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使用済み核燃料、再処理「コスト合わぬ」 米有力大批判[朝日新聞]
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投稿者 feel 日時 2004 年 4 月 08 日 02:25:28:/berAdga6DXu.
 

2004年04月07日朝日新聞
http://www.asahi.com/

使用済み核燃料、再処理「コスト合わぬ」 米有力大批判

 【ニューヨーク=渡辺知二】原発から出る使用済み核燃料の扱いをめぐり、日本も計画している再処理の意義に疑問を投げかける研究報告を米有力大が相次いでまとめた。安いウラン資源の長期的な調達見通しを背景に、再処理によるリサイクルの意義が失われていることを強調。原発そのものには肯定的でも、再処理には批判的な立場を明確に打ち出しており、日本での論議にも影響を与えそうだ。

 報告書は、マサチューセッツ工科大(MIT)の研究グループがまとめた「原子力の未来」(03年8月)と、ハーバード大の研究グループによる「再処理vs.直接処分の経済学」(同12月)。
 双方とも、まずはコスト面で直接処分が優位だと指摘。「100万キロワット原発に換算して世界中で(現在の2・7倍にあたる)1千基が今後50年以上稼働しても、十分なウラン供給がある」(MIT)、「再処理が、比較的割安な、使用済み燃料1キロあたり1千ドルのコストで実現しても、ウラン価格が(現在の10倍近い)1キロ=360ドルに上昇しないと、直接処分と経済的に見合わない」(ハーバード)といった結論だ。

 すでに米国では再処理は中止しており、英仏でも疑問の声が高まっている。米学界でも従来は再処理推進の声があったが、研究にかかわったレスターMIT教授は「研究が進んだ現在、再処理推進派を探すのは非常に難しくなった」と話す。
 再処理は、多くの放射性物質が混じり合っている使用済み核燃料の中からプルトニウムを取り出し、ウランと合わせて混合酸化物(MOX)燃料に加工する方式だ。核爆弾の原料となるプルトニウムが取り出しやすくなるため、両報告書は核拡散の懸念も指摘している。
 MIT報告の共同座長の一人で、元エネルギー省次官のモニス教授は「日本が商業用の再処理計画を進めていることが、原発をわずかしか持たないイランやブラジルまでが再処理を目指す言い訳材料に使われており、好ましい状況ではない」と心配する。

 一方、モニス教授と、同じく共同座長を務めた元米中央情報局(CIA)長官のドイッチ教授は米議会などに原発推進策を助言しており、報告書でも「二酸化炭素を出さない原発は、選択肢として持ち続けるべきだ」と、コスト競争力をつけるための政策支援を求めている。

《キーワード》日本の核燃料サイクル計画 ウラン燃料を原発で燃やした後の使用済み核燃料を再処理し、取り出したプルトニウムを再利用する計画。もともと日本政府が「本命」とした高速増殖炉(FBR)での利用はもんじゅ事故などを背景に実用化のめどが立たず、ウランを混ぜたMOX燃料を通常の原発(軽水炉)で1回だけ燃やすプルサーマルが「つなぎ」の政策から主役に躍り出た。
 欧州に委託して再処理・加工したMOX燃料を日本の原発で使う計画と、青森県六ケ所村で再処理する計画があり、事故やデータ不正などでともに遅れてきたが、3月末に関西電力が欧州でのMOX加工契約を結び、欧州再処理分のプルサーマルは実現に向けて動き出した。六ケ所村の再処理工場はウランなど放射性物質を利用した試験を予定している段階で、計画を進めるかどうかの判断が問われている。

計画凍結こそ日本の最善策 ハーバード大バン上席研究員

 ハーバード大の報告書を中心になってまとめたマシュー・バン同大上席研究員(42=核管理政策)は朝日新聞のインタビューに対し「日本は再処理計画をいったん凍結するのが最善の選択だ」と語った。同氏はホワイトハウス科学政策室アドバイザーを務めた経歴もある。主なやりとりは次の通り。(聞き手・ボストン=渡辺知二)

 ――再処理の経済性を問題視していますね。

 「3万2千トンの再処理に11兆円をかける日本の計画では再処理コストが1キロあたり3千ドルを超える。ほかのコストが欧州並みに抑えられたとしても、ウランは1キロ=1600ドル以上にならないと見合わない計算になる」
 「ウランにその費用をかけられるなら、地球の大陸の代表的岩石である花崗岩(かこうがん)や、将来的には海水からも、より安くウランを取り出せ、事実上、ウランは無尽蔵になり、リサイクルの意味はない」
 「核燃料サイクルを進めた場合の日本の後処理費用(発電後に発生する費用)は、使用済み核燃料1キロあたり5500ドル。一方、数十年、乾式貯蔵してから最終処分に移す場合、最終処分コストが米国の3倍かかると考えても全体で1キロあたり1500ドル程度と、3分の1以下に抑えられる。今後40年間に単純計算で1千億ドル(10兆5千億円)以上の節約だ」

 ――利点はないのでしょうか。

 「廃棄物自体の容積は減るが、それを管理する場所は小さくできない。放射能が強く高熱の廃棄物の割合が多くなるため、互いに離して置く必要があるからだ。欧州のように、再処理して作ったMOX燃料を1回だけ燃やして処分するなら、逆に直接処分の場合より管理施設は大きくなる」
 「安全面も、使用済み核燃料を置いておくのに比べ、巨大な化学工場である再処理施設は汚染事故の可能性が高まらざるをえない」

 ――すでに欧州で日本向けプルトニウムが取り出されています。

 「核爆弾は、民生用プルトニウムからも作れてしまうから、すでに抽出した分はMOX燃料として原発で使い、プルトニウムが取り出しにくい使用済み核燃料の状態にすべきだ。しかし、再処理工場を動かして新たなプルトニウムを取り出すと、核拡散への懸念は一層強まる」

 ――再処理工場はほぼ完成してウラン試験を待つ段階です。

 「いったん放射性物質を使った試験をすると、施設の廃棄コストは跳ね上がる。現段階で日本にとって最善なのは、取り戻せない巨費の新規発生を防いだうえで、あらゆる選択肢を温存することだ。再処理工場は、いざとなれば数年で稼働できる現状を維持する一方、使用済み核燃料の乾式貯蔵施設を用意する。数十年は結論を出さずに貯蔵し、最終処分と再処理の双方の研究を続け、技術やコスト、政治情勢をみて判断すればいい」

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