０４年度予算と０４年度税制改正の関連法が２６日成立した。一般会計総額は前年度当初予算比０．４％増の８２兆１１０９億円で、ほぼ前年度並みに抑えた。しかし、税収は同０．１％減の４１兆７４７０億円となり、新規の国債発行額は過去最大の３６兆５９００億円に膨らむ見込み。谷垣財務相は「基礎的財政収支の黒字化に向けてひとつの手がかりとなる予算」と説明するが、景気への目配りも必要な状況下では、財政再建の道筋は依然として不透明だ。

　政府は景気対策の主役だった公共事業費を３年連続で減らしたほか、防衛費や途上国援助の削減にも着手した。危機的な財政状況を考慮して歳出抑制に努めたが、高齢化の進展で年金や医療、介護などの社会保障費が増加し、総額の削減に踏み込めなかった。民主党などは「天文学的な借金を将来にわたり国民に押しつける予算」と批判し、採決で反対した。

　税収は４年連続の減少。公債依存度は前年度と同水準の４４．６％。国の長期債務残高は０４年度末で約５４８兆円、国と地方を合わせると約７１９兆円となる見通し。

　０４年度税制改正で年金受給者への増税を決めたが、平年度ベースで２４００億円の増収にしかならない。政府・与党は増え続ける社会保障財源を確保しつつ財政再建を進めるため、消費税増税や定率減税の廃止などの所得税の抜本改革を検討する方針だが、本格的な議論はこれからだ。

　一方、国と地方の税財政の「三位一体改革」では、義務教育国庫負担金の退職手当２３０９億円など合計１兆円の地方向け補助金を削減。特別会計分を含めた地方交付税は前年度比６．５％減の１６兆８８６１億円で、交付税と臨時財政対策債（赤字地方債）の削減額は約３兆円。多くの地方自治体がこの大幅カットに反発しており、７月に参院選を控えて「地方対策」を求める声が高まりそうだ。

(03/27)

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