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ペニス・パニック - あるいは盗まれたペニスをめぐって(x51)
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投稿者 エンセン 日時 2004 年 3 月 20 日 11:51:02:ieVyGVASbNhvI
 

 
2004年03月20日
ペニス・パニック - あるいは盗まれたペニスをめぐって

【kuro5hin+他色々】<< 2000年、ナイジェリアにて「男のペニスを盗んだ魔女」として群衆に糾弾された女性が逮捕された。逮捕時、その女性は暴徒化した群衆によって服を脱がされて裸にされ、リンチされた上で警察のところに引きずられたという。そしてリンチを行った人々は女性を指して「あの女が魔術で男のペニスを盗んだ!」と警察に直訴したのである。群衆はただ「ペニスを盗まれた」と話して股間を痛そうに掴む"被害者の"男性の言葉を信じて疑わず、誰ひとりとしてその男性のペニスが本当に盗まれたのかを調べたものはいないのだ。そして警察もただ群衆の言葉を鵜呑みにするように、何ら事実確認を行わずに女性を魔女であるとして逮捕したのである。>> これは今から4年程前に実際にナイジェリアで発生した事件である(注1)。一読しただけでは到底わけの分からないこの異常なニュースは一体何を意味するのだろうか。一体何故、女性はリンチされなければならないのか。そして何故、男性は「ペニスが盗まれた」などと訳の分からないことを話すのか。そして何故、群衆はそれを信じるのか。この奇妙なニュースの最後には、記者によりこう付け加えられている。"ナイジェリアでは昔から魔女が握手や呪文によって、男性のペニスを盗むという伝承がある事は広く知られているのである"。つまり、これは初めてではないのだ。こうした「ペニス泥棒リンチ事件」はそれまで何度にも渡ってアフリカで発生していた出来事なのである。では、男が訴える「盗まれたペニス」とは一体何なのだろうか。この事件を知るある学者は言う。「この事件はコロ(Koro)患者達の妄想が引き起こした典型的なペニス・パニックである」と。


このコロ(亀の頭という意味)と呼ばれる症状が発症した患者は自分のペニスや睾丸が「盗まれた」または「どんどんしぼんでいく」あるいは「身体の中に吸い込まれていく」といった奇怪な妄想を抱くようになる。またこの疾病の患者は大抵の場合が男性であるが、稀に女性が発症する場合もあり、その際はペニスでなくそのままヴァギナや、乳首が喪失したり、身体の中に吸い込まれて行くことを妄想するという。

コロはこれまで古今東西を問わず、世界各地で古くから確認されているが、最も古いものはおそらく中国で紀元前300年頃に著わされた古書「黄帝内径(黄帝の養命術を著わした書)」の中に「縮陽(Suo-yang)」という名で登場している。そしてその他にも世界各地の文献において、様々に名を変えて「ペニス喪失の物語」は民話や伝承として登場しているのである。


アジア - 美しい女性に化けるペニス泥棒の狐の精

このように、コロは遥か古代から民話や伝承として語り継がれているが、現代に至ってもアジアやアフリカで局所的な流行を見せる事がある。比較的最近起こった有名なケースとしては1967年、シンガポールで発生したペニス・パニック(注2)がある。当時、コロが流行した地域では「身体にペニスが吸い込まれる」という妄想に取り憑かれたたくさんの患者が病院に殺到したという。事件を記録したシンガポールの医学誌によれば、このペニス・パニックの発端は、その当時、現地にてコレラに冒された豚肉がペニスの縮小を引き起こすという噂が発生し、それに伴ってこのペニス・パニックが発生したという分析結果が報告されている。

また同様のケースとして中国広東省にてコロが流行した際には、現地の伝承に伝えられる「狐狸精(Hu-Li-Jing)」と呼ばれる「美しい女性に化けるペニス泥棒の狐の精」が度々目撃されたという噂がコロ発生の前後に報告されている。つまり、アジアにおいてはそうした土着的な迷信がコロの流行と何らか関係しているのではないかと推測されているのである。


アフリカ - 黒魔術とゴーストペニス

アフリカにおけるコロの歴史は、そうした民話的なものではなく、黒魔術と関連づけられて語られ、ペニスが収縮するという妄想よりも、ペニスが盗まれるという妄想を抱くケースが一般的である。またアフリカにおけるペニス喪失の歴史は文献が非常に少ない為に明らかではないが、冒頭に上げたようなナイジェリアのケースの他、ベナン(注4)やガーナでも度々ペニス窃盗事件やそれに付随したリンチ事件が報告されているように、現代でもそうしたパニックは度々発生しているようである。

また1990年にナイジェリアで発生したケースでは、ペニス泥棒と疑われた男性が群衆にリンチされている最中に、「ペニスを盗まれた」と錯覚していた被害者、つまりコロ患者達が「ペニスが戻ってきた!」と叫んだという記録もある。つまりこれはリンチによる「ペニス回復」のケースであるといえる。

さらにそうした患者達はリンチを行う群衆に向かってズボンを降ろし、「戻ってきたペニス」を皆に見せて「これは新しく置き換えられたペニスで、ゴーストペニスとでも言うべきものか、いずれにせよ、前のペニスとは違うものものである」と話したという。


欧米 - 麻薬と精神病

一方欧米やヨーロッパ、中東では、アジアやアフリカの社会的な症候群とは異なり、ペニス喪失はより個々の精神障害と関連づけられて語られる事が多い。ここ数年、アメリカで報告されたコロ患者三人のケース(注3)では、全員がマリファナを吸引した後に「ペニスが吸い込まれるような妄想」に襲われたという事が報告されている。またこれらのケースを分析した医師によれば、この場合のコロは、本来的に存在していた形、大きさ、長さといったペニスへのコンプレックスがマリファナの吸引によってしばしば起こる「バッドトリップ」によって誇大妄想化され、「ペニス縮小の妄想」として発症したという事を述べている。

またイギリスの精神医学誌に報告されたギリシャのキプロスのコロ患者のケースでは、患者はやはり「自分のペニスが身体の中に埋没していく」という妄想に囚われたが、このケースでは男性が元々持っていた鬱病気質と精神病が「ペニス喪失妄想」と関係づけられて結論されている。そして男性は医師から安定剤などの向精神薬を処方され、妄想を和らげることに成功したというのである。

またこのように鬱病や精神分裂、エイズや脳卒中への恐怖による精神不安定と併発してコロが発生したとみられるケースはこれまで数多く報告されており、うちいくつかのケースはコロについて予め知識があった人物が、その後何らか別の疾病による精神不安を引き金としてコロを発症したと言われるケースもあるのである(しかし当然コロについて知識がないまま発症した患者が多いのは事実である)。

コンプレックスとコロ

心理学者のフロイトは人間の人格形成においてある時期に「去勢不安」を体験すると主張している。今日の心理学ではかつて程この説は支持されていないが、しかし、この「ペニス喪失」を妄想するコロという疾病が、ある種の性的な不安、コンプレックスと直結した心理的妄想の暴走であるとみる事は、これまでの事例から察しても不自然な事ではないだろう。

しかし、果たしてこうした推測が本当にコロ発症のメカニズムを説明するかどうかは現在明らかではないが、身体へのコンプレックス(特定の部位が嫌いといった)が、何らかの精神病を引き金として、妄想に至るという事は決して有り得ないことではないだろう。

また先に上げたナイジェリアのケースのように「ペニス喪失妄想」が社会的パニックとなって現れる場合はその背景となる環境- まだ迷信深い社会背景が深く関わっているため、文化拘束症候群(文化的背景、社会環境と関連し、症候群の発症の仕方が地域によって違う症候群)の典型例として見る事も可能だろう。

しかしこうした二つの推測は凡そ個々人におけるコロ発生過程と社会現象としてのペニス・パニックが発生する過程を別個に説明する物であるため、いかにしてその二つが組合わさるのか、未だ確たる理論はないのである。


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