2004年4月19日（月)「人質事件から学ぶこと」 　日本人人質事件で解放された３人が無事帰国した。お帰りなさい。精神的ショックが大きいということで会見は中止されようだ。今後はしばらく休養された上で今回の事件について真実を話していただきたいと思う。「事件」の推移を見る限り、政府は緊急事態への対応能力が欠如し複雑なイラク社会とのネットワークが築けていないことを露呈した。この人質事件を通じて日本は何を学ぶべきか。これからの危機管理対応のためにも反省すべきことは反省し、ことの顛末をしっかりと整理しておくことが重要だ。昨年１１月の「日本人外交官殺害事件」も本質的な問題は同じであり、今もってこの事件が米国やイラク等の協力をえて調査された形跡はない。あの時に政府として充分な調査をしておれば、今回の事件への対応にも役立っていたはずである。
　今回は犯人グループの要求である「自衛隊のイラク撤退」に応ずることなく人質を解放できたことは評価できる。しかし裏でどのような取り引きがあったのか。人質事件の日本での過剰な報道振り、国民の高い関心を見る限りにおいて、人質は日本政府に対して「効果の高いカード」であることを認識させたことは間違いない。今後も同様の人質事件がいつ起きるかわからない。再発防止のために政府としてその対応策の改善をはかり、国民も自覚ある行動が重要だ。

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