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違法幹細胞治療、ロシアで野放し(WIRED)
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投稿者 feel 日時 2005 年 3 月 19 日 07:33:15: /berAdga6DXu.
 

違法幹細胞治療、ロシアで野放し(WIRED)

 モスクワ発――幹細胞治療については、世界の科学者たちがまだ研究だけを行なっている一方で、ロシアでは数十にのぼる医療施設やビューティーサロンなどが、成人や胚から採取した幹細胞を使って、しわ取りから、パーキンソン病、インポテンツに至るまで、あらゆる治療をすると宣伝している。

 幹細胞はまだ研究段階にあり、幹細胞を使うと謳う治療は、患者の健康と財産を損なう結果になりかねないと科学者たちは警告している。しかも、ロシアでは違法な幹細胞治療に対する法的な規制が甘いため、患者が受ける注射に幹細胞が入っているのかどうかすら誰にもわからないという。

 多発性硬化症に苦しむスベトラーナ・ガリイエワさんは、胚性幹細胞(ES細胞)を使った治療をしてくれるというクリニックを見つけたとき、そのチャンスに飛びついた。2万ドルを支払ったガリイエワさんだが、今もなお車椅子の生活で、病気が治る見込みはない。ガリイエワさんが受けた注射に幹細胞が何らかの形で使われていたという証拠は何もない。

 ES細胞は身体の基となる未完成の細胞で、発達して骨や筋肉などさまざまな組織になる能力を持つ。胚や胎児が豊富に持つES細胞は、成人の骨髄や脂肪から採取した幹細胞よりも用途が広いと考えられている。しかしヒトのES細胞を採取するには、ヒトの胚を破壊しなければならないため、ES細胞の利用は議論の的になっている。

 世界の最先端の各医療機関でも、幹細胞研究の大半はシャーレの中か動物実験に限られている。しかしロシアでは話がまったく違ってくる。

 ウラル山脈に沿った町、ペルミに住む40歳の婦人科医であるガリイエワさんは、9年前に多発性硬化症を発症した。筋肉が徐々に動かなくなり、ほとんど絶え間ない筋肉のけいれんに苦しんだが、医師たちは回復の見込みについて悲観的だった。

 「この先に何が待ち受けているか、私にはわかっていました。それは死か、あるいは……」と、ガリイエワさんはペルミから電話で話した。

 絶望に追い詰められたガリイエワさんは、モスクワのクリニックに通い、担当医たちがES細胞だとする注射を数回受けた。費用は約2万ドル。月給の平均が約300ドルというこの国で考えるとかなりの額だ。

 最初の頃、ガリイエワさんの身体は拒否反応を示し、40度の熱が出た。その後手足に多少の感覚が戻ったが、長くは続かなかった。

 「あの治療を続けることは無駄でした」とガリイエワさんは苦々しく語った。

 話はそれで終わらない。ガリイエワさんによると、さまざまな病気の幹細胞治療を宣伝するモスクワの民間クリニック『ビューティー・プラザ』で、成人の幹細胞が含まれているとされる注射を何度か受けたところ、症状が改善した。まだ歩くことはできないが、支えがなくても短時間は立っていられるようになったという。

 現在、さまざまな病気に対して、あるいは美容のために、ES細胞治療を行なうと謳うロシアのクリニックやビューティー・サロンには、何百人もの患者たちが押し寄せている。

 ローマン・クニャゼフ医師がモスクワ中心部で開業するクリニック『セルライト』では、流産や中絶による胎児から採取した幹細胞を大腿部や臀部、腹部などに注射することにより、女性のセルライトを一掃し、若々しく見えるようにできると宣伝している。

 37歳のモスクワの起業家、イエレーナさん(姓を明かすことは拒否)は、効き目はあったと話す。「子どもを産んでから、私のお腹はボロ布みたいに垂れ下がっていましたし、妊娠線もたくさんありました。今ではまったくなくなっています」と、クニャゼフ医師のクリニックでの注射に2850ドルを支払ったイエレーナさんは述べた。

 しかし専門家によると、このような処置には危険な副作用が伴う可能性があるという。

 成人の幹細胞バンクを運営する『実験心臓病学研究所』のウラジミール・スミルノフ所長はこう話す。「(幹細胞)注射の認可は誰にも与えられていない。これらの処置はあくまで実験にすぎず、個人の責任において行なわれている。どれも違法だ」

 スミルノフ所長は、いくつかの国立研究所で骨髄や脂肪から採取した成人の幹細胞を使った実験的治療が時々試みられているのは知っているという。しかしその他のクリニックの多くは、宣伝や注射の中身に関する規制がほとんどない状態で治療を行なっているとスミルノフ所長は指摘する。

 科学者たちによると、幹細胞を培養して分離するには熟練した技術と高価な機器が必要だが、各クリニックが必ずしもそれらを備えているとはいえないという。そのため、幹細胞だとされるものが、胎児の組織からの抽出物だったり、皮膚細胞だったりする可能性があるという。動物の幹細胞を使っているという噂のあるクリニックもある。

 「私が患者なら、そのような治療は受けたくない……潜在的な危険性は非常に高い」と、ボルティモアにあるジョンズ・ホプキンズ大学細胞工学研究所の心臓血管部門責任者、ジョシュア・ヘア博士は語る。

 ロシアの連邦医療調査局の副責任者、アンドレイ・ユリイエフ氏によると、法律では幹細胞の抽出と保存が許可されているだけで、治療での使用は許可されていないという。同局では、幹細胞治療を行なっていると謳う約20の美容クリニックを調査中だとユリイエフ氏は述べた。

 しかしこのようなあいまいに定義された規則のもとで、数十のクリニックが治療行為を続けている。

 『ビューティー・プラザ』の所長を務めるアレクサンドル・テプリャシン博士によると、患者や提供者の脂肪や骨髄から採取した成人の幹細胞を使い、これまでに糖尿病や視覚障害などの病気を治療してきたという。自分の行なっている治療が厳密には法的に許可されていないことを、テプリャシン博士は認めている。

 博士はモスクワのダウンタウンにある自身のクリニックで、AP通信の質問に対してこう語った。「われわれは法の抜け穴を利用している……禁じられていないことは許されているのだ」

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