ブッシュ米大統領は６日、イラク大量破壊兵器（ＷＭＤ）の情報分析に問題がなかったかを検証するため、独立調査委員会を設置する大統領命令に署名して元判事や議員ら７人を指名した。北朝鮮やイランなどのＷＭＤ情報も調査対象とし、来年３月末までに最終報告をまとめる。民主党は、１１月の大統領選前に結論を出すべきだと反発している。

　米国は「イラクは生物・化学兵器を持ち、差し迫った脅威がある」として開戦した。独立委は「脅威」の判断材料となった米中央情報局（ＣＩＡ）などによる情報分析の問題点を探る。

　ブッシュ大統領は、ホワイトハウスが「脅威」を誇張したのではないかという情報操作疑惑については、調査対象として明示しなかった。

　その一方で、北朝鮮、イラン、リビア、アフガニスタンについての情報も対象とし、１年以上かけて検証する。大統領は「大量破壊兵器の拡散を抑える努力は、情報に始まり、情報に左右される。独立委の勧告は、米国の情報能力の強さを確かなものにするだろう」と述べ、独立委があらゆる政府情報を閲覧できるよう、省庁に全面的な協力を指示した。

　独立委の委員長は、元バージニア州知事で元上院議員のチャールズ・ロブ氏（民主党系）と、ニクソン、フォード両政権下の司法副長官で元連邦判事のローレンス・シルバーマン氏（共和党系）の２人が務める。７人のほかに後日、２人が指名され、計９人で検証を進めることになる。

　これに対し、民主党は調査対象が広すぎると批判。ホワイトハウスの情報操作疑惑を含むイラク問題に焦点を絞り、秋の大統領選前に結論を出すべきだと主張している。上院情報特別委の有力メンバー、レビン議員（民主）は「より狭い分野に焦点を絞れば短期間で結論が出せる」とロイター通信に述べた。

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　イラクの大量破壊兵器に関する独立調査委員会のメンバーとしてブッシュ米大統領が指名した７人は次のとおり。

　共同委員長▽チャールズ・ロブ元上院議員（民主党系）▽ローレンス・シルバーマン元連邦判事（共和党系）

　委員▽ジョン・マケイン上院議員▽ウィリアム・スチューデマン元ＣＩＡ副長官（以上、共和党系）▽ロイド・カトラー元大統領法律顧問▽パトリシア・ウォルド元連邦判事▽リチャード・レビン米エール大学学長（以上、民主党系）

　後日、さらに２人のメンバーが追加指名される予定。 (02/07 11:29)

http://www.asahi.com/international/update/0207/007.html

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