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北海道警裏金疑惑(1)―闇から闇は許されない― [JANJAN]
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投稿者 なるほど 日時 2004 年 4 月 10 日 13:34:26:dfhdU2/i2Qkk2
 

2004/04/10

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 3月は北海道にとって、いろんな意味で注目を集める1ヶ月だった。イラクへ向かった自衛隊の事もさることながら、北海道警の捜査用報賞費(道警)、捜査費(国費)の不正支出疑惑、いわゆる道警裏金疑惑が全国的にクローズアップされた。この疑惑は、元道警幹部が実態を告発したことで、列島を衝撃が貫いた。

 1ヶ月を振り返り、重要と感じた点を事件の地元北海道新聞と、テレビの報道番組を参考に検証してみた。

      ■

 3月4日に開かれた北海道議会総務委員会では、すでに記者会見で裏金づくりを証言していた原田宏二元道警釧路方面本部長に対する参考人質疑が行なわれた。70ある傍聴席は満席になった。

 冒頭に行われた見延順章委員長(自民党)の議長質問に対し、原田氏は、今回告発に至った経緯に触れ、「私も(不正に)手を染めた」と発言し、けっして美化しないでほしいと述べた後、次のように証言した。

「私が道警本部防犯部長時代、どうしてもと頼まれ、たった1回だけ出席した平成13年(2001年)12月の歳末特別警戒後に夕食会名目で道議会総務委員会委員と懇談した時のことだった……」「その際《印象に強く残る出来事》がありまして、私の印象に鮮明に残っている……」
「私の《データ》にもそのことが《記載》されている……」
などの衝撃的な発言があり、テレビの画面を通して議場にある緊張感が伝わってきた。

 その後、原田氏は各委員からの質問の中で、組織の不正に悩む道警OBからの手紙を手に発言。

「犯罪捜査に金をかければ、検挙率は上がると言った捜査委員がいる。彼は道警本部の幹部に注意を受けた後に左遷され、結局、早期退職した」
「(裏金の)問題に触れるのは警察ではタブーなのです」
と、震える声を絞り出すかのように訴えた。そして続けて現場への思いを述べた。

「どうしたら、報償費が現場で使いやすくなるかを審議してほしい」
「現場が仕事をやりやすいシステムをつくるべきだ」
という原田氏に発言のの一つひとつが道警幹部にとって厳しい内容だった。

      ■

 3月9日に行なわれた定例道議会の一般質問の席で、芦刈勝治北海道警本部長は、原田氏と同様に裏金の実態を告発した斎藤邦雄元弟子屈署次長が、弟子屈署時代のことを、道議会で証言する件について「守秘義務との関係で問題がある」と、異論を唱えた。

 公務員は職務上知り得た秘密を退職後も漏らしてはならないと法律で定められているため、斉藤氏が道議会での証言を阻むための発言だと感じられた。道警側は、斉藤氏が直接部内の会計に携わっていたためか、さかんに「守秘義務」を口に出し、神経を尖らしていた。

 斉藤氏は、無形の圧力を感じていたのではないかと思う。道警に35年勤め再就職していた斉藤氏は、その民間企業を今年2月に退職した。

「仕事があれば足手まといになる。無職になって道警と対決する」とまで話しており、もし100条委員会(注)が設置されるならば証言するとはっきり明言していた。自分が証言しようとする内容に自信を持たれていたからだと思う。

注:100条委員会
議会に強い調査権限がある100条委員会では、当該官公署の承認があれば、証言者は守秘義務違反には問われない。また、証言を承認しない際は、なぜ証言させないのか、その理由を公に示さなくてはならない。しかし、その後3月24日、100条委員会の設置決議案は自民、フロンティア、公明の反対多数で否決されてしまった。

      ■

 3月12日道議会総務委員会の席で、道警芦刈本部長は旭川中央署の報償費不正支出疑惑について内部調査の中間報告を公表した。
 その中で、「正規の手続きを経ず(本来)執行できない経費に用いた」と発言し、事実上道議会本会議場で花岡ユリ子議員(共産党)から示されていた内部資料のコピーについて「原本の写しである可能性が大きい」と認めた。それは、原田氏の証言にあった、90年4月からの旭川中央署時代の体験を語った事も裏付けることになった。

 当初、芦刈本部長は「出所の明らかでないものを見る必要がない」と拒み続けていた。今回は、報償費の支出に対し「事実と異なる会計書類が作成された」と事実を認めた。芦刈本部長は「失礼します」と顔を横に向けハンカチで汗をぬぐうなど、終始落ち着きがなかった。

 その後、芦刈本部長は、総務委員会後の記者会見で、同署の報償費不正には、所長、副所長が関与していたことを認め、「組織的な問題といわざるを得ない」と発言しながらも、私的流用は「現時点ではない」、国費の不正流用は「把握してない」、刑時事件としての立件は「さらに調査し判断する」、裏金づくりが組織的に行なわれたかは「推察はできない」などと、疑惑の核心については曖昧なまま。「調査中」を連発し逃げの姿勢に終始した。

 道警がまがりなりにも認めざるを得なかったのは、住民の力とペンの力だ。花岡議員(共産党)が示した内部文書のコピーなどに対し、道議会の質疑や住民監査請求を行なった市川守弘氏ら弁護士グループや、北海道新聞の取材活動による協力者の証言などで、道警の弁明が外部から崩される形になった。

 この委員会の後、原田氏と市川守弘弁護士は、「会食の実態」「餞別の慣例」「誰が不正を主張してきたのか」「一体誰が取り仕切っていたのか」「幹部の私的流用がなかったのか」などの点について、まったく明らかになっていないとコメントしていた。ブラウン管から映しだされる彼らは、呆れ果てているように見えた。

 原田氏はこうも付け加えた。「旧態依然とした組織防衛優先で、現場の責任と言わんばかり。現場の警官は肩身の狭い思いをするし、やる気がなくなるのではと心配する。道警が事実を語ったと受け取るだろうか」と疑問を投げかけ、道警幹部の対応を嘆いた。

 また道警はこの日の記者会見の開始直前まで、カメラの撮影を冒頭のみに制限する動きを見せたが、これに対する道警記者クラブ(加盟18社)の抵抗にあい、会見そのものを拒否する意向を伝えるなどもめた末、1時間のうち約45分間、カメラ撮影を認めた。

 私が始めてこの『JanJan』に書いた記事を思い出す。佐藤栄作元総理大臣と記者との確執、小泉首相においての毎日の会見(饒舌を装って、内容のない「感動」ばかり)は、ぶら下がり会見で、当日の担当記者しか質問を認められてない。

 力を持つ座にいるものが共通して避けたがるものは、カメラ映像とペンだ。

 97年9月旭川中央署での業務上横領や詐欺、虚偽誘引公文書作成・同行使の時効はいずれも7年。つまり今年の9月で時効だ。芦刈本部長が「調査中」発言を続けるのは、何を意味するのだろうか。

(岩崎信二)

http://www.janjan.jp/area/0404/0404072879/1.php

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