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中国への隠然たるアジェンダ
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投稿者 みんと 日時 2004 年 2 月 11 日 16:43:36:qdXd6OfkOUIx.
 

(回答先: 「短期間内での人民元切り上げはない」 中央銀行 [人民網日本語版] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 2 月 10 日 19:50:40)

あっしらさん こんにちは

はじめまして。いつも興味深く読ませて頂いてます。

グラミー賞が三月から二月に繰り上げられたとかで、キナ臭い感じになってきたので気になって、ちょっと今回のG7の内容から探りを入れたくなってきました。

今回のG7は、ドル安を仕掛ける市場の要求に対してはやんわりかわし、欧州のユーロ高牽制の圧力には、日米の合作で、(アメリカとしては初めてかもしれない、日本から入れ知恵された)日本的なる曖昧戦略でかわしたのが実情なのではと思いはじめています。当然欧州はこれに従わざる負えない理由もあろうかと思います。違和感のある表現になりますが、日本がはじめて相対的にイニシアティブをとったG7とみてもいいかもしれない。

しかし、何故そうなったのか。しかも、何故アメリカは日本には満足げで受動的で、中国に対して高圧的なのかというのが議論となるでしょう。選挙戦を控えアメリカの景気を盛り上げなければならない。アメリカは偽りの景気の好況を演じるために、もうすでに去年後半からの過剰な設備投資増強を終えて、追随しなけらばいけない消費が減税しても思うように上がらず、需給ギャップが生じはじめています。なんとか早急に消費を上向かせなければならない。金利を抑えるために必要となる資金が、最低でも先頃日銀が介入額の拡大した枠以上になってきていると思われます。つまり足りない。日銀以外に予備の追加資金の保険も欲しい所でしょう。それが今回、日本に中心的な役割を担わせて、G7声明が為替政策の柔軟性を欠く国として『やんわりと焦点を向けられた』中国への要求となって表面化しているとみます。

一方欧州はユーロ高の原因になっている日銀介入の容認をいやがっているという表面的な捉え方もあるでしょうが、日本がアメリカのドル防衛にかなり協調的で、ユーロ欧州側にあからさまに敵対的になったことも嫌悪しているようにも見えます。実際、「柔軟性を欠く国は何処か」と質問されたECB総裁(誰かは記憶があいまい)が、「それは福井総裁に聞いてほしい」といった返答で、なんだかサジを投げているように感じました。つまり、今回のG7は戦略的に欧州側の全面的な負けであり、そのつけとして背後の中国元の存在が浮上してきたということです。

私が捉えているアメリカの戦略は、前回のドバイG7の文言に「より緩やかな変動」を加えただけで、基本的に継続です。日銀にドル買いの介入で資金を供給しつづけさせてアメリカ国債の金利上昇のリスクを軽減し、同時にゆるやかなドル安に方向づけ。これによって対ユーロには独歩高にしむけるようにドル買い介入額をバランス調整。その弱みに付け込まれた欧州は、欧州経済の痛みを和らげるためには、いやいやながら日米との政策協調という形で付き合わされるという筋書きです。今回新たに加わったのは、中国には間接的に圧力を加えなければならないといった状況に欧州が仕向けられたという事です。

アメリカ側もユーロ側から仕掛けられた基軸通貨ドル防衛戦のなかで、ある意味で危ない位置にいるのわけで、「中国へのお手出し」はやむをえずの感はあるでしょう。むろん、現時点で実行不可能な中国元切り上げが目的なのではなく、中国に対しての『ドル買い』の示唆であり、圧力です。アメリカの通貨防衛のための最終要求ともいえます。

もし、あいまいながらも欧州側の合意を取り付けたという解釈が正しければ、経済主体のマジョリティが中国にターゲットを定めたという意味で、今度のG7は大きな転換点になっていくはずです。まあ、前回のドバイのG7もそうさせたかった可能性もありますが、市場が円に対して過剰反応してしまったから、再度念押しというのが真相かもしれません。

この要求があからさまになるのは、次回のG7あたりですかね。対する中国は圧力に屈してドル買いを「世間の想像以上」に拡大しはじめるという流れです。中国が動きだすときがドル円、ユーロドル両方がドル高方向に反転する分岐点になるのではないでしょうか。むろん通貨マーケット自体は先読みしてかなり早めに動き出す可能性はあります。

実質的に欧州の合意を含有した今回の声明に対して、もし仮に中国側が中途半端に対応するとなると、世界情勢が大変なことになるような気がします。あからさまに中国に対してではないですが、またまたキナ臭いイベントを起こす可能性が。なんだかメディア系のスケジュールが前倒しされているのも、保険をかけているからそうなっているようで恐いです。この辺りはどうなのでしょう。すでに筋書きはそうなってしまっているのかな?

ちょっと前ですが、1月21日のブッシュ演説の簡単な記事を引っ張り出してきました。この演説を前後して異常ともいえる日銀介入枠の拡大はアメリカ側の切迫感と表現しているとともに、演説の内容事態が「現在進行形の目的」を表現しているともいえます。中国に対する最後通告みたいなニュアンスです。以前の「ならずもの国家」演説とこの演説の両軸の上で、『基軸通貨戦争』というキーワードでなにかがニオイだしてくるのです。


http://www.nikkei.co.jp/news/main/20040122AT2M2200L22012004.html

米大統領、為替制度で中国を名指し批判
 【ワシントン=吉次弘志】ブッシュ米大統領は21日、オハイオ州で演説し、対中国の貿易赤字について「公正ではなく、中国は通貨問題を解決しなければならない」と語った。秋の大統領選へ向けて米国の製造業を意識した発言で、事実上のドル連動固定相場制を採用する中国を名指しで批判した。
 ブッシュ大統領は「オハイオ州の製造業はまだ困難な状況にあり、人々は職を探している」と強調。大統領選へ向け雇用拡大を最優先にする姿勢を改めて示すとともに、「製造業を強くするためになすべきことがある」と述べた上で、「中国など貿易相手国に公平な競争を求める」考えを明らかにした。中国に対しては通貨問題の解決を促すとし、変動相場制への早期移行に期待を示した。
 米政府は昨年秋以降、中国との首脳会談などを通じ、人民元の安値固定などを批判してきた。中国側は直ちに変動相場制に移行するのは困難としながらも、中長期的な検討課題と位置づけ、米政府との貿易問題での対話を続ける姿勢。(09:45)

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