★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > IT5 > 307.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
ドイツで勃興する諜報機関【田中 宇の国際ニュース解説】
http://www.asyura2.com/0401/it05/msg/307.html
投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 4 月 01 日 22:11:30:WmYnAkBebEg4M
 

 その昔、僧侶は医者であり学者であり教育者でありマスコミ(情報発信
者)であった。大戦中、陸軍軍人より海軍軍人のほうが開明だったと聞く。
外の世界の情報に接する機会が多いからである。今、情報に多く接する者
と言えばインターネットをやる人々だろう。
 阿修羅の場合他の板からIT板にたどり着く人の方が、IT板→他の板
のパターンよりも圧倒的に多いとは思う。しかし、技術馬鹿になりたくな
い人は、下記のような記事を読むことはとても有益だろう。今現在、自分
たちがどういう世界に生きているかを意識することは、セキュリティにつ
いて考える時などとても大事なことだと思うからである。どういう世界に
生き、さらに外の世界への問題意識を持つかどうかで、同じセキュリティ
情報に接するにしても、気づきも理解の深さも全然違ってくるはずである。
これは、小生自身の体験と実感である。


ドイツで勃興する諜報機関【田中 宇の国際ニュース解説】
http://www.tanakanews.com/blog/0403311105.htm

2004年03月31日11時05分


 ドイツ公共放送(ドイチェ・ウェレ)のサイトの記事によると、ドイツでは諜報機関であるBNDが政府内で以前より重視される動きになっている。3月11日に起きたスペインのテロ事件や、トルコのイスタンブールでの爆破テロなどによって、EU諸国でもテロ対策の必要性が高まっていることと歩調を合わせた動きとなっている。

German Spies Polish Image
http://www.dw-world.de/english/0,3367,1432_A_1153087_1_A,00.html

 最近ドイツのラウ大統領がアフリカのジプチを訪問しようとした際、暗殺の危険があるということで直前にキャンセルしたが、これもBNDがもたらした諜報に基づいたものだったという。

(暗殺の危険があると発表されたため、インド洋とスエズ運河の中間にある重要な港湾として機能しているジプチで船舶保険の料率が上がったり、入港がキャンセルされたりして、ジプチ経済に悪影響が出た。そのためか、ジプチ政府は「暗殺の危険などなかった」と言っている)

Djibouti says canceled German visit to hurt image
http://www.signonsandiego.com/news/world/20040324-0737-germany-djibouti.html

 日本と同様に敗戦国になった第二次大戦後のドイツでは、帝国主義的な動きから足を洗ったことの象徴として、政府が諜報活動に対して消極的だった。冷戦時代には、東欧からの二重スパイがBNDにたくさん潜り込んでいるという疑惑もあった。

 ドイツにとって、そのような「戦後」的な状態からの脱出が始まったのは、冷戦後に東西ドイツが統一し、1992年にEUが成立して欧州統合に向かい始めてからのこと。「強いドイツ、強い欧州の再現」は、当時のパパブッシュ政権など、国際的な国家間の均衡状態を重視するアメリカの中道派勢力が押していたことでもあった。

 その一方で、アメリカの中でも一極支配派(タカ派)は、ドイツ統合やEU強化を嫌い、911事件では、実行犯の本拠地がドイツのハンブルグにあったとする見方が出てきて、ブッシュ政権がドイツに圧力をかける動きになった。これに対してドイツはBNDを使ってアメリカの捜査に「協力」し、その結果、911に関連した容疑でハンブルグで逮捕されたイスラム教徒の青年は無罪になった。「ドイツはテロリスト天国だ」というアメリカからの批判は「911実行犯の多くはサウジアラビア人だった」として米タカ派がサウジ王家を隠然と倒そうとしていたのと同様、ドイツに対する攻撃だった可能性が強まった。

First and only 9/11 conviction overturned by German court
http://www.guardian.co.uk/international/story/0,3604,1162396,00.html

 スペインのテロ事件でも「テロ計画はドイツで練られていた」というリーク情報が報じられたが、ドイツ当局の捜査の結果、ドイツでは計画は練られていなかったと発表した。

Madrid Bombings Not Planned in Germany
http://www.dw-world.de/english/0,3367,1432_A_1152470_1_A,00.html

 これらのことから感じられるのは、テロリストに寛容だという濡れ衣をかけられると、その国はアメリカから攻撃され、自国内でアメリカの諜報関係者が跋扈するのを容認しなければならなくなるなど、国家主権を侵害されかねないということだ。最近では、アメリカの諜報機関(特に国防総省系)は世界を安定させず、不安定化ないし破壊していることが分かってきており、危険な存在である。そのため、ドイツのように国際的に発言力を回復しようとする国は、必ず自前の諜報機関を持たねばならない状況となっている。

 第二次大戦前のドイツは中東に対する覇権を拡大しようとしていたため、戦後のドイツもイラン、イラクなどの中東に関する諜報的な情報収集が得意で、BNDはドイツの中東外交にとって重要な存在になっている。ドイツは外交力を拡大し、国連の安保理常任理事国の座を狙っている。すでにドイツ政府は、常任理事国になるためのロビー活動を行っている。

German Government To Lobby for Permanent UN Seat
http://www.dw-world.de/english/0,3367,1432_A_1152465_1_A,00.html

 EUではドイツ以外の国々もテロ対策として諜報力を増強しているが、今後難しそうなのは、各国が持っている国家機密をEUの場で出し合うことができるのか、という点だ。国家機密こそ、国家にとって最も大切な情報であり、それを近隣諸国に見せるということは、自宅のへそくりの隠し場所を隣近所の人に教えるようなもので、危険なことである。問題は「国家レベル」の戦略と「EUレベル」の戦略との折り合いをどのようにつけて統合の過渡期を乗り切っていくか、という点にありそうだ。

 諜報機関の拡大を容認する際に危険なのは、諜報機関は秘密を扱っているため、少しの情報公開で運営せざるを得ず、その結果、諜報機関が政治陰謀の中枢となり、民主主義が破壊される可能性が大きい点だ。大方の場合、諜報機関は安全保障を担当する議会の委員会に対して秘密を公開し、委員の国会議員が国民を代表して諜報機関を監督する形になっている。

 アメリカでは、これまでスキャンダルがあったCIAに対する監督は比較的しっかりしているが、911後に急拡大している国防総省傘下の諜報機関は「有事」を理由に監督体制がほとんどない状態で、しかも彼らに対する予算が急増している。国防総省の諜報活動は、連邦議会に対してもほとんど情報公開がないまま進められている。この件は最近のフォーリンアフェアーズに取り上げられている。アルカイダを裏から支援している組織があるとしたら、最も可能性が高いのは彼らである。

The Rise of the Shadow Warriors
http://www.globalpolicy.org/empire/intervention/2004/0301shadow.pdf

 外交力を増そうと思ったら諜報力をつけねばならないということは、日本にも当てはまっているはずだ。日本の場合、かつて強かったのは朝鮮半島、中国大陸、東南アジア方面に関する諜報力だったが、戦後は打ち捨てられていた感があるその諜報力を、再び復活させる状況が近づいているのかもしれない。表向きの理由は「テロ対策」であるが、ドイツの状況を見れば分かるように、本質的には戦前の覇権力を復活するということである。

 ドイツは、フランスと親密な関係を築いてから、覇権力の復活を模索している。日本の場合、中国や韓国との親密さは築かれていない。もはや帝国主義の時代とは異なり、近隣諸国の納得がない限り、覇権の拡大はできない時代になっている。その点では、日本が覇権を拡大できるのはまだかなり先だという感じもする。

 次へ  前へ

IT5掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。