【台北・飯田和郎】台湾総統選の開票結果をめぐる混乱収拾のため、陳水扁総統（民進党主席）と、連戦・国民党主席、宋楚瑜・親民党主席の与野党が２９日、開かれた。だが、野党側の要求を政府・与党側は受け入れず、トップ会談の日時など具体的合意には至らなかった。

　出席したのは邱義仁・総統府秘書長と、野党側の林豊正・国民党秘書長、蔡鐘雄・親民党秘書長。陳総統は「トップ会談の２９日開催」を呼びかけたが、野党側はそれに先立つ秘書長級の事前協議を逆提案した。

　野党側の２人の秘書長は投票日前日の総統銃撃事件の真相解明のため、総統権限による「緊急命令」を要求したが、邱氏は「緊急命令を発動する根拠がない」と突っぱねた。

　また、野党側は事件対応で多くの軍・警察機関の公務員が投票できなかったと主張。立法院で特別法を成立させ、事件解明と併せ、公務員が投票できなかった実態を把握するための調査委員会を設置すべきだと提案した。邱氏は「持ち帰って検討する」と述べ、柔軟な姿勢も示した。

　一方、野党側は２９日にも選挙無効などを求める訴えを台湾高等法院（高裁）に起こす構えだったが、同日は見送った。陳総統は提訴後、票再集計への同意書を提出すると確約しているが、野党側はトップ会談後の情勢をみて提訴することも検討しているという。

　野党側の主張の重点は、即時再集計から銃撃事件の究明などに移っており、再集計実施までは、まだ曲折がありそうだ。

［毎日新聞３月２９日］ ( 2004-03-29-19:56 )

http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20040330k0000m030045000c.html

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