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週刊文春出版差し止め命令関連
http://www.asyura2.com/0401/it05/msg/318.html
投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 4 月 02 日 22:44:38:WmYnAkBebEg4M
 

週刊文春出版差し止め命令関連

※言論・表現の自由と言うことで言えば、充分IT関連のニュースであると考えます。

「週刊文春」発売禁止命令の取り消し決定 東京高裁
http://www.asahi.com/national/update/0331/022.html

記者会見で笑顔を見せる笹本弘一第1編集局長=31日午後5時35分、東京都千代田区の文芸春秋本社で


 田中真紀子前外相の長女の私生活を報じる記事を掲載した「週刊文春」(3月25日号)が出版差し止めの仮処分命令を受けた問題で、東京高裁は31日、表現の自由を尊重する立場から文春側の主張を認めて仮処分命令を取り消す決定をした。根本真裁判長は、記事によるプライバシー侵害があったと認定しながらも、「暴露された私事の内容・程度を考慮すると、出版の事前差し止めを認めるほど重大で著しく回復困難な損害が出る恐れはない」と述べた。長女側は、決定を不服としており、最高裁への許可抗告と特別抗告を検討している。

 表現の自由を優先するのか、それともプライバシー侵害を未然に防ぐことの方が重要なのか、の判断にあたって、根本裁判長は「表現の自由は民主主義体制の存立と健全な発展のために必要な、憲法上最も尊重されなければならない権利だ」と前置きした。そのうえで、「出版物の事前差し止めは、この自由に対する重大な制約で、これを認めるには慎重な上にも慎重な対応が要求されるべきだ」と述べ、極めて例外的な場合でなければ差し止めは許されないとの判断を示した。また、表現の自由は「(送り手だけでなく)受け手(読者、視聴者)の側も含む」と指摘し、表現の自由を享受する側の権利であることも指摘した。

 出版物の事前差し止めは原則的に認められず、一定の要件を満たした場合にのみ許されている。要件は、記事の内容が(1)公共の利害に関するものでなく、(2)掲載に公益目的がないことが明白で、(3)公表されることで書かれる側は著しく回復しがたい重大な損害をこうむる――との3点だ。

 公共性について文春側は、長女が著名な政治家一家の一員で、「記事は前外相の後継者に絡む問題を報じた」と主張。しかし、高裁は「自ら政治家志望の意向を表明している場合などは別だが、現時点では政界入りするかどうかは憶測にすぎない」と述べて公共性を否定。「現時点では一私人の私事に過ぎず、公表によってプライバシーが侵害される」として公益性も認めなかった。

 そのうえで、根本裁判長は、被害者が受ける損害の程度を検討した。文春が報じた長女の私事は、日本の婚姻制度のもとで、それ自体は社会的に非難されたり、人格的に負をもたらすものと理解されたりする事柄ではないと指摘。「当事者にとって広く伝わることを好まない場合が多いとしても、日常生活で人が耳にし、目にする情報の一つにすぎない」とし、「事前差し止めを認めなければならないほどの重大な損害が出る恐れはない」と結論づけた。

 仮処分命令に反したときは長女側に1日274万円を支払うよう文春側に命じた東京地裁の「間接強制」決定は、高裁決定によって効力を失う。

 この問題をめぐっては、16日に東京地裁(鬼沢友直裁判官)が長女側の申し立てを相当と認め、出版差し止めを命じた。文春側が異議を申し立てたが、同地裁(大橋寛明裁判長)は19日に異議を退けた。これを不服として文春側が東京高裁に保全抗告していた。

 文春の3月25日号は、77万部のうち74万部が流通ルートに乗っており、決定の効力が及ぶ範囲は未出荷の3万部のみ。

 根本裁判長は大阪高裁時代の00年、大阪府堺市で、19歳当時に殺傷事件を起こしたとされる男性の実名と顔写真が「新潮45」に掲載されたことの可否をめぐる訴訟で、「掲載は社会の正当な関心事」を認める判決を言い渡している。プライバシー問題に詳しい判事だけに、抗告審の決定が注目されていた。 (03/31 22:20)


週刊文春:出版差し止め命令取り消し 東京高裁
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20040331k0000e040152002c.html

 前外相、田中真紀子衆院議員の長女らの私生活を取り上げた「週刊文春」の出版差し止めを命じた仮処分決定を巡る保全抗告審で、東京高裁は31日、発行元の文芸春秋(東京都千代田区)の申し立てを認め、差し止め命令を取り消す逆転決定を出した。根本真裁判長は「記事には公益性がなく、長女らのプライバシーを侵害するが、事前差し止めを認めなければならないほど、重大な損害を与える恐れがあるとまでは言えない」と判断した。長女側は決定を不服として、最高裁への特別抗告を検討するとみられる。

 決定は表現の自由を「民主主義体制の存立と健全な発展のために、憲法上最も尊重されなければならない権利」と位置づけた。そのうえで「事前差し止めは表現の自由に対する重大な制約であり、認めるには慎重なうえにも慎重な対応が要求される」として、月刊誌の事前差し止めの是非が争われた「北方ジャーナル事件」の最高裁判決(86年6月)を踏襲する見解を示した。

 続いて、記事が長女らのプライバシーを侵害するかどうかを検討し「長女らは私人に過ぎず、記事はその私事を内容としたもので、公益を図る目的がないのは明らか」と述べた。さらに「こうした内容を不特定多数にけん伝することで、長女らが精神的苦痛を被るのは当然」とプライバシー侵害を認定した。

 ただ、長女らの損害の程度について「長女らの人格に対する非難とまでは言えず、日常生活で耳にし、目にする情報の一つに過ぎない」として「著しく回復困難」とする長女ら側の主張を退けた。

 差し止めを相当と判断した19日の東京地裁決定(異議審)も、今回同様プライバシー侵害は認定したが、損害の程度をより重く判断したため、判断が分かれた。

 文芸春秋側は「長女が将来政治を志す可能性がある」と記事の公共性を訴えたが、決定は「単なる憶測による抽象的可能性では、公共性の根拠とすることはできない」と退けた。

 問題となったのは、17日発売の週刊文春(3月25日号)が3ページにわたって掲載した記事。16日夜「切除または抹消しなければ、販売や無償配布したり、第三者に引き渡してはならない」とする東京地裁の決定文を受け取った文芸春秋側は、約77万部のうち約3万部の出荷を取りやめた。その後、文芸春秋側が保全異議を申し立て、地裁の異議審で退けられたため、東京高裁に保全抗告していた。【小林直】

◇決定の骨子

・文春の記事は前外相の長女のプライバシーを侵害し、公共性や公益を図る目的は認められない

・表現の自由に対する重大な制約になる事前差し止めを認めるには、慎重な対応が要求される

・記事には、出版差し止めを認めなければならないほどの重大な損害を長女に与える恐れはない

◇ことば 仮処分の取り消し

 民事保全法41条などで規定され、取り消しは決定と同時に効力を持ち、今回のケースでは、文芸春秋は差し止め対象となった約3万部の未出荷分の販売や、新たな増刷・販売ができる。東京地裁は「差し止め命令に反した場合、文芸春秋は1日137万円支払え」とする決定も出していたが、仮処分命令の取り消しで、この支払い命令も効力を失った。

◇「表現の自由守られたと評価したい」文芸春秋

 文芸春秋の話 表現の自由が崩壊の瀬戸際で守られたものと評価したい。高裁の判断にはなお当方の主張と隔たりがあるが、今後、人権・プライバシーをめぐる各方面からの意見や批判などを厳粛に受けとめつつ、真摯(しんし)かつおくすることなく出版報道にまい進していきたい。

◇「最高裁で審理を」 長女側代理人

 長女側の代理人、森田貴英弁護士の話 決定は、記事が公共性が欠如している違法なプライバシー権侵害記事であり「表現の自由の行使として積極的評価を与えることはできない」としている点で意義深い。引き続き最高裁で審理して頂く予定だ。

[毎日新聞4月1日] ( 2004-04-01-00:34 )


週刊文春:「事前差し止めは慎重な対応を」 高裁決定要旨
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20040401k0000m040127000c.html

 週刊文春の出版差し止め命令を取り消した東京高裁決定(31日)の要旨は次の通り。

 1 地裁決定(出版差し止めを支持した3月19日の保全異議却下決定)は、本件記事は長女らの人格権の一つとしてのプライバシーの権利を侵害するとし、侵害行為の差し止めを認め得るための要件として(1)記事が公共の利害に関する事項に係るものといえない(2)記事が専ら公益を図る目的のものでないことが明白(3)記事によって被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被る恐れがある――の三つを挙げている。

 (ア)記事は、将来の可能性はともかく、現時点においては一私人に過ぎない長女らの全くの私事を、不特定多数の人に情報として提供しなければならないほどのことでもないのに、ことさらに暴露したものであり、長女らのプライバシー権を侵害したと解するのが相当である。

 (イ)前記3要件は、名誉権の侵害に関する事前差し止め要件として樹立されたものを斟酌(しんしゃく)して設定されたと解されるが、プライバシー権に直ちに推し及ぼすことができるかについては疑問がないわけではない。しかし、3要件は、本件差し止めの可否を決める基準として相当でないとはいえないし、当事者双方も格別の異議を唱えていないことに加え、本件が手続き的・時間的制約等の下に置かれていることなどを考えると、本件保全抗告事件においては前記3要件を判断の枠組みとするのが相当である。

 2 そこで、記事が3要件を具備するか否かを検討する。

 (ア)記事が「公共の利害に関する事項に係るもの」といえるか。

 文芸春秋は、長女は国会議員である両親の後継者として政治を志す可能性があると考えるのが相当だから、記事は公共の利害に関する事項に係るものと主張する。しかし、その者が将来における政治家志望等の意向を表明していたり、そのような意図・希望をうかがわせるに足る事情が存しない時点においては、単なる憶測による抽象的可能性に過ぎない。このような抽象的可能性をもって、直ちに公共性の根拠とすることは相当とはいえない。しかも、記事の内容が、政治とは何らの関係もない全くの私事であることも考えると、公共の利害に関する事項に係るものと解することはできない。

 長女が田中真紀子衆院議員の外国出張に同行したり、選挙運動に参加していることなどは、将来政治の世界に入ることを意識してのものというよりは、家族ゆえのこととも考えられ、長女を後継者視して、長女の私事を公共の利害に関する事項に係るものとみるのは相当とはいえない。

 (イ)記事が「専ら公益を図る目的のものでないことが明白である」か否か。

 記事は、身内に著名な政治家がいるとはいえ、現時点では一私人に過ぎない長女らの全くの私事を内容とするものであり、専ら公益を図る目的のものでないことが明白である。文芸春秋は、「公益を図る目的」は行為者の主観によって判定されねばならないと主張するが、そのように解するのは相当でない。「公益を図る目的」の有無は、公表を決めた者の主観・意図も検討されるべきではあるにしても、公表されたこと自体の内容も問題とされなければならない。

 (ウ)記事によって「被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被る恐れがある」か否か。

 記事の内容及び表現方法は、長女らの人格に対する非難といったマイナス評価を伴ったものとまではいえない。

 本件記事に、憲法上保障されている表現の自由の発現・行使として積極的評価を与えることはできないが、表現の自由が、受け手の側がその表現を受ける自由をも含むと考えられているところからすると、憲法上の表現の自由と全く無縁のものとみるのも相当とはいえない側面のあることを否定することはできない。

 一方、記事で取り上げられた私事は、当事者にとって、喧伝(けんでん)されることを好まない場合が多いとしても、それ自体は、当事者の人格に対する非難など、人格に対する評価に常につながるものではないし、もとより社会制度上是認されている事象であって、日常生活上、人はどうということもなく耳にし、目にする情報の一つに過ぎない。

 更には、表現の自由は、民主主義体制の存立と健全な発展のために必要な、憲法上最も尊重されなければならない権利である。出版物の事前差し止めは、表現の自由に対する重大な制約であり、これを認めるには慎重な上にも慎重な対応が要求されるべきである。

 このように考えると、記事は長女らのプライバシー権を侵害するものではあるが、当該プライバシーの内容・程度にかんがみると、事前差し止めを認めなければならないほど、長女らに「重大な著しく回復困難な損害を被る恐れがある」とまでいうことはできないと考えるのが相当である。

 なお、プライバシー権を侵害する事案では、事前差し止めのために「損害が回復困難である」ということまでを要求すべきではないという考え方がある。プライバシーが一度暴露されたならば、それは名誉の場合と必ずしも同じではなく、「回復しようもないことではないか」ということであろうかと思われる。本件では、この観点に立っても、記事によるプライバシー侵害の内容・程度にかんがみるならば、事前差し止めを否定的に考えるのが相当である。

 3 以上の次第であるから、長女らの主張する事前差し止め請求権は、これを認めることができない。

[毎日新聞4月1日] ( 2004-04-01-00:32 )

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