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オホーツク新聞緊急インタビュー 日本外交を問う1[前駐レバノン特命全権大使 天木直人さん(56)]
http://www.asyura2.com/0401/war47/msg/310.html
投稿者 なるほど 日時 2004 年 1 月 28 日 23:48:12:dfhdU2/i2Qkk2
 

平和憲法逸脱する日本の大転換

 ― イラクへの自衛隊派遣の基本計画が閣議決定されたことをどう受け止められましたか。

 天木 とうとうイラクへの自衛隊派遣が決定されたかという思いです。小泉首相としてはブッシュ大統領に約束した手前、今更派遣しないという訳にはいかなかったのかもしれませんが、今回イラクへ自衛隊を派遣するという事は戦後58年間守られてきた平和憲法を完全に逸脱するものです。

 もし日本国民がこの派遣を仕方がないものと追認するのであれば、小泉首相はやがて憲法を改正し、自衛隊を国軍と位置づけ、そして今後米国が世界に展開する軍事作戦の一環として日本に協力を要請すれば日本はどんどんとこれに応じていかなければならなくなるでしょう。日本と言う国のあり方が大きく転換しつつある気がします。

◇米国の身勝手な戦争支持は間違い

 ― 今年3月14日に米国のイラク攻撃「不支持」を外務省と世界中の在外公館大使あてに「意見具申」された理由を聞かせてください。

 天木 私はレバノンと言う中東の国から今度の米国の対イラク攻撃の背景にある様々な事情について情報を集めてきました。その結果わかったことは、この戦争が中東や世界の平和と安定のための戦争ではなく、米国の中東政策の必要性から来るものであったということでした。すなわち米国はサウデアラビアに次ぐ石油の埋蔵量を誇るイラクを米国の支配下に置きたかったのです。

 さらにはイスラエルの安全保障のためにはイラクを米国の思いのままになる国にする必要があった。サダムフセインは独裁者で誰も支持しない。おまけに大量破壊兵器を持っている恐れがある、テロとの結びつきがあるかもしれない、そのような口実を押し立てて戦争を正当化しようとした。

 しかし戦争で犠牲になるのはいつも市民です。多くの犠牲者を省みず戦争を仕掛けるという米国の身勝手な政策は到底正当化されない。その米国を支持する小泉首相は間違っていると思いました。外交官をながくやってきて今ここで反対の声を上げないと外交官を続ける意味はないと思ったのです。

◇「首相の政策に反対なら辞職を」

 ― 天木さんの「意見具申」への反応はどうでしたか。

 天木 反応は全くありませんでした。それどころか首相の決めた政策に反対するのなら外務省を辞めたほうがよいと言わんばかりの声が聞こえてきました。私は自分から進んで辞める気はないが小泉首相が解雇しろと言うのであればその用意は出来ている、ぜひとも小泉首相の考えを聞きたいと答えました。

http://www.26cluster.ne.jp/news/sp_iraqi011.asp

解雇の屈辱と国民に背向ける実態

 ― 外務省「免職」直後に小泉首相の対米追従外交と外務省の同じ姿勢を痛烈に批判する本「さらば外務省」を書かれた動機は何ですか。

 天木 私はそれからしばらくして帰国命令を受けました。そして勧奨退職という形で事実上解雇されました。同僚や先輩が60歳を過ぎても大使などの地位にとどまっている中で解雇されたことはショックでした。しかもその解雇にいたる手続きが極めて屈辱的なものでした。

 私はその時決意しました。私が見てきた外務省は国民に背を向けた外交ばかりをやってきた、これを白日の下にさらし、外務省を根本的に解体しないと国民はいつまでたっても外務省を変えることが出来ない、国民が外務省の実態に気づくと外務省も変革せざるを得ないであろうと。その思いが私にあの本を書かせたのです。

◇全国の見知らぬ人から激励の言葉

 ― この本の読者からの反応はいかがですか。

 天木 国家権力を相手に一人で喧嘩を売ったわけですからそれは大変なプレッシャーがありました。しかし嬉しかったのはそのプレッシャーを跳ね返して余りある激励の言葉が全国の見知らぬ人々から寄せられました。日本も捨てたものではないと感じました。

◇国費であこがれの米国に留学したい

 ― 天木さんはなぜ外交官を志したのですか。

 天木 私は国家のために働こうとか国益を追求したいなどという立派な志で外交官になったわけではありません。中学生になって始めて英語の教科書を手にした時、外国それもアメリカという国に限りない憧れの念を抱きました。そしていつか米国へ留学したいと思いました。

 そんな時友人の一人が外交官試験に合格すれば国費で留学できると教えてくれました。それ以来何があっても外交官になって米国に行きたいという希望が募りました。これが外交官を志した本当の理由です。

◇軍事行動でないき然とした態度

 ― 北朝鮮外交はどんな考え方で進めたらよいと思いますか。また帰国した5人の拉致被害者の国内での扱われ方をどう思いますか。

 天木 北朝鮮がかくも多くの無実の日本人を拉致していた事を知って本当に驚きまた憤りました。この問題については様々な意見が国内でもあるようですが、私は今の金正日体制の崩壊なくしては拉致問題の真の解決は望めないと思っています。北朝鮮への軍事行動には私も反対です。

 そんなことをしなくても北朝鮮の現体制を覆す方法はほかにもあると信じています。拉致問題には日本政府はもっと毅然とした態度で臨むべきです。毅然とした態度なくして今の北朝鮮の対応に変化は見られないでしょう。

http://www.26cluster.ne.jp/news/sp_iraqi012.asp
紛争解決に自衛隊使わない規定

 ― 日本国憲法前文及び第9条の精神は「時代遅れの空想」とする改憲論が最近良く聞こえますが、天木さんの憲法観を聞かせてください。

 天木 私は平和憲法である日本の憲法を誇りに思っています。その精神は守っていかなければならないと考えます。私たちはポツダム宣言を受け入れて降伏しました。その時新たな憲法を自らの手で作らなければならなかったのに当時の責任者はいまだ旧憲法の考えを引きずっていました。

 だから連合国総司令部(GHQ)から平和憲法を押し付けられる形になったのです。しかし平和憲法がGHQによって起草されたとしても戦争放棄を謳う憲法9条の規定は戦争の惨禍の反省に立って二度とあのような戦争を繰り返さないという日本国民の間に受け入れられ根づいたのです。

 私は専守防衛という考えに立って自衛隊は憲法の認めるものであると考えます。しかし自衛隊を紛争解決の為に使用しないという憲法の考え方をより明確に規定し平和憲法の精神を守っていかねばならないと考えます。

◇自爆テロまで人間を追いつめるな

 ― 2001年9月11日の米国同時テロ事件以来の日本のマスコミ報道は天木さんの目にどう映っていますか。

 天木 9・11の米国の同時多発テロ当時の日本の報道は承知していませんが「テロとの戦い」という言葉は不正確な言葉であると思います。

 一口にテロと言ってもその動機や背景は様々です。暴力はあらゆる意味で容認できないものではありますが権力を持ったものが暴力を振るったとき弱者は抵抗する術はありません。いわゆる自爆テロとはそんな弱者の最後の抵抗である場合もあり、我々はそこまで人間を追い詰めない状況を確保しなければなりません。

◇正しいと思うことを口に出す勇気

 ― 最後に日本のオホーツク地方に生きる若者達に伝えたい天木さんからのメッセージを。

 天木 この世の中には不合理、不正義が確かに存在します。しかしだからといってそれを放置していい筈はありません。良いものは良い、悪いものは悪いと自由に言える世の中を作ることが大切です。

 権力を持っているもの、偉いものが必ずしも正しいことをするとは限りません。それどころか権力は必ず腐敗するものと考えるべきです。正しいと思った事を口に出し、行動に移す勇気こそ私は若い皆さんに期待したいと思います。

http://www.26cluster.ne.jp/news/sp_iraqi013.asp

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