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深海地球ドリリング計画【ないふる】「かいこう“兄”」の不幸はないとしても、日本周辺の深海情報が米国に筒抜け
http://www.asyura2.com/0403/jisin11/msg/194.html
投稿者 エイドリアン 日時 2004 年 5 月 21 日 11:23:48:SoCnfA7pPD5s2
 

(回答先: 「プレート・テクトニクス説で説明できない地震」があるでしょうか? 投稿者 エイドリアン 日時 2004 年 5 月 21 日 11:15:27)

★ 深海地球ドリリング計画の「地球深部探査船」は、プレートテクトニクス理論の「海洋プレート沈み込み」の検証も含め、地球の成り立ちや深海マントルの調査を行う予定。
これにより、「地震発生メカニズム」の解明へ進むことが期待されます。


 海洋科学技術センターが進めている「深海地球ドリリング計画」は、世界最高の科学掘削能力を持つ「地球深部探査船」を建造し、運用することにより、地震発生機構や気候変動などの地球変動メカニズムの解明、未知の地下生命圏やガス・ハイドレートの探索などを行い、新しい地球・生命科学の創成とその統合的な理解を目指しています。


[図1 地球深部探査船概念図]


 1968年に始まった深海掘削計画は、プレートテクトニクスの実証や、約1億年前の温暖な地球環境の立証などの成果をあげ、国際深海掘削計画(ODP)に引き継がれています。現在、米国の深海掘削船ジョイデス・レゾリューション号を用い、21か国が参加し実施されているODPは、2003年をもって終了します。その後は日本の「地球深部探査船」と米国の従来型掘削船との2隻を用いた「統合国際深海掘削計画(IODP)」へと引き継がれ、大きく発展しようとしています。IODPは日本が米国と共に主導的な役割を果たす、壮大かつチャレンジングな国際科学プログラムです。


世界最高の能力をもつ科学目的の掘削船

 日本の「地球深部探査船」は本年2月に基本設計を終了し、その本体の建造に着手したところです(図1)。新しい「地球深部探査船」ではライザーという管を船体と海底の間に張り渡し、この中にドリルパイプを下ろして掘削します。これは掘削孔を保護するための特殊な泥水を孔内と掘削船の間で循環させたり、削り屑等が海中に放出されるのを防ぐためのものです。これに、海底面上に設けられた噴出防止装置を組み合わせることにより、これまで安全のため掘削を避けていた天然ガスや石油の兆候がある海域においても海洋環境を汚染することなく、安全且つ確実に海底面下をより深く掘削することができます。「地球深部探査船」は環境に優しい、世界最高の掘削能力を持つ科学目的の掘削船です。


[図2 長期孔内
  計測システム]


 「地球深部探査船」の導入により、これまでの科学掘削では不可能だった場所での掘削や大深度掘削が可能となります。「地球深部探査船」によって得られる岩石や堆積物などの試料や、長期孔内計測(図2)により、地震発生メカニズムの解明、生命の起源、地球環境変動といった人類の課題に挑戦します。


地震発生メカニズムの解明

 海洋プレートの沈み込みによって引き起こされる巨大地震や津波は、これまでに数多くの災害を日本にもたらしてきました。このため、日本の「地球深部探査船」を用いて行う最初の掘削は地震発生帯をターゲットとすることが、IODPの科学目標を検討する2回の国際会議での議論を通じて国際的に合意されています。
 現行のODPでも昨年は三陸沖、今年は千島沖の掘削孔に地震計、ひずみ計、傾斜計を設置して計測を行っていますが、ジョイデス・レゾリューション号では能力に限界があり、実際に地震が発生している海底下5000〜6000mのゾーンまで掘削することはできません。しかし、ライザー掘削を行う新しい「地球深部探査船」では大深度の掘削が可能になるため、プレート境界の地震発生帯に初めて到達し、実際にサンプルを採取することができるようになります(図3)。また、大深度の掘削孔を利用して海底下長期連続観測システムの構築を目指します。これにより「地球深部探査船」、海底下長期連続観測システムという日本の科学技術が、地震発生メカニズムの解明という大きな命題の解決に貢献できると期待しています。


[図3 地震発生ゾーンを直接観測する!
 巨大地震の多くは、深海底のプレート境界部で発生して
います。海底下数千メートルの地殻深部に、巨大地震の巣
「地震発生帯」があります。この掘削孔に直接観測機器を
設置して地球内部の変化をリアルタイムでとらえます。]


 更にライザー掘削による掘削孔は崩壊の心配が少ないことから、日本がリーダーシップを担っている孔内計測の分野の発展にも期待がもてます。


地下生物圏

 最近、生命の起源は初期地球に似た環境の熱水活動を伴う地殻内である可能性が指摘されています。また、生命体は地球の表層のみでなく、地下深くにも大量に存在しているらしいことが、いくつかの証拠から解ってきました。そのほとんどは微小なバクテリアですが、地下の極限環境(高圧、高温、無酸素)状態の中に、未だ知られざる生命が存在していることは確からしいようです。「地下生物圏」の分野は大変新しい研究領域ですが、バイオテクノロジーへの応用も含めて、各国が非常に注目し始めています。この分野の研究によって、生命の起源と進化に対する理解が大きく進む可能性があります。


地球環境変動

 「地球深部探査船」による大深度掘削により、海底下の地層に記録されている約2億年もの環境変動を、連続的かつ高解像度で解読することを目指しています。地球はかつて想像を絶する巨大な火成活動、何百mもの海面変動、小天体衝突などによる環境の激変を経験し、生物の大絶滅と進化を繰り返してきましたが、地球が水と生命に溢れる星であり続けることができた理由を知ることも、「深海地球ドリリング計画」が目指す大きな目標です。

 その他、「地球深部探査船」は二酸化炭素の排出量が少ない新たなエネルギー資源として期待されているメタンハイドレートの探索や災害との関係の解明、深海科学掘削の長年の夢であった人類未踏のマントルへの到達等に挑みます。
 また、IODPにおいて日本が研究面でもリーダーシップを発揮できるよう、「深海地球ドリリング計画」では幅広い研究者の創造性を生かせるような研究体制の構築を目指しています。プロジェクト推進の中核となる研究拠点と、多様な発想で掘削試料や計測データから研究成果を生み出す多数の分散した小規模な研究グループとが連携し、相互に高い目標を目指す新しい研究体制の検討を行っています。
 21世紀は、地球科学と生命科学の世紀と言われています。「深海地球ドリリング計画」が「地球深部探査船」という世界最高の技術と、日本の研究者の叡知の結集により、大きな災害をもたらす地震の発生メカニズムを解明し、人類の発展に貢献できることを期待しています。

(海洋科学技術センター 山田康夫)


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