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松下政経塾と「中田人脈」の研究 (6)
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投稿者 なるほど 日時 2004 年 2 月 27 日 04:19:55:dfhdU2/i2Qkk2
 

(回答先: 松下政経塾と「中田人脈」の研究 (5) 投稿者 なるほど 日時 2004 年 2 月 27 日 04:05:58)

                                    2003年7月21日

平 智之(商学部教員)

W 「連合」と松下政経塾・「中田人脈」の関係(承前)

4. 「連合」と中田市長との関係

前回みたように、中田市長と民主党県連との間の「雪解け」が模索されているようであるが、最初から全組織を挙げて高秀前市長を2002年市長選で推した労働界の連合の方はどうなっているのだろうか。そもそも連合は、笹森清会長自らが、中田氏が立候補表明をした同年2月28日の連合神奈川主催の総決起集会に出席して、以下のような異例の民主党非難を行なうなど、高秀支援に大変な力の入れようだったのである。

笹森会長は集会後の記者会見で、民主党の分裂選挙問題を「政党の体をなしていない」と非難。県連と地元市議団が分裂選挙となった川崎市長選などを念頭に「神奈川の選挙は毎回独特だ。民主党は何を考えているのだろうか」 と発言、首をかしげた。(『神奈川新聞』、2002年3月1日付け)

したがって、よもやの中田当選、高秀敗北の「後遺症」は、連合の組織に大きなダメージを残したことは想像に難くない。それを裏付けるように、佐藤行信元市議(7月17日に辞職)が民主党市議団を分裂させた「横浜みらい」から立候補した今春の市議選を前に、出身の日産労連の政治団体から選挙資金の提供を打ち切られて窮したあげく、入札情報を複数の土木業者に漏らして資金供与を受けて逮捕・起訴されるに至った「動機」は、公判廷でも明らかにされたことはすでに述べた。さらに、佐藤元市議のさる5月20日の最初の逮捕に際して『神奈川新聞』、翌21日付けには、日産労連が以下のような「裏切り者」扱いの厳しい態度で彼に対処したという、関係者の証言が記されている。

 市議選など一連の経緯をめぐり出身労組などから「組織に従わない議員は許さない」などと「縁切り」を宣言され、「資金面で苦しい立場だった」(連合神奈川幹部)との証言もある。

 ところが、まさに逆説的であるが、中田市長との関係では障害になっていた佐藤元市議が「失脚」したことで、手の平を返すように連合神奈川の方から「関係修復」の動きが、民主党県連と同時に進行しているのである。すなわち、さる6月7日付けの各紙は、以下の『読売新聞』神奈川版のような記事を一斉に掲げた。

 連合神奈川(会員約四十四万人)の真壁忠利会長と白石俊雄事務局長は六日、横浜市役所で中田宏市長と会談し、「(昨年三月の市長選で)連合は有権者が何を思い、何を望んでいたかをつかみ切れなかった」と反省の意を表し、中田市長との「関係正常化」を申し入れる文書を手渡した。

 市長選で、連合は四期目を目指していた高秀秀信前市長(故人)を推薦。中田市長は当選後、メーデーや賀詞交歓など、連合が主催するイベントへの出席を見合わせてきた。会談の席で、真壁会長は「連合内で、いろいろなイベントに顔を見せてほしいという声が上がっている」と歩み寄りの必要を強調。白石事務局長は「選挙後(連合の側から)非礼な発言もあったと思うが、おわびしたい」と述べた。

 これに対し、中田市長は「非常にすっきりとした気持ちだ」と述べたが、今後のイベント参加などについては回答を避けた。

一言でいえば、連合神奈川の会長・事務局長の最高首脳が、中田市長に市長選以降の「非礼」を詫びに出向いて「詫び証文」まで入れたという、ちょっと「政治的常識」では考えられない「無条件降伏」的な一大事件であった。中田市長の「してやったり!」の反応もなるほどと頷けるが、さっそく1週間後には、6月16日付けの拙稿で指摘した鶴見の「産学連携特区」も含む構想を推進する、松沢県知事・中田横浜市長・阿部川崎市長の、松下政経塾関係の3首長らと民間団体の検討会議に、真壁連合神奈川会長もメンバーに列せられたという記事が、同じく『読売新聞』神奈川版、6月13日付けに以下のように報じられた。

 官民一体で京浜臨海部の活性化策を話し合う「京浜臨海部再生会議」(座長・松沢成文知事)の初会合が十七日、県庁で開かれることが決まった。

 再生会議には、行政側から松沢知事を含む中田宏・横浜市長、阿部孝夫・川崎市長ら四人が参加。民間側からは、小谷昌・神奈川経済同友会代表幹事や、真壁忠利・連合神奈川会長、藤木幸夫・神奈川港運協会会長など、経済界と労働界の代表者六人が参加する。

 松沢知事の掲げるバイオ・ハイテク産業の拠点作りや、カジノを含む娯楽施設の誘致などについて話し合われる。来年六月までに三回程度開かれる予定。

これにとどまらず、連合神奈川の地元横浜市の下部組織が中田市政のゴミ政策に協力することを通じて、全面的に関係を修復をすることを申し入れたと、『神奈川新聞』、7月4日付けが、以下のように細大もらさず報じたのである。

 県下最大の労働団体「連合神奈川」の傘下組織「横浜地域連合」の米内顕二議長が三日、横浜市役所で中田宏市長と面談し、市のごみ減量新計画「G30プラン」などへの協力を申し出た。市長も地域連合のイベントなど活動現場へ足を運び協力を呼び掛けていく姿勢を示した。

 米内議長は「G30はじめ地域と市民が一体となって取り組む課題は増えている」とした上で「労働組合もNPO(民間非営利団体)などと同様に社会的な責任を持つ『民の力』だ。横浜市と連携してさまざまな役割を果たしたい」と表明。地域連合のイベントなどについて「多くの市民が参加する。市長との顔合わせ、心合わせができればさらに力が発揮できる」と説明し出席を促した。

 中田市長は「労働組合の幅広い活動には敬意を表している。色めがねで見ようとは思ってもいない。同じ土俵の上での建設的な論議を通じて対話を深めたいし、G30プランをはじめとした市との協働もお願いしていきたい」などと応じた。

 連合は昨年三月の市長選で前市長を応援。選挙後には幹部が「当面、横浜には期待できない」と公言するなどして没交渉状態が続いた。ことし六月、真壁忠利・連合神奈川会長が過去の経過への「反省の意」を盛り込んだ総括文を市長に届けたのを機に、雪解けに向けた動きが始まっている。

 今回の米内議長の訪問もその一環。横浜地域連合には連合神奈川の構成組合員(四十四万人)の三分の一にあたる十五万人が所属している。

以上のとおり、私にも余りに「屈辱的」と思える、まさに「君子豹変」した連合神奈川首脳の中田市長への迎合姿勢には、案の定、傘下の一般組合員(市民)からもさっそく批判の声が挙がっていた。それは、お膝元の連合神奈川のホームページに開設されている「21世紀をみんなで語ろう!!」という BBSにhttp://www.rengo.or.jp/cgi-local/bbs/combbs.cgi 真壁会長らの中田市長への「お詫び行脚」が報じられた6月7日に、以下の書き込みがなされたことから始まった(7月20日の時点では、そのやり取りが削除された形跡もなく掲載されているので、引用に際しては投稿番号を付記)。

[108] 何故協力するのですか 投稿者:横浜市民より 投稿日:2003/06/07(Sat) 10:25

 本日の神奈川新聞の2面は、連合神奈川と中田市長の会談について4段抜きで書かれています。横浜市庁内では70%の役人が、高秀体制からの変更にとまどいを感じ、必ずしも中田発想を良としていません。一方、市民も「中田はやるな!」と感じつつも、まだまだ、冷静に見ています。議会も同じではないですか。

 そうした中、いきなり、中田市長に協力ですか。労働組合は、体制に適切な批判をして、抵抗する。このことが健全な市民活動ではないですか。

 何故、頭を下げて、中田に協力するのですか。ご見解を受けた〔ママ〕賜りたいです。

これに対して、不活発な労組関係のBBSでは珍しく、翌8日にかけての24時間余りで7〜8本の、どこでも同様な例のごとくの「レス」の応酬が交わされた。しかし、よく読んでみると、レトリック的には反論・論争の形になっているが、いずれも連合神奈川首脳の行動には批判的な思いがにじみ出ており、最初のレスの一部は以下の通りであった。

[109] 横浜市民さんへ 投稿者:名無しの組合員 投稿日:2003/06/07(Sat) 12:10

 横浜市民さんよ何を言ってもだめだよ。会長の真壁って、何でも強い者にすり寄ることで有名だからな。知事選をみてみろよ。松沢だ、飛鳥田だ、あげくは、自民党の宝田まで挨拶に行く。いつも軸足がぶれているではないか。……

これに対して、問題提起した《横浜市民》は、真壁会長らが「悩んだすえに【中田市長に−引用者、以下同じ】『会わなければならなかった理由』を知りたい」として、「新聞に書いてあるとおり『メーデーに顔を見せなかった』から、たったそれだけの理由ではないですよね」と改めて問いかけた[110]。再び《名無しの組合員》は、「真壁っていうのは、単純だから、周りから『中田とうまくやれ』など言われたら、すぐその気になる」と会長の資質に帰し、民主党県連の分裂状態や佐藤元市議の事件にも言及して、連合神奈川の「日和見」体質を痛烈に批判した[111]。

 ところが、ここにいわゆる「横レス」した《夢芝居》なる者が、真壁会長が「誰か」から中田市長との関係修復をもちかけられたのか?という上記の点に関して、われわれの観点からは大変重要な指摘をした。彼(女)は、「今回の中田−真壁会談は、わからないところが多いですね」としながらも、「松下政経塾の塾長は、確か鉄鋼【労連】出身の宮田【義二】がやっていたはず。松沢・中田は松下政経塾の優等生。真壁は鉄鋼出身。見えてくるでしょ。……」と示唆したのである[112]。

 ところが、これを「ちゃかし」と受け取ってしまった《名無しの組合員》は一顧だにせず、真壁会長批判をエスカレートして「【会長が市長に】『推薦の時期がずれていたから中田を応援できなかった』と言ったらしいが、高秀を応援しろと言われ、汗をかいた組合委員は悲劇の〔ママ〕何ものでもない。まして、死んだ高秀に申し訳ない。」[113]と糾弾し、あと1〜2回のレスで「中田の戦略に負けた」[115]と連合と真壁県会長の批判を繰り返したあげくに、パッタリと途絶えてしまった。そして、この「話題」は現在まで蒸し返されることもなく、それで終わっている。

 以上のように、《横浜市民》のお株を奪った《名無しの組合員》の「正論」と事態の本質を見抜く《夢芝居》の「炯眼」が印象に残るので、同じ連合神奈川のホームページに掲載されている、県と市レベルの執行体制を改めて確認しておこう。

 まず、連合神奈川の2003年度役員体制は、以下のリンク先の通りである。http://www.rengo.or.jp/01-rengo/2003yakuin.htm まず、両名とも専従の真壁会長はやはり鉄鋼労連、白石事務局長は日産労連も加盟する自動車総連の出身で、まさに連合と金属労協(JC)の中心単産である。また、会長代行と副会長の計15人ほどは、非専従、非常勤の役員が有力単産から出ているが、これも旧同盟系と旧総評系、中立系の官民取り混ぜた「バランス・オブ・パワー」が図られ、正副局長ともすべて専従で最も重要な事務局体制も同様である。他方、横浜地域連合の方は、以下の通りである。http://www.rengo.or.jp/L03-tiiki/yokohama1/01-yoko.htm 米内議長は造船重機労連の出身でこれまた金属労協加盟であるが、県本部と同様の構成ながら、自治労や神教協(小中高教組の連合体)に加えて、事務局長は横浜交通労組の佐々木氏が占め、同水道労組も局次長を出している。すなわち、岩國衆議院議員が言う、齋藤参議院議員が率いる広義の「自治労」勢力の横浜市労連3組合はじめ、旧総評・社会党系の単産の影響力がより強いように思われる。したがって、《夢芝居》氏が見事な「憶測」をしていたように、宮田氏(さらに鷲尾悦也・連合前会長)の鉄鋼労連の後輩、真壁会長はじめ金属労協関係の連合県・市幹部の中田市長への「すり寄り」には、下部組合員から県本部のBBSに匿名ながら公然かつ痛烈な批判が書き込まれても、そのまま黙認せざるをえなかったのではないだろうか?

X おわりに −今後の「研究」に向けて−

 以上、3週と6回に及んで気と筆の向くまま、松下政経塾と「中田人脈」に関して心にかかっていた事柄を、拙い手法と文章ながら取りあえず書き連ねてみた。以上は、エッセー的な要素も加えながら、私の本来の専門の日本経済史や国際関係史の論文を執筆するスタイルやスタンスを応用した、まさに研究活動の一環である。ただ、本業の論文では半世紀以上前の歴史が対象なので、文献・資料目録など以外は余り役に立たず試みることも少なかったインターネットの検索技術を縦横に駆使した。これによって関係ホームページの全体や一部の記述を発見し収集できないかぎり、かくも長い論文を執筆することはまず不可能であった。換言すれば、複数の検索エンジンや(無料に限った)全国・地方紙の記事検索、それに私の研究上でも大変優秀な「助手」の平凡社『世界大百科事典』のDVD版などを総動員した成果である。これが、インターネットがない時代ならば、市大図書館にこもって新聞の縮刷版を山のように積んでもまずコンテンツ的に困難であったろうし、何よりも仕事場にいながらに時間的にも本業のかたわらに可能となったのである。

また、検索エンジンは思いもよらない重要かつ貴重な記事を拾ってくれる望外の結果を再三もたらして、我ながら最初に心積もりして見当をつけていたよりも、ずっと「面白い話」が描けたのではないかと秘かに思っている。いくつかの例のうち、最終盤にもその1つに遭遇して意を強くし、このまとめを書いているわけである。それは、副島隆彦氏という同業の大学教員ながら、数十冊もの特にアメリカの覇権主義批判の本を出版し、その方面では有名らしい「国際問題評論家」による記事である。http://soejima.to/profile.htm 失礼ながら、私も最近それに近い研究をしているのに「学名」を存じなかったので、後述する記事に注目したあと、どんな「系譜」の人か調べてみた。結論からいうと、私の学生時代の20〜30年前から、「在野で異色の大学者?」として著名だった、小室直樹氏http://www.zakzak.co.jp/we/komuro/ の「弟子筋」に当たる人のようである。ということは、何と!中田市長から送り込まれて横浜市大をこんな苦境に陥れた「張本人」の、あの橋爪大三郎「あり方懇」座長(東工大教授)こそが副島氏の「兄弟子」か?と推測できる。事実、橋爪・副島の共著で『現代の預言者・小室直樹の学問と思想 <ソ連崩壊はかく導かれた>』(弓立社、1992年)という、そのものズバリの本まで出版しているし、「小室ファミリー」と銘打ったホームページの類まで存在するので、http://www.interq.or.jp/sun/atsun/komuro/link.htm 彼らの「師弟関係」はまず間違いあるまい。

そういう反感に基づく「色眼鏡」や「胡散臭さ」は一応捨てることにしよう。そのうえで、副島氏主宰のかなり商業的な『学問道場』という、にわかには信じがたい「アクセス数150万余」のホームページhttp://soejima.to/snsi.htm を閲覧すると、メインには「今日のぼやき」なるコラムが掲げられている。検索エンジンが、本連載の前回(5)を執筆中に拾ってくれた、その2003年1月26日付けの記事には、以下のような注目すべき記述がある。http://soejima.to/boyakif/wd200301.html 

 今日は、「松下政経塾が遂にその本性を顕(あら)わして蠢動(しゅんどう)を始めた」を書こうと思います。この動きが、実は、今の日本の政界の最大の内部の動乱要因なのです。

……【中略】……

 それで、自民党の中の本物の民族派で、愛国派の政治家たちが、何年も前からひそひそと囁(ささや)きあっていた。「どうも松下政経塾の連中の動きは怪しい。あいつらは、信用が出来ない」と。

……【中略】……

 松下幸之助は、自分の電気会社が成長する過程で、「共産主義=激しい労働組合運動 の脅威から自社(自分の財産)を守るにはどうしたらしいか」を本気で憂慮していた。そして、イギリスのアーノルド・トインビー(イギリス最高の「冷戦」洞察家。イギリスのMI6=エムアイシックスという国家情報機関の創設者に等しい。大文明史家でもある)の系統に研究委託した。

 それで、アメリカのロックフェラー系統の研究所から指南・報告を受けて、「道徳再武装運動」(モラル・リアーマメント)に加わった。それは、日本の反共労働運動の系譜を作った、「民主社会主義協会」=旧・民社党、友愛クラブ、JC中立労連、という労働組合のイデオローグたちを育てた。これが、国際自由労連=世界反共労働運動=ロックフェラー労働運動である。

 一方で、PHPという出版社・研究所を作って、「お父さん、お母さん、お客様、地域の皆さんに感謝しよう」と唱える、PHP思想を作って、それで、激しく闘おうとするソビエト型、中国型の共産主義者たちの影響を受けた組合活動家たちを押さえ込んだ。

 私は、「オックスフォード・グループ」Oxford Group の系譜である「道徳再武装運動」MRS Moral Re-Armament が全ての鍵を握っており、その分裂騒ぎの時に真実が表に出た、と分析している。……

以上の通り、副島氏は、先輩の橋爪氏が松下政経塾の勢力の「手先」に成り下がっているのと、まさに対照的な同塾批判を展開している。ただ、私はトインビーやロックフェラー=オックスフォード系の「道徳再武装運動」の実態や幸之助翁との関係については寡聞かつ不勉強にして知らないが、PHP運動と密接な提携があることは想像に難くない。しかるに、副島氏は同コラムの「無料版」ではここまでに留めて定期購読される「有料版」に詳しく書くと断わっているが、私はそこまでは「食指」が動かなかったので、彼がこう断言する根拠はうかがい知れない。それでも、副島氏が国際戦略研究家らしく、いわば演繹的に世界史・国際情勢から導いた結論と、私がその末端の松下政経塾関係者の「人脈」を追って帰納的に到達した結論とは、問題意識も含めて見事に符合する点が多い。

 両者に共通の結論を一言でいえば、松下政経塾は幸之助翁や宮田義二氏らを通じて、旧同盟系ないし金属労協(JC)系の労働組合と密接な関係を有しており、政治的には旧民社党=民主社会主義協会(現・民社協会)の系列に位置し、対外的には国際自由労連やその傘下にある国際金属労連(IMF, 金属労協はその日本支部でIMF-JCともいう)の反共労働運動の日本における潮流の一翼に列している。したがって、中田氏は先輩の松沢氏も含め、その系譜に属する宮田氏や小幡・佐藤両氏の薫陶や支援を受けて横浜市長と神奈川県知事に当選した新たなタイプのイデオローグであり、それに連合での継承者たる同系列の労組幹部も迎合しようとしている。そして、必ずしもPHP思想・運動に立脚したものではないが、PHP総合研究所に結集する新自由主義的な立場の学者中心のブレインたちを、中田市長らは遠慮なく公私の各諮問機関に送り込んで、強引に自らの主張を次々と政策化させているのである。

 これに対して、副島氏が冒頭で指摘し、現に県議会では自民党が松沢知事攻撃の急先鋒となっているように、共通点も多い「保守本流」でさえ、彼らのきわめて組織的な選挙と政策の急激な展開手法には政治的な危機感を強めている。そして、その対極に位置するわれわれ真の福祉国家と民主主義を擁護する「リベラル勢力」も、まったく異なる政治的理念から、こうした松下政経塾の勢力に対する究明と告発を今後とも続けていく決意を表明して、ひとまずここで筆を置きたい(完)。

http://satou-labo.sci.yokohama-cu.ac.jp/030721taira.htm



★関連
>>日々通信 いまを生きる 第80号 2003年11月11日<< 【横浜市立大学について書いてありました】
http://www.asyura2.com/0311/ishihara7/msg/134.html

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