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有事が来るぞ(4) 徴用先は海外だ
http://www.asyura2.com/0403/dispute17/msg/983.html
投稿者 竹中半兵衛 日時 2004 年 5 月 20 日 09:51:49:0iYhrg5rK5QpI
 

(回答先: 有事が来るぞ(3)あなたも徴用される 投稿者 竹中半兵衛 日時 2004 年 5 月 20 日 09:46:41)

【世相百断 第54話】

有事が来るぞ(4) 徴用先は海外だ
http://www5a.biglobe.ne.jp/~katsuaki/sesou54.html

 有事関連法制をよく読んでみたら、たしかにいざ有事となると自衛隊に協力するための業務従事命令が多くの民間企業と従業員に出されることが書かれている。しかしそもそも日本が外国から武力攻撃されるおそれなどないと政府自身が言っているし、国民の大多数もそう考えている。そうであるなら有事法制が発動される可能性も今のところないだろう。業務従事命令だとか徴用だとか、そんなことは法律の条文の上のことだけじゃないの。有事法制が制定されたって、日本がすぐに戦争を始めることはないだろう――。

 いやいや、そんな呑気なことを言っているあなた、巧妙にカムフラージュされた落とし穴が足元に仕掛けられているのがあなたには見えないだけなのです。

 現在制定されている軍事法制は、憲法の制約をかいくぐってそのときどきの必要性にあわせてパッチワークのように作ったものの積み重ねなので、一見すると体系性がなく、ひどくわかりにくい。これが逆に国民の目に、軍事法制の危険性を見えにくくさせている。だから関連法規によく目配りして、軍事法制全体の中で有事がどう発動されるかを見ていかないと有事法制の恐ろしさは見えてこない。

 特に注意を要するのは有事法制三法と周辺事態法の関係だ。

 周辺事態法では「周辺事態」を、「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」と定義している。そしてこの定義でいう「我が国周辺の地域」とは、地理的概念ではなく、事態に即した概念であると政府は答弁している。つまり「周辺事態」も「我が国周辺の地域」も定義がすこぶる曖昧で、極端なことをいえば、アラビア半島の沖合で自衛隊の艦船がある国から砲撃を受けても、状況によっては我が国の平和及び安全に重要な影響を与える「周辺事態」だと認定することが可能なのだ。

 そもそも周辺事態法は、97年の「日米防衛協力のための指針」(新ガイドライン)策定を受けて、新ガイドラインを実効あらしめるために生まれた法律である。

 新ガイドラインは、冷戦終結後の国際社会の中で、日米安保条約を単に「日本有事」や「極東有事」に備えるのみならず、より「グローバルな有事」に備える軍事同盟とするために旧「日米防衛協力のための指針」(1978年)を改定したものであったが、そのために、新ガイドラインは、「日本有事」における日米軍事協力と並んで「周辺事態」における日本の対米軍事協力をも定めたのである。新ガイドラインの力点が「周辺事態」における対米軍事支援に置かれていることは、同ガイドラインの策定が1994年の北朝鮮の核開発疑惑に際してアメリカ側の後方支援要求に対して日本政府が応えられなかったことを一つの契機としていたことによっても示される。
(山内敏弘「「有事」における「米軍支援」法制」同氏編『有事法制を検証する』所収)

 参考までに、このときアメリカ側から要求された後方支援項目は以下のようなものだった。

 1994年の北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の核疑惑問題に関連し、アメリカ軍は日本に対して、1059項目もの支援を要請している(99年2月23日朝日新聞)。例えば、民間港湾や空港の使用、パイロット、タグボート、船舶修理、荷役人などの港湾支援、宿泊、給食機能付き施設、荷役作業や資器材を保管する地域の確保、給水、給電、ゴミ処理などの支援、北海道に重火器の実弾射撃が可能な両用戦訓練場の提供、警察・海上保安庁・自衛隊による米軍基地・施設などの警備などが明記されている。また、弾薬や物資輸送のためのトラック、トレーラーなど合計で千数百台の提供、成田・福岡・長崎・那覇空港での24時間通関態勢などが要求されている。
(新ガイドライン法案―参院での徹底審議と廃案を求める意見書・自由法曹団)

 
 だから新ガイドラインには平時はもちろん、「周辺事態」になった場合のさまざまな日米軍事協力や対米軍事支援項目が実に細かく定められている。これを受けた「周辺事態法」でも、物品及び役務の提供、便宜の供与その他、米軍支援項目が細かく定められている。

 政府答弁によれば、「周辺事態法」にいう「我が国周辺の地域」とは、地理的概念ではなく、事態に即した概念であるわけだから、もし周辺事態となれば、周辺事態法に基づく対米軍事支援は当然日本の領土・領海外の他国領土または公海上で行なわれる可能性が高くなる。

 そして日本の領土外で周辺事態の対象状況になったかどうかは、日米の軍事情報の収集・分析能力の決定的な格差を見れば、アメリカの判断によってなされ、それに日本が従うことになるのは明らかだろう。

 さらにこの流れを受けて先の第156国会で「有事関連三法」が制定されたわけだが、これによって有事の発動がいっそう広範に行なわれる可能性が高くなってきた。どのような状況のなかでどう有事法制が発動されていくかは回をあらためてまた詳しく考えていくつもりだが、周辺事態法が発動されると、これに伴って有事法制三法が発動され、一種の国家総動員体制が敷かれる可能性が現実となってきた。

 たとえば有事法制に関する政府の答弁によれば、「武力攻撃」とは日本の国土のみならず、「海外にある日本の艦船」や「在外公館」も含むというから、周辺事態法によって米軍の後方支援にあたっている自衛隊の艦船への武力攻撃の「おそれ」や「予測」が発生すれば、ただちに武力攻撃事態と判断される可能性が出てくる。日本の対米軍事支援に反発した軍事組織が「在外公館」を攻撃する、あるいはその可能性が高いという状況分析がなされれば、それもやはり武力攻撃事態と判断される可能性がある。

 この可能性については、先の国会で石破防衛庁長官が、「アメリカの先制攻撃に対してわが国への反撃が予測される場合、武力攻撃予測事態に至れば有事法制は発動される」(4月24日、木島日出夫議員の質問に対して)、「インド洋など海外に展開している自衛隊が武力攻撃を受ければ武力攻撃事態になり得る」(5月9日、筒井信隆議員の質問に対して)とはっきり答弁している。

 要するに「備えあれば憂いなし」などとわけのわからないキャッチフレーズで国民のみならず、野党やマスメディアまでもが騙されて制定された有事法制は、国内有事だけでなく、海外有事でも発動される仕掛けなのだ。これまでの日米軍事同盟の流れを見れば、むしろ海外有事に対する備えだったことがよくわかる。現在アメリカ軍は世界の警察官として地球上の各地で行動している。こうしたアメリカ軍への軍事支援に伴って、日本の艦船や現地自衛隊などが攻撃対象となる可能性はこれからかぎりなく高くなり、したがって日本の国土が攻撃されなくとも、海外有事で有事法制が発動される可能性がかぎりなく高くなったことが以上によっておわかりいただけただろうか。こういう事態は夢物語ではなく、半年先にはもう現実の悪夢としてわれわれの前に立ち現れるかもしれない。

 そしてこういう事態になって有事法制が発動されたら、前回見たように多くの人々が法の強制力によって徴用されていくのである。

 武力攻撃事態法では、「対処基本方針が定められてから廃止されるまでの間に、指定行政機関、地方公共団体又は指定公共機関が法律に基づいて実施する」措置(対抗措置)として、「武力攻撃を排除するために必要な自衛隊が実施する武力の行使、部隊の展開その他の行動」(第2条七イ(1))のほか、同(2)で以下を定めている。

(1)に掲げる自衛隊の行動及びアメリカ合衆国の軍隊が実施する日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(以下「日米安保条約」という。)に従って武力攻撃を排除するために必要な行動が円滑かつ効果的に行われるために実施する物品、施設又は役務の提供その他の措置

 繰り返すが、有事法制三法によって予測事態の段階から自衛隊は武力行使ができるようになったし、米軍はもともと、日米安保条約にしたがって「武力攻撃を排除するために必要な行動」つまり軍事行動をとることができた。そして日本は、予測事態の段階から、自衛隊と米軍が軍事行動を円滑かつ効果的に行うために、物品、施設、役務を提供することになる。言い換えれば地方公共団体や指定公共機関は、自衛隊のためのみならず米軍のためにも物品、施設、役務を提供しなければならなくなる。提供の場所は国内である場合もあるが、米軍に関する戦闘行動は海外で行なわれる可能性のほうが圧倒的に大きいから、こうした物品や役務の提供も海外でなされる可能性が圧倒的に大きくなるだろう。

 だから徴用の場所は国内ではなく、海外の可能性が高くなる。

 ではこういう事態になったら、徴用される人びとにどんな運命が待っているか、想像力を働かせてすこし詳しく見てみよう。

 医師・歯科医師・薬剤師・放射線技師・看護師・保健師などの医療従事者は、自衛隊の指示・命令によって地方自治体が管理する国内の医療施設で「業務従事」させられるだけではすまない。周辺事態法と連動して有事法制三法が発動されると、一片の公用令書で海外へ動員され、前線の野戦病院で日米の傷病兵の治療にあたらねばならない。日本国内や海外の米軍基地、空母等での傷病兵の手当を行なうことも命じられるかもしれない。

 建築技術者、大工、左官、とび職、建築会社や工務店の従業員など、土木建築関係の技術者・作業員も同様である。

 国内有事の場合ですら、隊員数、技術レベルの両面で自衛隊の施設隊だけではまともな陣地構築はできない。「航空基地、港湾、パイプライン、補給処、駐屯地など、巨大な施設を造りあげる建設工兵力は、現在の陸自には存在しない」とすらいわれている。「施設隊は戦闘部隊に随伴して付随的な土木建築をする能力しかなく、本格的な建築技術は持っていない」というレベルらしい。

 ましてや周辺事態発動となったら、自衛隊だけでなく、日本は米軍の兵站支援を行なう義務が生じる。むしろ周辺事態法や武力攻撃等事態法の主目的は米軍支援だから、米軍への役務の提供がメインになる。米軍がいったん日本に結集して出撃体制を整えるための出撃基地の建設には、建設技術者・作業員が徴用されるだろう。

 実際に「我が国周辺の地域」で軍事紛争が起きれば、こうした建設技術者・労働者が海外に徴用される可能性はかぎりなく高くなる。

 戦争には陣地が不可欠だが、陣地の構築には建設技術者と作業員が必要になる。陣地が攻撃されれば、ただちに修復しなければならない。部隊が進撃するためには道路や橋が確保されていなければならず、道路や橋が破壊されればこれもただちに修復しなければならない。こうした陣地構築や修復作業は戦闘行動と一体だから、いつ攻撃されてもおかしくない。「工兵の軍属」は戦闘員と同じで、攻撃されても国際法上は合法ということになる。

 空爆や空輸のためには空港・滑走路の整備も不可欠だ。艦船の活動のためには港湾整備のための土木工事も必要だ。敵の攻撃で港が破壊されればこれもただちに修復しなければならない。日米の出撃部隊のための駐屯地や補給処の建設も不可欠だ。

 つまり、土木建築なくして戦争はできない。だから建築技術者・作業員は、有事体制になったら医療従事者とともに真っ先に動員される。そして動員先は危険度の高い最前線か前線に近い場所だ。前線とは距離的に遠い空港や港湾も、敵から見れば戦略的な攻撃地点であるから、いつミサイル攻撃されるかわからない。前線と同様非常に危険度の高い場所である。

 そして繰り返すが、動員される「我が国周辺の地域」とは朝鮮半島かもしれないし、台湾海峡かもしれないし、中東かもしれない。

 兵站活動では、人・物の後方から前線への円滑な輸送も不可欠だ。

 もし朝鮮半島や台湾海峡で周辺事態が発動されたら、アメリカから輸送される物資はいったん日本に集積され、日本の空港・港湾から前線に輸送されることになるだろう。日本の民間空港、航空機が米軍と自衛隊に徴用されることになるが、これに伴ってパイロットや整備員などの作業員も徴用されるだろう。

 航空機では運びきれない大量の人と物資は、民間船舶を徴用して運ぶことになり、これにともなって船舶を運航するための船員も徴用されることになる。物資の中身は戦闘車両や武器弾薬であることもありうる。こうして軍事徴用された民間船舶は敵の攻撃目標にされるだろう。

 さらに厄介なことは、こうした事態になれば、我が国の民間船舶は軍事徴用されたものかそうでないものかが敵からは識別不能になる。通常の経済活動に従事している民間貨物船や商戦も攻撃対象になるだろう。海は一挙に危険地帯になる。

 船員は、先の大戦では「船員徴用令」により根こそぎ戦時動員され6万人余が戦没、戦後も多くの国際武力紛争に巻き込まれ、少なからぬ犠牲を払ってきた職業集団です。船員にとって有事法制は姿を変えた「国家総動員法」そのもの。そして戦場となるのは真っ先に海上であり、海戦法規(海上戦闘ルール)では、民間商船はほとんどが「軍事目標」とされる過酷なものです。
(有事法制と私たちの暮らしと職場)

 海上輸送には、港湾における船舶から貨物の積みおろし、倉庫と船舶のあいだの貨物の移送、倉庫の保管などの港湾業務も付随する。いったん「周辺地域」で戦闘が始まれば、海外での荷役業務にこうした港湾労働者が一片の公用令書で徴用されるだろう。

 航空機や船舶で輸送された要員や物資は、前線に向けて輸送しなければならない。このために大量のトラックが徴用されれば、これに伴って自動車運送事業者とその従事者にも海外での業務従事命令が出される。イラクの例をみても、こうした車両が敵の攻撃目標になることは充分にありうる。

 こうしてみると、広範な業種の技術者・作業員が国内のみならず海外に徴用される可能性が高いことがおわかりいただけるだろうか。そして現在までの米国政府の価値観や政策を考えれば、世界のどこかでいつ「周辺事態」になり、自衛隊のみならず民間人も米軍の軍事行動に巻き込まれることになってもおかしくない。

 あなた自身が、そしてあなたの夫や父親や兄弟が海外に徴用される可能性は、有事法制の条文の上だけのことではないのです。

 最後に、「業務従事命令が出される(徴用される)可能性が高い職種 一覧」をご参考に供しよう。

(2003年10月3日)

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