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狂牛病と鳥インフルエンザ 巨大なアグリビジネス(農業関連産業)が生み出した病原体
http://www.asyura2.com/0403/gm10/msg/117.html
投稿者 安濃一樹 日時 2004 年 3 月 11 日 01:40:50:gmtaOzuBDmsKE
 

ヤパーナ社会フォーラムの安濃一樹です。
http://japana.org/start.html

鳥インフルエンザの問題では自殺者まで出てしまいました。これから主流メディアはしばらくのあいだ浅田農産を追いつづけるでしょうけれど、そもそも何が鳥インフルエンザを招いたのか問題の核心を調査しようとする報道機関はない。

新聞の記事を調べてみても、鳥インフルエンザの背景として養鶏産業が抱える問題があると指摘している記事はひとつもありませんでした。

狂牛病と同じように、鳥インフルエンザはアグリビジネス(農業関連産業)が招いた災害です。養鶏家・笹村出(ささむら・いずる)の提言はいま貴重なものとなっています。

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大規模養鶏が招く鳥インフルエンザ

笹村 出

http://japana.org/environment/japana/bird_flu_agribusiness.html

2004年1月

現在、鶏に関して間違った獣医学に基づく病気対策が法律化されています。ワクチンで予防することを絶対として、義務化しています。ところがワクチンでは対応できない病気は無数にあり、今後も出現する可能性は高いと思われます。たいへん虚弱になっている今の養鶏用鶏種をケージ飼いすれば、たちまち病気が蔓延することになります。畜産のあり方全般に対し、徹底的な見直しを行うことが急務となっています。

しかし、こうなってから問題にするのではいかにも状況が悪すぎます。5年前、『発酵利用の自然養鶏』(出版/農山漁村文化協会)の中で、この問題を予測し発言したとき、ある鶏の会を除名されました。場合によっては法に触れ、飼育ができなくなる可能性のある発言のためです。ここでもその覚悟で発言する内容です。これはあくまで笹村個人の考えであることを確認しておきます。

私の予測したとおり、動物由来ではないかといわれる新しい病気が、エイズやSARS・BSE・サルモネラ・鳥インフルエンザと次々に出現しています。

「まず原因調査を徹底しろ」と言いながら、結局なぜか曖昧に終ります。今回もそうなるに違いありません。すでに根拠もないまま、渡り鳥説を否定する予防線を張っています【1】。「渡り鳥から感染した」となると、今までの対応策を根底から変えなければならないからです。渡り鳥説を認め、自然界にはウイルスがいくらでもいるということを認めてしまうと、養鶏場の消毒などまったく無意味なことになります。今の防疫の思想では、自然を殲滅する以外に方法がないということになるからです。

日本の野鳥が70年前(1925年)に感染して、その後は一度も感染せず、今回ひさし振りに感染したなどということはありえません。常に弱毒性のウイルスを持った鳥は飛来しているはずです。それで特に問題は起こらなかった。自然とうまく折り合いがついて、大流行の原因とはならなかったのです。

よく理解できないのは、なぜ弱毒性のウイルスが強毒化するかです。これは私の推測ですが、何十万羽という単位の鶏中に弱毒性のウイルスが入り感染を繰り返す。大規模な養鶏場には免疫能力のまったくないひ弱な病気寸前の鶏がいますから、ウイルスには格好の住処といえるでしょう。ウイルスは、薬まみれの養鶏場で殺菌剤や抗生物質と戦うなかで、突然変異を起こし強毒化する。こうした自然界ではありえない環境で、高病原性のウイルスが生まれるのではないか。また、大きな環境汚染と自然霍乱(かくらん)が進み、それが背景となってウイルスが引き出されてくるということも考えられます。

鳥インフルエンザの発端が野生の鴨、あるいはその周辺の野鳥にあることだけは確かです。鴨はこの抗体を持ったものがいることが確認されています。日本の鴨からも弱毒タイプのものは見つかっているという情報があると、畜産保健所の方から聞きました。野鳥は発病しても大量死することはありません。もちろん餌付けで集めるような日本のやり方は自然とはいえないでしょうから、大量死の原因になっているかもしれません。

いずれ野生は抗体を獲得するか、弱れば淘汰されてしまうかでバランスがとれる。自然の仕組みです。そうやって自然界の免疫システムはできていて、人間がかかわらなければ、うまく調和するようになっています。ハクビシンがSARSで問題がないのと同じで【2】、人間にだめだからと言っても他の野生の生き物では克服されています。鶏ではサルモネラ菌がそうしたものでした。人でも東洋人の方がサルモネラの発病の可能性は低いとされているようです。

それではなぜこうした新しい病気が出現してくるのか。この原理を考える必要があります。当然、野生動物の生肉を食するようになったからではないでしょう。大枠で見ると、人間が弱くなってきたことがあげられます。O157が流行したとき、そうした大腸菌に弱くなっている現代人が問題にされました。おかしな衛生観念のため、自然免疫の獲得ができない人類の出現です。水道局では確か、塩素の濃度を上げるという対策をしたはずです。そういえばあの時も貝割れ大根に責任を押しつけて、ごまかして終わりでした。貝割れ大根の会社が農協と対立していたのが原因だったというような馬鹿げた話が後でありました。

もうひとつは、化学物質による病原菌やウイルスの変異が推理されると考えるのが妥当だと思います。弱毒タイプのウイルスが強毒へと変異することが増えているからです。化学物質は農薬もあれば、焼却由来のダイオキシンなど、エントロピーの増大で無限に増加している新しい化学合成物質が想像されます。環境ホルモンと言うようなものも影響しているのかもしれません。科学的に考えれば未解明分野で諸説はあるでしょうが、私達実践者は体験的な直感的な類推をする立場に立つべきです。

畜産では飼料の単価・飼料効率・機械化・廃棄物の再利用などのために、本来自然界では食べないものを無理やり食べさせることになっています。保存料や添加物・消化促進剤のような危ういものが紛れ込む危険が潜んでいます。過去に抗生物質と殺虫剤を畜産で大量消費する中で、耐性菌の出現があり、ウイルスや病原菌の変異があり、大きな問題となって禁止されてきた経緯が思い起こされます。ともかく合成化学物質は極力減らすことでしょう。

シベリアに暮らす鴨にとっては韓国もベトナムも日本も生活の場ですから、当然行き来しています。鴨が持っているウイルスは必ず他の野鳥に感染していると見なければなりません。人間に発見されているかどうかは別にして、自然界には人の知らない病原菌を含めて、さまざまな病原菌が存在すると考えるのが普通です。どこにだって病原菌はあるのですから、アイガモや放し飼いの鶏に感染するのは必然です。昔からそうだったのです。それで異常な蔓延が起きなかったのは、自然のバランスの中で行われる範囲では、何羽かが死んで、免疫を得て生き残ったものが次世代の親になり、永続性のある畜産が行われていたのです。

可能とは思えませんが、飼育している鶏を全て隔離しワクチンで感染を防いだとしても、鴨から野鳥への感染を防ぐことはできません。そこでの強毒化したインフルエンザはどうなるのでしょう。公園の鳩からの感染はどうしたらいいのでしょう。かつてそうしたことが問題にならなかったのは、自然界ではバランスが取れてきたことであって、大規模養鶏が登場して問題化したということは、大規模養鶏のやり方に問題があると考えるべきでしょう。

鶏を野鳥から遮断しようというのが今の防疫の発想です。ウインドレス鶏舎で、できるだけ無菌状態の閉鎖した飼育をしていこうという流れです。実はこれは大企業が以前から作り出そうとしている流れなのです。「日本に養鶏業は飼料会社直系の10軒でいい」と豪語していた人を知っています。読売新聞などは、すでにこうした寡占化のお先棒を担ぐ記事を載せました。見識のない恥ずかしい新聞です。よく考えて見て下さい。鶏がウインドレスで薬漬けでしか生きられないとしたら、人間は大丈夫なのでしょうか。

このさき待っているものは、人間がウインドレス室の中でしか生きられない世界です。いま畜産で起きていることは、必ず人間に起きてくることの前触れです。SFの世界ではありません。いま起きていることは人類の史上初めての事態です。人間が自然の中で生きられなくなっている。環境を遮断して病原菌の居ない無菌に近い状態でしか安全では居られない。新しい時代の登場です。

こうした状況のなか、家畜保健所は、「消毒を徹底しなさい。放し飼いはいけません。野鳥が入らないように」と指導して歩いています。消毒薬の大量輸入が報道されています。国内の会社も増産中でしょう。何という浅はかなことでしょう。鴨や烏やスズメも病気発生の30キロ以内を絶滅しようということでしょうか。いま泡を食ってやっている目先の対応は、この場は凌ぐかもしれませんが、必ずもっと深刻な状況がこのさき来ることは目に見えています。自然界を消毒して病原菌のいない世界にしようなどという発想は、天につばを吐くことでしょう。『沈黙の春』の世界が現実になってきています【3】。

病原菌は存在しているのが当たり前です。人間が生きるということは、病原菌とどう折り合いをつけていくかです。私のところの鶏はニューカッスルの抗体を持っていました。一切のワクチンをしていませんから、私のところで孵化した鶏は野外毒から感染したはずです。しかし発病した徴候はありません。ニューカッスルになれば大半が死滅すると獣医学では考えています。抗体を持つことは免疫システムであり、発病とは違います。ワクチンをしていないのに野外毒によって接種したと同様の免疫力を得ているということです。今度の鳥インフルエンザも同様です。感染はしても発病はしない自信があります。そして免疫を獲得する。私はそれだけ強健な鶏種「笹鶏」を作出目標にしてきました。

また、その自然免疫を獲得する飼育法を模索してきました。自然界には免疫を獲得する仕組みがあります。自然養鶏ではそれを応用した飼育法をとる必要があります。野外毒を遮断するのでなく、孵化直後から、いわば微生物に満ちた堆肥状の床の上で育雛します。適正なレベルで、親の免疫がある間に、その場所にいる菌に触れさせてゆきます。そして、発酵飼料・緑餌・生餌・薬草・ミネラルなどを使いながら、健全ではあるが甘やかさない、ぎりぎりの飼育をしてゆきます。弱い雛はここで淘汰されます。その結果、自然免疫を獲得する能力の高い鶏が作られることになります。それには少羽数で目の届く管理をする必要があります。私の経験では春先に自家採種した卵を孵化するのがいいと思います。いわば江戸時代におこなわれていたような、村落ごとに地鶏がいる小規模で自然に適合した方法でしか家畜を永続的に飼育することは不可能でしょう。

さらにひとつの岐路があります。消費者に迎合して、食べ物が柔らかく甘く濃厚になってゆきます。消費者は、私から見ると食べ物とは言いたくないような60日雛の鶏肉を柔らかくておいしいなどと言います。1年の笹鶏を硬くて鶏肉として使えないと言います。お世辞ではおいしいと言ってくれますが、二度買いに来ない人が大半です。本当の食べ物は健康的な食べ物のはずです。効率だけを重視して、2ヶ月で食べてしまう鶏は、2ヶ月だけ生きていればいいのです。強健さは無視されています。

私の作出した笹鶏は産卵率で考えると60%行けばいいという能力です。世間の産卵鶏は90%を越えるわけです。産卵率だけ高ければ、病気に弱いことなど薬で対応すればいいとされています。本来、農村でその地域に適合していた強健な鶏種は今やどこにもいないのです。だから一個10円の卵が出現して、「卵は物価の優等生」などと馬鹿げたことが起こるのです。

こうした消費傾向を背景とした畜産の世界で、効率と採算性だけに翻弄されて作り上げられたのがウインドレスの畜産です。そうした尋常でない環境でのみ有効な異常な飼育法および鶏種が、アジアの農村にも一気に広がったのです。ここでのやり方は山口での方法と大きくは違いません。いまアジアで起きている鳥インフルエンザの猛威は、まさにケージ飼い養鶏の不健康さから直接的に起きています。山口の養鶏場も同様です。ヨーロッパでは、こうした劣悪な環境での鶏のケージ飼育を禁止している国もあります。

狭い檻(おり)で身動きもできず、機械のように卵だけ産みつづける悲惨な状態では、鶏に病気を克服する力はありません。こうした鶏と自然養鶏の鶏と同列に議論して、野鳥と触れるから危険だと斬り捨てるのは暴論です。鶏種は大企業にすでに独占されています。どこに行ってもアメリカかヨーロッパの鶏種です。種鶏会社はより大きな消費者に合わせた、効率は良いが飼いにくい、ひ弱な鶏種を作り出しています。異常な病気が出現する背景は進んでいたのです。

私が5年前に提言したとき、世間は対応してくれなかったのが残念でなりません。こうした状況に及んでは、戦いは極めて不利に追い込まれていると言えます。妥協的な対応しかできなかった。そのつけが自然養鶏にも及んできています。鳥インフルエンザが人間に感染する。この点が非常に恐れられるため、もう5年前の主張では通用しないでしょう。鶏ならばある程度、自然淘汰されバランスがとれるという考えが通用しますが、人間の問題になってしまったいま、養鶏のあり方や私たちがどのように自然と折り合いをつけるかについて、まともに議論できない環境になっているのです。

対応策です。

○地域に適合した強健性のある鶏種の作出を行うこと
○畜産はできる限り小規模で自然から離れない方法で行うこと
○合成化学物質の増大を防ぎ、飼料への混入を禁止すること
○以上の対策を地球規模で実現できるよう日本がその模範になること

文化として、「人間の暮らしにおいて食の安全とは何か」という根本から考えれば、精神文化まで含めて、食糧の生産が暮らしのレベルから見えなくなるということは、大変危険なことだという認識が必要です。そして、人間も最後に病院で薬漬けになって生き永らえるのではなく、健康な体と精神力を持って病原菌に負けない免疫力を付けることが必要です。そして病気になったら死ぬのが自然であると言うことを受け入れて、病原菌に向かい合う必要があるところだと思います。

笹村 出(ささむら いずる)
地場・旬・自給のNPO法人「あしがら農の会」代表

1949年 山梨県境川村藤垈に生まれる
1955年 日本鶏を飼い始める
1986年 山北で自給生活を始める
1990年 自然養鶏場「あいらんど」設立

自分で作出した鶏種「笹鶏」を自家繁殖し、350羽を飼育しています。できる限り自然の姿から学び、自然に即した養鶏法をおこなっています。

住所 小田原市久野3545(火曜日の午後が見学日)
連絡はメールでお願いします。
mailto: sasamura.ailand@nifty.com

【1】朝日新聞(2004年1月19日)鳥インフルエンザの「運び屋」は? 遺伝子解析急ぐ

山口県阿東町の養鶏場で国内では79年ぶりに発生した高病原性鳥インフルエンザは、発生現場を中心に感染源・感染ルートの解明作業が本格化する。感染原因のウイルスについて、専門家は「外来」でほぼ一致するが、いつ、何が、どのように運んだのか。カモなどの渡り鳥に加え、人やトラックなど諸説が取りざたされている。農林水産省では、ウイルスの遺伝子解析や関係者らからの聴取を急いでいる。

「渡り鳥が運んできてしまったか」。山口での発生直後、農水省関係者は感染源を、こう直感した。渡り鳥の中で有力視されているのはカモだ。

昨年12月、韓国で鳥インフルエンザが流行した。韓国で感染した鶏からウイルスを得たカモが、阿東町の発生農場に飛来し、養鶏舎内の鶏にうつした、という見立てだ。

カモは人に感染しうるあらゆるインフルエンザウイルスを持つ。飛来する推定ルートの一つに朝鮮半島経由がある。山口のウイルスはH5N1で、韓国と同一型と判明。カモが韓国から持ち込んだ、との状況証拠がいくつも並ぶ。

農水省では、韓国での流行以前から国内への侵入阻止策は打っていたが、空からの対策は打ちようがないという。

このカモ説には反論がある。日本野鳥の会の金井裕・主任研究員は「水生のカモは近くに水場がない限り鶏舎に近づくことはない。警戒心も強く、エサを求めて鶏舎に入り込むとは考えにくい」と話す。

野鳥のインフルエンザを調査する鳥取大農学部の大槻公一教授は「カモより小型の鳥がウイルスを運んだ可能性が高い」と見る。飛距離が短い小型の鳥でも中国地方と朝鮮半島を行き来できる鳥はいるという。

「渡り鳥」と「韓国」の組み合わせが先走りする現状に、北海道大の喜田宏教授(ウイルス学)は異を唱える。「鶏舎内の鶏から、自由に飛ぶ水鳥にウイルスが伝わる確率は低い。飛来ルートも季節によって違う」と疑問も投げかける。

喜田教授は15日、農水省の専門家による小委員会の委員長として記者会見し、感染源の可能性として鶏舎に出入りした人やトラックを挙げた。ウイルスは糞便(ふんべん)の中で2週間、ほこりの中で乾燥しても2〜3日は生き残る。付着ウイルスが原因との見方だ。

だが、山口県関係者は「出入りする人・モノは消毒されていたはず」。農場へは、北九州市内の工場から配合飼料が大型車で搬入されるが、工場側は「人や車は入念に消毒していた」という。飼料を納入した農家約30軒に異常は今のところ見られない。

喜田教授は、ウイルス変異の可能性にも言及する。飛来するカモが糞と一緒に出す毒性のないウイルスが、ある日突然変異して、病原性を獲得してしまったという見方だ。

こうなると、ウイルスはいつ、どこに持ち込まれ、どう広がっているかという究明がかなり困難になり、他の地域での感染の懸念も出てきてしまう。

農水省はウイルスの遺伝子の塩基配列を解析、進化系統図を作って、山口のウイルスがどの国のウイルスに近いかなどを推定する方針だ。あわせて発生農場への出入りや感染国への旅行など関係者への事情聴取も本格化させるが、感染源・感染ルート解明にはまだ時間がかかりそうだ。asahi.com

【2】ハクビシン(白鼻心)。食肉目ジャコウネコ科。ヒマラヤ、カシミールからインドシナ・中国東南部・マレー半島・アンダマン諸島・台湾・海南島・スマトラ・ボルネオのほか日本にも生息している。鼻から頭部にかけて白い筋があるのが名の由来となった。

>朝日新聞(2003年9月5日)SARS感染源、ハクビシンはシロ? 香港大チーム発表

新型肺炎SARSの感染源と疑われる野生動物のハクビシンについて、中国・広東省でハクビシンから見つかったウイルスは、人に感染してもSARSのような症状を起こさないことがわかった。香港大チームが4日付の米科学誌サイエンス電子版に発表する。

広東省の市場で野生動物を扱う関係者35人の血清を調べたとこ、11人からハクビシンが持つウイルスに過去に感染したことを示す抗体が見つかった。しかし、この半年間にSARSのような肺炎症状を示した人は1人もいなかった。

2つのウイルスは極めて近い関係にあるものの、遺伝子配列の一部に違いがみられたという。ただ、ハクビシンのウイルスが人に感染していたことから、それが突然変異を起こしてSARSウイルスが生まれた可能性がある。

世界保健機関(WHO)は5月、広東省の市場で売られていたハクビシンとタヌキのふんやのどの粘液からSARSウイルスとほぼ同じ遺伝子配列のウイルスが見つかったとする同チームの調査の一部を発表。これが「ハクビシン起源説」を裏付ける根拠となってきた。

同チームは今回、「ハクビシンやタヌキが持っていたウイルスは別の動物から移ってきたとも考えられる」と推測。「(ウイルスをもともと持つ)自然宿主は依然として不明」としながらも、ハクビシンやタヌキではない可能性もあるという考え方を示した。asahi.com

>共同通信(2004年1月6日)ハクビシン「撲滅作戦」 広東省政府がSARS対策

新型肺炎(SARS)の感染源が野生動物ハクビシンである可能性が強まったため、中国広東省政府はハクビシンの集中撲滅作戦に乗り出し、初日の5日だけで2000匹以上を収容した。新華社電によると、中国共産党広東省委員会は5日、全市民を動員して感染源を絶つよう緊急指示を出し、張徳江・同委員会書記は10日までに省内のすべてのハクビシンを殺すよう呼び掛けた。

5日は省内でハクビシンを飼う41業者を摘発して合計2030匹を収容する一方、他省からの流入を防ぐため主要道路の8カ所に臨時検査所を設け、積み荷のチェックを始めた。

省内で最大の野生動物市場として知られる広州市の新源市場では、初日から100人以上の係員が検査を嫌がる業者をくまなく調べ上げ、2時間余りの検査でハクビシン85匹を発見、収容した。

業者の1人は「湖南省から1匹500元(約6500円)で入手したが最近売れ行きがよくなかった」と話したという。 Yahoo! ニュース

【3】レイチェル・カーソン『沈黙の春』1962年。「春が来ても自然は黙りこくっている」と 、DDTなどの農薬や化学物質によって、小鳥がすべていなくるまで環境が汚染されていることを訴えた。本書が出版されて注目を集めると、カーソンは産業界から激しい攻撃を受ける。64年に彼女が亡くなった後も、『沈黙の春』は人びとの支持を得て強い影響力を持ちつづけ、環境運動の大きな流れを生み出した。当時のケネディー政権が環境汚染の調査に乗り出し、70年にニクソン政権が環境保護局を新設したのも、本書の功績だといわれている。72年、DDTは禁止された。

──自然は、沈黙した。うす気味悪い。鳥たちは、どこへ行ってしまったのか。みんな不思議に思い、不吉な予言におびえた。 裏庭の餌箱は、からっぽだった。ああ鳥がいた、と思っても、死にかけていた。ぶるぶるからだをふるわせ、飛ぶこともできなかった。春がきたが、沈黙の春だった。いつもだったら、コマドリ、ネコマドリ、ハト、カケス、ミソサザイの鳴き声で春の夜は明ける。そのほかいろんな鳥の鳴き声がひびきわたる。だが、いまはもの音ひとつしない。野原、森、沼地みな黙りこくっている──第1章より(青木蘂一訳)

──この地上に生命が誕生して以来、生命と環境という二つのものが、たがいに力を及ぼしあいながら、生命の歴史を織りなしてきた。といっても、たいてい環境のほうが、植物、動物の形態や習性をつくりあげてきた。地球が誕生してから過ぎ去った時の流れを見渡しても、生物が環境を変えるという逆の力は、ごく小さなものにすぎない。だが、二十世紀というわずかのあいだに、人間という一族が、おそるべき力を手に入れて、自然を変えようとしている──第2章より


注【 】は編集者が作成した。

編集/安濃一樹
ヤパーナ社会フォーラム
http://japana.org/start.html
mailto: kazuki@japana.org


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