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記者の目:山形マット死・司法迷走【毎日】少年審判なら、事実認定が滅茶苦茶で良いなんて訳がない。
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投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 7 月 13 日 20:49:04:WmYnAkBebEg4M
 

記者の目:山形マット死・司法迷走【毎日】少年審判なら、事実認定が滅茶苦茶で良いなんて訳がない。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/katei/news/20040701k0000m070157000c.html

 山形県新庄市立明倫中学校で93年、当時1年生の児玉有平君(13)が体育用マットの中で死亡した事件の民事訴訟で、仙台高裁が元生徒7人全員の関与を認める逆転判決(5月28日)を出してから約1カ月。7人の上告で舞台は最高裁に移った。取材を通じ、二転三転する司法判断が、当事者だけでなく周囲にも深い傷を残すことを知った。事件を機に改正された少年法だが、否認事件での真相究明にはまだ不十分な仕組みに思える。否認事件に限って成人の刑事裁判と同様、「真っ白」な状態の裁判官の前で、弁護士と検察官が事実関係を争うことが必要ではないか。

 事件が与えた影響を知ろうと、当時の生徒らを訪ね歩いた。法廷で証言するなど事件と多少ともかかわった元生徒の多くは「(遺族と7人の)どちらも知っているからもう話したくない」「事件を思い出したくない」と、口を閉ざした。

 だが、心に閉じ込めた気持ちを伝えてくれる元生徒もいた。事件が起きたとされる時間帯に体育館で部活をしていた男性は「自分がちゃんと気付けば事件にならなかった」という罪悪感を持ち続けていた。

 今でも、事件のことを考えると体の具合が悪くなり、1週間くらい眠れぬ夜が続くという。取材中に突然吐き気に襲われながらも話をしてくれた。当時いじめに遭っていたと言い、「同じことが自分に起きていたかもしれないという不安があった」と打ち明けた。

 物証が不十分で目撃証言が重視された事件だけに、証言したことで重荷を背負った元生徒もいた。ある親は「事件と直接関係ないのに、子供はずっと負い目に思っているようだ」と話した。司法が複数の「真実」を示したため、事件は学校や地域できちんと語られず、在校生や周囲の大人も困惑の度を深めていた。

 事件では家裁の少年審判などで、逮捕された3人が不処分、補導された4人は保護・行政処分となった。高裁の抗告審は7人全員の関与を指摘。民事訴訟1審は全員を「無罪」とした。

 少年審判と抗告審が異なる判断をしたのを機に、少年審判の事実認定への不信感が高まり、少年法改正が論議された。改正法(01年4月施行)は複数の裁判官が事実認定する「合議制」の採用や、重大事件での検察官関与を認めた。形の上では成人の刑事裁判と同様、検察官と弁護士が法廷に立てるようになった。

 しかし、改正法は▽裁判官が事前に捜査資料を読み込み、心証が作られた状態で審理に臨む▽検察官は裁判官の協力者で、事実認定を争う当事者ではない−−などの点で成人の刑事裁判とは大きく異なる。さらに、検察官関与を認めた対象は「重大事件」であり、「否認事件」ではない。

 改正法に対し、「検察官がいるだけで少年にはプレッシャーだ」と反対する弁護士がいる。一方で弁護士や元検事、家裁調査官ら異なる立場の人から「否認事件で事実関係を明らかにするには、裁判官が予断のない状態で審理に臨み、検察官と付添人(弁護士)が激しくやり合う成人同様の仕組みが必要」と聞いた。

 「少年の保護・更生」を目的とする少年審判にはそぐわないとの意見もあるが、非行事実が正しく認定されなくては「保護・更生」はあり得ない。そればかりか、あいまいな事実認定は、被害者はもとより周囲にも取り返しのつかない傷跡を残す。「すべての基本は正しい事実認定」というのは、異なる立場の司法関係者に共通する思いだ。

 今回の事件で司法が迷走した原因は、裁判での事実認定以前に、客観証拠の収集不足との指摘がある。公判で争うことを前提に捜査する成人事件と比べ、家裁に非行事実を送ることが主目的とされる少年事件は、捜査の不備を指摘されるケースが多い。成人事件と同様に少年審判でも争うことが前提なら、そういうケースも減るのではないか。

 さらに指摘したいのは、取り調べの問題だ。今回、「自白調書の信用性」が一貫した争点だったが、検証するすべがなかった。音声や映像で記録することはできないか。「供述しにくくなる」との反論もある。ならば、少年が了承した場合のみでもいい。付添人が立ち会うという方法もあるだろう。取り調べの透明性を確保する手だては必要だ

 「息子の死の真相が知りたい」と11年間言い続けた遺族。「灰色」の視線にさらされる7人。罪悪感や負い目がぬぐえない元生徒ら。山形マット死事件は「皆が不幸になった審判と裁判」と言われる。改正少年法は06年に見直される。事件が残した深く生々しい傷跡を無駄にしてほしくない。【山形支局・山根真紀】
毎日新聞 2004年7月1日 0時10分

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