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2004/02/02 海外市場動向:米低金利政策に変化(?)観測で一波乱 ☆☆☆ [住友ゴールド]
http://www.asyura2.com/0401/hasan33/msg/281.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 2 月 03 日 21:28:56:Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: 米経済コラム:米利上げはどちらかと言えば遅め−ジョン・ベリー [ブルームバーグ] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 2 月 03 日 20:13:23)


米国の低金利政策打ち止め観測にマーケットは大荒れ状態となった。

1月28日に米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備理事会)が、当面の
金融政策の方向を決める会合(連邦公開市場委員会:略称FOMC)の結果
を示す声明が、その原因である。

米国は、2001年年初の利下げ開始後、2003年6月の0.25%引き
下げまで合計13回、幅にして5.5%もの利下げを行い、それ以来金利水
準が1%になっている。これは40年ぶりの記録的低水準でもあるが、同年
8月のFOMCでは「かなりの期間(Considerable Period)」この状態を続
けると宣言し、以来このスタンスは変えられることはなかった。すでに
当欄で取り上げたが、この間FRBは世の中に出回るお札の量を増やすこと
で景気を刺激するというリフレーション(リフレ)政策をとり、それはまず
株価を押し上げ、その心理的効果に大型減税策とドル安が加わることで20
03年10−12月期の大幅な経済成長(+8.2%)につながった。

市場関係者の間では、年初から米国景気の(過熱気味の)回復のなかで年内
の金利上昇を指摘する声も上がっていた。

ただし、スタンスとしては現状を維持し、当面の状況を慎重に見極めること
に変更はないとのFRB理事の発言なども伝わり、従来路線継続ということ
で、特にこの1月の定例会合に関しては、注目度が低かったのである。20
03年の食品とエネルギー価格を除いた物価上昇率が、1.1%と43年ぶ
りの低水準であったことも、市場関係者に安心感をもたらしていた。と言う
のは、景気は回復しているものの、まだ完全にデフレ懸念が払拭されたわけ
ではないとの判断がFRB内でなされ、したがって低金利政策は続くという
解釈だった。

それが蓋を開けると、「かなりの期間(Considerable Period)」が、声明文
から削除されていた。

つまりニュアンスが変わった。こうした声明文は、内容事態が微妙であるの
と独特の英語表現もあって、和訳した場合に何を言わんとしているのか?と
いう場合も多いのだが、ご多分に洩れず今回もそうだった。かなりの期間と
いう表現が無くなり、代わりに“it can be patient in removing its
policy accommodation.”となった。和訳は「景気を下支えするための政策を
取りやめるかどうかに当たって忍耐強くなりうる(日本経済新聞1月29日
夕刊4版)」となっている。一般の感覚からは、まさに??ではないだろう
か。

要は、“現行の金融政策を忍耐強く維持できる”という理解でいいだろう。
筆者なりの理解は、“これだけの緩和を続けることは、インフレを恐れる中
央銀行としては居心地の悪い政策でもあり、景気回復にも力強さが出ており
警戒モードを解きたいところではあるが、諸般の状況を考え当面継続するこ
とにした” というものである。

いずれにしても、景気見通しの警戒モードをワンランク下げたとのシグナル
を送ったものと見られるが、市場の方は、低金利つまりは金余り状態が続
く、すなわち株式市場と債券相場にとって好環境が続くと“高を括(くく)
っていた”ら違う答えが出てしまったというところである。

マーケットは不意を衝かれた。

こういう材料を「サプライズ」と呼ぶが、まさに慌てふためいた投資家の反
応に当日の株(ダウ141ドル安)も債券価格も急落状態(金利は急騰)に
なったというわけだ。景気回復による金利上昇見通しは、良い金利上昇と受
け取られることと、ドル資産の投資魅力回復が期待できることから為替市場
ではドルが買い戻されることとなった。ユーロは売られ、煽(あお)りを受
けた金市場では、ファンドの狼狽売りに金価格も急落状態となったというわ
けだ。

1日たってそれぞれのマーケットは落ち着きを取り戻している。結論とし
て、FRBの真意は不明である。金利上昇見通しをつくることで、このとこ
ろのドル急落懸念を後退させたかったのではという見方もある。いやいや秋
の大統領選を控え、金融当局として政治に「中立」の立場にいたかったので
は、という理解もある(超緩和姿勢を中立に戻す)。それぞれの取引参加者
が、それぞれの立場でグリーンスパン議長の率いる中央銀行のメッセージを
読み取ろうとしているのだが、ひとつ言えるのは、これで2月6、7日のG
7(7カ国財務相・中央銀行総裁会議)の結果がますます注目されるという
ことだろう。

金市場は急落で約2ヵ月ぶりに400ドル割れとなっている。週末発表のフ
ァンドの買い越し量がどの程度減っているのか注目である。この下げで、一
気に整理進展となったか否かに関心が集まりそうだ。400割れでは、実需
家の現物の買いに加え鉱山会社のヘッジ解消の買いが見られる可能性が高
い。(1月30日記)

筆者からのお知らせ
来る2月4日(木曜日)18:30より東京、中野ゼロホールにて「200
4年の投資環境を考える(内外市場トレンドの維持可能性をさぐる)」と題
しセミナーを開催します。金市場はじめ株式、債券、為替と横断的な内容を
予定しています。1月30日現在数席枠があります。詳しくは
http://www.fp-clue.com/seminar_info2.htmlをご覧ください。


金融・貴金属アナリスト
亀井幸一郎
※本レポートは執筆者の個人的な見解を述べたものであり、実際の投資にあたってはお客様ご自身にてリスクをご判断ください。

http://www.sumitomo-gold.com/market/index.html


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