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(回答先: ちょっと教えて下さい 投稿者 最悪！ 日時 2004 年 6 月 25 日 19:56:44)
最悪！さん、レスありがとうございます。
＞あっしらさんのおっしゃることは俗に言う「雇用無き景気回復」だと思いますが、
「雇用無き景気回復」を経て、雇用も拡大する景気回復につながっていくという循環もあるわけですから、「雇用無き景気回復」として考えているわけではありません。
近代経済論理の枠内である限り、善意の企業家ばかりで構成される経済社会であっても、雇用も拡大できない、実質給料も引き上げられない歴史段階がやってくるということを説明しています。
＞資本家の資産増加は、経常収支黒字と労働者の賃金搾取、この二つが方法になるわけ
＞です。
「労働者の賃金搾取」は、同じ量を生産するために必要な労働者を減らすことが生産性上昇の奥義ですから、ひとまず脇においたほうがいいと思います。
「労働者の賃金搾取」が資本家の資産増加源泉であるのなら、「労働者を減らすこと」は資産増加を阻む愚策ということになります。
＞経常収支黒字の場合は、これは一国の経済のみに着目した場合であって、世界全体の
＞経済を見ていません。ちょうどこれまでの日本が実践してきた方法ですが、それに対
＞する評価は芳しいものではありません。他国に犠牲を強いながら利益を巻き上げてい
＞るわけですから、利益を取られる側から非難を浴びるのは当たり前ですね。
貿易収支黒字が他国に犠牲を強いるものであることは事実ですが、日本は７０年頃からずっと黒字を継続してきたのですから、犠牲であるはずの貿易収支赤字を犠牲にしない“方策”があるとも言えます。
日本が貿易収支で黒字を稼ぐ主要対象国は米国でした。
ご存知のように、日本は米国の属国とも言える国です。対日貿易赤字が犠牲を強いるものであるのなら、米国が、繊維・鉄鋼・家電・自動車・半導体と貿易規制を敷く程度で、それを許容したことは不可解になります。（米国は今では５千億ドル規模の貿易収支赤字を毎年計上するようになっています）
ということは、対日赤字が米国（支配層）にもメリットがあったと考えるほうが自然です。
このあたりの説明はおいおいということで、ここでは、ペーパーマネー自国通貨ドルで支払いができること、日本経済の拡大が米国経済の拡大にも貢献すること、米国支配層の利益源が金融利得であること、日本に支払ったドルが米国に還流していること、をメリットとして挙げておきます。
米国以外の国が対日赤字を許容する理由は、
● 日本から輸入する財を使って輸出できる財を生産できること
● 近代化の礎になる財は借り入れしてでも輸入したほうがいいという判断したこと
● 現地日本企業が輸入代金を支払うので大きな問題にはならないこと
● 政策に強い影響力を持つ層が余裕ができた日本が輸入してくれる財に利害を持っていること
を挙げておきます。
＞労働者の賃金搾取の場合は、経済循環を考えると愚かな事で、労働者＝消費者なわけ
＞ですから、賃金を削減すると言うことは、同時に消費も削減することになりますから、
＞資本家にとっても良くないわけです。
搾取云々はともかく、輸出が増加しない限り、その通りです。
＞いずれ破綻する方法であるのは、経済循環を考えれば明らかですが、それでも資本家
＞層が行おうとしているのは、何が原因として挙げられるでしょうか？ただ馬鹿なだけ
＞でしょうか？
一つバカとは言い切れない原因を挙げると、資本家（企業経営者）は、日本（故国）で利益を上げられなくとも、もっと言えば日本（故国）の人々がどうなろうと、他の国（場所）でそれ以上の利益を上げられると見込むとそちらを選択するからです。
（この間で言えば、米国や中国に進出すれば利益をより増加できるなら、日本がそれで打撃を被っても目をつぶるという判断がそれに該当します）
これも、世界は有限ですから、どこもが日本のようになってにっちもさっちもいかなくなる時が来るのですから、刹那主義者でない限りムダな足掻きです。
この論理を理解していないということで、バカだと言えます。
＞もうひとつは、資本家以外の搾取される側の人間は貧しくなっていくわけですから、
＞そのうち生命の危機に晒される事になりますが、その状態を甘んじて受けるとは思え
＞ません。現に、サミットのたびに暴動が起こっていますし、いずれ反乱を起こすこと
＞は明らかです。搾取される側の人間は数の上では圧倒的に資本家層に勝っていますか
＞ら、ここで革命でも起これば、資本家層の支配体制は簡単に転覆されると思うのです
＞が、彼らがその危うい支配体制を望む理由とは何でしょうか？
国家社会主義を掲げたナチス・ドイツはほとんど人から悪魔視されています。
共産主義を掲げたソ連は崩壊しました。同じく共産主義を掲げた中国は、日本以上の市場原理主義に向かっています。
暴動が起きようと反乱を起こそうと、国家社会主義や共産主義が目標になる可能性はほとんどなく、実際の活動家もめざすべき国家像ないし世界像を具体的に提示できているわけではありません。
サミットやＷＴＯで起きている反対運動が多数の支持を受けているわけでもありません。（それどころか、共感する人は少数派で、多数派は、気持ちはわからないではないがというのが最良の評価、なんであんな過激なことをやるんだというものでしょう）
国家社会主義や共産主義が“断罪”されているなかで、多数派の支持を受けられるような新しい国家像ないし世界像を具体的に提示できない状況にあると思っています。
そのようななかで暴動が起きようと反乱を起こそうと叩き潰せるという確信があるから、“危うい支配体制”を望んでいると推測しています。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。