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この国の歪んだ国家論の源
http://www.asyura2.com/0403/dispute17/msg/942.html
投稿者 TORA 日時 2004 年 5 月 18 日 14:23:26:CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu71.htm

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2004年5月17日 月曜日

■3.戦争<犯罪>の総括方法

GHQは、天皇と行政機構という、2つの柱になる国家運営の枠組みを残し、戦争は戦争犯罪人が起こしたもので、国民に罪はないとした。

国民は、米軍の占領による「全体主義」からの解放を多くが歓呼して受け入れた。米国は、占領収奪は行わず、むしろ経済の発展を支援する態度をとった。

▼戦争という国際紛争は、「犯罪」の範疇を超えるのだが

戦争は、市民法の規定の範疇(はんちゅう)を超える。戦争が犯罪なら、論理的に戦勝国の軍人も、殺人と略奪を犯した犯罪者になる。武力で勝てば犯罪人ではなく、負ければ犯罪人という論理は、成立しない。

戦勝国は、日本・ドイツ・イタリアを<悪の全体主義国>とし、連合軍諸国は、<善の民主主義国家>とした。

その全体主義の<悪>の犯罪人が、東条英機以下のA級戦犯(処刑)、ヒトラー(自殺)とナチス、イタリアのムッソリーニ(処刑)とされた。

ドイツは、国際社会に向かって、国民自身がナチスドイツを総括し、ナチスの残党を捕らえ、死刑にした。一方、日本では、戦犯とされた昭和の妖怪:岸信介は、その後、国会で選ばれ首相をつとめた。

東南アジア諸国や中国・韓国は、ことある毎に、戦前から続いているように見える軍国主義、全体主義の残滓(ざんし)を非難する。

ところが戦後の日本人は交戦権もなく、自衛隊は軍隊ではないとしているから、双方の主張は接点がなく、すれ違う。

▼<国体>という心情的な概念と、軍隊の位置付け

【天皇の軍隊】
戦前の軍隊は、「天皇が君臨する国体」を守る軍隊だった。統帥権(最高指揮権)は天皇がもち、国民の代表である首相には、軍の統帥権はなく、スタッフとして「参与」できるだけだった。

有史以来、日本人は、いまだに「市民を守る軍隊」をもった歴史も、軍隊の目的を定義したこともない。
このことが、軍に対する、国論を分割する。

【国体=国家の体制】
「国体」とは、天皇を国王とする立憲君主の体制を意味した。
軍隊は、天皇が「統帥権、最高指令権」をもつ、天皇の軍隊だった。

【国体と村落共同体の連結】
統治の上部構造である「国体」は、下部構造の「故郷のムラ」と連結された。

村の神社は、伊勢神宮を頂点にし、天皇を祀(まつ)る国家神道の、下部機構だった。こうして〔上部構造:国体=天皇=国家〕=〔下部構造:故郷の父母、妻、妹、弟〕がつながった。

そして国体と故郷を、外敵(鬼畜の国とされた米英)の支配から守るために、あるひとは天皇陛下万歳と叫び、多くは、お母さんと叫び、216万人の軍人が死んだ。

「国体」を守るために死ぬことは、男子の、最高の名誉とされた。
男子の本懐は、自分を超え超越的な価値を守るために、死ぬことだとされていた。果たして・・・死ぬことは、名誉か?

【国体=村落共同体=家(イエ)】
父母と家族、つまり〔家(イエ)〕への「忠と孝」が、人間の道の規範。その家の階層の頂点には、天皇家があった。
国体は、天皇家を最高家長とする家族だった。

【国体への忠誠】
「報国」、つまり、国の恩に報いることは、父母の恩、生活共同体である「村(ムラ)」の人々の恩に、報いることだとされていた。

生活共同体は、法や外部規範と融和できない、内部規範を持ちます。日本の「国体と家への忠孝の内部規範」からすれば、米英は、鬼畜の価値観をもつ国とされた。

共同体組織では、外部組織(米英)の価値観は、内部組織(日本)の価値観と対等の関係ではなく、無条件に、下等になる。

【他の共同体の価値観への非寛容】
ここで米英は、「人間」の世界ではない「鬼畜」の世界になるのです。

今でも、「あいつは人間ではない」という表現に、自分が属する共同体以外の価値観を許容しない「非寛容」が、この国には残っている。アジアの人々は、言葉の端々で、それを感知する。日本人は、何かが起これば集団で逆転すると見ている。

【心情論だから問答無用】
立憲君主の天皇と、全体主義の体制を守ること、つまり人工的な制度である国体を守ることが、なぜ、父母・弟・妹の「家」と、故郷の村落を守ることだったのか?

こうした素朴な問いを発すれば、論理的な答えはないから、問答無用で「非国民」とされた。

私は、理解の範囲を超えるとき、素朴に質問するくせがあります。
戦前なら、非国民と烙印をおされ、無事では済まなかったかもしれない。

▼論理の切断

【敗戦後の、論理の切断】
軍隊の統帥権をもっていたのが天皇ですから、その行政スタッフであった東条英機を戦争犯罪人とすると、論理的には、最高責任者の天皇も戦争犯罪人になります。

マッカーサーは、コーンパイプをくわえて厚木に降り、戦勝国の将軍としてあたりを睥睨(へいげい)した時、天皇を処刑するつもりだった。

天皇は、マッカーサーとの会見のためGHQ本部に向かうとき、側近に、もう戻って来ることはできないだろうと言って車をあとにした。

【人格への敬服】
<戦争の責任は、すべて、最高責任者の自分にある。私はその責任を負うためにここへ来た>
マッカーサーは、姿勢を正した小さな身体から発せられたこの言葉に、心を動かされ、昭和天皇に敬服したと回顧録で語っている。

【1枚の写真】
軍服で堂々と立ち、腰に手をあてたマッカーサーの横で、礼服の昭和天皇は首を伸ばし、気を付けの姿勢をしている。この、極度に緊張しているように見える写真が、何枚も撮られた当日の写真の中から一枚選ばれ、新聞の一面に掲載された。

写真を見て、日本は、本当にアメリカに敗けたんだと感じた日本人が多くいたという。武力のみではない。人間が姿勢をもって生きるとき必要な、自尊や誇りまで、負けたと思ったという。

戦後の、なにがなんでもアメリカに追いつくという経済成長の、動機付けになった写真です。私も、この写真を見るたびに、感慨を禁じえない。深く、揺り動かすものがある。

戦勝国で天皇処刑論が渦巻くなか、GHQの司令官マッカーサーは、軍と内閣の幹部を裁いた。それが<東京裁判>です。

徴兵された国民にも、天皇にも罪はない。悪いのは戦犯だとした。
ここで日本人は、心の深い部分で、論理に蓋をした。マッカーサーは、国民に免罪符を与えた。天皇への心情は、論理を超えていた。

マッカーサーは、この国の天皇は特殊だ。天皇を処刑すれば、日本国民がアパシーにおちいると判断した。高度な政治的判断だった。アパシーとは、心の支えを失い虚無におちいって、無謀な行動をとるということを意味します。

【アンビバレンツ】
多くの日本人は、心情と論理の間のアンビバレンツな亀裂を、心の奥に抱えることになった。天皇は象徴である、皇帝ではない。これは論理では理解できない。心情で感じるしかない。

【心情】
小泉首相は言う。<私は、純粋な「心情」として戦争犠牲者を祀る靖国神社に参拝する。そのことが何が悪いか、理解できない>
小泉首相の、もっとも好きな歌は、「同期の桜」だという。

<♪きさまと〜おれ〜と〜は〜ど〜うきのサクラ・・・>という、あれです。小泉純一郎氏は、直情的な性格をもつ。政治家は、もっと冷徹な、計算的理性をもつべきでしょう。

小泉首相は、心情が先行するリスクを抱えている。予測すれば、今は人気がある直情と頑固は、小泉政権の命取りになるはずです。人間はもっとも得意なことで、意見を聞き入れず慎重さを失い、失敗する。

▼リアルポリティクスでの靖国神社問題

【合祀】
靖国神社は、軍人と、死刑になったA級戦犯を合祀(ごうし)している。合祀とは、二つの異なる神をまつる神社のことを言っています。

(※戦死した軍人216万人と、東条英機(首相、陸軍大臣)、板垣征四郎、土肥原賢二、松井石根、木村平太郎(以上陸軍大臣)、武藤章(陸軍中将)、広田弘毅(首相)、以上7名の、東京裁判で死刑になったA級戦犯を祀(まつ)る)

【中国、韓国、東南アジアの論理】
中国は、<侵略戦争は、戦争犯罪人が引き起こしたから、それに従った国民(中国では人民の概念)には罪はない>と外交的に結論づけた。

そして、戦争の被害の賠償を求めることを放棄した。
(ただし、日本は、援助で累計6兆円を費やしています)

日本人にも、戦争の清算が済んでいないという意識が残っているから、中国や韓国、アジアに対する態度は、国論を二分する。

中国や韓国、アジア諸国は、ドイツのヒトラーと同じ全体主義者の東条英機を祀る神社に、首相が参拝するのは、許すことはできない。もしヒトラーの墓に、ドイツ首相が公式に墓参したら、西欧諸国はどう言うか、と言う。

中国や韓国からそう言われれば、日本人の「心情」では違う、参拝は戦争の賛美ではないと言っても、他を納得させることができる「論理」ではないなから、モゴモゴと口ごもるしかない。

中国、韓国、東南アジアは、日本が、純粋な心情での追悼という意識なら、われわれの国の、犠牲者への追悼も含めるべきだと言う。中国と韓国は、特に、政権の正統性を強化するためにも、日本の過去の軍国主義を利用する。

リアル・ポリティクスの世界を、純粋な心情のみでは説得はできない。


吉田繁治 <共同体組織の二重規範>
http://www.cool-knowledge.com/0822Kyoudoutai-NIju-kihan(3).html


(私のコメント)
皇太子の「雅子の人格を否定された」発言は大きな波紋を呼び起こしていますが、それについて日本の天皇制についての十分な議論が出来ていないことに気が付きました。しかし議論していくと、どうしても憲法や天皇や軍隊や官僚についての国家論のタブーの壁に突き当たり前に進みません。議論を前に進めようとすると天皇の戦争責任問題が避けて通れず、そこで踏みとどまってしまう。

そこだけ迂回して議論しようとしても国家論としては成り立たず、国家論としては明治維新に時代まで遡らないと議論は始められない。日本は戦争に負けて無条件降伏したとして、GHQによる国家改造が行われましたが、最高責任者である天皇制が存続したために、日本国民はそのことに気が付かないでいるようだ。

戦後の日本において、日本国民からの戦争責任を議論することは憚られた。あるいはA級戦犯である岸信介が総理大臣になったことからも、日本は戦闘を終了させただけで敗戦はしていないと言うことも出来るのかもしれない。東京裁判はアメリカ以外の連合国をごまかすためのお芝居だったのかもしれない。

そして日本はいまだにアメリカの占領統治のままであり、潜在的にアメリカの51番目の州であるのかもしれない。大日本帝国の軍隊はマッカーサーが上陸してくると自然消滅してしまい、まったくと言っていいほど米軍や連合軍との武力衝突は起きず、天皇も「人間宣言」をしてマッカーサーが天皇の後を埋めるような格好になった。

結局、官僚組織だけが残されて日本という国体だけが残っている。政治組織は戦前にもありましたが形として存在するだけで、戦後も形として存在するだけのものだ。官僚たちが法律を作り、官僚たちがその法律を元に裁く。日本には行政だけが存在し、政治と政治家は機能していない。日本という国は空っぽなのだ。

日本国が復活するためには日本国を守る軍隊が必要ですが、憲法上日本には軍隊は存在しない。軍隊が存在しない以上日本は国家とはいえない。そんな簡単な議論が出来ないほど日本は敗戦によってすべてを投げ出してしまった。国家とはいえない以上政治家も必要な存在ではない。だから国会議事堂にいる政治家達は飾り物である。

日本と日本国民はいまだに敗戦による国家喪失の状態から抜けきれないでいる。それ以降トラウマから逃れるために国家論はタブーとなり思考は停止してしまった。だから憲法改正一つなされずに戦後占領体制がそのまま続いているのだ。だから唯一つ残った官僚たちは「我々こそ国家である」という自負を抱くようになり、彼らを取り仕切る政治組織の再構築が必要ですが、戦後の民主主義は形だけのものだ。

どうしたら民主主義が機能するようになるかと言うと、政権の交代がなければ政権は官僚たちによって骨抜きになり官僚の利権は温存されて拡大してゆく。自民党政権が50年も続いているのも自民党がアメリカの代理人に過ぎないからだ。だから外交と防衛は何から何までアメリカと相談して決める。その意味で日本は独立国ではないのだ。今日も以下のようなニュースが流れた。つまりアメリカの支持と了解がなければ小泉首相は何も出来ない。

◆首相訪朝で電話会談 日米首脳今夜に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040517-00000022-san-pol

小泉純一郎首相は十七日夜、ブッシュ米大統領と電話で会談し、二十二日の北朝鮮訪問をめぐって意見交換する。拉致被害者家族の帰国実現など日朝間の問題や、米国が重視する核開発問題も含めて「包括的な解決」を目指す方針を自ら直接大統領に説明し、理解と支持を得たい考えだ。(産経新聞)
[5月17日16時4分更新]

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