陸上自衛隊がサマワで予定している人道復興支援活動の内容は（１）給水支援（２）施設の建設や修理（３）医療支援――の３分野だ。いずれも、ムサンナ県や市評議会と調整して実施する。

　給水支援は、サマワでは飲料水の供給が十分でないため、宿営地のそばにある用水路からポンプで水をくみ上げ、日本から持ち込む浄水セットで飲料水にする。隊員３人で浄水セットを操作し、淡水に含まれる細菌や化学物質をろ過する。１時間で３．５トンの浄水能力があり、防衛庁は「１日に７０〜８０トンの飲料水を作れる」としている。

　浄水した水は、隊員の安全を確保するために、基本的には市の給水車に来てもらい、宿営地内で給水する。安全が確保されれば、宿営地の外で自衛隊の給水車による配水も実施する予定だ。

　施設の建設・修理は、学校の補修や道路の復旧などを想定している。グラウンドの整備や校舎の部分的な補修、道路の簡易舗装などで、技術的な指導や助言もする予定。

　医療支援は、医官や看護官、検査技師などで医療チームを作り、サマワや周辺の病院を巡回し、検査や機器使用に関する指導や助言をする。状況によっては、イラク人の救急患者の治療や運搬にもあたる。

　航空自衛隊は、クウェートを拠点に、Ｃ１３０輸送機３機がバグダッド、バスラ、バラド、モスルの各空港に米英軍の物資などを運ぶ。政府の方針で、武装した兵士の輸送は可能だが、武器・弾薬の輸送はしない。緊急時の陸自への輸送もする予定だ。

　海上自衛隊は、おおすみ型輸送艦１隻と護衛艦１隻で、約３週間かけて陸自の車両などをクウェートまで運ぶ。【平井桂月】

［毎日新聞１月２６日］ ( 2004-01-26-20:33 )

http://www.mainichi.co.jp/news/flash/seiji/20040127k0000m010079001c.html

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