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テクニックとしての作文技術の獲得。
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投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 3 月 12 日 23:59:36:WmYnAkBebEg4M
 

テクニックとしての作文技術の獲得。


 IT技術云々いう前に、文章作成力が大事だ。目に浮かぶ象徴的な品物で言えば、紙と鉛筆を使って分りやすい文章を書けるかどうかだ、と言っても良い。―――喩えなので、パソコンとエディタでも良いが、、。

 【セキュリティーホールmemo】運営者の小島さんのプロフィールを見た。


>小島 肇 - KOJIMA Hajime
>連絡先
>[Office]
>龍谷大学 理工学部 電子情報学科 (RINS)
>
>(略)
>
>その他の属性
>JPCERT/CC 専門委員
>Microsoft Most Valuable Professional (MVP) 2003 (Security - Windows)
>標語
>
>木下是雄「理科系の作文技術」中公新書 624 を読もう!!
>最近の標語
>
>ノーム・チョムスキー「ノーム・チョムスキー」を読もう!
>目標
>
>ゴミのような研究よりも、実務に使える知識・技術

 ここで紹介されている「理科系の作文技術」は、以前読んだことがある。示唆に富んだ本だった。誰にでも文才が身につくとは限らないけれど、テクニックとしての作文技術の獲得なら、努力すればそれだけの成果がある気にさせてくれる。

 前に読んだときから時間も経っているので、再度読んでみた。案の定忘れていたことも多々ある。これから折にふれ本書を開いて気をつけようと思う。

 例えば、
1、説明にしろ、報告にしろ、すべて重点先行主義で、結果や大事なことを先に言い、細かい説明は後の方でやるようにする。
2、1の応用形とも言えるやり方で、概観を始めに提示し、細部の説明はその後にする。
3、パラグラフを意識すること、
4、そのパラグラフについてトピック・センテンスを意識し、それに関係のない文や、内容が反する文を同じパラグラフには混ぜないようにする。
5、日本語の文章にありがちな逆茂木型の文章の流れを避け、英語的なそれまでに出てきた材料で理解できるような文章の流れを意識する。(関係代名詞でつなぐ文章構成は典型的)
6、事実を書いているのか、意見を書いているのか、常に意識しながら文章を書くこと、
7、常に主語を意識する。途中で主語が入れ替わったりするようなねじれた文章を書かない。また、修飾語(句)のかかりが紛らわしくならないよう語順に注意する。具体的には、修飾する語(句)同士はなるべく近くになるように配置する。

 以上、本書の全部ではないけれど、大事なエッセンス部分の箇条書きは書けたと思う。ただ漫然と文章を書いているよりは、これらのことを常に意識しながら書けば、少しでも上達するのではないかと思う。

※例えば、句読点のつけ方のうち、読点のつけ方の原則を意識しながら文章を書いている人が何人いるだろうか。読点は、つけ方を間違えれば意味が変わってしまうこともある。そこまで行かなくても、つけ方の良し悪しで読みやすい文と読みづらい文の差が歴然と出てしまう。
 本書中では、学習院初等科で教えている規則が紹介されている。一応、目安にはなる。

 以前、「日本語練習帳」大野晋著、岩波新書を読んだ。これもなかなか示唆に富んだ本だった。作文技術と言うのは漫然と書いていても自然に身につくものではない。当たり前に使えている母国語だからこそ、意識して技術を身につけなければならない。そして、やれば効果も大きい。努力して獲得していかなければならないのだ。
 表現し、意思を伝えなければならない場面は、仕事以外の日常生活でも頻繁にある。「理科系の作文技術」本文中では、分りやすく効果的な文章作成がテーマとなっている。しかし、本書中でも言われているように、情報の伝達と言うことで言えば講演とか肉声による表現にもそのまま使える注意点が多い。
 肉声の伝達での欠点は、文書で読み直すような戻りが出来ないことである。その欠点を補いたければ、重要なキーワード部分とかは適宜繰り返すようにすれば良いのだ。

※それ以外にも、「区切り記号の英語名」やその使い分け、括弧の順序、n乗倍の単位のSI接頭語、字体などの指定法、校正記号等、参考になる記事が多い。

※本の帯の紹介文です。

>物理学者で、独自の発想で知られるロゲルギスト同人の著者が、理科系の
>研究者・技術者・学生のために、論文・レポート・説明書・仕事の手紙の
>書き方、学会講演のコツを具体的にコーチする。盛り込むべき内容をとう
>取捨し、それをどう組み立てるかが勝負だ、と著者は説く。文のうまさに
>主眼をおいた従来の文書読本とは一線を劃し、ひたすら明快・簡潔な表現
>を追及したこの本は、文科系の人たちにも新鮮な刺激を与えるに違いない。

※本書の文中にもありますが、米国の大学では一般教育課程でイングリッシュコンポジション、またはレトリックが必修だそうです。レトリック(rhetoric)と言うと「読者に感動を与えるような思想を最も有効に表現する方法を研究する学問、美辞学」という広辞苑(1955年版)の説明に近いものを連想されるかとも思いますが、実際のニュアンスはだいぶ違っていて、「言語によって情報や意見を明快に、効果的に、表現・伝達するための方法論」だそうです。


参照記事。

[2003/04/24] 

ITエンジニアも文章力がなければ“プロ失格”
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20030423/1/

 「だらだらと長く,最後まで読んでも結論がない。いわば,井戸端会議のムダ話だ」。日ごろからシステム関連の提案書や仕様書を見る機会の多い,あるITコンサルタントはITエンジニアの文章をこう評する。

 何を言いたいのかが分からない電子メール,あいまいな表現の仕様書,難解な技術用語や聞いたこともない製品名が説明なしに登場する提案書。あなたの周りには,そうした分かりにくい文章が氾濫していないだろうか。

 日経ITプロフェッショナル5月号(5月1日発行)で「文章の技術」と題した特集を担当することになり,ITエンジニアの文章力についてどう思うかを聞いて回った。取材したのは,ITエンジニアやITベンダーの経営層,それにITエンジニアと日ごろ仕事をする機会があるコンサルタントやテクニカル・ライターなど30人以上である。結果は,冒頭のコメントに象徴される通り。ほぼ全員が,「ITエンジニアの文章力は決して満足できるレベルにない」と答えた。

 特に強い問題意識を持っていたのは,情報処理技術者試験センターが実施する資格試験のある委員だ。同氏は長年にわたって受験者の答案を見てきた経験を基にこう指摘した。「小論文の答案を見る限り,まともな文章を書けるITエンジニアはほんの一握りにすぎない」

ITエンジニアに求められる文章力は高い

 文章力はITエンジニアにとって,極めて重要なコミュニケーション・スキルの1つのはずだ。しかも必要とする文章力のレベルは,他業界のビジネス・パーソンよりも高い。

 IT業界では,「ユビキタス」や「オートノミック・コンピューティング」「トレーサビリティ」など,難解なIT用語が次々と登場している。ITエンジニアはそれらの用語の意味を理解した上で,顧客や同僚とコミュニケーションしなければならない。人によって違う解釈をしていることもあるから,生半可な文章力では正確に意思疎通することさえ難しい。

 プロジェクト・チームにおいて他のメンバーと情報を共有する際も,高い文章力が求められる。開発期間の短縮や機能の複雑化に対応するため,データベースやネットワークなど特定分野のスペシャリストを,限られた開発フェーズにだけ投入するケースが増えている。チーム編成が流動的になるにつれて,ミーティングによる情報共有やコミュニケーションは難しくなってきた。それだけに正確で分かりやすい文章を書いて,メンバーに情報を伝える必要性が高まっているのだ。

 「文章力がないITエンジニアは,チーム内のコミュニケーションを乱す原因になる。実際に対処策を講じなければならないケースも出てきた」。取材中,マネジャー・クラスのITエンジニアから聞いた言葉である。もはや「理科系出身だけに文章はどうも苦手で」という愚にも付かぬ言い訳は通用しない。文章力が乏しければ,“プロ失格”の憂き目に遭う。そんなことさえ,これからは十分にあり得る。

ビジネス文書に“文才”は必要ない

 では,どうしたら文章力が身に付くのだろうか。「文章の上手い下手は,生まれついての“文才”で決まる」と思っているとすれば,それは間違いだ。人を感動させるような小説や詩と違って,提案書や報告書,仕様書などのビジネス文書においては,何よりも正確さと分かりやすさが求められる。そうした文章を書くには,“文才”よりも「テクニック」を身に付けて実践することのほうが重要なのだ。

 最も基本的なテクニックを,文章を書く流れに沿って簡単に紹介しよう。最初に,「何のために書くのか」という文章の目的と,「何を伝えるのか」という主題を明確にする必要がある。「そんなの当たり前だ」と思うだろうが,実際にはおろそかになっていることが多い。何が言いたいのか分からない文章になってしまう原因はここにある。

 文章の目的や主題を考える際には,「読み手」の視点を強く意識することが肝要だ。読み手が誰であるか,どんな興味を持っているのか,専門知識はどの程度持っているのか,といったことを考えておく。その上で,文章全体の論旨展開(アウトライン)を決める。盛り込むべき事柄(トピック)を洗い出し,それらを整理した上で,どういう順序で書いていくのかを決めていく。

 ここまでの準備段階を経て,執筆に取りかかる。その際には,文法的に正しい日本語にするのはもちろん,正確で分かりやすい表現を追求する必要がある。そのためには,文章をいったん書き上げてもそれで終わりにしてはならない。書き上げた後で,必ず文章を見直して修正する。すなわち「推敲」を行う。

 推敲は,正確で分かりやすい表現にするためだけに行うのではない。分かりやすい表現になれば,論理展開の粗さや内容の乏しさなどが浮かび上がってくる。これを修正することで,文章の質そのものを高めるのだ。

 時間が許す限り,二度三度と繰り返し推敲する。さらに自分でチェックするだけでなく,上司や同僚など別の人に見てもらうのが望ましい。必ずしも文章力の高い人に頼む必要はない。第三者の視点で,分かりにくい個所はないか,読みにくさを感じないかといったチェックをしてもらうことが重要なのだ。

実践しながらテクニックを身に付ける

 これだけのことでも,実践するのはそう簡単ではない。主題を明確にしたり,詳細な文章構成を決めることが重要だと分かっていても,それらの作業が不十分なまま早く執筆に入ろうとするものだ。さらにいったん文章を書き上げたら安心してしまい,ろくに推敲せずに相手に渡してしまうことも多い。

 そうならないためには日ごろからテクニックを実践して,習慣として身に付ける必要がある。最初のうちは手間が掛かり面倒に思うかもしれないが,慣れてくると文章の分かりやすさだけでなく,書くスピードも上がってくるはずだ。

 文章のテクニックは,先に紹介した基本的なものにとどまらない。読み手が何に対して興味を持っているかを探る,論理的に文章を構成する,正確で読みやすい表現にするといった実践的なテクニックが数多く存在する。ぜひ文章の書き方に関する解説書に当たるなどして,身に付けてほしい。日経ITプロフェッショナルの読者の方は,5月号をお読みいただきたい。

 ここまで偉そうな物言いになってしまったが,筆者自身も文章の書き方で苦労してきた。“文才”に恵まれたわけもなく,記者になりたてのころはどうしようもない文章ばかり書いていた。今日どうにかなっているのは,上司や先輩から教わったテクニックのおかげである。「記者はそれが仕事だろう」と思うかもしれない。しかし,だからこそ確信を持って言える。テクニックを身に付けて実践すれば,文章力は確実に向上する,と。

(中山 秀夫=日経ITプロフェッショナル)


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