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武装勢力、口止めと免責…解放3人質---「次は許さない」不気味な予告(ZAKZAK 2004/04/16)
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投稿者 まさちゃん 日時 2004 年 4 月 16 日 17:08:00:Sn9PPGX/.xYlo
 

武装勢力、口止めと免責…解放3人質---「次は許さない」不気味な予告


 【バグダッド16日=夕刊フジ特電】武装勢力が口止め−。イラクの中部ファルージャで誘拐された日本の民間人3人が昨15日夜、丸1週間ぶりに無事解放された。「聖戦士旅団」は保身から3人に口止めしたうえ、聖職者協会に免責を要求していることが16日、分かった。「次の人質は許さない」と不気味な殺害予告も。武装組織は解放の大義名分として、「日本国内で自衛隊撤退の機運が高まった」と誘拐を正当化する。3人は17日午後にアラブ首長国連邦のドバイ経由で帰国するが、フリージャーナリストら2人が行方不明のままで、依然緊張が続く。

  【モスクで引き渡し】

 解放された3人はフリージャーナリストの郡山総一郎さん(32)=東京都杉並区▽ボランティアの高遠菜穂子さん(34)=北海道千歳市▽市民団体代表の今井紀明さん(18)=札幌市西区。

 誘拐した武装組織「サラヤ・アル・ムジャヒディン」(聖戦士旅団)は15日午後3時35分(日本時間同日午後8時35分)、バグダッドのモスク(イスラム礼拝所)でイスラム教指導部「イラク・イスラム聖職者協会」幹部のクベイシ師に3人の身柄を渡した。

 誘拐発生から丸1週間になるが、メディカル検査の結果、極度に疲れてはいるものの、健康状態は良好だという。

  【やはり免責要求】

 現地関係者によると、聖戦士旅団は、ファルージャの高速道路のう回路で3人を襲い、近くの村に連行。監禁場所を3回も変えたという。

 クベイシ氏らの説得に応じて解放したが、予想通り、組織の安全を図るため、誘拐・監禁場所3人に事件のことを口外しないように脅迫した。

 イラク・イスラム聖職者協会と連合軍暫定当局(CPA)に、今回の犯行を免責するよう求めているという。

 解放が遅れた理由については、「(連合軍の攻勢で)組織の安全確保ができず、解放に手間取った」と説明していたという。

  【解放声明】

 聖戦士旅団名でクベイシ師に手渡した声明には、「日本で自衛隊撤退の機運が高まり、東京のデモではアラーの名を掲げてくれた。人質の家族の気持ちにも共感し、解放を決めた。日本政府が方針を変え、部隊を撤退させるように圧力をかけ続けてほしい」などと書かれていた。

 しかし、「日本人が次に人質になったら、許さない」と殺害予告もしたという。

  【犯人側から連絡】

 クベイシ師の説明だと、犯人グループ側から同日午前零時半(同午前5時半)ごろ、日本人3人を同日中に解放することを示唆する連絡が来た。犯人側が引き渡し場所を聞いてきたのに対し、協会側は首都バグダッドのアメリア地区にあるアルクベイシ・モスクに連れてくるよう要求した。

 「誰か来たら、わたしに伝えなさい」。クベイシ師はモスクの門衛に命じて、モスクの図書館で犯人グループの到着を待った。

 「顔を布で覆った男たちが来ました。あなたに会いたがっています」と、門衛が伝えたのは午後3時半(日本時間同8時半)前のこと。

 クベイシ師が門まで行くと、そこには覆面をした複数の男たちと3人の日本人が車から降りて待っていた。3人も布で目隠しをされていた。

 「3人の人質だ」。覆面の男が日本人を指さし、クベイシ師は「神の祝福のあらんことを」と祈りをささげた。男たちは声明文を手渡すと、車で立ち去った。

  【しゃべれない3人】

 解放された3人は、緊張してどうしゃべってよいか分からない様子だった。

 クベイシ師が「あなた方は自由だ」と言うと、「わたしたちは本当に自由になったんですか」。クベイシ師は「そう、そう。日本大使館から迎えが来るよ。あなた方の身に起こったことを気の毒に思う。しかし、もう安全だ」と3人を抱きしめた。

 このモスクで上村司イラク臨時代理大使が3人を保護し、身柄を大使館に移した。

  【長引いた解放】

 3人は7日未明、ヨルダンの首都アンマンからバグダッドにタクシーで向かう途中、ファルージャ付近で誘拐されたとみられる。

 聖戦士旅団は「陸上自衛隊が撤退しなければ、3人を殺害する」と要求したが、日本政府はこれを拒否していた。

 ファルージャでは連合軍とスンニ派の間で激しい戦闘が続いていたが、11日から停戦状態に入っていた。

 停戦合意を受ける形で、11日午前3時(日本時間)には、武装組織が「聖職者協会の要請を受け入れ、3人を解放する」とカタールの衛星テレビ局アルジャジーラを通じて発表した。結局、人質の3人はスンニ派の「交渉カード」として利用されたため、解放が長引いていた。

  【イタリアと明暗】

 3人は無事解放されたが、誘拐されたイタリアの4人の民間人のうち、1人は射殺された。

 イタリアは治安維持を目的に軍を派遣しており、武装組織側は人道復興支援のため南部サマワで活動する陸上自衛隊とは明らかに性格が違うと判断しているようだ。

 聖戦士旅団も「3人はイラクのために活動していることが分かったので解放する」と説明している。

  【続く緊張状態】

 バグダッド郊外のアブグレイブでは14日、フリージャーナリストの安田純平さん(30)と、市民団体メンバーの渡辺修孝さん(36)が取材中に武装組織に誘拐され、行方不明になっていることが明らかになった。

 16日になっても、武装組織側から犯行声明も要求もない。政府もCPAの協力を得て捜索を続けているが、いまだに行方は分かっていない。

  【あす帰国】

 3人は16日、バグダッドから日本政府のチャーター機で、アラブ首長国連邦のドバイに移る。

 情報収集のためアンマンの現地緊急対策本部で指揮を執っていた逢沢一郎外務副大臣がドバイで出迎え、3人はドバイから民間航空機で帰国の途に就くとみられる。

ZAKZAK 2004/04/16

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