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Re: 一連の引用を有り難うございます。
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投稿者 小魚骨 日時 2004 年 5 月 29 日 16:41:59:5fM4yUMte5cr2
 

(回答先: 一連の引用を有り難うございます。 投稿者 ぷち熟女 日時 2004 年 5 月 29 日 07:32:29)


ぷち熟女さま、初めまして。

ポパーは、阿修羅の状況に感じるものがあって、1週間ほど前にいろいろ検索しているときに遭遇した哲学者です。
そのおかげで、『開かれた社会とその敵』を手に入れ読むことができるようになったことを喜んでおります。

先の大戦中に書かれたとされる『開かれた社会とその敵』は、「第一部プラトンの呪文」と「第二部予言の大潮 ヘーゲル、マルクスとその余波」から構成されています。

合計750ページというものですが(注が2/5を占めています)、それだけの紙幅を費やして「長壁問題」を論じた書とも言えるものです。
(そのような書が60年前に既に出ていながらの話ですから、誰かが阿修羅でわあわあ騒いだからといって解決できるものではないのかもしれませんね)

政治的には「社民的改良主義」と色分けされるものでしょうが、認識論や政治手法論についてはとても優れた有用な考えを提示していると思っています。

批判的合理主義者を自認するポパーの論証力は、「第一部プラトンの呪文」では高いレベルで発揮されていますが、「第二部予言の大潮 ヘーゲル、マルクスとその余波」になるとそのレベルが落ちています。(冷静に対象化できるギリシア哲学と渦中に置かれホットな対象である全体主義哲学という対象の違いがその要因なのかもしれません)

ヘーゲル批判は、憎悪という心情に衝き動かされて書き殴ったという印象を持たれたり、そうであるという非難を免れない側面も見せています。(基本的批判(要点)はきちんと論証されていますが、ヘーゲル的な観念や思弁方法が嫌いという思いが先行しすぎています)

マルクス批判も、「資本論」に対するものは「陰謀論」批判よりは少しましというもので。歴史決定論批判という形而上学的問題では冴えを見せていますが、意識と存在を転倒させたヘーゲル批判で済むものですから付け足しとも言えます。
(マルクスの政治スローガンを道徳的に高く評価していることが影響しているのかもしれませんが、憎悪むき出しで批判したヘーゲルに対するものとは違って、ヤワな批判になっているように思えます)

大戦中に、ボルシェビズムないしスターリン主義の根源にあるマルクスの歴史決定論(神託的哲学)と、ナチズムの根源にあるヘーゲルの歴史決定論(神託的哲学)の同質性を論証したのは見事だと思います。


>そんな訳で、まとまったものを読みたいと以前から思っていた哲学者です。


2段組で小さな活字、そしてお値段も高い書ですが、認識方法ということでは自然的事象も社会的事象も同じですし、ふんだんに認識論的言明もされているので、『開かれた社会とその敵』はお奨めできます。
「第一部プラトンの呪文」は後回しで、「第二部予言の大潮 ヘーゲル、マルクスとその余波」から先に読むのも手だと思います。

戦後の政治哲学の代表者として、カール・ポパーとレオ・シュトラウスを読み比べながらものにするのが“現在的課題”なのかもしれません。
(レオ・シュトラウスは「プラトンの叡智」、そして、カール・ポパーは「プラトンの呪文」と際立った対立を見せています。“学校教育的常識”は「プラトンの叡智」です。この対立に自分で決着を付ける意義は大きいと思っています)

カール・ポッパーは、ナイーブではありませんが良心の人で、“顕教”として持説を問うています。(そのまま受け止めていい内容で、そのまま実行できることを打ち出しています。危険性は極めて少ない思想家です)
一方、レオ・シュトラウスは、プラトン的な意味で賢慮の人で、“密教”として持説を開示していると思っています。(受け止め方で様々に解釈でき、利用の仕方でいろんな目的に使えるものが書かれています。この意味でも難渋な論述になっています。真言密教にたとえれば、国家護持ができるのなら、国家破壊もできないわけがないということです(笑)。このような意味で危険な思想家です)

二人はともにユダヤ人という出自で、ともにナチスの時代に故国を去っています。(ポパーはキリスト教へ、シュトラウスは無神論へと変わっていったようです)

「ポパーとシュトラウスの対話」という叶わぬ夢にも魅力を感じています。
プラトンはソクラテスを使って持説の正当化をはかるためにそのような論述手法を採ったのですからできないわけではありませんが...ガチンコ勝負の対話でなければつまらないでしょう。


最後に、ネオコンの始祖とされるレオ・シュトラウスは、東洋思想とりわけ中国古来の思想に世界救済の鍵があると考えているようです。
該当部分を別スレッドで引用して紹介します。

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