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イラク派遣:首相、大義示さぬまま  [毎日新聞]
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投稿者 あっしら 日時 2004 年 2 月 10 日 03:06:44:Mo7ApAlflbQ6s
 


 衆院に続いて参院も自衛隊のイラク派遣を承認した。与野党が両院で2週間かけて派遣の是非を論じたのは、戦争の評価と対米協調の意義、自衛隊派遣の現状と将来などをめぐる国会論戦を公開し、広く国民の賛否を問うためだった。だが、目的が達せられたとは言い難い。イラクが大量破壊兵器を保有しているという情報自体、誇張・ねつ造だったのではないかという疑惑が再燃する中、戦争の大義に関する質問にまともに答えない小泉純一郎首相の答弁の粗雑さが際立った。【中川佳昭、古本陽荘】

◆突っ張りと割り切り

 大量破壊兵器の存否をめぐる首相答弁は、身もふたもないという点で一貫している。

 兵器に関する米側の事前の情報提供については「ブッシュ大統領とは話をしているが、中身は申し上げられない」の一点張り。「大量破壊兵器も(戦争)支持の根拠の一つだが、(そもそも開戦は)国連憲章にのっとっている。廃棄を立証する責任はイラクにあった」という論法だ。

 首相は国会承認論戦最終日の9日も参院イラク復興特別委で、イラクの大量破壊兵器の脅威を認めた国連決議の存在を指摘し、「(フセイン政権は)廃棄を証明しなければならなかったが、果たされていない。(イラク戦争の)正当性に変わりはない」と突っ張った。

 民主党の菅直人代表は8日、「首相がどういう状態で(イラクに大量破壊兵器が)あると判断したのか、特別委員会をつくって再調査すべきだ」と要求。これに対し、同日、NHKの番組に出演した石破茂防衛庁長官は「戦争に大義があったかどうかの議論は大切だが、イラクの状況をどう考えるかも大事。戦争支持の問題と人道支援の話は別の話だ」と発言、もはや戦争の「大義」にのみ固執すべきではないという考えを示し、幕引きを急いだ。

 ◆米英では

 米国では、大量破壊兵器捜索チームを指揮した米中央情報局(CIA)前特別顧問、デビッド・ケイ氏が1月下旬、通信社の取材に応じて「イラクは90年代中葉以降、大量破壊兵器を備蓄していない」と発言。さらに上院公聴会で「大量破壊兵器が発見される可能性は極めて低い」と述べる一方、「開戦自体は正しかった」とも語った。大量破壊兵器に関する疑惑が大統領選に悪影響を与える事態を恐れるブッシュ大統領は、独立調査委員会の設置に応じた。

 英国では「政府が意図的に大量破壊兵器に関する情報を誇張した」と公共放送BBCが報道、情報源だったケリー英国防省顧問が自殺し、独立調査委員会(ハットン調査会)が動いた。調査委はBBCの誤報と断じたが、「イラクは45分間で生物・化学兵器が配備できる」という英政府報告書(02年9月)をめぐる不信は払しょくされていない。

               ◇

 「大義」の問題以外でも「戦闘地域と非戦闘地域の線引き」や、「輸送できる武器・弾薬の範囲」に関する政府答弁は、あいまいなまま終わった。陸上自衛隊先遣隊の調査報告書の一部が事前に作成されていた予定原稿問題も含め、今後の審議で議論は尾を引きそうだ。

 自衛隊派遣の要件「非戦闘地域」については赤嶺政賢氏(共産)が9日の衆院予算委員会で、バグダッド空港での米兵死亡事件を挙げて「バグダッドは非戦闘地域か」と迫った。しかし、石破茂防衛庁長官は「我々が活動を行う地域は非戦闘地域でなければならない。法にのっとった活動のため、状況を注視し、事実関係の把握に努める」と繰り返しただけだった。

 政府は自衛隊任務から他国軍隊の武器・弾薬輸送を除外する方針だが、「武器を携行した兵員は輸送できる」と答弁。しかし、携行武器の基準に関しても石破長官は「ここまでが許されるという明確な基準はない」といった答弁に終始した。

 予定原稿問題は赤嶺氏が「最新のイラク情勢と陸自派遣の調整状況等について(案)」と題するA4判8ページの文書を暴露した。報告書が結論づけた「サマワの治安は比較的安定」が陸自本隊に出した派遣命令の根拠となっていたため、政府の説明にほころびが生じた形で、自民党からも「あまりにずさん」(党幹部)との批判が出たほどだ。

               ◇

 【サマワ(イラク南部)山科武司】イラクは一般の治安状況が徐々に安定に向かいつつあるものの、一度に大量の犠牲者を出す無差別テロや要職者の暗殺計画が後を絶たない。国内勢力の反目から、6月末までに予定している主権移譲がずれ込む恐れも出てきており、民主化の道のりは、なお遠い状況にある。

 陸上自衛隊本隊先発隊のイラク入り前日の7日、バグダッド南方50キロスウィラの警察署で爆弾が爆発し、警察官3人が死亡した。今月1日には北部アルビルで、二つのクルド人政党事務所が同時自爆テロに遭い、死者100人を超える大惨事となった。

 自衛隊が駐留するサマワは「比較的治安が安定している」とされ、同地に滞在する欧米NGOも「昨年3月の進出以来、襲撃などはない」と語る。それでもサマワ北方では盗賊団の襲撃が絶えないなど、治安が万全とは言い難い。

 一方、米英占領当局(CPA)とイラク統治評議会は2月末までに「暫定憲法」となる基本法を承認する予定で、内容の調整を進めている。焦点の一つがイスラム教を「国教」と定める規定の扱いだ。

 検討委員会に参加する米国人弁護士は「イスラム教違反を名目に人権を抑圧しかねない」と削除を求めているが、保守派の宗教指導者らが難色を示しているという。

 また、主権移譲の前提となる暫定政権樹立のための暫定国民議会について、イスラム教シーア派勢力は代議員を直接選挙で選出するよう求め、これに反対する統治評議会の大勢や、CPA側と対立している。

 国連のアナン事務総長は7日、打開のためブラヒミ特使をバグダッドに派遣し、関係者との協議を始めた。アナン事務総長は関係者の同意が得られれば、主権移譲の期限を先延ばしする考えも明らかにしている。妥協点に達するまで時間がかかるのは必至で、混迷は深まっている。

[毎日新聞2月10日] ( 2004-02-10-01:32 )

http://www.mainichi.co.jp/news/flash/seiji/20040210k0000m010126003c.html


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