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ミネルヴァの梟の羽ばたきは夢のまた夢
http://www.asyura2.com/0401/idletalk7/msg/778.html
投稿者 如往 日時 2004 年 2 月 05 日 18:09:28:yYpAQC0AqSUqI
 

(回答先: 自分たちの立場と姿を幻想を排して見るということ 投稿者 すみちゃん 日時 2004 年 2 月 04 日 18:56:50)


 すみちゃん(さん)、こんにちは。
 結論から言えば、日本が智慧もて世界を先導するというのは殆ど夢想に近いものなのでしょう。どうやら、今日におけるミネルヴァの梟たりえぬということですね。


 >相変わらず同じ困難な質問を自らに問われているのですね。(如往さんのレスは、グラバースレッドとの接点がちょっと乏しいというか、かなり強引に割り込んできた感じもしますが(笑)、情熱を感じましたので、思ったところを述べます)。
 ボヤッとしていると質問を挟む機会を逸してしまうほど、瞬く間に過ぎるスレッドの流れに目を見張るばかりで、自身の有りっ丈の知識を総動員したものの挙句は粗雑なアナロジーの提示になってしまったことを、寿美太夫様を眼前にするとすんなり認めてしまう私がいます。またしても、多くの視点に誘われて右往左往していますので、レスが散在してしまいがちですがご容赦のほどよろしくお願いします。(冷汗)

 >私は「狭義の」天皇制はあまり関心がありません。資本主義世界の中で「いやし系珍獣」という扱いがなされていると思う。しかしそのような目に見える天皇制ではなく、何か目に見えない思考の枠とか檻みたいなものがあるような気がしますね。これが「日本教」というものでしょうか。
 過去に幾度か「日本教」と思しきものに「済い」の源泉を求めてみたことがありますが、淵源も不確定で命脈として綿々と現在に繋がっているようにも思えませんでした。

 >私が上で書いたように、日本政府(あるいは大日本帝国政府)が、陰謀家達に壟断され、「奥の院」に奉仕し、国民に苦しみをもたらしてきたし、またこれからもたらすであろうなんて話は、世界史を普通にみればごく当たり前の話であるにもかかわらず、この国では異端でしかないでしょう。
 そもそも陰謀そのものを理解しない、想像だにしない国民性なのでしょう。世界史も近代あたりから教われば少しは陰謀論に関心を示すことにもなるのでしょうが、高校の教育課程で終章に到ることは稀で、現代史は学内試験にも大学入試にも殆ど出題されない状況です。

 >マルクス主義や市場資本主義に替わる新たなFunction&Parameterを措定し検証していくというのは、本来は専門家の学者さんに頑張ってほしいのですが、そういう人は見当たらないみたいですね。せいぜい修正資本主義、集産主義的資本主義みたいなものが多いのではないでしょうか。
 このサイトに投げ掛けてみても埒が開かないことを承知で、少なくとも彼等に歴史修正主義には走って欲しくはないとは思っています。
 
 >このために、利潤とそのストックが国家社会的に与える害毒が認知される必要があり、これが前提となります。また私有財産についてどう考えるのか? 社会と環境との相互作用(インターチェンジ)をどう考えるのか?こういう根本問題を問わないといけないということになるのでは?あまりこういうことを問うた書籍が本屋にないのでは(最近はもう通ってないので分かりません)
 少し前までは真木悠介に注目していましたが、現代人の存在理由は主に消費者(購買力があること)にあるという帰結は反語的表現なのか諦念から発するものか判別できず、少し距離をおいて見ています。覚悟といったものまでに言及しているのは、若手ではおそらく宮台真司ではないでしょうか。まさちゃん(さん)による議論板の(MIYADAI com)の転載は参考になると思います。

 >「心象風景」についての推測は、見当外れですね(失礼)。私は「陰謀論者」ですよ。悪辣な者どもが人民を引き回し、殺戮する光景を憎んでいる。私の「書き込み」の動機はそれだけです。
 >人民が、支配者の陰謀によって事実上殺戮されているのにもかかわらず、人民がメディアに懐柔され、支配者に対して怒らないという光景も嫌いです。(これは例えば大日本帝国のことです。近代天皇制は、まさにこの点で最大限利用されてきたと考えます。また、近代天皇制は、真の陰謀家の責任逃れのために利用されてきました。陰謀家は天皇制を「楯」として生き延びてきた)
 あの頃、私(達)は陰謀論にまでは到達していなかったと想います。しかし、人間存在が自己疎外状況にあることは十分見抜いていました。自己の実存と立ち塞がる疎外状況とに如何に整合性を求めていくかが、同時代人の一般的なテーマであったと想起されます。ただ、あの時は意思さえあれば、身体を投げ出すことで陰謀の尖端を受け止めることもできました。すみちゃん(さん)の義憤は極普通にある感覚の発露であると思います。いつかきっと彼らと切り結ぶなかで、煌き闇をつくものにへんげ(変化)するかも知れませんね。

 >(児玉自身は(たぶん)天皇制を護持しようと思ったんだろうと推定します。しかし、これを部外者から見ると、まさに軍令(統帥)部門、なかでも海軍軍令、そして山本を守る結果となったように思います
 児玉誉志夫に関しては特筆するような思想も中身もあるようには思えませんので評価の対象としてはいません。それよりも思想性や無論思想的変節の痕跡もある田中清玄には関心をもっていました。
 
 >しかしですね、「先達の遺志」は、そもそも明治の初めから、全然継承されていないのです。大日本帝国は、「先達の遺志」を殺戮、隠蔽、弾圧することによって、初めて成立したものです。(意外な結論でしたか? ここが一番大事な点だと見ています。明治期の(英霊の)遺志を昭和(初期)の末裔が捉え損なった結末が、アジア・太平洋戦争(大東亜戦争)の開戦)というたぐいの話を、私は信用しない。これは大事な点なので、誤解のないように、明確に言っておきます。
 大日本帝国は日本国における前史の正統的な受容体たり得ず、単なる英国のターゲットすなわちレシーバーであったということになるのでしょうか。「グラバー」スレッドを読み解いていけば、強ち意外な結論ではありません。そうだとすると、明治期から、否、江戸末期から昭和期まで、ひょっとして平成のこの期まで、薬(プラセボ?)をもられたままの日本が未だ意識を回復していないという事実が突き付けられることになります。覚醒していない者がどのようにしたら自らの処方箋を書くことができるのでしょう。
 歴史との創造的な関係性を日本なるものの中に見い出したいと自分なりに探究してきたのですが、それは、同時に自分が日本や世界の歴史形成にどのくらい関与し得るか思考実験を繰り返し確認するプロセスでもあります。陰謀の全容を掴むことと同様に、陰謀にたいし何をもって対峙していくべきか、どのような構えがいるのか、どう覚悟すべきかが喫緊のテーマであると考えています。しかしながら、日本(人)がその何れの資質も有し得ない現実に愕然とします。これから日本(人)及び人類はどんな淵を目指して進んでいくのでしょう。

 >明治期と昭和期との相違は、明治期が「英国奥の院による大日本帝国の育成期」であり、昭和期には英国奥の院が大日本帝国を滅ぼしにかかったということです。
 >大日本帝国の行動パターンは、朝鮮平和特使として乗り込もうとした西郷を政治的に暗殺し、次いで江華島事件を起こしたときから基本的に変わっていないと思う。
 「グラバー」スレッドに通底する英国プロットの展開という趣旨に特段異論はありませんが、英国がそうしたプロットを生みそれに執着する原因の究明と大日本帝国の行動パターンが形成される素因の解明が次期課題であろうと推察しています。すみちゃん(さん)はどのように捉えているのでしょうか。

 >この受難劇のポイントは、「民衆を食い物にする陰謀家」「それを暴くイエス」「陰謀家の煽動によってイエスを殺害する民衆」の三位一体です。
 >龍馬−西郷受難劇も、少し構図が違いますが、立派に成立するものだと思います。陰謀家どもによって殺戮され続ける民衆にとって、非常に役に立つ「実際知識」です。(それは福音書も本来は同じだったと思う。しかし神格化の結果、本質が分かりにくくなっている)
 この関係性は十分想定でき得ると思います。けれども、イエスの受難劇それ自体にあまり信憑性があるとは考えていませんし、明治の群像劇の構図に擬えることが可能かどうか少なからず疑念をもっています。それでも、明治期における龍馬&西郷の存在は早過ぎた出現とも言えるし、また逆に英国プロットの反映として当時の日本(政府)は彼等のような当て馬を必要としたとも言えるかも知れません。ただし、嘗てイエスは存在したかも知れないが、明治の日本ではまだ民衆という像ははっきりと結んではいなかったのではないでしょうか。それゆえ、明治革命ではなく、明治維新であったのでしょうね。本来的な意味での変革の自生的な駆動力を有し得なかったということでしょう。

 終わりに、岸田秀に関する見解は殆どが首肯できるものです。最近の著書には、上部構造の善導に期待するものなのか定かではないのですが、何やらエリート主義を容認するような諦観めいた心情が見て取れます。その辺りが思想史家でないことの限界かも知れません。そして、「赦す」とはまさしく心理療法的対処法であり、心理学者の結論であると思います。

 また、会いましょう。

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