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【映画監督マイケル=ムーア公式サイト】兵士たちから寄せられた手紙【生々しい本音】
http://www.asyura2.com/0401/war47/msg/264.html
投稿者 転載バカボン 日時 2004 年 1 月 28 日 06:25:50:kkVgFyCLlyr/.
 

http://www.michaelmoorejapan.com/

兵士たちから寄せられた手紙

2003年12月19日(金曜日)

親愛なる友人のみなさん

 クリスマスが近づいているいま、ぼくはイラクで軍務についている若者たちのことをよく考える。イラク駐留兵士たちからは何百通もの手紙が送られてくれる――彼らの話は、ぼくたちがテレビのニュースで見るのとはかなり違ったものだ。

 彼らがしばしば雄弁に、悲痛な言葉で語ってくれるのは、自分たちは嘘をつかれたということ――そして、この戦争はアメリカ合衆国の安全保障とはなんの関係もない、ということだ。

 ぼくは彼らの多くに返事を書き、電話をかけて話した。手紙をウェブ・サイトで公開していいかと訊くと、何人もの人がオーケーしてくれた。彼らはそのことで大きなリスクを負うことになる(言論の自由を行使したかどで懲戒処分を受けるかもしれないのだ)。ぼくは彼らの勇気に感謝したい。

 9月にイラクから帰還した合衆国海兵隊兵長は、こう書いてきた。

「中隊内外の兵士と話してみると、驚くほど多くの人が、サダムの大量破壊兵器は脅威だと大統領がいったのは嘘っぱちで、この戦争の本当の動機は要するに金だと考えています。それから、海兵隊にかぎらない多くの部隊が、国境を越えるとき、充分な装備を与えられずに任務を遂行しなければならなかったという腹立たしい事実もあります。2カ月間、イラクにいたあいだ、わが中隊にあれだけの仕事ができたのは奇跡でした。(中略)6月8日に帰国できるという約束だったのに、結局それは嘘で、そこから3カ月も任務を続行させられました。わが中隊の1等軍曹のような、極端な保守主義者ですら、海兵隊、もっといえばブッシュ大統領に対して、ひどく後味の悪い思いを抱いています」

 次は陸軍特技士官マイク・プライスナーの手紙だ。

「親愛なるミスター・ムーア――この手紙はちゃんと届くかどうかわからないまま書いています。なぜ書くのか、何をいいたいのかも、わかりません。ちゃんと書き終えるかどうか、実際に出すかどうかも。いまこれを戦地の塹壕で書きながら(戦争はまだ続いているのです)、自分はなぜここにいるのか、いつ帰れるのか、わからずにいます。ぼくは袖に星条旗をつけて、フセインの銅像を引き倒し、肖像画を叩き壊したりしながら、どうしたらその意味を理解できるのかともがいていました。(中略)ぼくは兵役年齢になるとすぐ軍隊に入りました――州立大学創作科の奨学生入学を辞退して、祖国に奉仕し、熱烈に信じている理想のためなら死んでもいいと覚悟を決めたのです。その2年後、もうすぐ搭乗機が真っ暗な飛行場に着陸して、自分がおもむくのは場違いな気がする国に乗りこもうというとき、頭の中ではあなたの言葉(アカデミー賞授賞式でのスピーチ)がくりかえし響いていました。(中略)イラクでは、自分の行動を誇りにしていいと信じるための材料をずっと探していました。自分はいま正義の行動に参加しているのだと思える材料を。でも、どんな戦争肯定論を聞いても、目に浮かぶのは、うまく国民を丸めこんでやったとせせら笑うわが最高司令官(訳注1)の顔でした」
(訳注1)アメリカ合衆国軍の最高司令官は大統領。

 いまもイラクに駐留する陸軍兵卒(匿名希望)からの手紙は次のようなものだ。

「正当な選挙で選ばれていない大統領のもとで軍務につくのはなんとも難しい。彼は大統領であり、わたしのボスだから、彼について思っていることを誰に、どう話すか、慎重に考えなければなりません。このことに大きな不安も感じます……兵士の発言を制限するのは、アメリカが守ろうとしている価値を制限することです……またわが軍の兵力が全然不足していると感じている兵士がずいぶんいます。大統領はわたしの友人や身内やそのほかの人たちを、信じられないほど恐ろしい危険にさらしているのです。同じことを感じている兵士はほかにも何人かいて、一緒にこの状況のことをよく話し合います」

 バグダッドから帰国したばかりの陸軍兵士ジェリー・オリバーはこう書いてきた。

「わたしは「イラクの自由作戦」の任務を終えて帰ってきたばかりです。バグダッドにいたのは5カ月間、陸軍勤務歴はつごう3年です。最近、名誉除隊をして帰国しましたが、祖国の変わりようにぞっとしました。22歳になったいま、アメリカがひどく住みづらいところになっているのを知ったのです。それだけでなく、アメリカ人は自分の国で何が起きているのか、ほとんど意識していません。アメリカは『一九八四年』の世界になってしまいました。国土安全保障省は国民に互いをスパイし合うよう教え、わたしたちから社会性を奪おうとしています。アメリカ人は安全の名のもとに自由を犠牲にしつつあります。わたしが命を捧げる覚悟で守ろうとした自由をです。憲法は危機に陥っています。トミー・フランクス将軍(訳注2)がいったように(もちろん、簡単にいい直せばですが)、もう一度テロ攻撃があったら、憲法は無意味になってしまうでしょう」
(訳注2)イラク戦争の陣頭指揮をとった中東軍司令官。

 ある陸軍特技士官は今週、サダム・フセインの拘束についてこう書いている。

「わお、13万人の地上軍、500人近い戦死者、1日10億ドル以上の戦費。それで捕まえたのが穴ぐらにいた男ひとり。これで感心すればいいわけ?」

 こういう手紙はほかにもたくさんある。どれも前線で今度の戦争の実態をじかに見た兵士たちからの報告だ。

 兵士たちの友人や家族や親類、それに退役軍人からも手紙が来る。ある母親は息子さん(名前は伏せる)にかわってこう書いてきた。

「息子の話では、状況は戦争の「終結」いらい最悪だそうです。部隊は新しい「交戦規則」を与えられて、アメリカ軍に危害を加える者は誰でも「排除」することになっているとか。たとえ「付随」被害が出ようともです。不幸にも息子は、自衛のために人を殺すはめになりましたが、上官からは「よく仕留めた」と言われました」

「息子は、『あなたにはわかってないんですね』と答えました」

「こうして……ベトナムの二の舞になっていくのです」

 今年56歳になる海軍の退役軍人は、翌日イラクに派遣される若者と交わした会話についてこう報告する。

「心配になったのは、トラックの運転手としてどういう武器を支給されるのかと訊いたときでした。彼は新型のM‐16で、仕様はこれこれと説明してくれました。わたしは現役時代もそういうのはチンプンカンプンでしたが。次に着装武器は何を、と訊くと、『予備役兵は拳銃も防弾衣も支給されません。予備役兵全員にそういう装備をさせる予算がないとかで。現役兵だけなんです』これを聞いて唖然としてしまいました」

「ブッシュが嫌なやつなのはわかっていましたが、部隊に充分な自衛装備を持たせないほどの大バカ野郎だったなど、信じられません。自分の戦争を戦ってくれる部隊だというのに!」

 40歳の元海兵隊員からの手紙はこうだ。

「われわれはなぜ世界最強国の旗を永遠に振りつづけるのでしょうか? ほかの国の主権を認めるのは経済的利害がからんでいるときだけです。なんの権利があって、ほかの国にこういう政治体制を作れとか、こういう生活をしろとか命令するのでしょう? それよりも模範的な国になって世界をリードしたかどうなのか? われわれが世界中から嫌われているのも当然です。彼らが目にするアメリカ人は、銃を持った戦闘服姿のバカな若造か、金を持った年寄りの白人観光客だけです! まったく、これより悪い第一印象があるでしょうか?」

(上に紹介した手紙の全文も含めて、ぼくのところに届いたイラク通信をもっと読みたい方は、****にジャンプしてほしい)

 今年の三月を思いだしてみよう。戦争が始まった当初は、反戦的な発言をするのは危険なことだった。学校でも、職場でも、えーと、それから、何かの授賞式の場でも。ひとつ確かなのは――反戦的発言のあとには、すかさずこうつけ加えたほうが無難だったということだ。「でも、派遣された兵士たちのことは支持しますよ!」。これをいわないと、あなたは非愛国的、非アメリカ的であるだけでなく、あなたが若者たちを危険な目にあわせているのだ、彼らが死ぬのはあなたのせいかもしれない、といわれかねなかった。反対意見は、兵士たちへの「支持」を誓うかぎりにおいて、かろうじて許されたのだ。

 でも、もちろん、支持発言なんてする必要はなかった。なぜなら、あなたのような人は以前からずっと「兵士たち」を支持してきたからだ。兵士たちとは誰か? 貧しい労働者階級の人たちだ。彼らが軍隊に入るのは、そうする以外に仕事も、大学教育を受けるチャンスも、得られないからだ。あなたがたはいつだって、仕事や、寄付や、政治活動や、投票によって、恵まれない階層の若者たちを支持してきた。「兵士たち」への「支持」が問題になったとき、慌てる必要なんてなかった――彼らをずっと支持してきたのは、あなたがただけだったからだ。

 兵士たちを支持していないのは、ミスター・ブッシュと、彼の汚らわしいほど裕福な仲間たちだ――彼らの息子や娘が戦闘服を着ることなど絶対にないからだ。兵士たちは、必要とあらばぼくたちのために命を捨てる。それはなんという、途方もなく大きな贈り物だろう――ぼくやあなたが死なずにすむのなら、自分は死んでもいいというのだ! ぼくたちが自由を享受できるのなら、自分は血を流してもいいというのだ。ぼくたちが兵士にならなくてもいいように、かわりに自分が兵士になるというのだ。なんという献身的な、無私無欲の行ないだろう! あの18歳、19歳、20歳の若者たちの大半は、自分たちに恩恵が来ないよう仕組まれた経済システムに苦しめられてきた――あの若者たちは、生まれてからの最初の18年間、街の劣悪な地区に住み、ひどい学校に通い、危険のもとで暮らし、諦めることを覚えさせられ、両親が暮らしを立てるのに悪戦苦闘しているのを眺めて育つ。ところが政府は福祉予算を削り、教育予算を削り、図書館や消防署や警察を減らして、彼らをさらに苦しめ、彼らに屈辱を与え、彼らから未来を奪いとってきた。

 そんなひどい扱いを受けてきながら、この若者たちは、もっと公正な社会を、とぼくたちに詰め寄るどころか、軍隊に入って、ぼくたちと、ぼくたちの生活を守ってくれる! もう呆然とするしかないじゃないか? 彼らはお礼をいわれるだけじゃなく、ぼくたちが食べているパイから大きな一切れを受けとる資格がある。彼らのおかげでぼくたちは、甥っ子のクリスマス・プレゼントにはどのパーム・パイロットがいいかな、なんて迷っているあいだ、銃で撃たれる心配をしなくていいのだ。

 なのに、兵士たちがお返しに求めるのはただひとつ――自分たちを危険な任務につかせるのは、祖国を防衛し、国民が「敵」に殺されるのを防ぐときだけにする、という約束だけ。

 ところが、みなさん、この約束が破られたのだ。およそ考えうるかぎり最悪のやり方で。ぼくたちが彼らを戦争に行かせたのは、国を防衛するためでも、国民の命を守るためでも、罪なき人々や同盟諸国民の虐殺を防ぐためでもない。ブッシュとその仲間に世界第2位の石油埋蔵国を支配させるためだった。副大統領の会社に政府から何千万ドルもの金を騙しとらせるためだった。ぼくたちは、フセインが大量破壊兵器を持っているとか、オサマ・ビンラディンの9・11テロに協力したという嘘にもとづいて、彼らを戦場に送りこんだのだ。

 これでわかるのは、われらが兵士たちを支持していないのはブッシュ自身だということだ。彼が兵士たちの命を危険にさらしたのだ。500人近いアメリカの若者が、大義名分のない戦いで死んだことの責任は彼にある。

 兵士たちの友人や家族や親類は、ぼくへの手紙の中で明言している。この戦争には心底うんざりしている、愛する人にもう会えないのではないかと死ぬほど怯えていると。それらの手紙を読むと、心が張り裂けそうだ。何かぼくにできることはないだろうか。ぼくたちみんなにできることはないだろうか。

 ひょっとしたら、あるかもしれない。クリスマスが近いいま(ユダヤ教のハヌカー祭りは今夜からだ)、兵士たちと故郷にいる家族の休暇が少しでも――安全になるよう、とまではいかないけれど――明るくなるように、ぼくたち一人ひとりにできることをいくつか提案したい。

1. 多くの兵士の家族は生活が苦しい。とくにフルタイムの仕事を休んで戦地におもむいた予備役兵と州兵(「月に一度、週末に訓練すれば、大学の学費を支給!」というのが州兵募集の謳い文句だ)の家族はそうだ。彼らを援助するために、全軍救援基金(http://www.afrtrust.org/ )に寄付をしよう(軍隊を応援するのか、なんていわないでほしい。これはあくまで貧困すれすれの家族を援助するためなのだ)。寄付金は陸・海・空軍など各軍隊の基金に分配され、兵士とその家族の衣食住費、医療費、給料支払いが遅れたときの当座の出費、葬儀費用などに使われる。兵士たちを支援する方法はほかにもいろいろある。家族に食料を買ってあげるとか、飛行機のマイレージをあげて一時帰休の旅費にしてもらうとか。

2. アメリカ軍の爆撃と無差別銃撃で、イラクの民間人がおおぜい殺されている。彼らにもぜひ援助の手を差しのべたいところだ。クエーカー教徒の団体が、イラクの病院に小児用医療器具を寄贈する運動をしているので、それに協力するのもいい(http://www.afsc.org/iraq/relief/default.shtm)。またイラク赤新月(訳注3)に寄付をする手もある(http://www.ifrc.org/address/iq.asp)。国際赤十字・赤新月連盟を通じてネット上で寄付をすることもできる( http://www.ifrc.org/HELPNOW/donate/donate_iraq.asp )。
 (訳注3)イスラム諸国では、十字架は十字軍のシンボルなので赤十字はなく、かわりに赤新月がある。

3. いまイラクには13万人のアメリカ人がいる。つまりアメリカのどの町にも、イラク戦争に従軍している人か、その家族がいるわけだ。そこで地域の各種団体や教会を通じて、救援小包を兵士たちに送ってほしい。軍はもう不特定の兵士への小包を受け付けていないので、そのルートで送る場合はまず兵士の名前を知る必要がある。地域で誰が出征しているかを調べて、本、CD、ゲーム、フットボール、野球グローブ、毛布など、彼らの延長されている(長く長く延長されている)駐留が少しでも明るく快適になるようなものを送ろう。小包は米軍慰問協会( http://www.usocares.org/ )を通じても送ることができる。

4. 兵士に本や映画のビデオ・DVDを送るのはどうだろう。ぼくは自分の作品をイラクで軍務に服している兵士に無料で提供しようと思う。名前とイラクでの住所(もうイラクを離れている人は現住所)をEメールで教えてくれれば(メールは soldiers@michaelmoore.com へ)、先着1000名に『おい、ブッシュ、世界を返せ!』か『ボウリング・フォー・コロンバイン』のDVDを送ります。

5. 最後に、ぼくたちはこの戦争を終わらせ、兵士たちを帰郷させるために、さらなる努力をしなければならない。それが彼らへの最大の贈り物だ――できるだけ早く兵士たちを危険な場所から出し、アメリカ政府に国連主導のイラク再建を迫ることだ(資金はアメリカとイギリスが出すしかないだろう。混乱を生みだした代償として)。ということで、みなさんには地域の平和団体の活動に参加してほしい。最寄りの団体は、ユナイテッド・フォー・ピース( http://www.unitedforpeace.org )や反戦ベトナム退役軍人会( http://www.vvaw.org/contact/ )のサイトで探せる。3月20日に大規模なデモが予定されているので、 http://www.unitedforpeace.org/article.php?id=2136 で詳しい情報をチェックしよう。「彼らを家に帰そう」というスローガンのバンパー・ステッカーやポスターを手に入れたい人は、http://bringthemhomenow.org/yellowribbon_graphics/index.html にアクセスするといい。それから、選挙では反戦派の候補(大統領候補ではクシニッチ、ディーン、クラーク、シャープトン)に投票しよう。

 どうせだめだ、と思う気持ちはわかる。でも戦争推進派はぼくたちにそう思わせたいのだ。諦めないでほしい。ぼくたちはあの若者たちに――ぼくたちが支持している兵士たちに――借りがある。彼らが家に帰って、今年の11月に戦争利権屋どもを追いだすための運動に参加できるよう、努力する義理があるのだ。

 軍で勤務するすべての人と、その両親や妻や夫や子供たちに、ぼくたちは遺憾の意を表明する。そして、きっとこの不正をただして、あなたがたが命を危険にさらしてくれたことに感謝するためにできるだけのことをすると約束する。ブッシュの強欲のためにあなたがたの命が危険にさらされているというのは、屈辱的な茶番だ。こんなひどい話を、ぼくは生まれてこのかた聞いたことがない。

 どうかご無事で、早く帰ってきてください。多くの人が「平和の君」、イエス・キリストの誕生を祝うこの時期、ぼくたちがあなたがたのことを思い、あなたがたのために祈っていることを知ってください。

あなたの友

マイケル・ムーア
mmflint@aol.com
http://www.michaelmoore.com

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