★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 戦争53 > 523.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
Falluja封鎖殲滅作戦のつけ=道路が危険なため、混乱と物資不足に拍車=ロサンゼルスタイムズ4月20日(山本史郎訳)
http://www.asyura2.com/0403/war53/msg/523.html
投稿者 木田貴常 日時 2004 年 4 月 21 日 17:45:29:RlhpPT16qKgB2
 


2004年 4月21日 水曜日   □□□□ □■  (転送歓迎)

---------------------------------------------------------
  ☆★米軍の補給ルートは深刻な事態に
---------------------------------------------------------
●Road Perils in Iraq Add to Chaos, Shortages
道路が危険なため、混乱と物資不足に拍車
ロサンゼルスタイムズ 4月20日
By Nicholas Riccardi and Edmund Sanders, Times Staff Writers
http://www.latimes.com/news/nationworld/iraq/la-fg-roads20apr20,1,459055.story?coll=la-home-headlines

 バグダッド発/イラク南部の砂漠に無造作に設営された宿営地で
は、イラクの業者が怖がってテントを輸送できないために、アメリカ兵
はトラックやハンビー(軍用多目的車両)のなかで寝ている。

 スンニ派の三角地帯(スンニ・トライアングル)を通過する幹線道路
では、カラシニコフ銃を持った覆面姿の男たちが、かつて米軍の使用
していたコンクリート製の検問所を占拠している。

 そしてバグダッド空港では、イラク人トラック運転手が首都へのハイ
ウェイを走ったり他の米軍基地に物資を輸送する勇気を出すことを
拒否しているために、貨物が積み上げられている。

 バグダッドの中央市場では、荷主と商人が仕事にならないと悩んで
いる。

 この一月のあいだのイラクの突然の変化は、そのすべてが道路状
況からの制約をうけている。アメリカが率いる合同軍は、首都につな
がる補給路と連絡ルートのすべてを維持することができなかった。

 反乱勢力は主要な橋を吹き飛ばし、燃料輸送車の列をロケット砲
攻撃し、人質を捕らえた。深刻な物資不足はないけれども、イラクの
道路の危険な状態は国内の多くで混乱した意識を増大させた。

 週末には、米軍は戦闘を有利にしようと国内最大の幹線道路2本
を閉鎖すると発表したが、イラクの通商を切断し、経済的な失速の恐
れを増大させた。

 ジェーン・コンサルティング・グループの上級アナリストチャールズ・
ヘイマンは、その2本のルートが時々ゲリラの支配下に置かれる事
実を指摘して、「車の通行を確保できて、安心してヨルダン国境に
行ったりナジャフに南下できるようにするには、合同軍のとった措置
は良いものだ」と話した。 だが誰もその道路を掌握できないという事
実は、「良い兆候ではない」と指摘せざるをえなかった。

 米軍高官は、そのルート上でのゲリラ活動が増大した結果、供給不
足が一部に生じてきたと認めた。彼らはクウェートからさらに多くの物
資を空輸しており、車列の通行ルートと予定時刻を変更したりしてい
る。しかし、彼らは広い範囲での不足は生じておらず、ルートも奪還
すると断言した。

 イラクで兵站業務を担当する第13補給軍司令部のリチャード・シュ
ピーゲル少佐は、「幾つかのケースで、われわれは業務のやり方を
変更せねばならなくなったが、最低ラインは食糧、水、燃料、弾薬、
交換部品といった重要物資を必要とするところへ届けることだ」と
語った。「例えば、何カ所かの食堂で提供する食事の種類が少なく
なってないかと言えば、確かにそのとおりだが、しかし、まだ新鮮な食
料はたくさんある」。

 それでも、軍の作戦能力に深刻な影響を与えようと、反乱分子
が補給路の弱体化を必要としているだけのことだ、とヘイマンは言
う。「敵は連携してその活動に着手したようだ。それが合同軍の作戦
能力を低下させている」。

 サダム・フセインが倒されて以後、イラクの道路を走ることは危険な
仕事になった。 米軍の車列は待ち伏せ攻撃の標的にされ、武装し
た盗賊がハイウェイを走り回っている。

 しかしバグダッドでトラック輸送会社と大型バスを所有するマジド・フ
セイン・カドゥーンにとっては、外見の平静さは新たな突発的できごと
と一致しないものだ。彼の雇う運転手たちは、どのハイウェイが安全
で、どこが危ないかをよく知っている−−道路脇の爆弾、気をもませ
る米軍車列、盗賊。カドゥーンは、「今では毎日、事態が変わる」と指
摘する。「次の1キロ先に何があるか、判りようがないんだ」と。

 新しい変化は2週間前にファルージャの街近くで始まった。それ以
来、反乱者と海兵隊の間の激しい戦闘が、目まぐるしく変化するイラ
クの道路事情を明かしてみせた。

 米海兵隊はアメリカ人4人が殺されたあと4月5日にファルージャに
移動した。彼らはファルージャを通ってヨルダン国境に向かうバグダ
ッドからのハイウェイを閉鎖したのである。

 反乱者たちはハイウェイと平行して走る第二の道路を占拠すること
でこれに対応した。覆面をして銃を持った男たちが、その道路沿いに
ある元米軍の検問所を占拠し、別の裏通りも警戒し始めた。

 その地域を通ってヨルダンとのあいだを行き来する西欧人が拘束
されたり、殺されたりした。ヨルダンとのあいだを行き来する乗客を輸
送する大部分のイラク企業は、もはや西洋人と同行することはなく、
イラク人を運ぶことさえ慎重になっている。

 アヤド・アブドル・カリームは先週、4人のイラク人をヨルダンからバ
グダッドへ運んでいて、反乱者の検問所で止められた。警備の者が
乗客のパスポートを要求した。4人がイラク人であることは判ったが、
彼らは納得しなかった。金髪の乗客に狙いを定めた銃を持つ男が、
その男が本当にイラク人なのかと尋ねた。その乗客は北部の都市モ
スルの著名な部族出身だと答えた。銃を持つ男は、車の通行を許す
前に、別の地域の主だった部族について彼に質問した。

 「あそこには戻る気がしない」とカリームは言った。

 反乱者たちはバグダッドに向かう主要ハイウェイにも待ち伏せをお
こなっており、即席の検問所がわりに岩を転がして、米軍車列に攻
撃するのが通常だ。

 4月9日には、攻撃者は燃料輸送車列を壊滅し、ハリバートンの子
会社KBR(元ケロッグ・ブラウン・ルーツ社)のアメリカ人従業員を人
質にした。合同軍の基地に物資を供給しているKBRは、イラクでの
幾つかの配達業務を停止していると発表した。それは同社が出荷を
再開したと発表して以後のできごとである。

 反乱者はまたトルコ、インド、パキスタンのトラック運転手を短時間
拘束し、彼らがアメリカ軍のために再び仕事をすることはないという
条件で解放した。

 次は空港ハイウェイである。バグダッド国際空港はバグダッドの西
の端、ファルージャへの道路に近いところにある。

 空港の道路は長期に米軍車列への待ち伏せ現場となっていたが、
先週になって反乱者はトラックと車列への攻撃を増し、近隣地区に
今後さらに攻撃が増えると警告するリーフレットをまいた。カッシム・カ
ドゥーンにとってはそれで十分だった。43歳になる運転手は土曜日
まで、空港で物資を積み続けた。しかし、その日、燃やされた車の脇
を通り過ぎたあと、彼はなぜボロ車がターミナルに積み上げられてい
たのか理解した。

 カドゥーンは空港から補給物資を輸送する仕事を辞めた他のイラク
人に仲間入りした。「われわれは標的にされるのが心配だ」と彼は話
した。「自分たちの安全だけでなく、家族の将来も心配なんだ」。

 反乱者は南に向かう幹線道路にも攻撃した。バグダッドからシーア
派住民の多い地域(イラク南部)に向かうハイウェイは、これまで比較
的に平穏だった。しかし反米的な聖職者に従う民兵が2週間前、その
地域一帯で一連の攻撃を展開したのだ。

 2500人の米兵が民兵組織と戦うためにバグダッドから南へと方
向転換したとき、部隊は待ち伏せ攻撃に遭って、少なくとも兵士1人
が死亡し、イラクの大河にかかる橋を破壊した。新しい部隊は聖地ナ
ジャフの外に広がる砂漠地帯、前線作戦基地デュークに到着し、そこ
で悪夢に出くわした。

 軍の物資調達は飲み水から移動式のテントまであらゆるものを地
元の業者から仕入れる契約に署名した。しかし契約者はその物資を
届けることを尻ごみしたのだ。 「治安状況が悪化すれば、彼らは配
達しようとしない。これが今の事態だ」と補給の調整を手伝っているロ
ン・タラリコ陸軍大尉が説明した。

 一時的な水不足は解消されたが、キャンプはまだ2500人の兵士
に対して6個の移動式トイレしかない。その理由は、それを提供する
会社がハイウェイを通るのを嫌がっているからだ。シャワーも洗濯設
備もない。テントがないために、兵士は華氏100度(摂氏38度)の気
候のなか、それも激しい砂嵐のもとで、車両のなかで眠らざるをえな
いのだ。「ここは荒野だ」−−マット・ネザース中尉(24歳)は言った。
「陸軍のシステムはマトモじゃない」。

 米軍は幹線道路を確保しKBRの輸送車列を護衛するため、最新
式の80台の戦闘車両を含むストライカー旅団を急派した。別の米軍
部隊が要衝地であるクファで橋とロータリーから民兵を排除しようとし
て失敗した。

 そしてついに先週土曜日、軍当局は道路上の秩序回復のため、ナ
ジャフ周辺からバグダッドを通ってバラド市までのハイウェイを閉鎖す
ると発表した。月曜日には、彼らは閉鎖は変則的なもので、軍と修復
の必要性にもとづくものだと述べた。

 その変化は月曜日、バグダッドの商業地域にもゆっくりと波及した。
トラック運転手のフサイン・アビド・アリ(32歳)は、「週に最低三度は
南に行ってたのに、こんな状況だと仕事がなくなる」と語った。

 バグダッド中央市場のアル・ファジール運送会社のオーナーである
サヒブ・アハメド・シェミリは、得意先から品物を運んでくれと懇願され
たが、あえてトラックを出さなかったと言った。

 サアド・モハンメド・ハリドはあまり悩まなかった。このガソリンスタン
ド経営者(30歳)は、ちょうど輸送車が首都に入れなくなる事態に備
えて、地下のタンクに1ヶ月分のガソリンを貯蔵していたからだ。

 しかしハリドは、道路事情の混乱は国に重大な影響をもたらすだろ
う、すなわちそれによって合同軍への幻想か醒める者が増えるだろ
う、と予測した。「労働者が動けないなら、物資も移動できなくなるか
ら」とハリドは言った。「これはイラク国民の生命に大きな衝撃を与え
る。彼らはひじょうに混乱し、怒るだろう」。

    ( リカーディはバグダッドから、サンダースはクファから送稿し
   た。ファルージャにいるタイムズ記者トニー・ペリーと、バグダッド
   支局の二人がこの取材に協力した。)

---------------------------------------------------------
※ このニュース紹介は、freeMLを使ったメール形式で配信されて
います。下記URLから、誰でも無料購読の申込みができます。
http://www.freeml.com/ctrl/html/MLInfoForm/organizer-news
--------------------------------------------------------

 次へ  前へ

戦争53掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。