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鳥インフルエンザ:終息か再発か 今後どうなるの [毎日新聞]
http://www.asyura2.com/0401/health8/msg/336.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 3 月 28 日 02:25:28:Mo7ApAlflbQ6s
 


 今年1月以来、国内でも鶏の大量死を引き起こした鳥インフルエンザは、京都府丹波町の浅田農産船井農場の防疫措置が22日に完了し、一息ついた段階にある。人のインフルエンザの流行が春になると収まるように、鳥インフルエンザもこのまま終息するのか。海外の発生国では再発も起きている。国の対策では、ワクチン使用の可否や養鶏農家への補償などが今後の焦点になる。【江口一、早川健人、上田宏明】

 鳥インフルエンザについて農林水産省は「梅雨までは警戒が必要だろうが、このまま終息してほしい」と期待する。同省によると、ウイルスは鶏の体外で、低温で乾燥する冬期なら2〜3日は生き残る。しかし今後は気温や湿度が上がり、紫外線も強くなって、排出されたウイルスが長く生存できなくなるためだ。

 だが専門家の多くは「終息しない可能性は十分ある」と警告する。

 鳥取大農学部の大槻公一教授(獣医微生物学)によると、鶏の体温は42〜43度で人よりも高いため、鳥インフルエンザウイルスは人のウイルスよりは高温に強いとして「今後も自然界のどこかでしぶとく生き残るはずだ」と指摘。また岡本嘉六(かろく)・鹿児島大農学部教授(獣医公衆衛生学)によると、日本で確認されたウイルスは感染力が非常に強く、「大規模鶏舎ではウイルスが入り込むと、季節に関係なくあっという間に広まってしまう」と楽観を戒める。

 日本と韓国のウイルスの遺伝子配列はほぼ一致し、渡り鳥が持ち込んだとの見方が強い。この点について樋口広芳・東京大教授(保全生物学)は「現段階では、原因が渡り鳥か、人やモノの移動によるのかは特定できない」とした上で、朝鮮半島から来た渡り鳥はこれから4月下旬にかけて戻っていくと指摘する。

 「渡り鳥説」が正しいなら、発生の危険性は減るように思えるが、樋口教授は「丹波町ではカラスに2次感染しており、既に国内の他の野鳥にウイルスが感染している可能性もある。やはり警戒は続けなければならない」と話す。

 京都府の感染拡大を防ぐ作業は既に終了し、4月13日にも終息宣言が出るが、農水省は、日本が国際的に汚染されていないことを宣言できるのは、さらに90日後だとしている。

                ◇

 今回の鳥インフルエンザの流行で、アジアではこれまでに10カ国・地域で発生を確認、1億羽以上の鳥が死ぬか処分された。世界保健機関(WHO)によると23日現在、人への感染例はタイとベトナムで計34人で、うち23人が死亡した。アジア以外では米国やカナダでも発生している。

 各国の対策が功を奏したためか、大規模な新規発生は減っているとみられている。しかし、韓国では今月中旬になって、2月上旬以来の新たな発生を確認。首都ハノイで「終息」を宣言していたベトナムでも、新たな感染者が出た。

 中国は16日にすべての感染地区の封鎖を解除して「制圧宣言」したが、報告システムの不備も指摘されている。また鶏などの家きん類はアジアでは家庭の「財産」で、政府が感染実態を把握できていない国もあるとされる。

 このためWHOは「鳥インフルエンザの制圧は困難な作業で、過去には2年以上制圧できなかったり、数カ月を経て再発した例もある」として、アジア各国の早期制圧には懐疑的な見方を崩していない。各国の「再発」がこれを証明する形となっている。

 WHOによると、強い病原性の鳥インフルエンザは昨年末までは「稀有(けう)な病気」で、1959年〜03年に米大陸と欧州を中心に、世界で21件の集団発生が報告されただけだった。アジアでは事実上初めて経験している国ばかりで、世界は「前例のない事態」に直面しているという。

 このためWHOは、鳥のウイルスが変異して人の新型インフルエンザウイルスが発生する危険に備え、抗ウイルス薬の備蓄やワクチンの製造能力の向上などの体制作りを急いでいる。

                ◇

 緊急総合対策を16日にまとめた政府は、さらに家畜伝染病予防法改正案の国会提出を4月上旬に予定している。病気発生で鶏や卵の移動制限を受ける養鶏農家への具体的な補償内容が一つの焦点で、生産者、自民党農林族議員と財政当局との綱引きも予想される。法案成立までは、緊急総合対策で国が被害額の半分を補てんする。生産者は全額負担の法制化を求めるが、政府内には財政負担膨張の懸念が根強い。

 通報遅れへの罰則強化も法案の柱の一つだ。農場所有者に対する罰則を現行の「懲役1年または50万円以下の罰金」から、獣医師に対する罰則並みの「懲役3年または100万円以下の罰金」に引き上げることが検討されている。

 一方、卵を生産する養鶏農家の関心事は、世界的には使用例がある鳥インフルエンザワクチンの使用が認められるかどうかだ。日本養鶏協会の武田隆夫事務局長は「西日本では消費が3〜4割落ち込んでいる。ワクチンで病気を封じ込めれば、消費者の不安は解消され、需要は上向く」と期待を込める。

 しかし農水省も学者も、使用は感染が爆発的に拡大した場合に限りたい考えだ。同省の栗本まさ子衛生管理課長は、理由を(1)ワクチンで発症は抑えられるが、鶏はウイルスを体内に保有したまま生存する(2)ワクチンを使った鶏と新たに感染した鶏の区別がつかず、再流行の際に発見が遅れる(3)感染した鶏から排せつされるウイルスが残存し、再び鶏の体内に入って増殖したり、人にも感染する恐れがある――と説明する。使用を強く求める養鶏協会との調整は難しそうだ。

[毎日新聞3月28日] ( 2004-03-28-00:56 )

http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20040328k0000m040095001c.html

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