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憲法改正よりも日米安保条約、地位協定の廃棄を
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投稿者 とこしえ 日時 2004 年 3 月 02 日 23:17:44:CkkAw/nLbPHJc
 

(回答先: 自衛隊が米軍の一部とは情けない、憲法改正しろ。 投稿者 新高山 日時 2004 年 3 月 02 日 22:48:33)

日米安保は双刃の剣

                                元 防 衛 官 房 長                                竹 岡 勝 美


「ナンセンスな」有事論シナリオ

私が警察庁から防衛庁に人事教育局長として出向した昭和51年は日米安保条約締結後すでに24年を経ていた。それなのに当時の陸上幕僚監部から次のような申し入れが防衛庁参事官会議に提出された。
 それは自衛隊が当時唯一の仮想敵と見立てていた極東ソ連軍の列島着上陸侵攻を想定してこれを迎え撃つ陸上自衛隊の演習に、日米安保条約に基づいて当然に協働して戦ってくれるはずの米軍がこれに一度も参加してくれないので防衛庁挙げて米国に参加を申し込んで欲しいということであった。
 新参者のわたしですらこの米国の不参加に不審の念を抱いたが、同席の海上幕僚監部防衛部長が我田引水的説明ではあったが密かに私に次のように教えてくれた。
 米軍はかねてから、西にNATOの300万、南に中国の400万、東に200万の大軍と一触即発の対峙を続けているソ連が、その緊張を放っておいて、ノコノコ一方的に日本のみに侵攻してくるはずがないと陸上自衛隊の有事シナリオを無視してきたと云うのである。米軍としてはあり得る唯一の戦争としての米ソ戦で、海上自衛隊が日本海に潜むソ連潜水艦の攻撃から米軍を守ってくれるだけで十分と認識していると付言した。
 もちろん、この時の防衛庁の申し込みで「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」が協定され、相互の共同演習も想定されたが、米軍がこの陸上自衛隊の有事シナリオにその後納得したか定かでなかった。
 現に私の退官後の1980年代当初、当時の首相中曽根康弘氏は衆議院で民社党委員長永末英一氏の質問に答えて「ソ連が日本のみに一方的に侵攻して来るとの有事シナリオはナンセンス。日本の有事とは中東等で勃発した米ソ紛争が日本海の三海峡通峡の攻防を巡って日本に波及して来た時のみ」と断言した。同時期に当時の統合幕僚会議議長矢田次夫氏も財界での講演で同趣旨の有事シナリオを説明した。
 その当時に発足した一部の制服首脳OBの研究グループ「日本戦略研究センター」は、当時のGNP1%枠の防衛費を「1985年までにGNP2.5%にまで急増させよ」と政府に提言した。その理由として、1985年頃に自国の石油資源が枯渇して中東油田に侵略したソ連軍と米軍の戦争が日本に波及して来るからと説明した。(皮肉にもその1985年にソ連に出現したゴルバチョフ政権は、メ人類共通の安全保障モを希求する「新思考外交」を展開し、当時のソ連をメ悪魔の帝国モと酷評して中曽根康弘氏や日本のタカ派を喜ばせていたレーガン米大統領を対決から対話の場に引き込み、わずか3年間間4日の会談でさしもの冷戦を終結させたのである。その余慶で海上自衛隊はロシア海軍と日本海で親善演習を行っている。防衛費もあれから現在までGNP1%枠に収まっているが何の異変もない)。
 確かに戦後の日本は戦前のごとき海外での植民地や国家権益を失い、周辺隣国との軍事争点もなく、他国と国境も接しない隔絶した小さな国に何の資源もなく一億の人間が跼蹐(きょくせき)し、平和憲法を掲げ、専守防衛を国是として海外への出兵は一切禁じている日本。この日本に届き得る距離にある周辺隣国、すなわちロシア、中国、南北朝鮮が一方的に日本のみに侵略してくる国益や名分もなく、当然にその意図など持ち得るはずがなかったというのが事実であろう。現に冷戦後日本に仮想敵のないことは自衛隊も自認しているはずである。
 米国にとって講和条約後の日本をソ連や中国の一方的侵略から守ってやるとの人道的善意が日米安保条約の主因であったはずがなく、本来は、講和条約後は米軍を始め占領軍は全て撤収するとのポツダム宣言の誓約に反してまでも引き続き日本に、冷戦下のアジア、太平洋における強固な軍事覇権基地を確保しておきたかったのが米軍部の偽らざるホンネであったことは疑いない。

好機を逃した日本 

 中曽根答弁以来、私は日米安保条約は、日本を守るよりも日本を米国と第三国の戦争に巻き込む危険から「日米安保は両刃の剣」と評するに至った。
 先に国会の憲法調査会に参考人として出席した評論家桜井よし子氏は、憲法第9条堅持論者に反論して「過去50年余りの日本の平和は9条によるものでなく、安保条約があったから、中国もロシアも日本に手を出さなかった」と賢しげに強弁している。ロシアや中国が、隙があれば日本のみに一方的に侵略したくてウズウズしていた悪魔のごとき愚かな国とは、米国すら思いよらなかったであろう。その国益や名分がその両国に全くなかったからである。
 確かに日米安保条約という同盟の下で米国の手厚い経済的、政治的支援で敗戦下の日本は奇跡的な復興を遂げ、政治的にはアジアを代表して唯一G8の一員に収まり、米国に次ぐ世界第二位の経済的豊かさを享受でき、世界一の長寿を誇るまでに至っている。米国の恩義は筆舌に尽くし難い。
 しかし、日本がその存立に米国の軍事庇護が不可欠としてこれを懇請しているかぎり、米国に首根っこを押さえられ、生殺剥奪の権も握られ、“守ってもらう”との負い目は当然に日本に自主独立気概を失わせ、対米従属国のそしりは免れまい。しかし戦後半世紀も首都近傍の基地まで含め4万7000人の米軍の駐留を要請している様(ザマ)は独立国として異常であり、普天間基地の名護地域への移設のごとく、この先21世紀にかけて50年、100年と米軍が中中しつづけさせても平気とする国が、世界で一人前の大国と認識されるはずがない、との国際評論家寺島実郎氏の評ももっともである。確かに東欧駐留ソ連軍が全軍撤収し、40万人の在欧米軍が10万人に縮小され、パリで東西両首脳が「不戦宣言」に署名した冷戦終結時が日本にとっても日米安保条約を日米友好条約に切り替え、在日米軍撤収を求める好機であったし、1995年の沖縄の米兵による少女暴行事件もひとつの転機となるはずであったが、米国は巧妙にも1994年の北朝鮮の核疑惑、相次ぐ中台紛争といういずれも日本の有事に直接しない紛事を口実に、アジアに10万人の米軍を駐留させると逆に居直り、さらに「極東」を越えてアジア・太平洋での米軍行動への日本の後方支援の約束まで取り付けた。冷戦終結の好機に逆らって万一の米朝、米中戦争に日本が巻き込まれ、国家存亡の危機に立たされた北朝鮮や中国の大量破壊兵器を搭載したミサイルの反撃すらも覚悟すべき危惧に曝されている。
 この21世紀は、日本の名誉と安全保障のために後藤田正晴氏も提唱されるごとく、日米安保条約を日米友好条約に切り換え、在日米軍の縮小から撤収に向けて国を挙げて献身することこそ愛する子孫に引き継ぐべき輝かしくも誇らしい日本人の進路ではないか。米国への気兼ねなど無用である。


【筆者紹介】1923年生まれ。京都大学法学部卒業と同時に国家地方警察本部入庁。警視庁交通規制課長、防衛庁人事教育局長などを歴任し、1977年防衛庁官房長、1980年に退官。著者に『戦なきは武人の本懐』(大阪経済法科大学出版部刊)がある。

http://www.pfj21.org/nl06-03.htm

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