★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 議論16 > 362.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
Re: bakaでもわかる「あっしら経済学」- その11 日銀の信用創造と国際的収奪シンジケート?
http://www.asyura2.com/0401/dispute16/msg/362.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 1 月 19 日 21:39:23:Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: bakaでもわかる「あっしら経済学」- その11 日銀の信用創造と国際的収奪シンジケート? 投稿者 baka 日時 2004 年 1 月 17 日 11:28:56)

bakaさん、こんばんわ。
議論版に立ち寄っていなかったのでレスが遅くなり申し訳ありません。


Q1:「輸出企業は稼いだドルを日銀に渡しそれに相当する日本円を日銀が供給し、輸入企業は手持ちの日本円を日銀に渡し、それに相当するドルを日銀から受け取ると考えたらわかりやすいと思います。
貿易収支が黒字であれば、黒字分だけ日本円の流通量が増え、それに相当するドルが外貨準備として積み上がります。」
企業と日銀がドルと円をやりとりする具体的な金融のプロセスについて御教示下さい。


A1:貿易実務は詳しい人にフォローをお願いしたいと思います。
要点は、日銀券発行残高が100兆円でそれらすべてが経済活動で使われドルへの需要も満たされているときに、輸出企業が1億ドル稼ぎそれを日本円に転換したいときは、10億ドル×円ドルレート(例1ドル=100円)に相当する日本円(1000億円)が日銀により発行され、日銀券発行残高が100兆1000億円になるということです。

輸出企業から商業銀行に外国為替が持ち込まれさらに商業銀行から日銀に回るという過程の逆方向として、外国為替円価額に相当する日本円が日銀により発行され商業銀行に渡され、それが商業銀行から輸出企業に渡されることになります。

これにより、日銀の外貨準備高は10億ドル増加します。

Q2:「政府の“対米貢納”は、税金でまかなわれるのではなく、政府が日銀から日本円を借りてドルを買いそのドルを米国債に転換するというものです。」
政府が日銀から日本円なりドルを借りる場合、利息付きで返済しているのでしょうか?


A2:国債を発行して借りているので、利息付きで返済しているはずです。借りて購入した米国債の円建て利息がそれより多ければ政府は利益を上げることになりますが、円ドルレートがこの間のようにドル安傾向であれば、為替差損が生じることになります。
保有米国債を売ることをせず、購入価格(簿価)で資産計上されていると思われるので、為替差損は表に出ないかもしれません。
(ドル安が以上に進めば、日米の金利差を超えて、政府が日銀に支払う利息のほうが多くなる可能性はあります)


Q3:「その取引そのもので企業や日本国民が保有する日本円やドルが増減するわけではありません。
日本円の発行額が増加し、米国政府が手にするドルが増加し、日本政府が保有する米国債が増加するというものです。
(日本円の発行残高増は金融調整手段で打ち消すことができます)」
ここで「日本円の発行額が増加」というのは日銀の信用創造ということでしょうか?
また、「日本円の発行残高増は金融調整手段で打ち消すことができ」るというのは、具体的にはどういうことでしょうか? 金融調整手段とは?


A3:「日本円の発行額が増加」というのは日本政府が発行する国債に対応した日銀券の増発を意味しますから、日銀の信用創造に相当します。
金融調整手段は、日銀が売りオペで市中から日銀券を吸い上げることを指します。
為替介入のために国債を受け取って日銀券を1兆円発行したとき1兆円の売りオペを行えば、日銀券発行残高は増加しません。
売りオペだけではなく、預金準備率を上げたり、時間はかかりますが商業銀行への貸し出しを抑制することでも調整できます。


Q4:「政府部門の保有米国債増加分の対米貿易黒字が達成されれば、その時点で増加分の米国債が返済されたと解釈することもでき、政府が民間輸出企業のために販売促進費を支出していると解釈することもできます。
(但し、民間部門や政府部門の基金が保有している米国債が返済されないときは大問題になります)」

このメカニズムは、米国のイラク侵攻の戦費を日本が賄いつつ、日本にとって必要な物品を輸入可能にする米国ー日本が一体となった国際的(詐欺的)収奪機構と捉えることができるでしょうか? (日本は米国のマネーロンダリング機関か?)


A4:為替介入による米国債購入は、書かれているように、米国のイラク侵攻戦費を日本が賄い、その代償として米国が日本から物品を買うことで日本企業に利益を与える国際的詐欺機構と言えます。

金に色が付いているわけではないので日本政府が購入したドルそのものがイラク戦費に使われているとは言いませんが、20兆円相当のドルが米国連邦政府に供給されなければ、イラク侵攻にかかる戦費が妥当かどうかという議論を米国民のあいだで巻き起こすような経済状況をもたらすはずです。

そして、それは、日本の輸出企業の対米輸出の減少にも結びつく経済状況です。


Q5:「このように異様なことがまかり通るわけや“対米貢納”の問題点、「日本人がただ働きで補填」の有無は、別途折をみて書き込みさせていただきます。」
この御投稿に期待しております。

ドル為替本位制や日本のデフレ状況が「異様なことがまかり通るわけ」ですが、その詳細な説明は後日にさせていただきます。

“対米貢納”の問題点は、日本経済を対米輸出に傾斜させるという構造的悪化・米国政権の世界戦略を支えるという国際政治上の問題・避けることができない世界経済構造の破綻を覆い隠したり解決の見通しがないまま先送りするという問題などです。

「日本人がただ働きで補填」は、「異様なことがまかり通るわけ」にも関わる問題ですので、説明はやはり後日にさせていただきます。


 次へ  前へ

議論16掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。