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ハリバートンの決算が象徴するもの 日経 (04/02/03)
http://www.asyura2.com/0401/hasan33/msg/315.html
投稿者 たくげん 日時 2004 年 2 月 04 日 21:26:53:ZeS7i/LK.kz92
 

谷口知弥
インフォストックスドットコム:チーフアナリスト(米国・欧州株担当)
1987年東京大学法学部卒業、大和証券に入社。債券情報、支店営業、国内株および外国株の情報部署を歴任。2000年5月に株式情報サイト、「ストックキャンパス」を運営する投資顧問会社、インフォストックスに転じ米国駐在となる。米国株式市場を分析し、またその息吹を伝えるレポートを、ストックキャンパスなどを通じて日本の投資家に提供している

ハリバートンの決算が象徴するもの (04/02/03)
http://www.nikkei.co.jp/nywatch/20040203h2723000_03.html


 10―12月期の企業決算発表は今週もまだまだたくさん予定されているが、主要企業は先週までにおおむね出そろい、株式市場としては、公開市場委員会(FOMC)の声明文や国内総生産(GDP)の数字といった他の材料とともに、ゆっくり消化する時期に入っている。

細かい分析を紹介したい銘柄はいくつもあるのだが、その中で一つ、米国企業の抱える問題を象徴するものとして、ハリバートン(HAL)の決算を見てみよう。

 石油掘削サービスを手がける同社が29日朝方発表した第4四半期の決算は、純損失が9億4700万ドル、一株当たりマイナス2.18ドルと、前年同期の純損失6億1600万ドル、一株当たり−1.42ドルから赤字幅を大きく拡大させるものであった。

アスベスト訴訟への対策

 一見、惨憺(さんたん)たる内容であるが、直近の四半期の数字には、アスベスト等に関する訴訟の和解費用10.9億ドル、一株当たり2.51ドルが含まれている。それらを除くベースでは、一株当たり利益は0.34ドルで、市場予想平均の0.32ドルを上回ったことになる。ちなみに前年同期の数字にも、同様の費用2億3400万ドル、またリストラ費用2900万ドルが入っている。

 株式市場は、この決算をポジティブなものと判断し、29日、同社の株価は約2.9%高となった。プロ・フォーマ・ベースの利益が予想を上回ったのと同時に、アスベスト問題の解決が着実に進んでいることが好感されたのである。

 天然の繊維状鉱物であるアスベスト(石綿)は、1970年代まで広く建築素材として使用されていたものであるが、長期にわたって吸い込むと肺癌(がん)などの原因となる。そのため発病した元作業員などが、雇用者に対して「必要な注意義務を怠った」として損害賠償訴訟を起こしている。その数は数十万件に及んでおり、潜伏期間が長いことから、今後も増えていく可能性がある。

 被告の中には、ハリバートンのほか、ハネウェル・インターナショナル(HON)、3M(MMM)、ゼネラル・エレクトリック(GE)、ダウ・ケミカル(DOW)、バイアコム(VIA)、ゼネラル・モーターズ(GM)などが含まれている。扱いに失敗すると、これら大企業の利益でも軽く吹き飛ばされるくらいの多額の賠償金を支払わなければならなくなる。既に、オーウェンズ・コーニング、フェデラル・モーグルなど60社以上が訴訟に負け、賠償負担に耐え切れずチャプター11(会社更生法に相当)の申請に追い込まれた。

 アスベスト訴訟対策としてハリバートンは、直接の標的となっている子会社のDIIインダストリーズ、ケロッグ・ブラウン&ルーツ(KBR)を再編。政府関連事業を分離したうえ、昨年12月、この2社に対してチャプター11を申請するという手段に出た。問題をその範囲内に押さえ込もうという考えである。一部保険会社からは異議が出されていたが、決算発表直前の28日、ハリバートンは、再保険会社エクイタスとの間で、この枠組みを前提とした合意に達したと発表。ハリバートンは5億7500万ドルを支払うのだが、今後の交渉はハリバートンにとって有利となり、最終的な負担を引き下げるだろうといわれている。まだ不安要因はあるが、アスベスト問題は致命的なものではなくなってきているのである。

イラクでの後方支援事業が業績を押し上げ

 アスベスト関連の出費を除けば、ハリバートンの業績は好調なものである。売り上げも63%と大幅増収の55億ドルであった。好業績の背景は、イラク関連で米軍の後方支援事業を大量に請け負ったことである。第4四半期に同社が得たイラク関連の売り上げは22億ドル。全体の約4割を占める。利益は4400万ドルで、一株当たり6セント分だという。

 同社のイラク関連事業に対しても、いくつかの問題が生じている。ただでさえ、まともな入札もなく、ハリバートンが注文を得たことで、前CEOのチェイニー氏がブッシュ政権での副大統領になっていることから癒着しているのだ、という批判が出ているのであるが、さらに過大な請求をしているのではないか、という疑念が出されている。昨年12月には、石油代金に関する疑惑が出た。その調査もまだ済んでいないうちに、2日月曜日には、食料輸送に関しても同様の過剰請求があったのではないかという報道がなされた。

 もっとも、株式市場はまったくそれを意に介してはいないようである。不正請求まで行けば別だが、優遇されている程度ならば、力づくで押し切ってしまえると見ているのか。だとすると、政府と近いということが、受注を得やすいこと示し、業績にとってはポジティブな材料となりうる、こんな連想も働くだろう。

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