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イラク情勢や国際商品の価格(ドル建て)上昇傾向について
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投稿者 あっしら 日時 2004 年 4 月 06 日 23:17:52:Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: 早速ですが、 投稿者 baka 日時 2004 年 4 月 06 日 22:01:30)


bakaさん、どうもです。

bakaさん:「bakaの見るところ、シーア派の過激分子は、サドル派に吸収された後、一網打尽に平らげられるのではないか、これが元々の米国の狙いではないか、と思います(あくまで可能性の一つですが)。さらに穿った見方をすれば、サドル師はアルカイダ同様、エージェントとして泳がされているだけではないかと。
いずれにせよ、宗教者が暴力を使嗾したのでは、大多数の穏健イスラムの支持を失うのでは? 少なくとも、国際世論の支持はないでしょう。」


このところのサドル派の実力行動がシーア派庶民の感情から浮き上がったものだったら、「シーア派の過激分子は、サドル派に吸収された後、一網打尽に平らげられる」ことになります。
そして、それを狙った米英の策動に乗っかったものがサドル派の実力行動だったとも言えます。(サドル師がエージェントであるとも言えます)

そのような可能性を全面的に否定することはできませんが、シーア派庶民の感情は、けっこう追い詰められていると思っているので、サドル派がそこそこの戦果を上げるとサドル派を超えた実力行動になると予測しています。

米英軍のイラク侵攻でどこよりも大きな被害を受けたシーア派地域の庶民は、米英に強い報復感情を抱いているはずです(家族や親戚が犠牲になったひとがほとんどのはずです)
そのような反米意識に加え、

●生活条件がフセイン時代よりも悪くなったと感じている。
●国軍兵士を含め職に就ける割合が減っていてそれが改善される見通しがないと思っている。
●米英は形だけの「主権移譲」をしようとしているだけで、その後も軍隊が居座り、実質的な支配者として君臨すると見ている。
●シーア派的価値観は「主権移譲」後も統治に反映されることはないと思っている。
●スンニ派庶民も同じように考えているはずだと思っている。

などと考えていれば、職もなくぎりぎりの生活をおくり先に希望が見えない若者たちが反米闘争という「エロス」と「タナトス」がない交ぜになった状況に身を置くことに惹かれる可能性は大です。
死の危険が付きまとっていても、闘争はひとに大きな高揚感を与えてくれます。イラクの現状であれば、それに惹かれる人たちが多数いるはずです。


「いずれにせよ、宗教者が暴力を使嗾したのでは、大多数の穏健イスラムの支持を失うのでは? 少なくとも、国際世論の支持はないでしょう」の部分ですが、イスラムにおいてはイスラム共同体の防衛のために暴力を行使することは正義ですから、それ自体では支持を失うことはないと思っています。
支持を得ないとしたら、「「主権移譲」に希望を見出しているひとが多数派」であったり、「現在の彼我の条件で戦うことは無謀と考えているひとが多数派」である場合です。

たぶん、スケジュール化されている内容での「主権移譲」後のイラクに希望を見出しているシーア派庶民は少数派でしょうから、「今が戦いの機会なのか」という問題になるはずです。

「今が戦いの機会なのか」については個人的に、機会ではあるが条件が整っていないと思っています。
機会であるというのは、「主権移譲」後の国連が表に出てくる状況になれば戦いが“イラク反体制派” Vs. 国際社会の構図になるので、それ以前の“イラク反占領派” Vs. 米英占領軍の構図のほうが有利であるという見方に基づいています。
端的に言えば、「主権移譲」後の戦いは“国連の旗を持った多国籍軍” Vs. “イラクの一部テロリスト”と広くみなされるようになってしまう危険性があります。
これは、ベトナム戦争とは違い抵抗派にとって非常に厄介な構図です。(ベトナム戦争は米国とそれに追随した一部国家が行ったもので、国連のお墨付きがあったわけではありません)

条件が整っていないというのは、イラクの幅広い勢力が糾合できているわけでもなければ、それを達成するための政治目標(めざすべき統治形態)も明確にされていないことです。
オリジナルでも書いたように、したたかな“彼ら”は、それならそれで、一気に混乱に持ち込もうと考え、スンニ派をシーア派にぶつけて内戦状況をつくりだす可能性があります。
「主権移譲」後にシーア派のなかから“イラクの一部テロリスト”が生まれることは読み筋のはずですから、国連の旗がなくともここで一気に決着を付けるという動きに走るのでは、ということです。
イラク内戦は、イランやサウジなど周辺諸国を巻き込む素地もあるので、それこそ一気に「中東近代化」をめざすという策動を招く恐れがあります。
イラク国民同士やムスリム同士が血で血を洗う戦いになるという最悪のシナリオです。
米英は、それを後ろから煽りながら武器を供与し、彼らが殺し合うのを眺め、ボロボロになったところで「中東近代化」の仕上げに乗り出せばいいと考えるはずです。
米英は自国部隊をそれほど犠牲にしなくて済むのですから、このシナリオは悪くないでしょう。

このような最悪のシナリオを避けるためには、シーア派やできるならクルド人までもを包摂した「反占領イラク統一戦線」を構築する必要があります。

bakaさん:「この部分、bakaの理解力が及ぶところではありません。特に、何故「中国が「世界の工場」の地位を高めるほど、国際商品の価格が上昇する」のでしょうか? 一般的な見方では、中国デフレではなかったのでしょうか?」

中国が日本などの供給力を代替するだけであれば、1次産品の国際価格(ドル建て)にほとんど影響を与えないはずです。
問題は、輸出主導の経済成長を通じて中国の内需が拡大していることです。
自転車が道路いっぱいに広がっていた状況から、バイクが目立つようになり、自転車が邪魔者扱いされるほど自動車が増えるという流れは、そのまま、原油や鉄鉱石などの資源需要が増加することを意味します。

中国のデフレとの関係ですが、このところはデフレから抜け出す傾向を見せていますが、1次産品の価格上昇と製品のデフレは直接つながるわけではありません。

1次産品の価格上昇が製品価格にどう影響するかは、

● 自国通貨の対ドルレート

● 財製造の生産性

に依ります。

1次産品の価格が上昇してもそれと同等に自国通貨の対ドルレートが上昇すれば帳消しになります。
目に見えにくいものですが、1次産品の価格が上昇しても、生産性がそれと同じ割合で上昇すれば財の価格は上昇しなくて済みます。

中国経済は「自国通貨の対ドルレート」も「財製造の生産性」も上昇できる余地が高いので、ドル建て国際商品価格上昇の悪影響をまともに受けるのは、韓国などそのような余地が小さい国民経済になります。

そして、その悪影響は、財の価格上昇(インフレ)というかたちではなく、企業の収益悪化というかたちで現れると予測しています。
原材料のコストが上がったにも関わらず、製品の販売価格を上げにくい(上げられない)という経済状況にあるからです。(中国が国際競争力を高め続けるのなら、他の競合国家はなおのこと製品価格を上げることができません)

このようなことから、国際商品の価格が上昇しても、デフレになるというおかしな経済状況になる可能性はあります。

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