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車の「交配」で究極のF1カーを作るプロジェクト(HOT WIRED) ― でもシューマッハにしか乗りこなせない
http://www.asyura2.com/0403/bd35/msg/1154.html
投稿者 シジミ 日時 2004 年 6 月 21 日 20:28:02:eWn45SEFYZ1R.
 

http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/technology/story/20040621301.html

Michelle Delio

2004年6月18日 2:00am PT

ロボットが自らを修復したり、コンピューター・プログラムが自力で進化することを可能にする技術が、今度は『フォーミュラ1』(F1)の超高速レーシングカーを改良する研究に使われている。

  F1カー(写真)http://www.wired.com/news/images/0,2334,63900-12996,00.html は運転席がオープンな1人乗りレーシングカーで、カーブの多いコースを最高時速250キロ近くで走行する。レーシングチームは1台の車に年間数百万ドルをつぎ込んで、最新技術を導入し、マシン性能の微調整を行なっている。

 車のウィングの高さ(F1カーは http://www.formula1.com/insight/technicalinfo/11/468.html 空気力学に大きく依存している)、サスペンションの硬さ、特定のコースで特定の日に使用するタイヤの種類といった要素に、ほんのわずかな変化を加えただけでも、走り抜ける時間を1秒よりはるかに小さな単位ながら短縮できる可能性がある。このわずかな速度の向上が勝敗の分かれ道になることも多い。

 F1チームはこうした微調整の能力を誇りにしている。ところが、ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジの http://www.cs.ucl.ac.uk/staff/p.bentley/igdigitalbiology/ デジタル生物学研究グループは、コンピューターを使って車を「交配」させれば、性能を向上させられることを発見した。

 ただし、最速車だけが生き残るこの実験では、車どうしのデートや求愛はなく、汚いオイルの染みがつく心配さえなかった。車の交配は、遺伝的アルゴリズムを用いたコンピューター・シミュレーションだけで行なわれた。遺伝的アルゴリズムとは、母なる自然の法則とコンピューター科学を組み合わせ、自然の進化過程を模倣するプログラムだ。

 デジタル生物学研究グループはこのプログラム化された交配を利用し、自己回復力を持つ戦場監視ロボットを生み出した。ヘビのような外見をしたこのロボットは、深刻な損傷を受けた場合でも、身をくねらせて本拠地に戻る方法を見つけ出すことができる。ここまで進化していないロボットは通常、重要な部品が1つでも使用不能になると、あっさり諦めてしまう。

 デジタル生物学研究グループは現在、自身のオペレーティング・システム(OS)やプログラムコードをユーザーのニーズに合わせて作成、修復できる http://www.cs.ucl.ac.uk/staff/p.bentley/seedsarticle.html 故障知らずのコンピューターを開発している。

 そして、レーシングカーの研究プロジェクトでは、有望な車体設計を何通りか作って、米エレクトロニック・アーツ(EA)社が設計したレース・シミュレーションを用いてテストした。テストのコースには、あらゆるF1コースのバーチャルなレプリカが使用された。

 デジタル生物学研究グループの研究者は、シミュレーション用の車に68の条件を設定した。その中には、サスペンション、エンジン性能、タイヤやブレーキの圧力、燃料消費、ステアリング操作に関する項目が含まれていた。

 とくに優秀な結果を残した車は、固有の遺伝子コードを持っているかのように扱われ、子孫を残す目的でコンピューターを使って交配された。交配によって生み出された車は、両親の長所を併せ持っていた。ただし、一般的な交配とは異なり、両親の極端な短所や奇妙な特徴を受け継ぐことも起こりうる。

 デジタル生物学研究グループを率いる http://www.cs.ucl.ac.uk/staff/p.bentley/ ピーター・J・ベントレー氏によると、このプロセスを続けた結果、ついに究極のF1カーが誕生したという。ベントレー氏は好評を博している科学書『 http://www.peterjbentley.com/ デジタル生物学』(Digital Biology)の著者でもある。

 ベントレー氏は、進化の過程で誕生した車の一部は「明らかに、これ以上押し進めると運転できなくなるという限界点に達していた」と語る。「いくつかの交配で誕生した車は、コンピューター自身か http://www.mschumacher.com/ ミハエル・シューマッハにしか乗りこなせないような代物だった」

 最も優秀で運転しやすい部類に属する車を使い、いくつものコースでシミュレーションを行なった結果、遺伝的アルゴリズムによって車を調整すれば、ラップタイムを100分の88秒縮められる可能性があることが分かった。100分の1秒が勝負を左右するF1の世界では、実に大きな向上だ。

 この後、最も進化した車を1台選び、レースに参加させた。競争相手は、コンピューターが作った初期設定の車、レース専門家が調整した2台の車、研究グループのメンバー、クシシュトフ・ウロッチ氏が設計した1台だ。コースには、イギリスのシルバーストン・サーキットが選ばれた。

 このレースの結果、交配によって最も進化を遂げた車がラップタイム1分20秒349で優勝した。2位に入ったのはレース専門家の車で、1位から0.879秒遅れだった。3位は1.09秒遅れでウロッチ氏の車、最下位は2.42秒遅れで初期設定の車だ。現実世界の http://www.silverstone-circuit.co.uk/main.htm シルバーストン・サーキットでは、昨年の最速ラップは1分21秒209だった。

 デジタル生物学研究グループはこの研究を支援しつづけているが、現実世界でのテストはいまだ実現していない。実際のF1カーを使用する機会が得られないため、すべてをシミュレーションで行なってきたのだ。

 ベントレー氏は「F1チームは秘密主義を貫いているため、このような研究を行なって結果を公表することに協力的ではない」と話す。「それに残念ながら、F1カーは高価すぎて、借りることができない。テストドライバーを雇うお金もない。こうした理由から、非常によくできたソフトウェア・シミュレーターを研究に利用したのだ。シミュレーターが車とレースコースをきわめて詳細にモデル化してくれたおかげで、車のコース走行をコンピューターに任せ、ラップタイムを見るだけで、それぞれの進化がどの程度うまくいったかを判断できた」

 ベントレー氏によると、現実世界のテストでは、本物のF1カーにシステムを適用することになるという。

 「われわれのシステムを使えば、レースの最中に車の設定を進化させることができる。車が故障した場合には、ピットに入ったときに問題点を補う形に設定を最適化することが可能だ。走行中の車に無線で変更を転送することだってできる。おそらく、F1主催者側の賛成は得られないだろうけれど」、とベントレー氏は語った。

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