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見透かされた小泉首相の軽い脳ミソ (千葉邦夫) No.36【2004年5月28日】
http://www.asyura2.com/0403/bd35/msg/796.html
投稿者 乃依 日時 2004 年 5 月 29 日 19:56:55:YTmYN2QYOSlOI
 

http://www.chibalab.com/news_otoshiana/documents/20040528.htm

見透かされた小泉首相の軽い脳ミソ

今回の訪朝で小泉首相が失ったものは相当に大きい。今まで小泉首相の周りにいつもフワフワとまばゆく輝いていたオーラのようなものが、今回の訪朝で、国民の視界から完全に消滅してしまったように感じる。ピョンヤン会談で小泉首相は、まるで幼稚園の生徒が行儀よく整列させられたみたいな感じで、金正日を従順に迎えている。そこでじっと待っていろ、と言わんばかりに担当官に指図されて直立不動でいるところへ、金正日が現れ、素っ気なく握手を交わす。

会談中も、どこか見下すような態度で、ろくに視線も合わさないうちに短時間で会談が終了してしまう。そして会談が終了すると、小泉首相の方が先に部屋から出て待機し、金正日は一瞬の握手の後に去っていく。小泉首相は直立不動のまま、金正日の姿が消えるまで延々と見送り続ける。この映像が全世界に流れたのである。たとえピョンヤン会談の内容が外国語でわからなくとも、この映像で大概のことが判断できてしまう。どう言い繕うとも、この映像が一瞬で真実を物語ってしまっているのだ。軽佻浮薄な小泉純一郎の国内向けのパフォーマンスなんか、したたかな金正日にはすべてお見通しなのである。

とはいえ、日本の外務省は一体何をしていたのか。4月の山崎拓(前自民党副総裁)氏と平沢議員(前拉致救出議員連盟事務局長)の大連での非公式での接触、5月4〜5日、藪中アジア太平洋局長と田中外務審議官による北の高官等々の事前交渉があったわけだから、多少時期が早回ったにしても、決して小泉首相の単独判断ではないはずである。もしかしたら長年のアメリカ追従で、外務省という真に国益を追求するメカニズムそのものが崩壊しているのかもしれない。

ただ、やはり国民年金未納問題やイラク自衛隊派遣の混迷からなんとか巻き返しをはかりたいと思っていた時期だけに、小泉首相は、2002年9月17日の突発的な「日朝首脳会談」の大成功を、夢よもう一度とばかりに甘い幻想にすがりついてしまった可能性はある。ネオコンが弱体化している今こそ、拉致問題を一気に解決できる滅多にない最高のチャンスであるといった具合に。2年前に外務省がお膳立てした最初の訪朝のときでさえ、アメリカのメディアはものすごく批判的だったにもかかわらず、小泉純一郎は大成果を上げることができたのであるから…。

ここでもう一度基本に帰って考えてみたい。北朝鮮と日本が国交を回復するようなことがあっては困るのは、他でもないアメリカである。北朝鮮という「ならず者国家」が存在し続けてこそのアメリカのミサイル防衛計画である。北朝鮮の危機が消滅してしまったら、沖縄米軍基地の存続価値そのものが失われてしまう。もし本当に金正日が「ならず者国家としての役割」を放棄してしまったら、カーライルを始めとするミサイル防衛巨大ビジネスそのものがお釈迦になってしまうのである。そんなことをブッシュ政権はもちろんのこと、穏健派である元大統領のブッシュ・パパですら、許すはずがないのである。

国防総省の計画では、アラスカとカリフォルニア州におよそ10基の迎撃ミサイルを配備することで、本土50州を北朝鮮からの核・生物兵器搭載可能ミサイルの攻撃から守るという建前で、この弾道ミサイル防衛(MD)が推進されているのである。日本は1998年からアメリカと海上配備型ミサイルの共同研究を続けており、2003年末、アメリカの海上発射型の「SM3」ミサイルと「パトリオットPAC3」地対空ミサイルの導入を閣議決定した。以前にも話したが、1983年にレーガン政権が「戦略防衛構想(俗に言うスターウォーズ計画)」を最初にぶち上げ、現ブッシュ政権は、弾道弾発射直後、飛行中、弾道切り離し後等の各段階で打ち落とす「多層防衛」の弾道ミサイル防衛構想(BMD)を推進した。これはアメリカ史上最大級といえるぐらい高価なものであるにもかかわらず、実際に敵のミサイルを打ち落とせるかどうかは不明の代物である。しかも今後5年間だけで530億ドル(約5.8兆円)の支出が必要とされている。( 参考記事 )

4月21日、上院軍事委員会国防小委員会の公聴会で、ファインシュタイン議員が「敵のおとり弾頭への対処も怪しいのに、なぜ配備を始めるのか」との質問に対して、ケイディッシュ国防総省ミサイル防衛局長は「今は確かに誰かに撃ち込まれても撃ち返せないが、それがいずれ可能になる」と述べ、配備開始後も継続的に性能の向上を目指すという不思議な返答を、従来どおり繰り返した。北朝鮮の核ミサイルなんてファンタジーなのだから、アメリカの進めるミサイル防衛計画に乗り遅れまいとあせる必要なんて、はっきり言ってどこにもないのである。そのほとんどがカーライルや軍産複合体等が仕掛けるインチキなのである。

ゆえに曽我ひとみさんの夫ジェンキンスさんの帰国に待ったがかかり、残りの拉致被害者10人に関しては「再調査」を了承するのみのとどまったのである。いまや拉致被害者は完全に政治カードとして利用されているのである。今後、とくに曽我ひとみさんの夫ジェンキンスさんが拉致問題のキーワードになっていくと思われる。もともと2年前の拉致被害者が返されたとき、曽我ひとみさんだけは日本側の拉致認定者の公式リストに載っていなかったのである。蓮池・地村2夫婦の他に曽我ひとみさんが予定外に突然加わった流れの中には、すでに「時限爆弾」がセットされていたのである。

そのことを知ってか知らないでか、この複雑な拉致問題の渦中に、小泉首相は再び飛び込んでしまったのである。この「時限爆弾」を仕組んだのは、私には金正日だけの知恵とは思えないのである。金正日の後ろで、糸を引く者の様々な思惑が見え隠れしている。だから、曽我ひとみさんが直感的に北京での再開を警戒するも、私なりにわかる気がする。とにかく今回の拉致問題に対する対処の仕方で、小泉純一郎は国連からはもちろん、中国やロシアや韓国からも、完全にくみし易しと舐められてしまったようである。ようするに、日本は世界の「がま口」とみなされてしまったのである。

たとえば今回の食料25万トンと1000万ドル相当の医療品の支援にしても、一度国連へ援助額相当のお金を拠出し、国連がこのお金で再び日本政府から米や医療品を買い上げて、国連が北朝鮮へ米と医療品を支援するという間接的な方式をとっている。この方式だと、中間で多く費用が国連と日本政府のあいだを移動する途中で、かなりの資金がキックバックやら横領やらリベート等やらで中間で消滅してしまうことになってしまう。そういえば、かつての金丸信前副総裁やさきがけの武村正義代表も、やはりこの北朝鮮利権絡みで失脚したことを記憶している。

今回の訪朝を誰よりも促したのは森派の森会長らしい。国交正常化に際して巨額の復興支援金が動くことが予想され、一説には5兆円とも囁かれている。朝鮮総連絡みで、その数%のキックバックが入るだけでも数千億円のお金が舞い込んでくるわけだから、政治家として脳ミソが「混乱」したとしても無理ないのかもしれない。

そういった流れを牽制する意味で、日本テレビが訪朝前に「北朝鮮へ25万トンコメ支援」をリークしたのである。それに対して政府は頭に来たために、最初日本テレビの同行取材を拒否するという子供っぽい通告をして反撃してみせたのである。

結論を言うなら、小泉純一郎はもともと「拉致問題」と「核問題」を解決しようなんて、大それたことを考えていたわけではない。そんなことを本気でやったなら、アメリカからの圧力で政治的に失脚させられてしまうことぐらいは、当然わきまえているのである。あくまでブッシュ政権が弱体化した流れの間隙をついて、参院選をにらんでの、国民年金未納問題やイラク自衛隊派遣問題等からの「巻き返し戦略」として、国民の人気取りとしてのパフォーマンスをぶち上げただけなのである。それが、今回は予想外に裏目に出てしまったというわけなのである。 

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