訴訟に影響を与えそうだ。

 特許は光ディスクにレーザーを当ててデータを読み取る技術に関するもの。この分野の先駆的な発明とされ、米澤氏は日立側から231万円余を受け取っている。

 外国で取得した特許に対する対価を日本の裁判で請求できるかについて、判決は「(対価を規定した)特許法は労働法規としての性格も持つ以上、外国特許に関する権利を含めて、国内法で一元的に決めるべきだ」と判断し「それぞれの国の特許法に準拠すべきだ」とした1審判断を覆した。

 そのうえで、個々のライセンス契約とメーカー間で特許を無償で使い合う「クロスライセンス」に基づき、国内外で得た日立側の利益の総額を約11億8000万円と算出し、この利益のうち14%が米澤氏の貢献だったとして、支払うべき対価額を1億6300万円余と導き出した。1審で認められた3489万円余を差し引いた1億2810万円余を上乗せ分とした。

 1審は、貢献度については控訴審と同様の判断をしていたが、日立側の利益を国内分の約2億5000万円に限定していた。

 日立側は「1審は高額すぎる」と控訴し、米澤氏側も「対価はライセンス料だけでなく、製品の総生産額も考慮すべきだ」として、妥当な対価は約9億5000万円であると主張、この一部として2億5000万円の支払いを求め控訴していた。

 発明の対価を巡っては、「青色発光ダイオード(LED)」を発明した中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(49)が、勤務先だった日亜化学工業に200億円の支払いを求めた訴訟の判決が30日、同地裁で言い渡される。【小林直】

 日立製作所の話 主張が認められなかったのは大変残念。到底承服できないので、上告する方向で検討している。

 ◇報奨金アップの流れ加速か

 企業内発明家に「1億円プレーヤー」が誕生した。29日の東京高裁判決は、過去最高額だった1審の認容額3489万円余を約5倍に引き上げ、一気に約1億6300万円とした。原告の元主管研究員、米澤成二氏(65)は笑顔を見せる一方、「高額すぎる」と争った日立製作所側は終始硬い表情だった。社命による従業員の「職務発明」を巡る判決は高額化が進んでいる。特許庁も発明者を保護する方向で特許法改正を検討しており、判決は報奨金アップの流れを一層加速させそうだ。

 「子供たちが(スポーツ選手のように)発明者を目指したくなるような、価値観を変える判決だ」。原告側の升永英俊弁護士は判決後の会見で意義を強調した。「日立が払った報奨金に比べ、ケタが二つ多い。ここまで上がったのは法の力」と司法の判断を評価する一方、「会社に在籍したまま裁判を起こした人は一人もいない。もっと発明者の意見を聞いて法改正を進めるべきだ」と注文をつけた。

 米国の大学研究所で宇宙光学を研究した米澤氏は、69年に日立製作所に入社した。光ディスク関連技術が専門で、在職中308件の職務発明を完成させた。今回問題になった特許では過去20年間で6件しか受賞例のない社内の「戦略特許金賞」を受賞した。米澤氏が提訴に踏み切ったのは、他の同種訴訟の原告と同様に、退社した後の96年だった。

 国内で約2万、海外で約2万6000件と日本有数の特許保有数を誇る日立製作所は、90年からほぼ3年に1回のペースで報奨制度を見直し、現在は報奨金に上限を設けていない。半導体関連の発明で約5000万円を受領した社員もおり、他のメーカーに比べ進歩的な制度とされてきた。

 しかし、判決は報奨金として過去に支払った約230万円では大幅に不足すると認定した。「他社に先駆けて報奨規定の整備を行い、金銭的にもそん色ない水準にある。会社規則と運用は適正と考えている」。判決後に発表したコメントで、同社は判決に強い不満を述べた。

   ◇   ◇

 妥当な対価額はどの程度か。両者は法廷で激しく争った。

 1審は特許を取得後、日立側が各社から得たライセンス料に、他社と結んだクロスライセンスで得た収入を加え、総利益を算出した。今回も手法は同じだった。裁判例が割れている外国特許分については、1審と異なり「請求できる」との立場をとった。

 こうして積み上げた総利益のうち、米澤氏の寄与度を1審同様、14%として対価の額をはじき出した。つまり海外分を含めた総利益が1審より高額だったため、過去最高額の更新につながったわけだ。

 こうした算定方法を「あいまいだ」と批判する声も根強い。職務発明のあり方を討議する産業構造審議会(経済産業相の諮問機関)の知的財産政策部会では「(ライセンス料など考慮すべき)項目を示すが、結論で示す額との関係が明確でない」と問題視する声があった。

 特許庁は発明者の権利を保護する方向で法改正作業を進めている。30日の青色発光ダイオード(LED)訴訟でさらに高額の判決が出る可能性もあり、対価額を巡る論争が当面続きそうだ。【小林直】

 ◆ことば◆職務発明 企業や大学、国の機関などで職務として行った発明。特許法35条で規定され、職務外の「自由発明」とは区別される。会社は職務発明で得た特許権を使用する権利(通常実施権)を持ち、使用者側に特許権を譲渡した従業員は、「相当対価」の支払いを受ける権利がある。対価額は「会社の受けるべき権利」や「貢献度」を考慮して決めると規定されている。

[毎日新聞1月29日] ( 2004-01-29-14:10 )

http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20040129k0000e040026002c.html


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