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環境戦略で拓く次世代ビジネス 第61回〜脱原発 [日経BP]
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投稿者 なるほど 日時 2004 年 6 月 01 日 05:35:33:dfhdU2/i2Qkk2
 

環境戦略で拓く次世代ビジネス 第61回〜脱原発(1)
2004年05月17日 19時03分
(渡辺 パコ=知恵市場)

今月のテーマは「脱原発」です。

原子力発電の賛否については、もっとも古い環境問題の一つとしてさまざまな議論が繰り返されてきました。

原子力発電は火力発電と比べてCO2排出が少ないため、地球温暖化対策の切り札として日本政府の施策の柱にもなっているし、すでに日本では30%以上の電力を原発でまかなっているのだから、今後も原発は推進するものだと思っている人も多いかもしれません。

しかし環境問題について深くかかわっている人々の間では、原発はもはや「終わりつつある」エネルギーで、議論の中心は「原発を使うか、原発をやめるか」ではなく、「どのように終わらせるべきか」に移ってきている感があります。

今回は、この「脱原発」の考え方について、整理します。

あてにならない原発のコスト試算


まず、原発がこれから収束に向かうと考える、基本的なメカニズムを見ておきましょう。

第1にコスト面。原発は安価な電源だという計算がなされてきましたが、本当にそうなのか?

たしかに電力会社による計算は「安い」ことになっていますが、いくつかの点でその計算があやしいことが分かってきています。最大のコスト悪化の要因は、原発から出る高レベル放射性廃棄物の処理コストです。

今は、再処理してプルトニウムを取り出して燃料として使うとか、原子炉自体の耐用年数を若返り工事で伸ばすとか、それでも耐用年数を終えたものは解体するとかといった方法が提案されています。このように原発を使い、いずれ廃棄するための後処理のコストを試算したところ、19兆円と費用が算出されました

これまで原発は安いと説明されてきたわけですが、これだけの後処理のコストは含まれていません。果たして合計すると安いのかという疑問が生じています。電力会社の説明自体があてにならない、というわけです。

19兆円という数字が出ましたが、この数字自体もあてになると思っている専門家はほとんどいません。そもそもいくらかけても、今進めている再処理は軌道に乗らないと考える専門家の方が多いぐらいです。コスト的に見合わないというのが、原発が役割を終えつつあるという第1の論点です。

再処理の放棄は時間の問題


第2に、原発から出る放射性廃棄物の管理問題が挙げられます。コストをかけたとしても、管理しきれるのかという問題です。

原発で使われた使用済み核燃料は日本では、一部を除いて、原発の建屋内に保管されています。計画では青森県六ヶ所村に建設中の核燃料再処理工場で再処理し、プルトニウムを分離して、原発でさらに燃やす計画です。

しかし、この再処理工場ですが、世界でも現在商業目的で稼働しているのはフランスとイギリスのみです。米国はすでに再処理を放棄しています。ドイツは、イギリスに委託しているものの、原発そのものの撤廃を決めているので、再処理放棄も時間の問題です。

再処理工場は、高レベルの放射性物質を高温の中で強酸を使って処理する工程です。ステンレスなど腐食に強い金属を使ったとしても事故が起こるリスクが高く、商業ベースには乗らないというのが世界的な趨勢(すうせい)です。世界の趨勢は、再処理から、そのまま長期保管するワンスルー方式に移っています。

しかし、この再処理工場が稼働してもしなくても、原発の使用済み核燃料からは高レベル放射性物質が残ります。計画では「地層処分」といって、地底深くに作った処分施設に埋設して保管することになっています。しかし、日本のように地震が多い国土では、地震のない安定した地盤などないと考えるべきです。

また、放射能の危険が少なくなるのに、数百年から数万年の時間がかかりますから、それだけの長期にわたって管理できるのか、という問題もあります。

原発の稼働期間は1基あたり、せいぜい50年ほどです。その間、我々の世代がメリットを享受したとしても、その後の世代が何世紀にもわたって、廃棄物の管理をし続けなければならないのです。それでは後世にあまりにもひどいことを押しつけすぎになるというのが、専門家の見方です。すでに押しつけざるを得ないのが現状ですが、それにしても最小限にすべきです。

「安全神話」は過去のもの


第3に、安全面。日本の原発は安全だという「安全神話」が信じられてきたのですが、安全は単なる「神話」に過ぎず、実際にはまったくあてにならないという事実が分かってきました。

米国スリーマイル島原発と、ロシアのチェルノブイリ原発の事故で、原発の大規模事故は実際に起こりうることがはっきりしました。日本は管理がしっかりしていると説明されたわけですが、その後、日本でも「もんじゅ事故」「東海村臨界事故」「点検隠し」などが次々と起こり、日本の原発運用の実態が「安全」とはほど遠いずさんなものであることもはっきりしました。

日本でも、チェルノブイリやスリーマイルと同様の事故が起こっても不思議はない状況が続いているということです。

実際に事故になったときには、チェルノブイリの事故では北海道2つ分ほどの広さが避難対象になりました。広いロシア(旧ソ連)だから避難先があったのでしょうが、日本で起きれば実際には避難できず、ただ放射能を浴び続けるという事態になる可能性があります。そこまでのリスクを負ってまで、今後とも原発に頼る必要はないというのが、環境専門家の基本的な理解です。

原発が止まっても停電は起きない


第4に、温暖化防止策としての有効性の問題があります。原発は確かにCO2発生の面では優位ですが、ここまで見た通り、莫大なコストとリスクがかかることを考えると、コスト面ではその分を風力や太陽光、バイオマスなどのリニューアブルなエネルギーの開発に回した方が直接的なメリットとなる可能性があります。

またCO2が少なくても、生物が生きられないような放射能汚染のリスクと引き替えるのは、いくらなんでも非現実的だという考えが広まってきました。

第5に、現実的に立地が不可能になってきたこと。京都議定書を批准するために、政府は原発を13〜20基増設するという計画を打ち出しました。しかし実際に立地が可能になりそうなのはせいぜい2〜3基で、それ以上はまったく見通しさえ立っていません。

住民意識の高まりを受けて、「我が町に原発はいらない」と考える人が増え、原発を増設することは現実的にできなくなっています。

第6に、原発がなくても電力需要は賄える可能性が見えてきたこと。昨年の東京電力の原発一斉点検では、すべての原発が止まったにもかかわらず、停電が起こることはありませんでした。

真夏のピーク時には一部の原発を稼働して乗りきったものの、今稼働中の原発のどれほどが必要なのか、再計画が可能だと感じさせます。その一方で日本の人口はまもなく頭打ちになり、減少する時代に入りますから、エネルギー需要そのものも減って当然です。原発に頼る理由がなくなりつつあります。

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以上、駆け足で見てきましたが、さまざまな面から見て、原発を使い続けるのはもはや不可能(あるいは無意味)という結論にならざるを得ないというのが、多くの環境専門家の見方と言えます。

すでに先進的な専門家の関心は、「原発を使うかどうか」ではなく、「どうやって原発を収束させるか」に向かっていて、耐用年数が切れる原発から廃炉にしながら、徐々に使用をやめ、それに代わる電源としてクリーンな自然エネルギーを増やしたり、省エネルギーで消費量そのものを減らす、などのアプローチを模索しています。

ドイツが原発全廃を決めたのも、いきなりやめるという話ではありません。新設をやめて、現在の原発を耐用年数に合わせて粛々と廃炉にし、その一方で省エネで消費量を減らしつつ、リニューアブルエネルギーを増やすという方向を考えています。こうした方針の下、どれをどのように変えていくかの具体策に取り組んでいるというのが実情です。

彼らは合理主義の人々ですから、単に感情的に脱原発を決めたわけではありません。原発をやめながら、生活の質を落とさないエネルギー利用を具体的に作っていく段階に入った、ということに過ぎません。

日本でも、19兆円という後処理費用の試算を受けて、これまでとは異なる動きが出てきています。例えば、自民党の衆議院議員・河野太郎氏が、再処理をやめるという方向で論陣を張るといったことが起こっています。

まだこうした動きは一部にとどまっているものの、6月に行われる電力会社の株主総会でも、問題になる可能性があります。原発を巡る動きは、間違いなく転換期を迎えています。

http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/rep02/307778



環境戦略で拓く次世代ビジネス 第62回〜脱原発(2)
2004年05月21日 17時13分
渡辺 パコ=知恵市場

原子力を巡る議論は、賛否、それぞれ考えがはっきりしているので感情的になりやすいのですが、ここのみなさんはさすがに理性的なコメントで、ほっとしています。

いろいろな反論や意見に答えていく準備はしていますが、感情的になると、理解し合うことが難しくなります。

引き続きコメントをお待ちしています。

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■化石燃料が遠い昔の生物たちの遺産であるらしいという説に従えば、これまで現代人はその過去の遺産を食いつぶすことでエネルギーを消費してきたわけです。原発の場合は、逆に未来の生き物たちの生存の可能性を食いつぶすことで成り立ってきたかのように思えます。

原理的には原爆や水爆と変わらないような手段でお湯を沸かしタービンを回して発電するという、ある意味では「原始的」と言ってよい代物が40年ほど前は「夢のエネルギー」ともてはやされていたわけです。

単なる「科学技術信仰」の産物でしかない原発という悪夢・・・アメリカの国家政策により世界中に拡がってしまった・・・から目覚めるのが遅すぎましたね。

疑問を抱くことから始まったはずの「科学」が、いつのまにか「信仰」のようなものに変質してしまうという陥穽(かんせい)は、今の時代に先端とされている「科学技術」にも抜きがたく残っていると感じられてなりません。

(伊澄津左次:57歳:たねや)

reply)


「原子力の夢」は、現実的な部分では、高速増殖炉の開発に成功することが前提でした。ふつうの原発(軽水炉)が発電した結果生じるプルトニウムを取り出し、高速増殖炉でそれを燃やせば(核反応を起こさせれば)、その結果さらに新たな「燃やせる」核物質ができ、投入した燃料以上の燃料を作り出すことができるという説明でした。

これを理屈通り実現させるべく、米国、欧州、日本が開発競争を繰り広げたのですが、米国はすでに開発を放棄、欧州も実質的に放棄、日本は最後まで頑張っていたのですが、もんじゅのナトリウム漏洩事故で再開の見通しが立たず。

冷却剤に爆発性のある金属ナトリウムを使うという難しさに加えて、高速増殖炉を運転しても、当初考えられていたように燃料が増えることはなさそうだということが分かってきて、開発が断念されています。

日本では軽水炉で生じるプルトニウムを取り出して、ふつうの原発の燃料(MOX燃料)にする「再処理」をまだ放棄していません。

しかし、再処理の技術的な難しさとコストが掛かりすぎること、その割にプルトニウムは扱いにくいこと、現在稼働中の原発の寿命から考えて、ウラン資源は十分な量がある(可採年数60年以上)、などの理由から、再処理せずに、そのまま保管するのがよいという意見が中心になりつつあります。

軽水炉→再処理→高速増殖炉というセットが安全に、安価に機能するとしたら、確かに「夢の原子力」だったわけですが、すでに技術面・コスト面・安全面で難しいことがはっきりしてきているので、「夢は崩壊した」という現実を受け入れるべきなのです。

もちろん、数十年以上先の将来、画期的な技術革新があれば、復活しないとは言い切れませんが。現状では「崩壊した夢」を、相変わらず「大きな夢」のままにしておくことこそ、「科学信仰」の本当の意味なのですね。

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■異色の論客・広瀬 隆さんの「原発有害・即時排除」の主張に共感する者です。彼の『棺(ひつぎ)の列島』は、大ショックでした。活断層や地震頻発地帯に立地する原発は、チェルノブイリをはるかに上回る「巨大地雷」。

この危機をごまかしている、行政も電力会社もウラン燃料処理業界の行動は、悪魔の仕業と思い始めています。

もう間に合わないと思わず、最後の瞬間まで頑張りたいですね。

(浜千鳥:事業構想コンサル)

reply)


広瀬さんの本には批判もありますが、僕は彼の話に一定の信頼を置いています。

政府と電力業界は原子力の様々な情報を非公開にしています。例えば前回紹介したバックエンド費用19兆円も、初期の原発が廃棄される今ごろになってようやく発表されています。

広瀬さんはなけなしの情報から賢明に問題点を明らかにしようとしていて、その姿勢と、そのために費やされている知的な作業は、隠す側の説明よりも、ずっと信頼が置けると感じるからです。

彼の業績をベースに、さらに「本当の議論」ができるようになるといいのですが、いちばん情報を持っている原発関係者は、知っているはずの「本当のこと」を公開できない状態ですから、まだ道は遠いという感じです。本当の議論ができるより、現実的に原発が寿命を迎える方が早いのではないかという気がします。

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■原発は地球温暖化対策に有効という説に少々疑問があります。CO2 を出さなくても、中で(原子の)火を炊けば、やっぱり暖まるのではないでしょうか?

(snark:39歳)

reply)


ご指摘の通り、熱としてエネルギーを取り出す以上、温暖化につながる可能性はあります。しかし、今の温暖化の知見では、人間が発生させるエネルギーの総量は、太陽光がもたらす熱や、地球自身が発する熱と比べれば小さいと考えられています。

一方、CO2などの温暖化ガスの影響で、太陽からのエネルギーや地球自身のエネルギーが「こもってしまう」という温室効果の方がはるかに影響が大きい。

なので、もし原発が、本当にCO2が少なく、取り出せるエネルギーが大きく、安全で低コストなら、使う価値があると思います。ですが、「安全で低コスト」の部分に大きすぎる疑問符が付いているというのが現状です。

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■記事ではあたかも脱原発が世界の主流のように書かれていますが、お隣の中国では膨大なエネルギー需要を賄うために原子力の開発が急ピッチで進められていますし、脱原発を宣言した北欧やドイツでも実際には止める予定の原子力の延命措置がとられているのが現状です。

イラク戦争の余波で石油(ガソリン)は値上がりしていますし、大量かつ安価に得られた石炭も、需要の増加におされてじわじわと値を上げています。天然ガスも同様です。

現代社会を支えているエネルギーは絶対的に不足しており、この穴をいかに安定的かつ効率的に埋めるかを考えるのが国のエネルギー政策であって、そういう点から考えると原子力は日本にとってはいまだ不可欠なエネルギーであると言えます。

新エネルギーを推進する方々はすべてのエネルギーは太陽光で賄えるなどと試算していますが、あくまでも机上の計算であり、使いたいときに使えないエネルギーなどというものは、電力貯蔵技術が確立して初めてエネルギーとしてカウントできるのであり、現状ではものの数にも入りません。

ドイツの場合は、バックアップとしてフランスの原子力が存在しています。美談の裏側にも注意を払うべきだと思います。

(匿名)

reply)


誤解させてしまったようなので、再度確認すると、僕が「主流」と書いたのは、「世界全般での主流の考え方」という意味ではなく、「世界の環境リーダーの間で主流になっている考え方」という意味です。

例えば「温暖化防止のために原発を使うのがよい」と考える環境リーダー(環境学者や環境保護活動家など)は少なくなっているということです。

中国で原発の開発が進められている点については憂慮している人は多いのですが、かといって石炭を燃やされても困ります。

本当は今のうちに省エネ技術やコジェネ(熱供給)など、エネルギー消費を抑えながら発展する方法を世界が中国に教え、最小のエネルギーで最大の発展ができることを中国が証明できるようになるといいのです。しかし、「世界の主流」はそのようには考えないようです。

欧州の脱原発は、「すぐやめる」という意味ではありません、今の原発が寿命を終えるまで使って、新設はしないという意味で、必要な修理修繕はしています。

石油の値上がりは歓迎しにくいのですが、石油が安い限り環境技術を進歩させる動機が生まれないので、痛し痒し、といったところです。急激過ぎなければ石油の値上がりは悪いことではない、と考える環境リーダーは多いのではないかと想像します。

新エネルギーがどこまで主力として使えるかどうかは、まだはっきりとした結論は出せないものの、これまで原発の開発に注がれてきた資金と頭脳を、再生可能なエネルギーの開発にこれから投じれば、やれることはまだまだあるはずです。ご指摘の「電力を貯める方法」も含めて、です。

しかしそれ以上にヒト・モノ・カネを投じるべきなのは、省エネルギーでしょう。住宅の省エネルギーを今ある技術で精一杯やるだけでも、大幅なエネルギー消費の低減が期待できます。これについては、また機会を改めて紹介したいと思います。

最後に、「ドイツのエネルギー政策はフランスの原発をあてにしている」という説ですが、これは当たっていません。

確かにドイツはフランスから電力を買っていますし、フランスの電力の多くは原発が作っています。しかし、輸入の総量は2%程度で、同時にドイツは北欧など近隣諸国に電力を売っています。また、自然エネルギーによるドイツの発電総量は5%を超えていますから、匿名さんの指摘は当たっていません。

ドイツや北欧の環境戦略は、環境汚染物質を多く排出する石炭火力発電所が多いなど、確かに見た目ほど美しくない部分も目立ちます、それでも彼らはしたたかに、現実的に行動しています。

http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/rep02/308831

環境戦略で拓く次世代ビジネス 第63回〜脱原発(3)
2004年05月26日 16時27分
今週も、いただいたコメントへのreplyを続けます。

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■インディアンの世界では物事を決めるときには必ず7代先の世代のことを考えて決めていたそうです。そういう未来を考えた発想を、成熟した先進国はそろそろ始めるべきではないでしょうか。

ところで、友人の父が原子力開発を推進する会社の役員でしたが、家では「あれは危険なんだ」と繰り返しおっしゃっていたことが忘れられません。

(Saya:35歳:会社員)

reply)
 ネイティブ・アメリカンの「7世代あとのことを考えてものごとを決めよ」と教えは、僕も常に意識しています。

7世代というと、10代での結婚が珍しくなかった前近代の社会では100年ぐらいの時間だと思いますが、今は時代の変化が激しくなり、100年先を想像することが困難になっています。逆に100年前に自分がいたとして、今の状況が想像できるかというと、やはりほとんど不可能でしょう。

ただ、100年という時間の単位を意識するということ自体は、いずれにせよ非常に重要です。100年は、コンクリートは劣化して強度が落ちる時間であるものの、生き物としての人間は変化しない時間です。100年前にあったことをまた聞きで話せる孫は生きているけれど、100年前のことを直接話せる人は生きていません。

こういう時間感覚を養うことは、環境問題だけでなく、生活面でも非常に重要です。100年という単位でものを意識して考えると、意外に「できる」ようになるものです。

実は今、「価値観」をつくる本を執筆中で、夏ごろには書店に並ぶ予定です。この中で、長い時間感覚を身につける方法についても書いています。

「あれは危険なんだ」という友人のお父さんの話は、とても興味深いですね。今、反原発の立場で環境問題に取り組む専門家の中に、原子力の専門家もいて、「よく知っているからこそ、やめるべきだと考えるようになった」と言います。これからはもっと増えていくのではないかと思います。

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■原発をどのようにして終わらせるか?ですが、エネルギー供給の観点からは、

1.発電所をすべて熱電併給に切り替える。
2.熱はカスケード利用する。
3.系統に接続する発電事業者(既存電力会社含む)は、蓄電システム構築と運営の費用を発電の安定性と発電量に応じて負担する。

の3点が満たされ、原発を代替できるレベルになってから、廃止する方がよいと思います。

去年は冷夏だったからよかったものの、現状では原発の即時全停止はハイリスクです。停電→経済への打撃→不況→自殺者の増大といった連鎖で人を殺しかねません。

上記のうち、特に3番は不可欠です。風力などの発電事業者によく見られるのが、蓄電装置なしに系統に接続しておきながら、電力会社に電力の買い取り量を増やせという身勝手な要求をすることです。系統負荷の高い発電を系統につなぐ以上は、相応の負担をするべきです。

また、放射性廃棄物処理に関しては、

1.原子炉の構成材のうち、硝酸洗浄などで付着した放射性物質を除去し、放出される放射線量が、健康に被害が出ないレベルになったものに関しては一般の廃棄物と同等の扱いをすること。
2.低レベル廃棄物は超臨界水などの処理手段で可能な限り減容化すること。
3.高レベル放射性廃棄物は、受益者負担の原則に基づき、原発の電力を最も消費した地域が引き受けること。例えば福島と新潟の原発で出たものは東京都内に処分する。
4.地層処分では何かあったときに手出しできなくなるので、分厚いコンクリートなどで固め、地上で管理する。

という施策を認めなければなりません。特に1〜3番目。

4番目は、テロなどの標的になる不安があるでしょうが、原発の建物と同等の強度をもつコンクリートなら、通常の破砕機ではなかなか砕けませんから、問題ないはずです。放射線も、遮断できます。だいたい、火山で形成された日本のどこに安定した地層があるというのでしょうか?

また、高レベル廃棄物は熱を発します。現在は貯蔵プールで冷やしてから廃棄するようにしていますが、これをコンクリートなどで十分に遮蔽し、ビルなどの地下に保管すれば、暖房などに利用することもできるはずです。原子炉のように爆発する心配は全くありません。

「そんなもの、安全と言われても気分的にいやだ」という人もいるでしょうが、この問題は現実を無視して、気分や感情で議論できるような代物ではありません。

ところで、この問題を考えるとき、50代以上の人たちに言いたいことがあります。それは、あなた方が生きている間に処分場の問題はちゃんと片付けてくださいね。ということです。

処分が厄介なのは原発を始める前から分かっていたことであり、そういう代物を推し進める政党に投票してきたことは言い逃れのできない事実です。原発が始まっておよそ30年前、それを止めなかった責任をとってからあの世には行っていただきたいものです。

(海風:27歳:エンジニア)

reply)
 海風さんの意見は大きく、「原発をなくすための方法」と、「放射性廃棄物の管理と処分」の話が含まれていますね。

このテーマの最初(第61回)に、「原発推進か、反対か」ではなく、「原発をどのように収束させるか」という指摘をしました。まさにその点についての、しっかりした、かつ世界の専門家に共通する意見だと思います。

「原発をなくす」ためには、ご指摘の通り、いきなり停止することは難しく、また現実的でもありません。社会的にもすでに多額の投資をして造ってしまった原発をいきなり止めれば、大きな負債として残り、その負担をしなければなりません。

また造ってしまった原発の運転そのものが即危険というわけでもありません。危険度が上がるほど老朽化したら速やかに停止するという合意をしっかりつくること、そして運転中の安全確保を徹底することで、まず使いつつ、停止していくことになるでしょう。

そのあたりの実際のシナリオづくりにこそ、社会的な合意形成をしていかなければならない時代になっているのに、政治家は保守的な発言をする人が多く、現実から目を背けているような人が多い。

大人たちは子どもに「ゲームばかりやっているから仮想と現実の区別がつかなくなる」といいますが、現実を見ずに過去のだれかの理論武装をそのまま信じている大人の方が、よほど「仮想と現実の区別がつかない」と僕には感じられます。

「放射性廃棄物」についても、環境専門家の間では、地層処分でなく地上での乾式管理がいちばん現実的で安全性が高いという考えが広がっています。

地層処分と言えば聞こえがいいですが、せいぜい500メートル程度の深さです。今全国で盛んに掘られている温泉は1000メートルを超えるものも珍しくなく、そこからお湯をくみ上げて楽しんでいるのが今の日本です。

そういう深さにちゃんと水が流れていて、それを利用している。一方で地下水の水は地上の水と違い、どこからどこに流れているか、つかむことは不可能です。地層処分して、いずれ放射性物質を閉じこめたステンレス容器が腐食して内部から放射能がモレ出せば、それがどこかに流れていって井戸や温泉に混じらないとも言えません。

地下深くの水のようすは、人間の安易な理解を簡単にくつがえすものです。このあたりは、井戸掘りをしているボーリング屋さんに聞けばすぐに分かることです。どこをどのぐらい掘れば水や温泉が出るか、当てられる人がいれば、いくら出しても雇うと彼らは言います。

地層処分はコストが掛かるわりに未知のリスクが大きすぎる。地上で管理すれば、危険度が上がったら取り出して詰め替えるなど、技術的に処理することが可能です。リスクを下げるにはリスクのそばにいるしかないのだと思います。

http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/rep02/309674

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