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２００３．１．２１　　　　　資本主義はロスチャイルド一族が起こしたのか　

　　　　　　　　　　　　　「アングロ・アメリカン経済帝国主義」がいかにして発生したか? です。よく言われるように、そこには
　　　　　　　　　　　　ロスチャイルド一族の陰謀があるのか。ユースタス・マリンズ氏の本では、イエスです。

　　　　　　　　　　　　　「第１次大戦後、円卓会議は合衆国の外交問題評議会と、ロンドンの王立国際問題研究所として知
　　　　　　　　　　　　られるようになった。英国と合衆国の指導的な政府高官は、そのメンバーから選出された。・・ウィリア
　　　　　　　　　　　　ム・カーの『ゲームの人質』によると、これら兼職の設計者たちの最初の会議は、１７７３年にフランク
　　　　　　　　　　　　フルトのマイアー・アムシェル・バウアーの金細工店で開かれた。・・レッド・シールド（赤い楯＝ロスチ
　　　　　　　　　　　　ャイルド）という名前を採用したバウアーは、１２人の裕福で影響力のある男たちを会議のためにフラ
　　　　　　　　　　　　ンクフルトに招待したとき、若干３０才であった。
　　　　　　　　　　　　　その目的は、もし彼らが自分たちの資金をプールすることに同意するなら、世界革命運動に資金を
　　　　　　　　　　　　供給してコントロールし、全世界の富、天然資源および労働力の究極的支配をかち得るという実践規
　　　　　　　　　　　　範に従って、その資金を使用するよう彼らを説得することにあった。」（『民間が所有する中央銀行』　　　　　　　　　　　　　　　　p.155）

　　　　　　　　　　　　マリンズ氏によると、外交評議会の起源は１７７３年にマイアー・アムシェル・ロスチャイルドが開いた
　　　　　　　　　　　会議にある、ということになります。
　　　　　　　　　　　　もちろん、私には信じられません。しかし、１２人というのは、アーサー王の伝説を連想させます。そし
　　　　　　　　　　　てシュタイナーによれば、１２という数字は古代からの人類の秘儀の数字といいます。１ダースが１２、
　　　　　　　　　　　１年が１２ヶ月、シュメール人（バビロニア・アッシリア時代）からはじまった、のだとか。アーサー王の伝
　　　　　　　　　　　説の１２人は、キリストの１２弟子から来ているとのことです。で、目的は秘儀の探求、すなわち「聖杯」
　　　　　　　　　　　（ホーリー・グレイル）の探求です。脱線しました。
　　　　　　　　　　　　１７７３年に３０才だったという年齢は、確かでしょう。ナイアル・ファーガソン氏の『ロスチャイルド家』
　　　　　　　　　　　（ペンギン）に、マイアー・アムシェルが生まれたのは、１７４３年か１７４４年です。フランクフルトです。
　　　　　　　　　　　この５年後に、同じフランクフルトでゲーテが生まれました。ということは、ゲーテが生涯を費やして『ファ
　　　　　　　　　　　ウスト』を創作している間、それと並行してロスチャイルドが富を築くための布石を打っていたことにな
　　　　　　　　　　　ります。
　　　　　　　　　　　　問題の１７７３年の円卓会議については記述がありません。この頃のマイヤー・アムシェルはハノーバー　　　　　　　　　　　での修行からフランクフルトに帰り、宮廷ユダヤ人として貴金属の加工・商売で成功しつつありました。
　　　　　　　　　　　ユダヤ人には農業、武器、香料、ワイン、穀物などを扱うのが許可されていない時代でした。で、イギリ
　　　　　　　　　　　スで大成功を収める息子のネイサン・マイアー・ロスチャイルドは、円卓会議の後に（あったとしたら）、
　　　　　　　　　　　ですが、生まれます。で、イギリスには最初、綿の商売で移り住みました。
　　　　　　　　　　　　しかし、ファーガソン氏は大変興味深い問いを出しています。
　
　　　　　　　　　　　　「資本主義の経済史を研究するとき、ロスチャイルド一族がなぜあれほど富裕になったのかを説明し
　　　　　　　　　　　ないなら、完全性に欠けるのではないか。彼らの比較を絶する成功には何か秘密があったのか。・・正
　　　　　　　　　　　確には、ロスチャイルドの仕事とは何だったのか。これらの疑問を解決するには、１９世紀のパブリック・
　　　　　　　　　　　ファイナンス（公的金融）を理解する必要がある。」（『ハウス・オブ・ロスチャイルド　１７９８―１８４８』
　　　　　　　　　　　p.３）　

　　　　　　　　　　　　ファーガソン氏の本は３年前に「ニューヨーク・タイムズ」紙の新刊案内で知りました。オックスフォー
　　　　　　　　　　　ドを卒業したあと、研究の道に入った人のようです。アメリカとのロスチャイルドの関わりも、マリンズ氏
　　　　　　　　　　　の指摘とはだいぶ異なります。マリンズ氏によれば、初代財務長官のハミルトン時代からロスチャイル
　　　　　　　　　　　ドはアメリカに上陸していますが、ファーガソンによると、ロスチャイルドが実際にアメリカに上陸するの
　　　　　　　　　　　は南北戦争後です。
　　　　　　　　　　　　ま、これらの点は、これからぼちぼち検討することにして、私の基本的な問いです。アングロ・アメリカ
　　　　　　　　　　　ンの資本主義精神が先にあり、これが産業革命を起こし、その波にロスチャイルドが乗ったのか?　ある
　　　　　　　　　　　いは、ロスチャイルドの世界制覇の陰謀（マスター・プラン）が先にあったのか?
　　　　　　　　　　　　私には、マスター・プランがあったとは思えません。波に乗り、ある程度、ハイジャックに成功したのだ
　　　　　　　　　　　と思います。で、問題です。それは、一族の繁栄のためか。それ以外に何か目的があるのか。

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• （上田直さん）を植田信さんに訂正しておきます エンセン 2004/3/11 04:19:41 (0)

　

　

　

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