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欧州売春ツアーのメッカ、バルセロナ:売春婦の大半が不法移民、客の多くは英仏人
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投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2004 年 6 月 08 日 18:23:46:SO0fHq1bYvRzo
 

欧州売春ツアーのメッカ、バルセロナ:売春婦の大半が不法移民、客の多くは英仏人


これはメトロ紙と並んでスペインの大都市で幅広く読まれている無料配布新聞「20minutos」紙の記事からです。20minutosはスペイン語で「20分間」という意味で、電車や地下鉄に乗っている20分間の間に読むための新聞、ということですが、結構内容は盛りだくさんで、じっくり読むと1時間以上はヒマがつぶせます。また電子版もあります。

『売春ツアー、バルセロナで爆発:売春婦は倍増、新たなサービス』という見出しの記事は6月8日付けのものですが、この概容を抄訳でお知らせします。

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『売春ツアー、バルセロナで爆発:売春婦は倍増、新たなサービス』
(Toni Ayala:20minutos)
最近5年間で売春婦の数は倍増した。実情では、カタルーニャでその種の仕事をする女性たち20000人のうち8割の16000人がバルセロナにおり、うち12500人が外国籍である。これは弁護士でカタルーニャ接客業組合・全国接客業従業者組合の法律業務担当主任であるマニュエル・ニエトによって20minutosに明らかにされたものであるが、この数字はバルセロナでのいわゆる「売春ツアー」の拡大に比例している。
 ポルノショーを実演するサロン・バグダッドの経営者フアニ・デ・ルシアは、客の50%が旅行者であり、その大部分がイギリス人である、と説明する。そして「ホテルがいっぱいになれば我々が働く。認めるのはイヤだろうが、バルセロナは『セックス観光』の都なのだ」と強調する。
 また同様に、旅行会社もその種のパック旅行を企画するのだ。彼らはロンドンから、お咎めなしの週末を過ごすために、または独身から別れを告げるために、そして、一部はバルセロナにある他の文化や娯楽や浜辺を楽しむために、旅行者のグループを運び込む。彼らは同時に(バルセロナで開催中の)国際文化フォーラムの客でもある。「彼らはいわゆるやけ酒のみの旅行者ではなく、中流以上の階層なのだ。」デ・ルシアは店の従業員に英語を話す能力を要求する。
 ニエトは、バルセロナは本来港町でありどの時代にもセックス産業が盛んである、と語る。様々な地域で売春用の建物と部屋が存在する。また売春婦の増加は、不法移民と街頭でのその種の活動を取り仕切るマフィアの増加に比例している、とニエトは言う。
 フランスとの国境地帯とバルセロナでのその種の店はこの2年来フランスからの客が急増している。フランスでの売春の取締りが厳しくなったためである。
 
http://www.20minutos.es/nx.asp?noti=7118
http://www.20minutos.es

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バルセロナの売春婦といえば、世界を震撼させ近代芸術の流れを決定させたピカソの名作「アビニヨンの娘たち」に描かれているのがそうです。このアビニヨンはフランスの地名ではなく、バルセロナの旧市街にあるアビニョー通りのことで、そこには昔、10代後半のピカソが通った売春宿がありました。当時(20世紀初頭)は外国からの不法移民ではなく、貧しいアンダルシアやアラゴンなどの地域からの女たちが売春に携わっており、ピカソは生まれ故郷アンダルシアのなまりが懐かしかったのかもしれません。彼はそのようなことについて何の言葉も残していませんが、黙って彼女たちの姿を、芸術史をひっくり返す1枚の画面にしたわけです。
 現在では、見る人が見たらすぐにわかるのですが、街のあちこちにすぐに娼婦とわかる女性たちがたむろしています。この「20minutos紙」の他の記事によると、街頭での客引きによる売春の値段は約20ユーロ(およそ2700円:ただしホテル代は自分もち、自分の部屋に来る場合、彼女らに渡す金はこれだけ)であり、もし店の部屋を使う場合は60〜100ユーロ(約8000円〜13500円)程度が相場だ、ということです。
 またこの記事にもあったとおり、彼女らの大半は中南米、アフリカ、東ヨーロッパからの不法滞在移民であり、彼女らを取り仕切っているのは各国のマフィアです。バルセロナにはいわゆる売春宿だけでなく、エロティックなショーを見せる店が多くありその多くが一方で売春もやりますし、また日本のソープランドにあたるような店も多くあります。客の中にはもちろん日本人も見られるようです。当然ですが、マドリッドやセビーリャなどの大都市では共通したことです。
 もちろん売春はこちらでは違法で、時折見せしめ的に手入れが行なわれますが、根絶は不可能でしょうし当局もその気は無いでしょう。また伝統的にスペインでは娼婦たちはある意味で常に街に見られる「身近な存在」であり、「一つの職業」として非公式には認められている状態でもあります。ただ、日本のいわゆる「フーゾク嬢」と比べて特別に数が多いかというと、疑問ですが。また彼女ら自身は、一部の高級娼婦を除いて、日本の「フーゾク嬢」よりもはるかに悲惨な境遇にあるでしょう。
 これもヨーロッパの現実の1面です。

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